あしたのジョーの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『あしたのジョー』とは、高森朝雄原作、ちばてつや作画のボクシングをテーマにした漫画作品。講談社『週刊少年マガジン』で1968年から73年まで連載された。主人公矢吹ジョーやコーチ丹下団平、ライバル力石徹など魅力的なキャラクターが登場し、戦後最大のヒットマンガの1つと言われている。
ドヤ街に現われた不良のジョーと、そのボクシングセンスを見出したコーチの丹下段平が数々のライバルと対戦し、世界チャンピオンを目指すストーリー。数々の名セリフや名シーンを生んだ作品である。

丹下団平の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「だが今度はわしとおまえとでこの泪橋を逆に渡り、あしたの栄光を目指して第一歩を踏み出したいと思う」

人生に敗れて世の中から見捨てられた人間は泪橋を渡ってドヤ街にやってくる。ジョーたちが生きる敗北者の世界と一般社会をつないでいる象徴でもある。丹下段平もそんなドヤ街に流れ着いた人間の1人だったが、ジョーのボクシングセンスを見抜くと同時にすっかり惚れ込み、彼を一流の選手に育て上げてこの泪橋を逆に渡って世の中の人間を見返してやるという決意と野心を抱く。そんな段平の強い想いの表れたセリフである。

「あ…あしたのために…」

ジョーというダイヤの原石を見つけ、自分の持つボクシングのすべてを教え込むことを決意する丹下段平。「あした」というのはドヤ街でくすぶっている自分たちが目指すべき明るい未来を意味し、本作のタイトルにもなっている。

「そうか…そんなにみんなこのジョーをたすけたいのか、 それならこいつを警察に引き渡すのを手伝うんだな、 ジョーは今鑑別所へおくられるのが一番幸せなんだ」

ジョーがドヤ街のチビ達を利用して詐欺を働いた。それがバレて段平は涙を流しながらジョーを殴り飛ばした。チビ達はジョーに加勢しようとしたが、段平は涙を流しながらこのセリフを言った。父親と息子のような関係であることが窺える。

「立て!立つんだジョー!」

本作の中でもトップクラスに有名な丹下段平の名言である。ジョーがリングにダウンして動けないでいると、リングサイドにいる丹下段平は必ずこのセリフを叫んでジョーの闘志を掻き立てるのである。

「立つんじゃねえジョー!しずかに寝ているんだ!」

日本武道館で対戦したジョーと世界バンタム級チャンピオンのホセ・メンドーサ。そのタイトルマッチの3Rに、ジョーがホセ・メンドーサの連打を受けてダウンしたシーンで、立ち上がって戦おうとしているジョーに向かって丹下段平が言ったセリフ。いつもであれば立ち上がるように勇気づける丹下段平であるが、ホセのあまりにもレベルの高いボクシングに、「このまま立ち上がって戦い続ければ、ジョーが壊されてしまう」と考え、見出しの言葉を発した。共に過ごす内に、ジョーと段平が戦友としての強い絆で結ばれていたことが感じられる名セリフである。

「理屈に弱いむかしの拳闘家なればこそ かえって本能にひらめく直観なんだ!」

来日したカーロス・リベラが白木ジムでジョーとスパーリンクをやっていた際、リベラはふざけたラテン系な男を演じてわざとボクシングが下手なふりをしていた。しかし丹下段平だけは、リベラの底知れない恐ろしさを見抜いてリングに乱入し、このセリフを叫んだ。段平の危険を見抜く本能は本物である。

力石徹の名言・名セリフ/名シーン・名場面

力石が華麗なフットワークで走る豚の間をすり抜けてジョーの脱走を止めるシーン

東光特等少年院送りになったジョーは相変わらずの問題児で、ある日そこで脱走を企む。農場での農作業中に豚小屋を放し、豚の群れを突進させて農場の門を突破しようと試みたが、力石はその豚の群れを見事なフットワークでかわしてジョーに近づくと、豚にパンチを打ち込んでジョーの脱走を止めてしまう。そして自分の脱走を阻んだ力石に対して、ジョーは怒りをぶつける。終生のライバルとなる力石との最初の出会いのシーンである。

「本物だった、本物だった...本物だった...!」

強敵ウルフ金串との試合を制したジョー。その試合を観戦していた力石徹は、まだ初心者同然のジョーのボクシングに懐疑的であったが、この大一番を制したジョーを見て力石が発した言葉。少年院で戦った時は、偶然の引き分けだったと思っていたが、ジョーが自分と互角に戦えるほどのファイターであることを確信した瞬間である。

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