007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』とは、シリーズ第25作目にあたる2021年のスパイ・アクション映画。主演のダニエル・クレイグは、本作を以てジェームズ・ボンド役を引退した。テロなどを陰で操る秘密組織・スペクターとの闘いを終え、00エージェントを退いたジェームズ・ボンドは、ジャマイカで平穏な日々を過ごしていた。ある日、CIAの旧友フィリックス・ライターから助けを求められ、誘拐された科学者の救出任務を引き受ける事になる。凶悪な最新技術を備えた謎の黒幕を追うボンドに、最大の危機が迫る。
アストンマーティン
『007』シリーズの車といえばアストンマーティン、というイメージを持つ従来のファンも多い。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、そのアステンマーティンが4台も登場する。
写真はイタリア・マテーラでボンドが運転している、アストンマーティンDB5。DB5は007シリーズで9回目の登場だが、今作では敵を倒すためにヘッドライトにはマシンガンが備えられており、防弾仕様も施されている。登場した車は他に、ビンテージカーのアストンマーティンV8サルーン、新007のノーミが駆るアストンマーティンDBSスーパーレッジェーラ、電動スーパーカーのアストンマーティンヴァルハラ等。いずれも映画を彩る名車である。
Qが託した腕時計型ガジェット
秘密基地に潜入する直前にQがボンドに託したアイテム。
試作段階だった様子で、「ハードワイヤード回路をショートさせます。パワーは強いはず。テストがまだ不十分でね」というQのシンプルな説明に、ボンドもその性能には懐疑的な反応だった。
しかし破壊力は十分で、プリモとの闘いの最中にアラーム音を発したところ、プリモの義眼がショートし倒す事に成功した。
使用されたのは「オメガ シーマスター ダイバー300M 007エディション」で、実際にオメガのレギュラーコレクションにも加わっている。
Q-DAR
秘密基地に潜入する直前にQがノーミに託した筒状で自立型のアイテム。
移動した空間をマッピングし、血液中のマイクロチップで居場所と生体反応を検知し、遠隔地にいるQに対象者の居場所を通知する。マイクロチップは、ボンドとノーミそれぞれの首筋に、Qが注射で打ち込んだ。
しかし、秘密基地の地下に潜入した際は通信不能で、Qが2人の居場所を検知しづらくなっていた。
ナノボットとヘラクレス計画
ナノボットとは、Mが政府の承認を得ず、密かに作らせていた秘密兵器。触れた者を感染させ即座に死なせる、ナノサイズの細菌型殺人兵器。しかし無差別テロの目的ではなく、あくまで国防の為に開発したもの。DNA解析データを持ち、特定の人物にしか感染しない特性を持つ。その開発は「ヘラクレス計画」と名付けられていた。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
ジェームズ・ボンド「君が恋しい」
ヴェスパー・リンドとは、『007/カジノ・ロワイヤル』におけるボンドウーマンで、ボンドの恋人だった女性。ボンドの任務に資金係として同行した、FATF(金融活動作業部隊)の連絡要員である。
その正体は、テロ組織「クウォンタム」に所属する二重スパイだった。ヴェスパーにはユセフ・カビラという名の愛人がいるが、「クウォンタム」は彼を人質にしてヴェスパーを利用していた。
ヴェスパーは、ボンドと恋に落ちた後も「クウォンタム」とは縁が切れず脅迫され、結果ボンドを裏切る事になった。
そして、ボンドの命を守るために、ポーカーで勝った金を「クウォンタム」に引き渡し、イタリアのヴェネツィアで入水自殺した。
実はこの「クウォンタム」が「スペクター」である事が、後の『007/スペクター』で判明する。
ヴェスパーを尋問し、脅迫していたのは、ミスター・ホワイトであった。
ボンドはシリーズを通して彼女の裏切りと死を引きずった。イタリア・マテーラを共に訪れたマドレーヌにも「ヴェスパーを許して」と気遣われ、墓地を訪れた。
ヴェスパーの墓の前に立ち、「君が恋しい」とつぶやくボンド。
しかし、その心の隙間を知るプロフェルドが、ヴェスパーの墓に細工をし爆撃テロを仕掛けたのだ。そしてプロフェルドの狙い通り、ボンドはマドレーヌを疑い、別れる事となった。
ジェームズ・ボンド「ボンドだ。ジェームズ・ボンド」
『007』シリーズを通して必ず使われる、ボンドの決め台詞といっていい自己紹介だ。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、Mとの面会の為にMI6を訪れた際、受付で入門許可証を発行してもらう為に、職員に「ボンドだ。ジェームズ・ボンド」と告げた。
これは、ボンドが00エージェントを引退していて一般人扱いだった為、必要な手続きだった。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
マドレーヌの回想シーンと子役の体当たりの熱演
映画の冒頭部分で幼いマドレーヌが、2階の自室でたまごっちで遊ぶシーンがあるが、形状から判断するに1990年代後半に発売された物と見られ、このシーンは西暦2000年より少し前の設定ではないかと推察される。
「能面の男」サフィンの急襲を受けた際、物陰に隠れたマドレーヌだが、偶然たまごっちのアラーム音が鳴り、サフィンに存在を察知されてしまった。
また、サフィンから逃れて氷の湖に転落したマドレーヌだが、この水中シーンは子役のコリーヌが、水深の深いウォータータンクで泳いで撮影したもの。
映画の公開前、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われたプレミアでは、その迫真の演技が観客の目をくぎ付けにし、コリーヌのシーンの終わりには会場全体に拍手が湧いたという。
ボンド中佐からクレイグ中佐に
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目次 - Contents
- 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の概要
- 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のあらすじ・ストーリー
- マドレーヌ・スワンの記憶
- エージェント引退後のジェームズ・ボンド
- 新たなミッションと危険な最新生物兵器
- ヘラクレス計画の真相とマドレーヌとの再会
- 遂に敵の秘密基地へ ジェームズ・ボンド最後の戦い
- 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ジェームズ・ボンド(演:ダニエル・クレイグ)
- マドレーヌ・スワン(演:レア・セドゥ)
- リューツィファー・サフィン(演:ラミ・マレック)
- MI6関係者
- Q(演:ベン・ウィショー)
- ノーミ(演:ラシャーナ・リンチ)
- M/ギャレス・マロリー(演:レイフ・ファインズ)
- イブ・マネーペニー(演:ナオミ・ハリス)
- ビル・タナー(演:ロニー・キリア)
- CIA関係者
- フィリックス・ライター(演:ジェフリー・ライト)
- ローガン・アッシュ(演:ビリー・マグヌッセン)
- パロマ(演:アナ・デ・アルマス)
- スペクター関係者
- エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド(演:クリストフ・ヴァルツ)
- プリモ(演: ダリ・ベンサラ)
- その他
- ヴァルド・オブルチェフ(演:デヴィッド・デンシック)
- マチルド(演:リサ=ドラ・ソネット)
- 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の用語
- スペクター
- MI6
- アストンマーティン
- Qが託した腕時計型ガジェット
- Q-DAR
- ナノボットとヘラクレス計画
- 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ジェームズ・ボンド「君が恋しい」
- ジェームズ・ボンド「ボンドだ。ジェームズ・ボンド」
- 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- マドレーヌの回想シーンと子役の体当たりの熱演
- ボンド中佐からクレイグ中佐に
- 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:ビリー・アイリッシュ「No Time To Die」
- 挿入歌:ルイ・アームストロング「We have all the time in the world」