サイレントヒル(SILENT HILL)のネタバレ解説・考察まとめ
『サイレントヒル』は、コナミが1999年に発売したサバイバルホラーゲームだ。主人公ハリーは養女シェリルとの休暇で観光地サイレントヒルを訪れるが、事故で娘を見失う。霧に覆われた不気味な町で娘を探すうち、悪夢のような裏世界を行き来することになる。奇怪な生物との戦いや謎解きを通じ、町の秘密と娘の運命に迫る。心理的恐怖を重視した独特の世界観で、後のホラーゲームに多大な影響を与えた作品である。
シビル・ベネット
サイレントヒルの隣町、ブラマに常勤する女性警官。28歳。
職務に忠実で、サイレントヒルからの通信が途絶えたことで異変を察知し、真相を探るべく単身行動していた。
そして、サイレントヒルでハリーと出会い、共に町からの脱出を試みる。
作中では別行動なものの、ハリーには終始協力的で、最初にカフェで遭遇した時には護身用にハンドガンをくれる。物語の終盤ではアレッサを止めるべく遊園地に先回りしようとするが、道中で正体不明のクリーチャーに寄生され正気を失い、ボスとしてメリーゴーランドにてハリーの前に立ちはだかる。
銃器などを用いる強敵だが、彼女の生死はエンディング分岐に大きく関わる。
モンスター・シビル
ハリーと手分けして遊園地に先に向かったが道中で謎のクリーチャーに寄生され、正気を失ってしまった姿で、メリーゴーランドにて立ちはだかる。
眼は赤く染まっており、背中は血塗れ、ふらふらと不気味に歩いて距離を詰めてくる。
距離を取ると所持しているハンドガンで銃撃してくる上、近づくと近接攻撃を仕掛けてくる強敵。
ちなみに彼女が弾を撃ち尽くすか一定ダメージを受けると、銃を捨てて近接攻撃のみを仕掛けてくる。
なお、本作のストーリー分岐に関わるボス戦となっている。
サイレントヒルの住人たち
リサ・ガーランド
サイレントヒルの”アルケミラ病院”に勤務する看護婦。23歳。
場面ごとで性格に微妙な変化が見られ、やや情緒不安定な印象を受ける人物だが、一貫して何かに怯えている。
裏世界の病院でハリーと出会い、彼に助けを求める。他のナース達は怪物と化しているが、彼女のみ人としての姿を保っており、会話もできるが、彼女が登場するのは裏世界のみで、病院外へ連れ出すことは出来ない。
実は儀式により、全身火傷を負った重症のアレッサの看護担当だった。
本来なら死んでいるほどの火傷を負っているにも拘らず"神"を宿していたことで生き続けている彼女に恐怖し、カウフマンに辞意を伝える。
しかし、彼から口封じのために麻薬”PTV”を事前に投与されていたことで、一度は病院から去る事ができたものの、麻薬の中毒症状により精神も肉体も病んでいき、再び病院へ戻ってしまう。
そして、2度目の辞意を伝えた異変の直前、カウフマンに殺害されてゴーストとなり、自分が死んでいることにも気づかないまま裏世界に迷い込む。
ダリア・ギレスピー
謎多き女性だが、教団における"聖女派"の司祭。声と見た目は老婆のようであるが46歳。
最初は教会で出会うことになる。その後もハリーの行く先々に現れては、意味深な言葉を残して去っていく。
サイレントヒルに伝わる土着の宗教を強く信仰しており、語り口調にも色濃く反映されている。
本作における一連の事件の発端は彼女の野望に端を発し、全ての黒幕である。
アレッサの実母でもあり、彼女同様、不思議な力を持っていて儀式や呪法を扱い、しかも教団内での地位はかなり高く強い影響力を持つ。
彼女の野望は"神"の復活による世界の破壊と楽園の創造であり、アレッサを母胎とした儀式を通じて達成を目論むがより強い力を持った彼女の抵抗にあい、これらの事情を知らないハリーを騙して利用する。
終盤はハリーを操り、アレッサを捕らえることに成功し、"神"を復活させるが、復活した"神"に真っ先に殺されるという皮肉な結末を辿った。
マイケル・カウフマン
サイレントヒルの"アルケミラ病院"に勤める医師。50歳。
表面上は物静かで、落ち着いた雰囲気を醸し出しているが、本当は激昂しやすくプライドの高い人物。
異変には夜勤明けに巻き込まれている。初遭遇時はハリーに対し、事件に偶然巻き込まれた一般人であるように装っているが、実はダリアと共に、街の異変に大きく関与している。
正体はアルケミラ病院の院長。
儀式によって重体のアレッサを病院に監禁することを条件にダリアら"教団"から麻薬"PTV"の原料を授受し、サイレントヒルを訪れた観光客に売りさばいていた売人であり、さらには異変の直前にはリサを殺害した犯人。
街で起きている怪異の真相や"神"などについては教えられておらず、作中の状況には狼狽えている様子でダリアとはあくまで損得勘定を土台とした共犯関係。
最終局面では怪しげな動きをしているダリアの裏を描き、アレッサに"アグラオフォティス"を投げる。復活の阻止には至らなかったものの、"神"を不完全な状態で早産させることに繋がり、この事がハリーが神に打ち勝つ要因になった。
ハリーが神を倒した後、アレッサの導きによって脱出しようと光に向かって走る彼の後を追ったが、自信が殺害したために裏世界でゴーストと化したリサに掴まれ異界の闇へと引きずり込まれた。
アレッサ・ギレスピー
14歳で黒髪の少女。ハリーの行く先々に現れ、サイレントヒルの事件においてキーパーソンとなる。
シェリルをサイレントヒルへ導いた張本人であり、瞬間移動したりバリアを張るなど、数々の超能力を持つ。
その正体はダリアの儀式によって胎内に神を宿した"聖女"と呼ばれる存在。
元々はサイレントヒルに古くから土着する"教団"の"聖女派"の司祭ダリアの娘としてこの世に生を受けた。生まれつきの特殊な力のせいで、小学校ではクラスメイトからは”魔女"と呼ばれ虐められ、狂信的な母親からは虐待を受けており、散々な日々を送っていたが、作中では唯一と言っていいほどの常識的な感性と優しさを失っていない人物。
儀式の際に発生した大火災により大火傷を全身に負ってしまい、記録上は死亡したとされていた。
だが実際には胎内に宿る"神"の力でによって無理矢理生かされており、ダリアとカウフマンの陰謀によって、アルケミラ病院の地下に監禁されていた。
以後は胎動する"神"の力を抑え込もうと、自身の魂を分割し分身シェリルを生み出すが、復活を目論む母ダリアからはそれらがきっかけで呪法による拷問を7年間にも渡って受けていた。
それでもメイソン夫妻と暮らすシェリルの幸せを壊したくないという思いで耐えていたが限界に達し、それに呼応したシェリルを通じてサイレントヒルに呼び寄せることとなってしまった。
本作の序盤でシェリルと融合したことで完全回復し、"教団"の呪縛から放たれる。
その後は再び胎動し始めた"神"を、自分ごと滅ぼそうと、消滅の紋章"メトラトンの印章"を町の各所に描いていた。
最後の印章を遊園地に作り、"神"を自分や異世界ごと消そうとした後一歩のところで、ダリアに騙されたハリーに阻止され、遂に捕らえられてしまう。
最終決戦でカウフマンが登場する正規ルートでは、"神"が誕生する寸前に"アグラオフォティス"を投げつけられ不完全な"神"を早産。
ハリーと共にこれを倒すが瀕死となり最後の力を振り絞って自らの生まれ変わりである赤子をハリーに託すと共に、崩壊する世界の時間をせき止め、最期はハリーが元の世界に生還したことを見届けた後、静かに息絶えた。
アレッサ/インキュベーター
最終決戦においてアレッサを母体として覚醒した"神"。
Badエンドのルートだと、カウフマンが現れないため、こちらと対峙することになる。
アレッサの"神"に対するイメージが投影された姿をしており、白い衣を身に纏い光を放っている。
バリアのため、近づけず、銃撃による攻撃しか通用しない。青色の雷を落として攻撃してくるが、弾薬がない状態で一定時間が経過すると、アレッサの抵抗により自滅してしまう。
ジョディー・メイソン
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目次 - Contents
- 『サイレントヒル』の概要
- 『サイレントヒル』のあらすじ・ストーリー
- サイレントヒルへの到着
- 事故と異世界への導入
- 裏世界との遭遇
- シビル・ベネットとの出会い
- "ミッドウィッチ小学校"の探索
- ダリア・ギレスピーとの出会い
- 病院での発見
- リサ・ガーランドとの出会い
- "サマエルの印章"と湖への手がかり
- リサからの情報とカウフマンの秘密
- 真相への接近
- 遊園地での決戦
- アレッサの真実
- 全ての真相
- 最終決戦
- 『サイレントヒル』のゲームシステム
- 霧と闇
- クォータービューとサーチビュー
- 『サイレントヒル』の登場人物・キャラクター
- 怪異に巻き込まれていく人々
- ハロルド・"ハリー"・メイソン
- シェリル・メイソン
- シビル・ベネット
- モンスター・シビル
- サイレントヒルの住人たち
- リサ・ガーランド
- ダリア・ギレスピー
- マイケル・カウフマン
- アレッサ・ギレスピー
- アレッサ/インキュベーター
- ジョディー・メイソン
- 赤ん坊
- K.ゴードン
- 『サイレントヒル』のアイテム
- 武器
- ハンドガン
- ショットガン
- 狩猟用ライフル
- ハイパーブラスター
- 打撃系
- 調理用ナイフ
- 鉄パイプ
- ハンマー
- 斧
- チェーンソー
- 小型削岩機
- 日本刀
- ガソリン
- その他
- ライト
- 携帯ラジオ
- チャネリングストーン
- 消費アイテム
- 栄養剤
- 救急キット
- アンプル
- キーアイテム
- フラウロス
- アグラオフォティス
- サマエルの印章
- PTV
- 『サイレントヒル』の用語
- サイレントヒル
- クリーチャー
- 神
- 『サイレントヒル』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 合計5つものマルチ・エンディング
- GOOD+
- GOOD
- BAD+
- BAD
- UFO
- クリーチャー"マンブラー"のデザイン問題
- 『サイレントヒル』のコンセプトの核はスティーブン・キングの『霧』