ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』とは、1997年に公開されたアニメ映画である。
ドラえもんが22世紀の福引で入手した小惑星引換券で、のび太は偶然にも広大な惑星を見つける。スネ夫やジャイアン達も呼び、惑星でねじ巻き都市開拓を試みるも思いも寄らぬトラブルが発生する。『ドラえもん』原作者である藤子・F・不二雄が手掛けた劇場版としては、最後の作品となる。また、のび太達と同じ地球に住む人間が悪役として登場したり、環境問題について取り上げるといった印象深い作品となっている。
ねじ巻き都市にて、再び襲撃してきた鬼五郎や子分達に対し、ドラえもんや住民達が必死に対抗する。そのなかで、しずかちゃんが子分の1人であるホクロと対面し、「ホクロさん、あなたまで」と自分達への対抗意思を確認する。するとホクロは、「しょうがないだろ、俺も鬼五郎なんだよ」とその場で跪いた。鬼五郎や他の子分達の様に非情になれない、ホクロの優しさがにじみ出た言葉である。
ジャイアン「弟ティラ、兄ちゃんは遥か地球よりお前の幸せを祈っている」
鬼五郎達との一件を終えて、ドラえもん達はねじ巻き都市をピーブら住民に委ねて地球へ帰る事となった。ジャイアンが弟の様に可愛いがっていた恐竜のティアもねじ巻き都市に残る。ジャイアンは「弟ティラ、兄ちゃんは遥か地球よりお前の幸せを祈っている」と、名残惜しみつつ涙ながらの別れをした。本当の兄弟の如く愛情を注いだ者との別れの辛さが伝わる、ジャイアンの言葉である。
『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
原作者による細かい作画指示
本作品で監督を務めた芝山努は、藤子・F・不二雄より、原作の完成以前に話の大筋を全て教えられ「あとは任せる」と告げられた。漫画の執筆を引き継いだ萩原伸一(別名義:むぎわらしんたろう)も、これまでは藤子・F・不二雄が原稿に細かい指示をしなかったのに対し、のび太の部屋の小物や本棚等、配置やアングル等に徹底にこだわり、かなり描き込んであり、ちょっとおかしいなと思ったとの事。その後、萩原伸一が指示をもとにペン入りを代筆する。間もなくして、藤子・F・不二雄が逝去し、萩原伸一は「ドラえもんはもうこれで終わったんだ」と思ったとの事。しかし、藤子・F・不二雄の家族から未完成原稿を託された萩原伸一は、正式に完成までの執筆を引き継ぐ。そしてこれが、萩原伸一の連載デビュー作となった。
小便小僧のモデルは『ガリヴァー旅行記』のガリヴァー
物語後半、鬼五郎がねじ巻き都市内の森に放火したところへ、巨大な小便小僧が現れ、火を鎮火する。この展開は、イギリスの長編小説『ガリヴァー旅行記』にて、主人公のガリヴァーが小人島にて行った行動がもとになっている。
本編と予告編との結末の違い
本作品では、本編と予告編の内容が異なっている。本編では、ねじ巻き都市の火事を巨大な小便小僧が鎮火した後、鬼五郎や部下達が連行される終わり方である。予告編では、小便小僧が火事を鎮火したのを見たのび太が「まさかこれで終わりって事は」と口にする。そこへ種まく者が現れるという形で締めくくる。また、予告編においては英語やフランス語も用いられた。
『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング):山野さと子「ドラえもんのうた」
歌手の山野さと子が歌唱する「ドラえもんのうた」は、テレビアニメ版では1992~2002年まで、劇場版では1989~2004年(1998年と2000年を除く)まで使用された。「ドラえもんのうた」は歌手の渡辺美里やウィーン少年合唱団等、多くの音楽家やアーティストにより歌唱・アレンジされた。
ED(エンディング):矢沢永吉「Love is you」
1996年まで劇場版『ドラえもん』のエンディングテーマを手掛けてきた武田鉄矢が降板した為、ミュージシャンの矢沢永吉が本作品の曲を手掛けた。
挿入歌:大山のぶ代「ぼくドラえもん2112」
テレビアニメ版『ドラえもん』(テレビ朝日)のオープニングテーマとして使われていた「ぼくドラえもん」のアレンジ曲である。1995年3月に公開の映画『2112年 ドラえもん誕生』のエンディングテーマ、及び1995~2002年までの期間のアニメ版エンディングテーマとして使われた。
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目次 - Contents
- 『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』の概要
- 『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』のあらすじ・ストーリー
- 惑星探検への旅
- ねじ巻きシティー設立
- ねじ巻き都市の新しい風
- 生物誕生の根源
- 鬼五郎による都市襲撃
- 力を合わせる新たな戦い
- 『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクター
- ドラえもん
- 野比のび太(のびのびた)
- 源静香(みなもとしずか)
- 剛田武(ごうだたけし)
- 骨川スネ夫(ほねかわすねお)
- ねじ巻き都市の住民
- ピーブ
- プピー
- アイン・モタイン
- トーマス・メエージソン
- ウッキー
- ティラ
- 脱獄囚
- 熊虎鬼五郎(くまとらおにごろう)
- ホクロ
- その他
- 種まく者
- パカポコ
- 野比玉子(のびたまこ)
- 野比のび助(のびのびすけ)
- 『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』の用語
- 小惑星
- ねじ巻き都市(ねじまきシティー)
- 生命のねじ(いのちのねじ)
- テキオー灯
- エッグハウス
- タマゴコピーミラー
- 『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 種まく者「君たちの力で解決するのだ、これは試練だ。」
- ホクロ「しょうがないだろ、俺も鬼五郎なんだよ」
- ジャイアン「弟ティラ、兄ちゃんは遥か地球よりお前の幸せを祈っている」
- 『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 原作者による細かい作画指示
- 小便小僧のモデルは『ガリヴァー旅行記』のガリヴァー
- 本編と予告編との結末の違い
- 『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):山野さと子「ドラえもんのうた」
- ED(エンディング):矢沢永吉「Love is you」
- 挿入歌:大山のぶ代「ぼくドラえもん2112」