レイトン教授と不思議な町（ゲーム）のネタバレ解説・考察まとめ

『レイトン教授と不思議な町』の概要

『レイトン教授と不思議な町』とは、レベルファイブから発売されたニンテンドーDS用ゲームである。ゲームソフト版が2007年2月15日に、スマートフォン版が2018年6月8日に発売された。日本ゲーム大賞2007年度優秀賞受賞。

本作の特徴は、ストーリーの中でたびたび登場するナゾトキだ。第1弾となる『レイトン教授と不思議な町』では、120のナゾと、ある条件をクリアすることで出現する「レイトンからの挑戦状」の15のナゾが収録されている。ナゾを解く際にはヒントが3つ用意されており、ストーリーを進めていく際にゲットできるヒントメダルを使用することでヒントを得ることができる。さらに、作中に登場するイギリスの街並みとクラシックな音楽が絶妙に合っている。

舞台はシャーロックホームズで有名なイギリス・ロンドンだ。考古学者であり、ナゾトキを愛するレイトン教授とその助手であるルークの2人がイギリスで起こる不思議な出来事を解決していく。

『レイトン教授と不思議な町』のあらすじ・ストーリー

「黄金の果実」の捜索で不思議な町へ

考古学者であり、探偵としても有名なレイトン教授のもとに大富豪の未亡人であるサロメ夫人から遺産相続の条件となる「黄金の果実」の捜索依頼が届く。手紙には、2か月前に資産家のアレン・ラインフォードが亡くなったと書かれており、彼の遺言状には「我が一族の家宝、”黄金の果実”をこの町のどこかに隠してある。”黄金の果実”を探しあてた者に、私が所有するすべての遺産を相続させる…」と記されていた。この知らせを聞いた一族の者たちは争うように黄金の果実を探したが、結局誰も見つけられなかったという。アレン・ラインフォードが莫大な財産をかけて仕掛けた生涯最後のナゾを解き明かすためにレイトン教授と助手のルークは町へと足を運んだ。

町で起こるナゾ

町は人里離れた場所にあり、サロメ夫人のくれた地図がないとたどり着けないところにあった。町に到着した2人はさっそく”黄金の果実”の捜索を始める。この町にはシンボルらしき大きな塔が中央にそびえたっていた。レイトン教授とルークはサロメ夫人に会いに屋敷へ行くが、サロメ夫人の愛猫のクローディアが屋敷からにげだしてしまった。レイトン教授とルークが町までクローディアを探しに向かい、再び屋敷に戻ると一族のひとりであるロイ・ラインフォードが殺されるという事件が起こる。事件後にラモンという男が姿を消したため、レイトン教授達はラモンを探すことに。同じく事件の解決のために町にやってきたチェルミー警部も加わって捜査が始まる。レイトン教授とルークは屋敷の中を探索中、小さな少女の肖像画や写真を見つける。

場面は変わってレイトン達は町の中で住人に話を聞くことに。住人は「神隠しだかなんだか知らないが、突然人が消えてしまう。」と町で起こる不可解な事件について説明する。「体の調子が悪い」とか「疲れが取れない」人ばかりさらわれていくようだ。さらに、「町をうろつく怪しい老人が町の人をさらってしまう。」という噂もあるようだ。

夜の調査

調査を進めていくうちに夜になり、そろそろ屋敷に戻ろうとしていたレイトン教授とルークだったが、謎の老人に気を失ったラモンが攫われる現場を目撃する。レイトン教授とルークに気が付いた謎の老人はラモンを攫ったまま夜の町に消えてしまった。現場にはロイの殺人のときにもあった歯車のような部品が落ちていた。ラモンが攫われたことを報告しに屋敷に戻ったレイトン教授とルークだったが、ラモンは何事もなかったかのように屋敷に戻ってきた。本人は「買い物に行って帰ってきた。」と述べており、レイトン教授とルークは困惑する。レイトン教授とルークはこの町全体がおかしいと感じ始める。

深まるナゾ

翌日、ラモンは「昨日までの疲れがまるで嘘のようだ」と述べた。ますますナゾが深まるばかりであるが、この事件が「黄金の果実」に関係しているかもしれないと考え2人は調査を続ける。さらに調査を続けていると、屋敷で見た写真の少女の話を耳にする。アロマという名前でアレン・ラインフォードの娘だと分かる。今はその少女の行方は分からなくなっている。

ラインフォード家の過去

屋敷の執事であるマシューにアレン・ラインフォードが残した日記があることを教えてもらい、レイトン教授とルークは日記を読む。日記には、マリアの幼い頃の様子と、彼女と共に日記に記される「あれ」と呼ばれる存在が語られていた。「あれ」は亡くなった奥様にそっくりであり、記憶を上書きされた、と記されている。日記はアレン・ラインフォードが亡くなる直前まで書かれていた。

さらに、町で調査を続けるレイトン教授とルークは町の至る所で紙切れを発見した。紙には、「わし」と語るナゾの人物が「しがない人形職人のわしに、生き甲斐を与えてくださったご主人様の恩に報いるため、もっと腕を磨かなければ。」という内容が書かれていた。

新たなナゾ

調査の途中でルークが捨てられた古い新聞を見つけた。そこにはチェルミー警部について書かれていた。新聞によると、チェルミー警部は愛妻家で事件解決後には愛妻のスイートポテトが欠かせないらしい。しかしここでルークがある疑問を持つ。初めにチェルミー警部に屋敷で会ったとき、彼は「甘いものが嫌いだ。」と怒っていたからである。”黄金の果実”に加えて、チェルミー警部の矛盾したナゾも追加された。

消える人

一度ホテルに戻ったレイトン教授とルークだったが、ホテルのフロントのアンナが泊まっていたはずのお客さんが消えてしまったと話をしてきた。部屋を見に行くと部屋は荒らされたようでタバコが散乱していた。アンナによると、客はこの町の人間ではないらしく、口ひげがあったという。

少女アロマの登場

ここまで調査を続けてきてレイトン教授は町のシンボルでもある塔が鍵であると確信する。町の住人に話を聞いたとき、誰も塔のことは話さないし答えてくれなかった。住人はよそ者を塔に近づけたくない理由があるのか、または”黄金の果実”が塔に関わっているとして塔に近づかない町の人達が何も知らないだけなのかと考える。2人は塔に行けば何かヒントを得ることができると考え塔に向かう。

ようやく塔の麓までたどり着いた2人だったが、塔の入り口とおもわれる場所は大きな壁に隔たれていて入ることが不可能だった。そのとき、ある少女が姿を現す。レイトン教授が声をかけようとしたとき、物陰に隠れた何者かに気づいた少女は逃げてしまう。その人物はホテルで姿を消した者と姿格好が似ていた。謎の人物はそのまま姿をくらました。レイトン教授とルークは少女が逃げる際に落とした観覧車のチケットを拾い観覧車のある公園まで行ってみることにする。

迫りくる観覧車

少女の持っていた観覧車のチケットをもとに2人は公園に向かった。公園でも”黄金の果実”の捜索をしていると、急に観覧車が大きな音をたてて2人に向かって転がってくる。急いで走って逃げる2人だがいくら方向を変えても観覧車は二人のあとをついてくる。あり得ない現象に驚きを隠せない2人。間一髪レイトン教授はルークをかばいながら観覧車の追跡から逃れる。観覧車は遊園地にあった水小屋に激突した。安心している2人が見つけたのは観覧車の激突によって現れた水小屋に隠された地下への入り口だった。

地下に入り、中に進んでいくと塔の鍵らしきものを発見した。2人はさきほど塔の麓でみた行き止まりの壁に何か隠されたナゾがあると踏んで再び塔へ向かうことにする。

殺人の犯人

塔に向かうことに決めたレイトン教授とルークだったが、ラモンは「サロメ夫人が屋敷に戻ってくるように言っている」と知らせてくる。屋敷に戻った2人を待っていたのは一族の者達と得意げな顔をしたチェルミー警部だった。チェルミー警部はロイ殺人の犯人がレイトン教授だと述べる。

しかし、レイトン教授はこの犯人捜しは何か仕組まれていると確信する。レイトン教授はチェルミー警部が本物の警部ではないことを証明してみせた。証拠は「甘いものが嫌い」と矛盾の発言をしたこと、レイトン教授の仕掛けた罠にはまり「愛妻の名前を間違えた」こと、そしてそもそもレイトン教授とルークが猫のクローディアを探しに行ったときにはすでに町の入り口にあった「はね橋のハンドルが盗まれて町の出入りができなくなっていた」こと。ロイが殺されたという時刻の前にすでに町への出入りはできなくなっていたはずである。町へ入ることはもちろん、遺体を町の外に持ち出すことも不可能だ。さらに、ルークと2人で見つけた塔の鍵の存在もなぜかチェルミー警部は知っていた。このことから、レイトン教授は今目の前にいるチェルミー警部は偽物で、”黄金の果実”を奪うチャンスをうかがっていた何者かであると推測した。

推理が終わるとチェルミー警部だった者は観念したように変装を解いた。彼はドン・ポールという男で天才的な科学者だったが精神の邪悪さで学会を追い出されたという噂の持ち主だった。レイトン教授のことを前から知っているようで、彼をライバル視しているようだ。