赤司征十郎（黒子のバスケ）とは【徹底解説・考察まとめ】

全員ゾーン

赤司の完璧なパスによって潜在能力が限界まで引き出された事により、集中力が増した状態。本来なら「キセキの世代」や彼らに近い能力を持った人物だけがゾーンに入れるが、赤司のパスによりチームメイトがゾーンに近い状態になれる。
自分自身の得意としている技だけではなく全体的に動きが良くなり基本能力が何段階も上がりミスが無くなる。その結果、相手の付け入る隙が無くなりチーム自体が完璧になる。試合を観ている他校の選手ですら戦慄を覚える程の完璧度、強さを見せる。

空中装填式3ポイントシュート

ウィンターカップ準決勝の洛山高校との試合で緑間と高尾和成（たかおかずなり）が見せたコンビプレー。緑間がボールを持っていない状態でシュートモーションに入り、そこに高尾からのドンピシャのパスを空中で受けてそのまま3ポイントを打つ。
ジャバウォックとのエキシビジョンマッチでヴォーパル・ソーズが追撃の手を失いかけ、緑間へのダブルチームに対応する為に赤司が提案する。
赤司は賭けと言うが、高尾と同様に高い精度のパスを出す赤司を信頼している緑間には何の不安もなく技を実行。本来、緑間とコンビを組む高尾が完璧と認める程の完成度でジャバウォックを追撃した。

赤司征十郎の来歴・活躍

帝光中時代

1年生ながら最初のテストでいきなり帝光中1軍入りをした赤司。彼の他に緑間、青峰、紫原と後に「キセキの世代」と呼ばれるメンバーも同様だ。練習後に居残り練習をしている青峰を訪ねた赤司は、そこで3軍でありながら懸命に練習に励む黒子に出会う。赤司は黒子に、バスケを懸命に練習していながらその空気が全くないと感じた。それと同時に黒子が他の選手とは異質であると感じ取る。
後日、黒子の昇格テストを見た赤司は、彼の影の薄さを活かしたミスディレクションとパスセンスを確信。黒子を1軍へ招き入れた。
一方でチーム内である変化が起きる。キャプテンを務めていた虹村が家庭の事情でその役目を退いたのだ。新キャプテンに任命された赤司は新たに黄瀬が加わった「キセキの世代」を率いて全中優勝を果たす。それと時を同じくして各「キセキの世代」のメンバーの才能が開花し始めた。それが最初に顕著に出たのが青峰だった。
圧倒的な青峰のパフォーマンスを前に相手チームは戦意を喪失。青峰も以前と変わって練習をサボる様になった。そして紫原も同じく、練習に出たくないと言い出したのだ。自分勝手な紫原を戒めようと赤司は彼に1 on 1を挑む。しかし才能を開花させた紫原に赤司は追い詰められていく。その時、別人格の赤司が目を覚ました。別人格の赤司は今までと打って変わって圧倒的なスキルと圧力で紫原を抑え込んだのだ。その1 on 1を通して赤司はチームプレーを止めて、個々のスキルで試合に臨む様に指示を出す。
帝光中は今までよりも更に強くなかったが、バラバラの状態に陥った。勝つ事が全てになった「キセキの世代」は3年最後の全中も圧勝で終える。
それぞれが異なる高校へ進学する事になった「キセキの世代」のメンバーを前に赤司は、今後はお互いが強力な敵である事、「キセキの世代」という枠組みを嫌悪し自分自身がNo.1である証明を高校の舞台でする事を告げた。

ウィンターカップ準決勝 秀徳戦

中学時代のチームメイトである緑間擁する秀徳高校と決勝進出をかけて対戦。序盤はお互いの力が拮抗し、前半を同点で終える。
後半に入ると赤司のリードで実渕、葉山、根布谷が得点を重ねていく。秀徳も、緑間がダブルチームに付かれている状態でも3ポイントを決めて追いすがる。
赤司は緑間を止めるべくマークチェンジ。赤司が「エンペラーアイ」を使って緑間をディフェンスする事により、秀徳の得点が止まる。オフェンスでも赤司による的確なパスで選手が活性化し点差を広げる。追い詰められた秀徳は緑間とポイントガードの高尾による空中装填式3ポイントシュートで再び洛山を追いかける。緑間のプレーで洛山メンバーは浮足立つが、赤司の発破により本来のプレーを取り戻す。
空中装填式3ポイントシュートは緑間の利き手である左側からしかパスを受けられないという弱点を見抜いた赤司は高尾から緑間へのパスをスティール。最後まで追いすがった秀徳を赤司は圧倒的な力でねじ伏せた。

ウィンターカップ決勝 誠凛戦

序盤は誠凛の火神がいきなりゾーンに入り、攻守でチームを引っ張る。様子を見ていた赤司は葉山とマークチェンジをして火神にマッチアップし始める。赤司は「エンペラーアイ」でまず火神の「メテオジャム」を封じた。直後のオフェンスでは「アンクルブレイク」で火神の足を崩して赤司がエース対決を制す。
黒子を再び投入し彼のパスを起点に攻める誠凛。しかし黒子はミスディレクションが使えなくなっており、パスがカットされる。赤司は黒子が「ファントムシュート」や「バニッシングドライブ」を身に付けた事により影の薄さが無くなった事を告げる。その間に洛山が誠凛を捕らえた。
第2クォーターからは「無冠の五将」の3人が得点を獲り始めた。赤司が「新型の幻のシックスマン」である黛千尋（まゆずみちひろ）を経由して3人にボールを回しているのだ。黛はパスコースを塞がれても自ら得点を獲る事ができ、徐々に誠凛を追い詰めていく。
誠凛は奇策で1年生の降旗光樹（ふりはたこうき）を赤司のマークに付ける。赤司とインサイドでの勝負と黛封じが狙いだ。しかし赤司は必殺の「アンクルブレイク」で降旗から得点を奪い、誠凛の作戦を破る。
洛山はタイムアウト明け、シューティングガード対決に持ち込む。洛山は実渕、誠凛はキャプテンの日向順平（ひゅうがじゅんぺい）が3ポイントを決め合う。しかし実渕は「天」、「地」、「虚空」のシュートを使い分けてこの勝負を制す。誠凛は攻めの中心をエースセンターの木吉鉄平（きよしてっぺい）に切り替えるが、洛山の根布谷がパワーを活かしたプレーで木吉を圧倒する。そしてそんな洛山の調子の良さを誇示するかの様に、赤司はアリウープでダンクを決めて前半を終えた。
赤司は前半で誠凛を追い詰めたが、油断はしていない。ハーフタイムに実渕へ誠凛のかなめで3ポインターの日向に止めを刺す様に指示し、後半開始早々に4ファウルに追い込む。更に赤司は火神を徹底的に「エンペラーアイ」で封じる。
そんな中でも黒子は赤司に立ち向かう。黒子は黛のマークに付くもシュートを連発で決められる。しかしそれはミスディレクションをしていた黛に注目を集めさせる様に仕向ける黒子の作戦だった。黒子は元の影の薄さを取り戻し、火神も再びゾーンに入り、誠凛は勢いを取り戻す。
そんな中、赤司は火神の視線誘導で黛を利用する。しかし他の「無冠の五将」達も誠凛メンバーに押され、遂に赤司は洛山メンバーに見切りを付ける。それがトリガーとなり、赤司は「ゾーン」に入り、同じくゾーン状態の火神を圧倒。黛や「無冠の五将」達が驚愕する程の力によって攻守で試合を支配し始める。赤司を火神1人では止められないと感じた黒子は、火神との連携によって赤司からのスティールに成功。ゾーン状態でありながら「エンペラーアイ」を破られた赤司は初めて敗北を感じる。ゾーンが解けてプレーも散漫になり、その不協和音は洛山全体に広がり、実渕達のシュートも入らなくなる。その隙に誠凛は洛山を猛追。1ゴール差まで迫った。
この緊急事態に洛山はタイムアウトを取る。洛山の監督である白金永治（しろがねえいじ）は赤司を下げようとした。しかし黛がそれを遮り、毒舌混じりに赤司へ発破を掛ける。それが切っ掛けとなり、本来の赤司が目を覚ました。タイムアウト空けにその変化に気付いた火神は赤司を警戒するが抜かれ、黒子もスティールに失敗。同時に赤司は「完璧なパス」で実渕の得点を演出する。そのパスにより試合を観ていた「キセキの世代」や黒子は赤司が昔の彼に戻っている事を確信するも、火神からすると赤司個人への脅威を感じなかった。しかし観客席の各校のポイントガード達は赤司の完璧さに戦慄していた。
赤司は「完璧なパス」により洛山メンバーが「全員ゾーン」に入り、再び誠凛を追い詰める。「全員ゾーン」の洛山とは逆に誠凛は体力がもうない状態だった。しかし会場からの声援で息を吹き返す。それと同時に火神は青峰ですら辿り着けなかった「ゾーン」の先を見出す。
洛山は止めを刺すべく攻め入るが、火神が「ゾーン」に入り、彼のスピーディーな動きに誠凛メンバーが合わせられる様に連携し洛山の攻撃を止めた。火神のゾーンスピードに合わせた誠凛による連携プレーである「ダイレクトドライブゾーン」で誠凛が再び猛追する。赤司が「エンペラーアイ」で洛山メンバーをサポートしているが、誠凛の勢いが衰えない。そんな中、赤司は「アンクルブレイク」で火神を崩して値千金のシュートを決める。
残り40秒で5点差。火神が得点を決めて点差を詰めるも洛山は動じない。パスを回し、足が限界の木吉の所から攻めようとする。そこに隙が生まれ誠凛の「イーグルアイ」の使い手である伊月俊（いづきしゅん）にスティールされてしまう。そして伊月から日向に偶然にも赤司と同じ「完璧なパス」が渡る。この瞬間、マークに付いていた実渕は日向の3ポイントが入る事を確信。思わずブロックに跳んでしまいファウルとなる。日向は「天」のシュートで得点し、バスケットカウントでフリースロー1本を獲得し逆転のチャンスを得た。
日向が打ったフリースローはリバウンド勝負になり、これを木吉が最後の力を振り絞ってもぎ取る。残り時間3秒。洛山は全員がシュートを警戒。しかし誰かが打つと意識が向いた瞬間に黒子が「ミスディレクション」を発動し、黛のマークを振り切り最後のシュートを狙う。それを読んでいた赤司はブロックに跳ぶ。しかし黒子は最後にチームプレーを選択してパスに切り替え、火神の逆転アリウープを演出した。
誠凛がウィンターカップ優勝を果たし、赤司は初めての敗北を経験。涙ながらに黒子と彼が貫いたチームプレー、誠凛の勝利を称えた。

エキシビジョンマッチ ジャバウォック戦

アメリカのストリートバスケチームで人気のジャバウォックと対戦。「キセキの世代」の先輩達が結成したチームをジャバウォックがこけにした為、「キセキの世代」に火神大我（かがみたいが）を加えたドリームチーム、ヴォーパル・ソーズでリベンジマッチに臨む。
試合序盤は「キセキの世代」が各所で活躍しヴォーパル・ソーズがリードする。しかしジャバウォックのセンター、ジェイソン・シルバーが実力を発揮。青峰以上のスピード、紫原以上のパワー、火神以上のジャンプ力に加えた凶暴性もあるプレーでヴォーパル・ソーズを苦しめる。先読みに長けた赤司ですらブロックされてしまい攻守両面で追い詰められていく。
ヴォーパル・ソーズはシルバー対策で火神と黒子を投入。火神のパワーと黒子のミスディレクションを活かした戦術でヴォーパル・ソーズは反撃に転じる。しかし後半に入るとジャバウォックのリーダー、ナッシュが超高速のノーモーションパスで味方の得点を演出。マークに付いていた黄瀬やヴォーパル・ソーズのメンバーは対抗できなくなる。
大差を付けられたヴォーパル・ソーズは、ナッシュとシルバーを止める為に赤司が再びコートイン。併せて青峰と黄瀬がゾーンに入りシルバーをダブルチームで抑え始めた。しかしナッシュのパスにより他の選手が得点を伸ばす。そんなチーム状況に黄瀬は危機感を覚えてディフェンスでは1人でシルバーを抑え、オフェンスでは「ゾーン」に「パーフェクトコピー」を加えて獅子奮迅の活躍をする。
そんな黄瀬の姿を見た赤司は勝つ為に別人格の赤司を再び呼び起こす。「エンペラーアイ」を駆使して彼はナッシュをも封じ始める。加えて緑間との空中装填式3ポイントシュートの連携で点差を詰めていく。しかしジャバウォックはナッシュが赤司の「エンペラーアイ」より優れた「魔王の眼（ベリアルアイ）」を使い優位に立つ。黄瀬、紫原の離脱で窮地に立たされたヴォーパル・ソーズ。そんな時、火神と青峰が同時に「ゾーン」へ入り黒子のパスを活かして得点を重ねる。一方でナッシュが赤司、緑間を「ベリアルアイ」を使ったドリブルでかわし、火神の上からダンクを叩き込む。ストリートバスケのスタイルから洗練されたスタイルになったナッシュ。別人格の赤司はナッシュを止められない。そこで、不完全だった「エンペラーアイ」と「完璧なパス」を出す為のコートビジョンを合わせるべく、主人格の赤司に元の1人に戻る事を提案する。元の1人に戻った赤司は完成された「エンペラーアイ」でナッシュのドリブルをカットし、緑間の3ポイントを演出。1点差に詰め寄り残り10秒。ジャバウォックはパスをじっくり回しボールをキープする。そこへ黒子が「ミスディレクション」を活かしてボールをスティール。速攻で黒子が青峰と火神のダンクを引き出し逆転勝利した。

赤司征十郎の関連人物・キャラクター

黒子テツヤ（くろこてつや）

CV：小野賢章
誠凛高校バスケ部1年。背番号は11。身長168cm、体重57kg、誕生日は1月31日。
『黒子のバスケ』の主人公。強豪の帝光中学時代は影の薄さを利用してシックスマンとして活躍。全中3連覇を経験した。
相手の視線を誘導する「ミスディレクション」を使うパスやスティールを得意としている。中学入学当時は何の取り得もない選手だったが、赤司によって影の薄さを見出される。最初は「キセキの世代」と上手く連携していたが、彼らそれぞれが飛び抜けた才能を開花させた頃から歪みが生じる。チーム戦略も1 on 1主体になり、3年になる頃にはチームは圧倒的に強いながらも黒子の役割はほとんど無くなっていた。全中決勝で親友のチームを得点でも精神的にも「キセキの世代」がボロボロにした事により、帝光バスケ部を退部。
誠凛高校で新たな相棒である火神と組んで打倒「キセキの世代」に挑む。

火神大我（かがみたいが）