リディア（ファイナルファンタジーIV）の徹底解説・考察まとめ

月に到着した一行は「月の民の館」で月の民フースーヤと出会う。フースーヤから、邪悪な思念を持つ月の民「ゼムス」の存在を聞かされた一行は、ゴルベーザもゼムスの思念によって悪に駆り立てられていることを知る。ゼムスの目的は、バブイルの塔の次元エレベーターを作動させ、巨大兵器「バブイルの巨人」をセシル達の暮らす「青き星」に降ろすことであった。ゴルベーザを操りクリスタルを集めていたゼムスの目的は「青き星の破壊」だったことが判明し、一行は巨人の復活を止めるためには一刻も早くゴルベーザの元へ向かう必要があった。
フースーヤは話を続け、月の民の多くが青き星の進化を見守る善良な者であること、魔導船は青き星に憧れを抱いていたクルーヤという月の民が造り出したものであると話した後、そのクルーヤという月の民がセシルの父親であることを伝えた。
フースーヤと合流した一行は、ゼムスの目的を阻止するために急いで青き星へ戻ってきたが、既にバブイルの巨人は地上に降りていた。容赦なく光線を放ち、爆撃を始めた巨人を見て立ち尽くすしかできない一行だったが、巨人を取り囲むように仲間達が飛空艇で援護に駆けつける。巨人が戸惑う隙に、内部に入り込んだ一行は、巨人を止めるべく制御装置を目指した。
巨大な制御システムの破壊し、巨人の動きを止めることに成功した一行だったが、計画を止められ怒りを露わにしたゴルベーザが姿を現した。フースーヤはゴルベーザを睨むと、ゴルベーザに父の名前を尋ねた。ゴルベーザが戸惑いながら答えた父の名は「クルーヤ」。セシルとゴルベーザが実の兄弟という衝撃の事実が発覚し、仲間達も驚きを隠せなかった。父クルーヤの死後、病弱な母親は無理を承知でセシルを産み、その直後に亡くなっていた。自我を取り戻したゴルベーザは、この時に心の隙をゼムスに狙われたと打ち明けた。
ゴルベーザはゼムスとの決着をつけるために、フースーヤと共に月へ向かった。ゼムスと戦うことはゴルベーザが「死」を覚悟しているということだった。混乱したまま言葉を発しないセシルに、仲間達は戸惑いながらもセシルに和解を促そうとする。リディアもゴルベーザがセシルにとって「たった一人の家族」だと訴える。しかし、これまで憎んできた相手が実の兄であったことを受け止めきれないセシルは、ゴルベーザに何も言うことができないまま別れることになった。
落ち着く暇もないまま巨人は崩壊を始め、ゴルベーザが正気に戻ったことで自身も洗脳から解けたカインと共に、急いで巨人から脱出した。

強い覚悟で仲間と共に最終決戦へ

ゴルベーザとフースーヤがゼムス討伐のため月へ向かった後、洗脳が完全に解けて自分を取り戻したカインに、セシル達はこれまでのことを話した。カインもセシルと共に戦うことを決め、エッジ、ローザと共にリディアもゼムスと戦うために月へ向かう決意を固める。ところが、今回ばかりは生きて帰れるという保証がない戦いになることから、セシルはローザとリディアに魔導船から降りるように指示した。ローザは納得できないまま、無言で魔導船から出て行き、リディアもエッジの子供扱いを受けて不服な様子でその場から走り去った。魔導船に残った3人は、強い覚悟を持って月へと向かうのだった。
魔導船が月に到着し、いよいよゼムスの元へ向かおうと魔導船から降りようとしたセシルだが、目の前には魔導船から降ろしたはずのローザが立っていた。ローザは冷静な様子でセシルの前をどかず、自分がいなければ回復はどうするのかとセシルに訴えた。ローザの強い覚悟を感じたセシル達は、ローザを帰すことを諦める。ローザの様子を隠れて見ていたリディアも背後から現れ、作戦がうまくいったことを喜ぶ。ローザとリディアは魔導船を降りずに、隠れて月までついてきていた。こうしてローザとリディアは、再び最終決戦へ向かう仲間として迎え入れられた。
深い月の地下渓谷をひたすら進み、ゼムスの待つ月の中心核を目指した一行は、ようやくゴルベーザとフースーヤの元へ辿り着く。ゴルベーザとフースーヤの強力な魔法によってゼムスは倒れ、様子を見ていたエッジは大喜びで二人の元へ駆け寄る。だが明るい空気が流れ始めた矢先、ゼムスは憎しみを増大させ完全暗黒物質ゼロムスとして蘇った。ゴルベーザはクリスタルの光でゼムスを照らそうとするが、暗黒の道を歩んできたゴルベーザではクリスタルを使うことはできず、逆に戦闘不能に陥ってしまう。
セシル達もゼロムスの強大な暗黒の力によって命の危機にさらされるが、祈りの塔でセシル達の危機を感じ取ったミシディアの長老を介し、これまで戦ってきた仲間達の祈りがセシル達の元へ届く。青き星からの祈りによって再び立ち上がることができたセシル達は、全力でゼロムスとの最終決戦に挑み、ついに本当の勝利を収めた。
ゼロムスとの戦いを終え、月へ戻ると告げたフースーヤに、ゴルベーザは同行を申し出る。ゴルベーザが月へ行くことは、セシルとの永遠の別れを意味していた。セシルは最後にゴルベーザを「兄さん」と呼び、その声を聞いたゴルベーザは本来のセオドールの姿に戻り、旅立っていった。月から帰還した魔導船は、その役目を終えて再び海の底へ封印された。
最終決戦が終わり世界に平和が戻る中、国の再建に力を注ぐ者や修行を続ける者など、仲間達はそれぞれ自分達の生活へと戻っていった。幻獣界に戻っていたリディアは、バロンの新たな王となるセシルとその妃となるローザの結婚式のためにバロン城へ祝福に訪れる。他の仲間達も駆けつけ、その日のバロンは大きな祝福と幸せに包まれるのだった。

リディアの能力

白魔法

白魔法は、リヴァイアサンに飲み込まれて行方不明になるまでの少女期のみ使用が可能。本業が白魔道士であるローザや賢者テラと比べると使える魔法は少ないが、序盤のローザ加入前やセシルの暗黒騎士期には、セシルとテラを攻撃にまわすことができるため、回復や補助の面では貴重なサポート役となる。

ケアル

「ケアル」はHPを回復する白魔法。リディアはレベル3になると修得することができる。消費MPは3で、選択すれば味方または敵全体に使用することが可能。回復魔法の基本であり、序盤の回復だけでなく移動中の回復にも便利な魔法である。ケアルの威力は8だが、「精神」のステータスを高めることで回復量を増やすことができる。DS版での威力は24に変更されており、リディアもレベルアップによる修得ではなく、はじめから使える。
ファブール城でのクリスタル攻防戦では、ゴルベーザが去った後にケガで倒れているセシル達をリディアが回復させる場面でケアルが使われている。なお、アンデットに使用するとダメージを与えることができるため、対アンデット用の攻撃魔法としても使うことができる。

サイトロ

サイトロは消費MP2でマップを表示させることができる魔法である。DS版では消費MPは5に変更されている。リディアがレベル4になると修得できる。前作となる『ファイナルファンタジーIII』で初めて登場した。今作では、現在位置の周辺を確認する時に便利な魔法で、同じ効果を持つアイテムに「小人のパン」がある。DS版ではダンジョン内で地図を見ることができ、踏破した場所に加えて宝箱のある場所もわかるようになったことで使い勝手が良くなっている。DS版のリディアは、ケアルと共に初期修得している。

ホールド

ホールドは、MPを5消費して対象を麻痺させる魔法である。リディアはレベルが7になると修得できる。命中率85％だが、DS版では45％まで減少している。その代わりに「まほうぜんたいか」を組み合わせることで、複数の敵を麻痺させることが可能になった。ケアル、ホールドと同様に、DS版のリディアははじめから修得している。対象の動きを止める黒魔法「ストップ」に比べると効果がある時間が短い上に、効く敵も少ないため、使う場面は少ない魔法でもある。
DS版ではカルコブリーナやベヒーモスのような強敵に対して効果が出ることがあるので、ストップよりも少ない消費MPで足止めするには便利である。

コンフュ

コンフュは対象1体を混乱させ、自分の味方を攻撃するようになる白魔法。リディアはレベル8で修得可能。消費MPは10で命中率は65%。DS版では消費MPが5に下がっており、命中率も60％にダウンしている。DS版では全体にかけることができるようになっている。命中率が高いとはいえないが、シルフの洞窟に出現するモンスター「マモン」など、確実に効く敵も存在する。
ゼムスマインドなどのモンスター側が使う場合もあり、敵側に使われた際には非常に厄介な魔法でもある。特に終盤、レベルが上がった状態のリディアがコンフュを受けてしまうと、高い確率で味方にメテオを使ってくるので注意が必要。白魔法エスナをかけるか、混乱中の対象に物理攻撃を与えることで回復させることができる。

エスナ

エスナは状態異常に陥った対象を正常な状態に戻す白魔法である。消費MPは20、命中率は80％。DS版のリディアはレベル10で修得する。解消できる状態異常は毒、眠り、暗闇、沈黙、混乱、石化、徐々に石化、カエル、小人、豚、呪い、スロウ、ヘイスト、マヒ状態と多岐にわたる。エスナで解消できない状態異常はバーサク、スリップ、ストップ。この3点はディスペルで解消が可能。GBA版以降はスロウとヘイストの状態は解消しないので注意。なお、DS版では消費MP15、命中率100％となり「まほうぜんたいか」によって全体にかけることも可能になった。バーサクを解消することもできるようになっており、使い勝手が良くなった。

ケアルラ

ケアルラはHPを回復する白魔法「ケアル」の上位魔法。消費MP9、威力は24で、効果はケアルの3倍程度である。DS版のリディアはレベル12で修得できる。また、DS版では威力が48に変更されている。威力が少ないケアルと、消費MPが多いケアルガに比べると使い勝手が良く、使用頻度が高い魔法である。
エブラーナの洞窟でルビカンテとの戦いによって瀕死に陥っていたエッジに対し、ローザが唱えた白魔法もケアルラである。また、ケアルと同様にアンデットに使用すると攻撃魔法としてダメージを与えることが可能。