メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット（MGS4）のネタバレ解説・考察まとめ

『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット（MGS4）』の概要

『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット（MGS4）』とはコナミデジタルエンタテインメントから発売された小島プロダクション開発のPlayStation 3専用ソフト。ゲーム業界では珍しく全世界同時発売、その際に3種類のパッケージ販売も行っており、通常版と本編ディスクと特典Blu-ray Discを同梱したスペシャルエディション、そのスペシャルエディションとPS3本体をセットにしたプレミアムパックを発売。そしてソニーコンピュータエンタテインメントから『PLAYSTATION3 METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS WELCOME BOX with DUALSHOCK3』が発売された。
本作の物語のテーマは「SENSE」で作中では感覚、意志、遺志などの文字にルビが張られている。そして、「隠れるところはない （NO PLACE TO HIDE）」としてステルスアクションでありながら隠れられる場所が従来のシリーズより少なくなっている。その代わりの要素として壁や床の材質をコピーできる「オクトカムスーツ」を使って周囲と同化しながら気配を消して隠密行動をしていくことになる。本作は「民兵」と「PMC（民間軍事会社）」との戦争に巻き込まれながら潜入任務を進行していくことになるが、PMCは「SOPシステム」というナノマシンによる管理がなされて敵味方の識別が明確になっているため常に敵対状態である。民兵は手助けしたりアイテムを渡すなどすると味方になってくれる。逆に民兵を攻撃すると敵対状態になり余計に戦況が悪化するので注意が必要である。今作では様々な武器が登場するがPMCの武器はナノマシンによるID管理がなされているため基本的に拾っても使用することはできない。しかし「ドレビン」という武器商人に頼めば武器のロックを解除してもらえる。
物語もシリーズ集大成ということもあり、歴代のキャラクターたちが総出演している。過去シリーズの謎や登場人物たちの結末も丁寧に描かれている。物語は『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ（MGS2）』のビッグ・シェル占拠事件により世論の反発でアメリカは正規軍の派兵が困難になり、そのかわりとしてPMCを起用。ひとたびPMCに大きな勢いがつくようになる。ナノマシンによる「SOPシステム」の確立により兵士、武器、無人機、そしてそこから生み出される戦場でさえも管理され、まさに戦争がビジネスとなった世の中で主人公のソリッド・スネークはかつて伝説とよばれた「ビッグ・ボス」こと「ネイキッド・スネーク」のクローンであり、その因果で寿命が短く、年齢40代にして70代の老人のような外見に変わり果て、発作に悩まされるようになった。スネークは元上官である「ロイ・キャンベル」の非公式の依頼でPMCを統括して大規模なクーデターを目論む宿敵「リキッド・オセロット」の暗殺を請け負う。スネークはこれを生涯最後の任務として老いた体にムチ打ちながらリキッドを追っていく。

『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット（MGS4）』のあらすじ・ストーリー

ACT：1 LIQUID SUN

『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ（MGS2）』のソリダス・スネーク率いるテロ集団「サンズ・オブ・リバティ」による海上除染施設「ビッグシェル」が占領された事件後、世論の反発でアメリカは正規軍を派兵することが困難になった。そこで軍事的サービスを行う民間軍事企業、通称PMCでこれらを代替させる。そして瞬く間にPMCは勢いをつけていき、それと同時にナノマシンによる兵士や無人機、武器等までも管理される。時代は戦争を経済化したビジネスへと変貌していた。そんな中スネークは仲間である「雷電」と「オタコン」とともにビッグシェル事件でともに戦った「オルガ」の娘の捜索、アメリカ合衆国を裏で牛耳る「愛国者達」の調査を進めていたが、スネークは急激な老化に襲われ、その見た目と身分を隠すためにオールド・スネークと呼ばれていた。そして2014年、スネークは元特殊部隊である「FOXHOUND」から国連職員になったロイ・キャンベルから依頼を頼まれる。大手のPMCを束ねる「OUTER HEAVEN」を統率して大規模なクーデターを目論むリキッド・オセロットの暗殺。スネークは残りの人生をこの任務に捧げ、リキッドが潜む中東へ単独で潜入任務を開始する。リキッドが潜伏するキャンプへ侵入したスネークはリキッド本人を発見。近くでPMC査察を行っていたメリルに見守られながらリキッドに接近していくが、突然不思議な現象が起きてPMC兵とメリル達、そしてスネークの様子がおかしくなる。あまりの苦しみに気を失いかけたその時、最後にナオミの顔が目に映る。

ACT：2 SOLID SUN

スネークの意識が戻るとそこはオタコンがいるノーマッド機内だった。謎の現象が起きた後メリルの仲間の一人である、ジョニーに助けられていた。そしてスネークはオタコンからナオミから救難メッセージが入ったデータをもらい受けていたことを聞く。そこでナオミのメッセージが送られてきた場所は南米の山岳地帯でリキッドの本拠地である可能性が高いとされる。スネークはキャンベルの手配で米国の調査員を偽って南米へと潜入を開始した。現地ではPMCと反政府軍が軽い紛争状態にあり、そこのPMC兵はSOPシステムの不備でやや好戦的になっていた。スネークは道中でかつてともに戦った雷電やその元恋人のローズの助けを借りてナオミのキャンプにたどり着いた。ナオミがいた施設にたどり着いたスネークはナオミから自身の寿命があと半年であることと、体内にあるFOXIEが特定のターゲットを殺すのではなく、無差別に人々に感染していくウイルスに変化しつつあることを聞く。その変異が始まる期間があと三か月しかなかった。スネークはナオミからリキッドの居場所を聞こうとすると突然PMC兵とラフィング・オクトパス率いるBB部隊の襲撃を受ける。スネークはこれを退けてナオミの追跡を行う。スネークはナオミに追いつくも、PMC兵と月光に阻まれてしまう。しかしドレビンとサイボーグ化して超人的な強さを手に入れた雷電の助けもあり、ナオミを救出してオタコンの操縦するヘリで脱出した。

ACT：3 THIRD SUN

ナオミはリキッドの目的はビッグ・ボスの遺体を手に入れることであることを明かした。ビッグ・ボスの遺体が愛国者達のAIに介入できる唯一の鍵であるためその遺体を所持しているかつてビッグ・ボスとともにスネークイーター作戦を遂行したEVA（エヴァ）ことビッグ・ママに接触すべくリキッドは東欧に向かっていた。スネーク達は南米の戦いで傷ついた雷電を治療して、リキッドの動向を阻止するため東欧に向かう。東欧の街中での検問をメリルの助けもあり無事に突破したスネークは夜の街をPMCに見つからないように隠れながら出歩くレジスタンスを尾行してビッグ・ママのアジトまでたどり着く。そこでスネークはビッグ・ママが自身の代理母であることと愛国者達の正体が賢者の遺産を手にしたゼロ、ビッグ・ボス、EVA（ビッグ・ママ）、シギント、パラメディック、オセロットだったこと知る。ゼロはビッグ・ボスには内緒で恐るべき子供たち計画を実行、当時のEVAを代理母としてソリッド、リキッドを生み出した。しかしこれでビッグ・ボスとゼロは決別することになる。過去に起きたOUTER HEAVEN、ザンジバーランドでの事件はビッグ・ボスがゼロへの反乱を目的として行われたものだった。ビッグ・ボスは脳死状態で保存されており、EVAとオセロットはパラメディックとシギントを殺害。しかしその後にオセロットはリキッドに精神を乗っ取られてしまい、ゼロも行方不明になった。真実を聞いたスネークはビッグ・ママとともにビッグ・ボスの遺体を運び出すためにアジトから抜け出すが、レイジング・レイブン率いるBB部隊に追われる形になる。何とかこれを退けるスネークだったが、リキッドに先回りされており、既にビッグ・ボスの遺体から必要な情報を抜き取られてしまった。リキッドは遺体を燃やし、システムを完全掌握して包囲網を作っていたPMCを皆殺しにした。ビッグ・ママは逃避行中に受けた傷とビッグ・ボスの遺体についた火が飛び火したことによって絶命してしまう。ボートに乗ったリキッドはナオミを連れてどこかに去っていった。

ACT：4 TWIN SUNS

ノーマッド機内に帰還したスネークはオタコンがリキッドのボートに潜伏させたメタルギアMkIIからの情報を頼りにリキッドの行方をメイリンに探ってもらっていた。SOPシステムを掌握はできたものの、まだシステムを完全に手にすることはできていないリキッドは衛星上に浮かぶ愛国者達のAIをさらに管理するAI「J・D（ジョン・ドゥ）」を破壊するためにシャドーモセス島にあるメタルギアREXに搭載された核発射兵器レールガンを使うつもりだったのだ。スネーク達はリキッドを止めるためにシャドーモセス島に向かう。懐かしい記憶に浸りながら道中吹雪の中で奇遇にもかつて女狙撃手のスナイパーウルフと戦った場所でクライング・ウルフと対峙する。激しい携帯型レールガンによる狙撃をかいくぐりながら見事撃破した。その後にREXがある格納庫までなんとかたどり着くスネーク。そこでナオミを連れて先に到着していたヴァンプと戦闘が始まり、スネークはナオミから聞いていた情報でナノマシン抑制剤が入った注射器を隙を見てヴァンプに注入、これにより再生能力が芳しく低下した。しかし突然自爆型の月光が現れて境地に陥る。そこに治療をある程度終えた雷電が助太刀に入る。月光をスネークに任せて雷電はヴァンプとの因縁に決着をつけるためにREXの上で対峙する。激戦を繰り広げ、雷電はヴァンプをついに倒した。ナオミは自身が癌に侵されていることを明かし、それをナノマシンで抑制して生きながらえていた。ナオミはスネーク渡したものと同じナノマシン抑制剤を使い、その場で息を引き取った。スネーク達はさらに投下され続ける自爆型月光からのがれるためREXに搭乗して脱出を図る。しかし今度はメタルギアREYに駆けるリキッドが現れそのままに二足歩行型兵器の直接対決が行われた。何とかリキッドを撃退したスネークだったがその直後に巨大戦艦「アウター・ヘイブン」が出現、スネークは押しつぶされそうになるが、雷電が身を挺して戦艦を止めてスネークを助ける。

ACT：5 OLD SUN

REXからレールガンを奪い去っていったリキッドは潜水艦で海中に身を潜めてJ・Dを破壊するための準備に入っていた。スネーク達は再度海上に姿を現すアウター・ヘイブンに潜入するためにメイリンが艦長を務める戦艦「ミズーリ」からのカタパルトによる突撃を試みた。スネーク、メリル、ジョニーがそのメンバーに選ばれたが、ジョニーは運悪く海に落ちてしまう。スネークは敵兵を掻い潜りながらリキッドがAI侵入のために回収していたG・Wの元へ急ぐ。道中で最後のBB部隊のスクリーミング・マンティスを撃破したスネークだが、さらに増援が現れる。メリルとジョニーはスネークをG・Wの元へ行かせるために時間稼ぎを買って出る。しかしさらに進むとカエル兵にまたしても囲まれてしまうが、そこに両腕を失った雷電が現れてスネークを護衛する。スネークは雷電に敵を任せてG・Wを守るためのマイクロ波が流れる道を進んでいく。やっとの思いでG・Wの元にたどり着いたスネークはメタルギアMkIIIでナオミから預かっていたウイルスをG・Wに流し込む。それはG・WだけでなくJ・Dまでも破壊、ナオミは最初から愛国者達のAIをすべて破壊することが目的でスネーク達に接触していた。そこで偶然出会ったサニーの才能に目をつけてウィルスを完成させていたのだ。世界は愛国者達の手からついに解放された。スネークは全てを使い果たしてアウター・ヘイブンの上でオタコンの迎えを待っていたが、そこにリキッドが現れる。リキッドはスネークにこの結果こそが自身の求めていた真の「OUTER HEAVEN」だと語る。すべてが終わり、リキッドは個人的な決着をつけたいとして、スネークに一対一の戦いを申し込む。老いた体を激しくぶつけ合いながら二人はどちらかが倒れるまで壮絶な拳闘を繰り広げる。スネークはぎりぎりのところでリキッドに勝利し、目の前に倒れている人物がリキッドではなく世を欺くために人格を偽っていた「オセロット」であると知る。オセロットは最後までビッグ・ボスに忠誠をつくし愛国者達の存在を終わらせるために限定的な役割を果たすためにリキッドを演じているに過ぎなかったのだ。

プロローグ

全ての戦いが終わった後、メリルはジョニーと結婚式を挙げた。そこにドレビンが現れてスネーク達に手を貸していた理由がJ・Dを破壊しようとする、リキッドたちを止めるために命じられていたと語る。彼は愛国者達に育てられた少年兵だったのだ。さらにメリル達も愛国者達に利用されていた。「RAT PT 01」を並び替えると「PATR1OT（愛国者）」となる。メリル達は表面上はリキッドと敵対していたが、実際は愛国者達の終焉に一役買ったに過ぎなかった。重傷を負って病室で休む雷電の元にローズが現れる。ローズは少年を連れており、雷電の息子であると語る。キャンベルとの婚約は擬装であり、ローズとその息子のジョンを守るためにしたことだったのだ。雷電は二人と抱擁を交わし、彼女たちの存在を初めて現実として受け入れることができた。そしてスネークは墓標の前に立ち、自身の最後の任務である自らの遺伝子を残さないために銃で自殺を図る。しかし、すんでのところで銃口を逸らしてしまい、自害できなかった。そこに一人の男が現れる、かつてザ・ボスが使用していた銃であるパトリオットを携えたビッグ・ボスだった。ビッグ・ボスは身構えるスネークを抱き寄せて戦う必要はないと諭す。リキッドに扮したオセロットたちに燃やされた遺体はビッグ・ボスの完全なクローンである「ソリダス」だった。ソリダスの遺体から集められた部品で蘇生されたビッグ・ボスはJ・Dによって眠らされていた。だがJ・Dが破壊されたことによってついに目覚めることができたビッグ・ボスは、かつての上官であるゼロを探し出すことができた。ゼロはAIを作り出し簡単な規範を実行させていた、しかし時代が進むにつれてそのAIは経済を重視するようになっていき、その効率化に利用されたのが戦争だった。それはゼロが望んでいたものではなかった。ゼロが本当に望んでいたものは、ザ・ボスが求めていた完全に一つになった国だった。すでに生命維持装置なしでは生きられないゼロ、すべてを終わらせるべくビッグ・ボスは装置の電源を切り、ゼロは息を引き取った。そしてビッグ・ボスもスネークに投与されていたFOXDIEによって死亡した。その間際にビッグ・ボスはスネークに戦いとは無縁の余命を過ごすようにと言葉を残した。スネークはタバコをやめ、余命を探すために旅に出た。オタコンもそれを見届けるためにサニーと一緒についていくことにした。

『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット（MGS4）』のゲームシステム

基本の流れ

『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット（MGS4）』は主人公であるオールド・スネークを操作して目的地までできるだけ見つからないように進んでいくことになる。

キャラクター操作

基本操作は歩く、走るだけでなく、立ち、しゃがみ、ホフクの三姿勢を使い分けることができる。立ち状態は最も移動速度が速く、飛び込みながら前転する「ローリング」も使用できるがその代わりに足音が大きく一番見つかりやすい。ホフクは動いた際の音が小さく最も見つかりにくい反面、移動速度がかなり遅い。本作からしゃがみ移動が可能になり、足音も小さく姿勢も低いために見つかりにくい。また構えながら横にローリングしたり後ろにバックステップなどもでき、ホフクの状態で横に転がることができるようになっている。ホフクから仰向けになることもでき、逆も可能。さらにその状態から死んだふりをして敵の目を欺くことができる。敵との接近戦ではCQCと呼ばれる近接戦闘術で対応することができる。武器を構えるボタンがR1ボタンに変更されたため視点の操作をしながら武器を取り扱えるようになっている。また特定のタイミングで△ボタンの入力をすると特殊なアクションを発動できる「アクションマーク」も存在する。

カメラ操作