サイレントヒル(SILENT HILL)のネタバレ解説・考察まとめ

『サイレントヒル』は、コナミが1999年に発売したサバイバルホラーゲームだ。主人公ハリーは養女シェリルとの休暇で観光地サイレントヒルを訪れるが、事故で娘を見失う。霧に覆われた不気味な町で娘を探すうち、悪夢のような裏世界を行き来することになる。奇怪な生物との戦いや謎解きを通じ、町の秘密と娘の運命に迫る。心理的恐怖を重視した独特の世界観で、後のホラーゲームに多大な影響を与えた作品である。

全知全能の存在。サイレントヒルの地に土着する教団が信仰する。
3派に分かれる"教団"の内、"聖女派"は特殊な力を持つ女性も胎内に宿し産み落とすことで"神"を召喚しようとしている。
ダリアは"神"の力によって世界を破壊し楽園を創造しようとしている。

『サイレントヒル』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

合計5つものマルチ・エンディング

本作には合計5つのエンディングが存在する。
シリーズで最も繋がりの深い『サイレントヒル3』に繋がるのは"GOOD"エンディングとされている。

GOOD+

死に際のアレッサに赤子を託され、シビルと共に異界を脱出したハリー。7年前と同じように、柔らかな日差しの中で赤子を抱き抱え、シビルと共に微笑む。
カウフマンのイベントをこなし、かつシビルが生存した場合のエンディング。このエンディングを迎えると、オープニングムービー冒頭の赤子を抱き抱えるシーンがラストシーンに変化する。

GOOD

死に際のアレッサに託された赤子を抱え、ハリーはただ1人脱出する。
カウフマンのイベントをこなし、シビルが死亡した場合のエンディング。

BAD+

"神"と一体となったアレッサを殺してしまい、絶望するハリー。シビルはそんな彼を奮い立たせる。
カウフマンのイベントをこなさず、シビルを生存させた場合のエンディング。

BAD

アレッサ=シェリルの死に絶望するハリー。次の瞬間、シーンが物語冒頭の事故直後に戻る。彼はサイレントヒルに辿り着く事も無く、車の運転席で息絶えていた。
カウフマンのイベントをこなさず、シビルも死亡した場合のエンディング。

UFO

何度かハリーに目撃されていた未確認飛行物体がとうとう彼の前に現れる。それは円盤型宇宙船であり、中から宇宙人が現れる。娘の居場所を尋ねてみるハリーであったが、有無を言わさず光線銃で気絶させられ、そのまま連れ去られてしまった。
"チャネリングストーン"を特定の場所で使用すると発生するイベントを全て見た場合の隠しエンディング。このエンディングは次回作『SILENT HILL 2』のUFOエンディングへと続いている。

クリーチャー"マンブラー"のデザイン問題

学校に出現するクリーチャー"マンブラー"は元は肌色の体色を持ったデザインのクリーチャーであったが、子供の形をした存在を殺すことができるということが問題となり、CESA倫理委員会によって却下されたため、現在の形に修正された。"ラーバル・ストーカー"もこの制作過程で生じたものである。

『サイレントヒル』のコンセプトの核はスティーブン・キングの『霧』

神秘主義やオカルトの要素が多々散見される本作だが、中でも特徴的なのは"霧"。
元々は技術面での限界とプレイ体験の溝を埋めるための折衷案として出された秀逸な演出だが、このコンセプトの核となったのはかのスティーブン・キングの著作『霧』だ。
『霧』はある日、突如として発生した濃霧とそこに蠢く怪物たちの魔の手から逃げるためスーパーマーケットに逃げ込んだ市民たちを描いた作品。
元々『サイレントヒル』はこの『霧』のゲーム化プロジェクトだった名残でこのような演出に至っている。
なお、『霧』という著作については、『ミスト』というタイトルで2007年公開にて映画化もされており"後味の悪い映画"として映画ファンを唸らせた名作。
閉鎖空間で市民たちの各々思惑が交錯する本作の人間模様は『サイレントヒルシリーズ』にも重なる部分が多い。他にも生と死の境界で錯乱する男を鮮烈な演出で描いた『ジェイコブズラダー』など、のオマージュも見受けられる点もホラーゲームとして一線を画する特徴でありながら、後世に絶大なインパクトを残した所以。

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