ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』とは、2019年にアメリカで制作されたミステリー映画である。世界的なミステリー作家のハーラン・スロンビーの85歳の誕生日パーティーが開かれた。しかし、その翌朝ハーランは遺体となって見つかる。正体不明の誰かに雇われた探偵のブノワ・ブランは、パーティーに参加していた人間全員を疑っていた。『007』シリーズのダニエル・クレイグや『アベンジャーズ』シリーズのクリス・エヴァンスら豪華キャストが出演し、緊張感ありつつも、それぞれの思惑などをコミカルに描いている。
『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の概要
『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』とは、2019年にアメリカで制作されたミステリー映画である。世界的なミステリー作家のハーラン・スロンビーの85歳の誕生日パーティーが開かれた。裕福な家庭のスロンビー家は豪華な誕生日パーティーを楽しく過ごしていたはずだったが、パーティーの翌朝ハーランは遺体となって見つかってしまう。正体不明の人物に雇われた、私立探偵のブノワ・ブランは捜査の中でハーラン一家がハーランとは複雑な関係であったことを見抜いていく。家族全員が動機があると思える中、ブランはハーランの看護をしてたマルタという女性がカギを握っていると考える。そんな中ハーランの遺言書が開封され、なんとハーランの全財産は家族ではないマルタに継がせることが明かされる。それぞれの思惑が交わる中、ブランはこの事件には隠された何かがあると感じており、その秘密が明かされる。
監督・脚本は『スターウォーズ/最後のジェダイ』でもメガホンを務めた、ライアン・ジョンソン。私立探偵のブノワ・ブラン役に『007』シリーズのダニエル・クレイグ、一族の中で特に癖の強いランサム役に『アベンジャーズ』シリーズのクリス・エヴァンスが務めるなど、豪華キャストが出演している。
本作は批評家からの評価も高く、映画批評サイトのRotten Tomatoesでは97%の批評家支持率を得ている。またアメリカ衣装デザイナー組合賞を受賞しており、第92回アカデミー賞では脚本賞にノミネート、第77回ゴールデングローブ賞ではコメディ・ミュージカル映画部門の作品賞、主演男優賞、主演女優賞にノミネートされた。
『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』のあらすじ・ストーリー
ミステリー作家ハーランの死
世界的ミステリー作家ハーラン・スロンビーの85歳の誕生日パーティーが開かれた。しかし、その翌朝ハーランは朝ごはんを届けに部屋にきた家政婦のフランによって、喉を切られ亡くなった姿で発見される。
ハーランの死から一週間後、改めて警察の捜査が入った。警部補のエリオットとワグナー巡査は、ハーランの家族に一人一人事情聴取をすることにした。最初に聴取されたのは、ハーランの長女で不動産会社を経営しているリンダ・ドライズデール。次にリンダの夫のリチャード・ドライズデール。そして、ハーランの次男でハーランの出版物を制作する会社を経営しているウォルト・スロンビーと聴取が続いていく。ウォルトの次に呼ばれたのがジョニー・スロンビー。彼女はハーランの亡き長男ニール・スロンビーの妻で、現在は未亡人で1人娘のメグ・スロンビーと暮らしている。その次に話を聞かれたのはメグといった順番だった。彼らの聴取の言い分にはそれぞれ矛盾点があり、エリオットたちは怪訝な表情を浮かべていた。エリオットたちの捜査にはある男が加わっていた。その男は私立探偵のブノワ・ブラン。彼は警察の調査に協力することを申し出て、事情聴取の場に参加していた。ブランは誰かしらか依頼があり、捜査に参加していたのだった。
聴取を通してわかったのは、パーティー当日に早く来ていた人物が3人いたという。ウォルト、ジョニー、そしてリンダの息子のランサム・ドライズデールだ。ウォルトとジョニーはそれぞれハーランと話す理由があったことが聴取の中で確認が取れた。しかし、ランサムは事情聴取の場にいなかったため、どんなやり取りをしていたか不明だったが、ウォルトによればパーティー当日別室でハーランと激しい口論をしていたとのことだった。
マルタの癖
エリオットらは事情聴取の休憩をはさむ。エリオットは他殺の可能性は低いと、ハーランの自殺を確信していた。しかしブランは、他殺を疑っていた。ブランはハーランの看護婦のマルタ・カブレラを見つける。彼女は噓をつくと吐き気を催すという特殊な体質をもっていた。ブランは「昨日、ハーランの死亡記事の切り抜きと現金が入った封筒が私の元に届いた。誰かにこの事件の捜査を依頼されている」とエリオットに話す。ブランは何かしらこの事件に隠されていることがあると考えていたのだった。
次にマルタにパーティーの夜の事情聴取がされた。マルタはハーランに投薬注射を終えたらはやく寝るように促すが、ハーランは「囲碁をするまで寝ない」と聞く耳を持たない。仕方なく囲碁を始めるマルタだったが、劣勢になったハーランはわざと囲碁盤を落としてしまう。それと同時にハーランへの投薬用の瓶がふたつ落ちてしまう。マルタはそれを拾い上げ、囲碁を終え、薬の瓶を使ってハーランに注射を打っていく。投薬されながらハーランは家族への心残りを語っていた。
マルタは投薬後、モルヒネの瓶を取り出す。ハーランは「いつものか」と言い、楽しみな様子だ。マルタがモルヒネを注射器に入れようとしたとき、あることに気が付く。今まで投薬していたものが治療薬ではなく、モルヒネの瓶だったのだ。マルタは致死量のモルヒネを投薬してしまい、はやく解毒しなければ死んでしまうと焦るが、その解毒薬が見つからない。急いで救急車を呼ぼうとするマルタだったが、救急車が間に合わないと知ったハーランにその電話を止められてしまう。「話を聞け」というハーランを横に、「家族に知らせる」と下へ向かおうとするマルタ。しかし、ハーランはマルタの足に棒をひっかけ倒れさせる。その音に気づき、階下のジョニーは上へと上がってくる。ハーランはマルタに「君の母のためにも、君を守りたいんだ。今から私の言う通りにしなさい」と話し始める。
ハーランはマルタに殺害の容疑がかからないようにするトリックを話しだす。嘘をつくと吐く癖のあるマルタは、「警察の質問に正直に答えられない」と言っていたが、ハーランは「噓をつく必要はない。本当のことだけを答えればいいんだ」と話す。エリオットらの質問に本当のことだけを答えたマルタは、吐かずに事情聴取を終えたのだった。
遺言書の開封
マルタは自宅で事件当日のことを思い出していた。ハーランのトリックを聞いた後でも、それを拒否し続けたマルタ。しかしハーランが「私のためにも言う事に従ってくれ」と真剣に言われ、マルタはハーランの部屋を追い出される。しかし、やはり自分のアリバイ証明をすることが後ろめたいマルタはもう一度ハーランの部屋へと入ると、そこにはソファーに横たわったハーランがいた。ハーランは優しい口調で「言ったとおりにしろ。これで全てうまくいくはずだ」と言い、手に持っていたナイフで首を切り自決したのだ。マルタはその出来事にショックを受けるが、ハーランの思いを受け止めトリックをこなしたのだった。
翌日、ブランやマルタたちは防犯カメラの映像を見に、映像を管理している男であるMr. Proofrocを訪ねていた。事件当日の門前の映像を見ようとするが、肝心のテープが誤作動でうまく再生されずその場で見ることはなかった。しかし、実はマルタがこっそりビデオを取り出すボタンを押しており、誤作動に見せかけていたのだ。そしてハーランの部屋へときたマルタたち。すると外から犬の鳴き声が聞こえ、外をみてみるとそこにはランサムの姿があった。家族が全員揃い、ハーランの遺言書が開封される時間がせまっていた。そんな中、ウォルトはパーティーの夜にジェイコブがトイレにこもっている間、ランサムとハーランが言い合いするのが聞こえたことを話し出す。ジェイコブは「あの時聞こえたのは、『遺言書は、、、』それからしばらく怒鳴り合いが聞こえて、最後にランサムがこう言ったんだ。『後悔するぞ』って」とその日のことを話す。リンダがランサムに問いかけると、ウォルトが割って入り「わかるだろう。こいつは相続人から外れたんだ。これまで散々家に迷惑をかけてきたんだ」とランサムを罵倒し始める。ランサムは「お前も、お前も、お前もくそくらえ」と家族みんなに汚い言葉を投げかけ、怒鳴り合いとなってしまった。
喧騒から逃れるため、ブランとマルタは外に出た。するとどうやら庭にいた犬が持ってきたであろう、格子の破片が落ちていた。ブランがその周辺を探ると、中からは見えなかった3階の窓を見つける。二人は3階へと向かい隠し窓の存在を知る。ブランが隠し窓の近くを探すと乾いた泥が落ちていた。ワグナー巡査に泥を鑑識に回すよう話し、ついに証拠が出てきたとブランは勢いづいていた。一方マルタは少しずつでてくる自分のアリバイ証明の綻びに不安を隠せずにいたのだった。
ついに遺言書の開封が始まるときがやってきた。ハーランの遺言書はこうだった。「親愛なるリンダ、ウォルト、ジョニー。家族を相続から外すのは辛い決断だったが、皆がこれから協力して生きていくためにも必要な選択であった。これが最善の策である。私の資産はすべてマルタ・カブレラに遺贈する」家族全員が驚き、アランにつめよる。ランサムはその光景をみて笑っていた。リンダたちはマルタにも詰め寄るが、ブランに勧められマルタは外に逃げ出す。マルタ自身も混乱し、自分の車に乗ろうとするが家族がその行く手を阻む。そこに突如ランサムが車に乗って現れ、こっちに乗れという仕草をする。マルタは急いでランサムの車に乗り込み、ランサム達は走り去っていった。
協力者:ランサム
ランサムとマルタはレストランへ行き、休みをとっていた。ランサムはマルタに「なぜ、じいさんは君にすべてを渡したんだ」と問うが、マルタは「それはあなたたちが原因でしょ」と家族の根本に問題があることを告げる。ランサムはそれに対して納得した様子だった。マルタがランサムにハーランとどんな言い合いをしていたのか聞くと、ランサムは「お前には一銭たりともやらんとさ。それを聞いた時は『殺してやる』と思ったよ。家から出て車を走らせ、夜の中考えたよ。これからは自分の力で生きていくしかないとそう思えた。その時は不思議と頭がさえていたんだ」と話す。続けて、「俺が知っていることは3つ。まず、じいさんは自殺をしていない。根拠はないがな。そして君は嘘をついたら吐く。最後に君は豆とソーセージを食って満腹だ」と話し、マルタに「じいさんと何があったんだ。真実を話せ」と質問する。マルタはしょうがなくランサムに全てを打ち明けていた。ランサムは「家族には言わない。じいさんが命がけで守ろうとしていたことだ。金もそのままだ。俺が助けてやる」と意外な答えが返ってきた。なにか企んでいるのかと疑うマルタだったが、家族が憎いことと分け前をもらうために協力することを素直に答えるのだった。
マルタが翌日の朝起きると外が騒がしい様子だった。どこからか聞きつけたのかマルタがハーランの相続をすべて受けることを知り、取材に集まっていたのだ。マルタが急いで外に出ようとすると、玄関の前にウォルトが立っていた。ウォルトは心配する様子でマルタに話しかけるが、結局質問してきたのは「相続を戻す気はないのか」という質問だった。マルタは「それがハーランさんの遺志だ」と返すが、ウォルトはメグから聞きつけたようで、「このままでは、君の母が違法で海外から移住してきたのが世間に詮索され、ばれてしまう」と話す。マルタは「相続のお金は私のもの。必要なら自分で弁護士を雇ってなんとかするわ」とウォルトに話し、家へと戻った。マルタが部屋に戻り大量に届いた手紙の中に差出人不明の封筒があることに気づく。その中には「あなたがやったことを知っている」と書かれた、マルタの医療用バッグに取り付けられていたタグの写真とそこに付着した血液検査の結果のコピーがあった。
その頃、血液検査の結果などが保管されている検視局が火事になり、その現場にブランやエリオットらがいた。その現場にランサムやマルタが車で訪れ、検視局が火事になっていることを知る。マルタは「私を脅すために、ここまでするなんて」と動揺を隠せない。ランサムはマルタに「メールとかになにかにメッセージとかないのか」と聞く。マルタがメールを確認するとそこにはある住所と指定の時間に来るよう内容が書かれていた。そんな中ブランがマルタの車に気づき、ランサム達は逃げようとするも、結局ブランたちに追いつかれた。そこで、ブランは「ハーランの母がすべてを話してくれた。事件当日に3階まで上がった人物を見たと」その話しを聞きながら、ランサムがエリオットたちに連行されていく。どうやらマルタではなくランサムが容疑者として認知されているようだった。ブランはマルタの車に乗り込み、警察へと向かう。マルタはブランに寄りたいところがあると言い、メールに書かれた住所へと向かう。そこにはマルタの医療用バッグと椅子に座って発作を起こしているフランの姿があった。フランは「コピーは隠した。私は見たの、絶対に許さない」と話していた。マルタは自分の罪が明るみになるのを恐れず、フランを救うために救急車を呼び、応急処置を始めたのだった。フランはその場ではなんとか一命を取り留め、マルタはブランとともに病院の待合室にいた。マルタは「もうこれ以上耐えられない。色んな人を巻き込んでしまった。真実を話します」とブランに告げる。しかしブランは「ランサムさんが供述ですべて話してくれました。あなたも車の中ですべて話してください」とハーラン家へと向かうのだった。
事件は穴の開いたドーナツのよう
マルタはハーランの屋敷へと向かう車の中で事件の真実をすべてブランに話した。屋敷へ着き家族全員が待つ部屋へ行くマルタとブラン。マルタが事件の真実を話そうするが、その時ブランが急に割って入り、マルタを別の部屋に連れていく。マルタは再度ブランに「ランサムに聞いたでしょう。私が殺したんです」というが、ブランは「確かにそう聞いた。しかし、この事件は穴の開いたドーナツのようなんだ。あなたがパーティーの夜にハーランさんと起きた出来事は、一見その穴にぴったり収まるように思える。でもその穴をよく見ると、その中にもまた穴が開いていたんだ。」と話す。その場にいたエリオット達はなんの話をしているかとブランに呆れる。ブランは自身の推理を続けて話す。「依頼人から手紙が届いたのは、遺言の開封前だ。依頼人は遺言の内容を事前に知っていた人物になる。そしてその人物は何が起きたかも知っていて、マルタさんの相続の話を知っていたとすると、薬の取り違いについても知っていた可能性がある」ブランの指示で、ワグナー巡査がランサムを連れてきた。ブランはランサムに「全てを話してください。私を雇った理由は」とランサムがブランに匿名で依頼した人物だと言い出したのだ。ブランは自身の推理を続けて話す。
「事件の夜、あなたはハーランさんと口論をしましたね。その時ハーランさんは一銭も家族に相続しない。すべてマルタさんに相続させると言ったのでは。あなたは怒りに震えて家を飛び出した。マルタさんに告げた時のようにまさに冴えていたんだ。カメラに映らないように歩いて屋敷へと戻り、隠し扉からハーランさんの部屋へと忍び込んだ。マルタさんにハーランさんを死なせるよう仕組むため、薬の中身を入れ替え、解毒剤の中身をキットの中から抜き去った。故殺免責で後で相続金が入ればよかったんだ」と話す。マルタは「そんなのありえない。偶然私が手に取って注射したのが、」と話し、ブランは「いつもの鎮痛剤です。あなたは薬品の重さや感触などの感覚でわかっていたんだ。これまで何度となく扱ってきたからだ。あなたはハーランさんに正しい薬を与えた、優秀な看護師です。医療ミスはなく、血液も正常だった。死因は自殺だ」と続ける。マルタは動揺して座り込んでしまう。ランサムは「証拠がないだろう」と強く反論する。しかし、ブランは推理を続ける。「あなたは薬を戻すために、また夜遅く戻りました。しかしその時は犬が外にいたせいで、屋敷にいたメグを起こしてしまい、部屋へと行けなかった。しかし翌朝届いたのは、看護師マルタによる医療ミスではなく喉を切ったという自殺報道だった。そこで、状況を打開するために匿名で私を雇うという計画を立てた。マルタさんの罪を暴きつつ、相続金が自分に入るように仕向けた。次の日から捜査官や家族がどんどん屋敷に来て、医療バッグを持ち出すことができなくなった。そのため誰もがいなくなるタイミングの葬儀を欠席した。しかし、その姿をフランさんは見ていた。そこでフランさんはハーランさんの検査報告書のコピーを入手した。ランサムさんを陥れるために」マルタは「私に届いたのあの紙は」と問いかけると、ブランは「それはランサムさんに届いたものです。あなたはマルタさんの無実の証拠を葬るために、検査結果が保管されている場所を火事にした。そして、マルタさんにメールを送り、脅迫状をマルタさんの自宅に届けた。その後フランさんに会いにいった。フランさんにモルヒネを大量に注射し、後はマルタさんをおびき出すだけ。マルタさんにハーランさんとフランさんの二人を殺した罪をかぶせるだけだった。ただ、フランさんはこっそり検査結果のコピーを隠していたんだ。そして、マルタさんはその優しさでフランさんを救うことを選んだ。あなたの予想とは異なる行動を取ったんだ」と話す。
そこに病院から電話があり、フランの無事が確認されたとマルタが話す。フランに話を聞けば、ランサムの罪は明らかになる。ブランはエリオットたちにランサムを拘束させる。ランサムは「フランは生きていたんだろう。なら俺の罪は殺人未遂と放火ぐらいだろう。すぐ釈放されるさ」とマルタに突っかかる。するとマルタがランサムに向かって嘔吐したのだ。マルタはランサムをはめるために、フランが無事だったという嘘をついたのだ。ランサムはやけになり、近くに飾ってあったナイフをつかみマルタを刺し殺そうとする。しかし、そのナイフはおもちゃのナイフでランサムはマルタを殺すことはできなかった。すぐさまランサムは拘束されたのだった。
ランサムが警察に連れていかれ、二人で話すブランとマルタ。マルタは「この家族が心配。手を差し出すべきですか」とブランに問いかける。ブランは「私の考えは違いますが、自分の心に従えばいいのでは」と返し去っていく。マルタは部屋にかかっているハーランの絵を眺め、ベランダへと向かう。外にはスロンビー一家がおり、連行されるランサムを見ていた。そしてベランダにいるマルタに気づき、全員がマルタのことを見る。マルタはスロンビー家の家族を見ながら、「My house, My rules, My coffee(私の家、私のルール、私のコーヒー)」と書かれたマグカップで飲み物を飲むのだった。
『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の登場人物・キャラクター
主要登場人物
ハーラン・スロンビー(演:クリストファー・プラマー)
出典: eiga.k-img.com
日本語吹き替え:小林清志
世界的ミステリー作家。自身の85歳の誕生日パーティーの翌朝遺体となって発見される。詳細な病名は明かされていないが、病気を持っておりマルタから治療のための投薬を毎日受けていた。家族よりもいつも介抱してくれるマルタとの絆が強く、年の差がありながらも親友のように慕っていた。マルタとは囲碁の勝負をよくしており、いつも負けていた。治療の投薬と同時にモルヒネを「いつもの遊び」としてマルタから打ってもらっていた。しかし、パーティーの当日は投薬の薬との取り違いにより、モルヒネを接種許容量以上打たれ自分が死ぬことをさとる。マルタが捕まることを危惧した彼は、自殺と見せかけるためのトリックを仕掛けマルタを救おうとし、自身は首を切って自殺してしまった。自身の作家活動により裕福な生活となったものの、ハーランの家族たちはその恩恵を受けすぎてしまったことにハーランは死の間際まで危惧していた。
ブノワ・ブラン(演:ダニエル・クレイグ)
出典: eiga.k-img.com
日本語吹き替え:藤真秀
名探偵として名を馳せている、私立探偵。匿名の人物から依頼をもらい事件の調査に協力していた。当初からハーランの家族達の噓を最初から見抜いており、ハーランとその家族の財産を取り巻く複雑な関係に気づいていた。またマルタが事件に関わっていることにも、マルタの靴に血痕がついていることで気づいていた。有名な探偵で、エリオット警部やワグナー巡査もその名を知っているほどだった。ブランは今回の事件を真実が見えてこないことから「穴の開いたドーナツ」と例えていた。ランサムが仕組んだマルタとハーランを陥れた罠をも見破り、事件解決に辿り着いた。
ヒュー・ランサム・ドライズデール(演:クリス・エヴァンス)
出典: eiga.k-img.com
日本語吹き替え:中村悠一
ハーランの孫で、リチャードとリンダの息子。家族からは「ばか息子」と呼ばれており、素行や態度が問題視されている。ハーランが死に至った元凶。ハーランから遺産相続人から外され、マルタに全財産を継がせることを知り、遺産相続を無効にさせるためにマルタにハーラン殺害容疑のトリックを仕掛けた。マルタがハーランに投薬治療とモルヒネを打つこと知っていたため、取り違いをさせるように仕組んだ。しかし、マルタはわずかな薬の感触で取り違いをしていなかったことが判明すると、今度はフラン殺害容疑の濡れ衣を着せようとする。しかし、それも失敗に終わり、あろうことかマルタの嘘によってフランの殺害が暴かれ、あえなく逮捕となった。
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スター・ウォーズのチケット争奪戦で日劇大混乱…けが人も多数発生
2017年に『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が公開され、日本でも大フィーバーとなりました。有楽町のTOHOシネマズ日劇では、事前に整理券を購入した人だけが参加できる上映カウントダウンの点灯式が行われました。ファンたちは徹夜したり始発の電車に乗ったりしてチケット争奪戦が繰り広げられ、エレベーターに殺到してけが人が多く出るなど大混乱となりました。
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目次 - Contents
- 『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の概要
- 『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』のあらすじ・ストーリー
- ミステリー作家ハーランの死
- マルタの癖
- 遺言書の開封
- 協力者:ランサム
- 事件は穴の開いたドーナツのよう
- 『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の登場人物・キャラクター
- 主要登場人物
- ハーラン・スロンビー(演:クリストファー・プラマー)
- ブノワ・ブラン(演:ダニエル・クレイグ)
- ヒュー・ランサム・ドライズデール(演:クリス・エヴァンス)
- マルタ・カブレラ(演:アナ・デ・アルマス)
- 捜査陣
- エリオット警部補(演:ラキース・スタンフィールド)
- ワグナー巡査(演:ノア・セガン)
- ハーランの家族
- リンダ・ドライズデール(演:ジェイミー・リー・カーティス)
- ウォルター・スロンビー(ウォルト)(演:マイケル・シャノン)
- リチャード・ドライズデール(演:ドン・ジョンソン)
- ジョニー・スロンビー(演:トニ・コレット)
- メーガン・スロンビー(メグ)(演: キャサリン・ラングフォード)
- ジェイコブ・スロンビー(演:ジェイデン・マーテル)
- ドナ・スロンビー(演:リキ・リンドホーム)
- ワネッタ・スロンビー(グレート・ナナ)(演:K・カラン)
- ハーランの周辺人物
- フラン(演:エディ・パターソン)
- アラン・スティーヴンス(演:フランク・オズ)
- Mr. Proofroc(演:M・エメット・ウォルシュ)
- その他の登場人物
- カブレラ夫人(演:マーリーン・フォルテ)
- 探偵ハードロック(声:ジョセフ・ゴードン=レヴィット(カメオ出演))
- 『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の用語
- モルヒネ
- 故殺免責
- 『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ランサム「くそくらえ」
- ブラン「あなたはハーランさんに正しい薬を与えた、優秀な看護師です」
- マルタ「彼ら(ハーランの家族)に手を差し出すべき」
- 『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 映画制作の決定の経緯
- タイトル『ナイブズ・アウト』の意味
- ラストシーンで使われたマグカップ
- 『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の主題歌・挿入歌
- エンディング曲 The Rolling Stones 「Sweet Virginia」