君たちはどう生きるか(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『君たちはどう生きるか』とは、義母を救うために不可思議な世界を旅する少年の姿を描いた、宮崎駿によるアニメ映画。宮崎が「これで本当に最後」と明言して制作した作品で、宣伝も無く、公式HPも無く、一切情報を隠したまま公開されるという独特の手法で話題となった。
太平洋戦争が激化する最中、牧眞人は父と共に郊外へ引っ越し、そこで叔母で新たに自身の義母となるナツコと再会。どう接すればいいのか互いに戸惑う中、ナツコはいずこかへと姿を消し、眞人は彼女を連れ戻すために謎のアオサギに導かれて異界へと旅立っていく。

アオサギ

CV:菅田将暉

ナツコの家の庭に棲みついているアオサギ。異界から現世にやってきた存在らしく、口の奥には異様に大きい赤鼻を持つ禿頭の男の頭が隠れている。これが完全に露出した状態になると、「アオサギの着ぐるみを着た小太りの小男」といった形に体つきも変わる。
眞人が母のことでトラウマを抱えていることを知ると、これを散々にからかって弄ぶも、弱点である自分の風切り羽根を使った矢で射られて完全な鳥の姿に戻れなくなる。紆余曲折を経て異界の案内人となるも、当初は眞人を適当なところで打ち捨てるつもりでいた。彼が自分の傷を癒して飛べるようにしてくれたこと、「自分の友達だ」とはっきり言い切ったことで少しずつ態度を改め、本心から眞人を手助けするようになっていった。

母/ヒミ

CV:あいみょん(ヒミ/幼少期)

眞人の母親。病気で入院していた病院が火災に見舞われ、遺体も見つからないまま死亡する。
今の眞人と同じくらいの年頃の時に、塔に忍び込んで神隠しに遭い、1年ほど戻ってこなかったことがある。この時彼女は異界で過ごしており、彼女から見て未来からやってきた眞人と共に大冒険を繰り広げる。
異界では炎を操る力を披露しているが、これが何に由来するものなのかは不明。

キリコ

CV:柴咲コウ(若いキリコ)

ナツコの家で働く老婆の1人。他の老婆が眞人を「坊ちゃま」、「若旦那」と丁重に扱う中で「何か仕出かさないといいがね」と本人に聞こえないように揶揄するなど、少し意地の悪い性格。愛煙家で、眞人がタバコで使用人を懐柔していることを知った時は「蔵にある本物の弓矢を用意するから自分にもタバコをくれ」と取引を持ちかけていた。
異界でも同名の人物が登場するが、現世のキリコと比べるとかなり若い。精悍な女漁師で、異界に来たばかりで困惑する眞人を助け、アオサギと仲直りするよう助言した上で送り出す。終盤でヒミの時代に続く扉を通っていくシーンがあり、着物の柄も同じなことから、異界と現世のキリコは同一人物の可能性がある。

大叔父(おおおじ)

CV:火野正平

眞人の母の大叔父(祖父の兄弟)。眞人からすると「曾祖父の兄弟」だが、作中では一貫して「大叔父」とだけ呼ばれる。
博識で好奇心旺盛な人物で、数十年前に複数の世界に同時に存在する塔の性質に気付き、これを利用した理想世界の創生を志す。そのための準備は整ったものの、自分にもはや世界を生み出して管理するほどの力が残っていないことを理解し、その役を眞人に託そうとした。

インコ大王

CV:國村隼

大叔父がどこかの世界から持ち込んだセキセインコは、異界の中で進化し人間並みの巨体と手のように動かせる翼を手に入れていた。個体数も劇的に増加し、小規模ながら国ともいえるほどの組織を結成しており、インコ大王はその頂点に立つ存在である。
物語上の役柄は悪役だが、彼なりに異界の未来を真摯に考えており、部下に対しても誠実。インコたちの未来のために、眞人の母の大叔父との直談判に臨むも、異界崩壊の引き金を引いてしまう。

『君たちはどう生きるか』の用語

眞人の母の大叔父が、家の裏に立てた塔。その正体は明治時代の初期に宇宙から降ってきた穴だらけで内部が空洞になった巨大隕石で、不可思議な力を持つことに気付いた眞人の母の大叔父がこれを包み込む形で塔を作った。
複数の世界と時間軸に同時に存在しており、眞人の母の大叔父はこの性質を利用して一切の汚れの無い世界のパーツを集め、争いも貧富の差も無い真の理想世界を作ろうと考えていた。

異界

塔の底に広がる異世界。正式な名称は不明。キリコは「あの世」もしくは「地獄」に近い場所だと説明している。

『君たちはどう生きるか』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

眞人「ナツコお母さん!」

異界でナツコに拒絶された眞人は、「新しい家族とどう接すればいいのか分からず傷ついていたのは自分だけではない」ことに気付く。父のため、まだ見ぬ弟妹のため、そして自分自身のためにナツコをどうしても連れ帰らなければならないと考えた眞人は、咄嗟に「ナツコお母さん!」と叫んで彼女を新たな母として受け入れようとする。
眞人とナツコが家族としての関係を本当の意味でスタートさせた、短いながらも印象的なシーンである。

インコ大王「王らしく前に進んでいったと皆に伝えろ」

YAMAKUZIRA
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