レイトン教授と最後の時間旅行（ゲーム）のネタバレ解説・考察まとめ

『レイトン教授と最後の時間旅行』の概要

『レイトン教授と最後の時間旅行』はレベルファイブから2008年11月27日にDS版が、2020年7月13日にスマートフォン版が発売された。『レイトンシリーズ』の第3弾となる作品で、前作『レイトン教授と悪魔の箱』に比べるとゲーム内に登場するナゾの数が増えている。さらに今作のキャッチコピーである「ナゾトキ×タイムスリップ」はタイトルからもわかるように、レイトンとルークが時空を超えてナゾトキに挑戦するストーリーとなっている。さらに前作同様、『レイトン教授と最後の時間旅行』には主題歌がある。アン・サリー（2001年から歌手の活動を行う。医師でもあり、シンガーソングライターでもある）の「時間旅行」はストーリーを通じて悲しみやなつかしさを表現している。

物語は考古学者のレイトンと助手のルークに届いた一通の手紙から始まる。「未来のルーク」と名乗る者からのレイトンに助けを求める手紙だった。近頃起きたタイムマシンの故障による科学者と首相の失踪事件と何か関係があると考えたレイトンとルークは手紙の示された時計店へと向かうことにする。「未来のルーク」と名乗る青年の正体は何者なのか、消えた科学者や首相はどこにいったのか、そしてレイトンのトレードマークであるシルクハットをなぜ常に被り続けているのかのナゾが今作で明らかになる。さらに、レイトンの切ない恋のエピソードがタイムスリップによっても公になる。

『レイトン教授と最後の時間旅行』のあらすじ・ストーリー

未来からの手紙

これまでにいくつもの事件を解決し、有名になったレイトンのもとにある日手紙が届く。差出人は未来のルークと名乗る者からで、「10年後のロンドンにきて助けてほしい」という内容が書かれていた。初めは未来からの手紙なんてありえないと思っていたレイトンだったが、1週間ほど前に起こった失踪事件を思い出す。それは多くの著名人が招かれたタイムマシン完成記念式典で事故が発生し、首相のビル・ホークをはじめとする多数の行方不明者がでるという事態だった。レイトンも現場に招かれていたため、目の前で消えた科学者や首相と見ていたこともあり手紙の内容がでたらめとは考えにくいと感じる。この事故と未来のルークは何か関係があるのではないかと考えたレイトンはルークと共に手紙で指定されたミッドレント通りにある時計店へと向かった。

「ここは未来？」

時計店の中に入ったレイトンとルークが見たのは巨大な時計だった。レイトンたちは止まったままの巨大時計のナゾを解いて修理すると、時計は動き出した。大きな振動がおさまり、慌てて外に出たレイトンとルークが見たのはいつものロンドンの町とは違うものだった。レイトンとルークは手紙にあった10年後のロンドンに来たのかと考え、町の探索を始める。調査を始めるレイトンのもとに、未来のルークから再び手紙が届く。手紙の指定する場所に向かってみると、そこには年老いたシュレーダー博士（レイトンの恩師）がいた。シュレーダー博士と話をして、今町ではレイトンの悪いウワサが流れているということが分かった。さらに、シュレーダー博士にはレイトンの他にも優秀な弟子がもう一人いたと話したが、年老いたシュレーダー博士は記憶が曖昧なようでそれ以上話すことはできなかった。

別れ際にシュレーダー博士からもらった鍵をもって病院を出ると、レイトンの愛車が止まっていたが、見た目はボロボロで長い間放置されていたようで動かなかった。しかし、車の中にはまた手紙が置かれており、未来のルークとの待ち合わせ場所が書かれていた。レイトンとルークは未来のルークと名乗る者に会いに指定された場所フラットストーン通りのカジノに向かう。

ルークを名のる男

カジノに向かうレイトンとルークだったが、途中でレイトンはありえない光景を目にする。そこにはシルクハットを被っていないレイトンと謎の女性が楽しそうに食事をしていた。レイトンは動揺しながらも今は未来のルークに会うためにカジノに急いだ。

カジノに着いたレイトンとルークを待っていたのはルークの成長した姿の青年だった。彼から話を聞くかぎり、この町は本当に10年後のロンドンだと答える。10年後のロンドンではエルシャール・レイトンがロンドンを支配していると話し、シュレーダー博士が言っていた悪いウワサというのはこのことだった。レイトンとルークが招かれたタイムマシンの記念式典の事故で消えた科学者のひとり、スタンガン博士が生きてるようで彼はレイトンに保護されたと言う。どうしてレイトンがスタンガン博士を助けたのかは未来のルークも分からないようだ。博士を助けてからレイトンは人が変わったように悪に染まっていった。ずば抜けた頭脳を悪事に使うことでロンドンの暗黒街を裏で支配していった。ロンドンはレイトンの支配下となり、スタンガン博士はタイムマシンを完成させた。その完成させたタイムマシンがミッドレント通りの巨大な時計だった。しかし、完成したタイムマシンはまだ不完全であり、場所や移動できる時間は選べないようだった。10年後と前を行き来するタイムマシンを使って未来のルークは10年前のレイトンに手紙を出した。未来のルークは10年後のロンドンを支配するレイトンを止めてほしいと言う。どうやら未来で悪事を働くレイトンは、タイムマシンを完全に完成させるために、10年前（10年後の未来のロンドンから見て）の爆発事故で亡くなった時間の研究をしていた科学者を集めているらしい。

謎めく未来

レイトンたちが一通り話し終わりカジノからでるまでにカジノでマフィアが暴れだした。レイトンと未来のルークのひらめきによってマフィアたちを追い払うことに成功する。そのあと、未来のルークに従って未来のレイトンを止めるために行動に移すことに決めた3人。目的の場所に向かうために未来のルークは1度別行動をすることになり、レイトンとルークで町を探索しながら事件の調査を行うことにする。

調査を続けていたレイトンとルークだったが、レイトンは町を歩く女性を見つけ追いかける。レイトンと思われる人物と食事をしていた女性だった。レイトンは彼女を見て過去を思い出す。レイトンにシルクハットを贈ったのはこの女性だったのだ。レイトンの口癖の「英国紳士としてはね」というセリフも彼女の受け売りであった。女性クレアはレイトンの大学時代の恋人だったが、レイトン曰はく彼女がこの町にいることも、タイムマシンを使って未来に来ることも不可能なことだという。動揺を隠せないレイトンだったが、調査の途中で銅像を見つける。その銅像にはシルクハットを被った男性と少年の微笑ましい姿と共に、「少年の病気は治ることはなかった。しかし小説家と少年の間には確かな友情があった」と残されていた。

町を調査中のレイトンとルークは、町で見かける白衣の男たちに違和感を覚えた。彼らのクツとズボンは濡れており、皆濡れたままロンドンの町を歩いている。さらに、レイトンは1つの疑問を抱いた。タイムマシンの記念式典にはチェルミー警部も参加していたのだが、レイトンとチェルミー警部は明らかに場違いだったように思えると話す。招待された人たちはビル・ホーク夫妻をはじめ、ロンドンの上流階級と報道関係者が主だったのだ。偽名を使っていたであろうスタンガン博士がなぜ、レイトンたちを招待したのかというナゾが登場した。10年後のロンドンで10年前のチェルミー警部に会うことはできない、と困るレイトンとルークだったがそれを聞いた未来のルークは可能だと話す。方法はもう一度巨大な時計で10年前に戻ることだった。3人はレイトンたちが未来にやってきた時計店の巨大時計に向かった。

再び現代へ

時計店に戻ってきた3人。未来のルークと時計店の店主は知り合いだと知ったレイトンとルーク。未来のルークは店主は協力者だと話す。レイトンとルークは店主に巨大な時計の説明を受ける。ロンドンを支配する“ボス”が巨大な時計に時空のゆがみを作ってしまったようでこれが原因で10年の時間を超えるタイムマシンが出来上がったようだった。未来のルークはレイトンとルークに元居た世界に戻れると話す。ただ、もう1度暗黒のロンドンに戻ってきてほしいと頼む。レイトンはそれを聞き、約束したことを守るのは当然だと答え、元の世界に戻った。町に出てみると、レイトンとルークのなじみ深い風景が現れ元の世界に帰ってきたと知る。

レイトンとルークは1度レイトンの研究室に向かうことにした。研究室に着くと、アロマ（『レイトンシリーズ』第1弾、第2弾に登場する少女。レイトンとルークと共にナゾトキの旅に出かけるようになる）が待っていた。自分だけ置いて行かれたことを悲しんでいたようだ。しかし、レイトンは危険な事件にアロマを巻き込まないようにするために彼女を事件の調査には連れて行かないことにする。

忘れられた事件

チェルミー警部に会いに向かった2人。チェルミー警部は首相失踪事件の主任警部を任されていることもあり、調査に真剣だった。その場にいたレイトンにも話を聞きたいと協力的なようだ。警部の話を聞いて分かったことは、ホーク首相、スタンガン、その助手、全部で8人が消えたという。レイトンたちはホーク首相が生きている可能性があると話す。さらに、レイトンは昔起きた「多次元物理研究所の爆発事故」がこの失踪事件と関わりがあるのではないかとチェルミー警部に言う。「多次元物理研究所の爆発事故」は警察でも真相を明らかにできていない事件だが、レイトンの頼みにチェルミー警部は事件の極秘資料を見せてくれる。資料を見たレイトンはホーク首相は生きているという考えを導き出し、助け出すにはもう1度暗黒のロンドンに戻る必要があると考える。

旅は道連れ

再び10年後のロンドンに向かうために時計屋まで来たレイトンとルーク。気が付くと未来という言葉を信じていなかったが気になっていたチェルミー警部やその助手バートン、置いて行かれたアロマまでついてきていた。チェルミー警部やアロマも巻き込み、未来のロンドンまでタイムスリープしたレイトンたち。再び暗黒のロンドンに戻ってきたレイトン一行は未来のルークを探すことにする。

アジアンストリート

町の中を探索して未来のルークを見つけたレイトンたち。ダウンタウンの入り口に向かうと話す未来のルーク。ダウンタウンに入り、町を歩くレイトンたちは未来のレイトンがいるという六角塔に向かう。しかし、町の人に聞くと未来のレイトンは今出かけているようで六角塔にいないそうだ。どこに出かけたのか聞き込みしていると、白衣を着たクツとズボンを濡らした男が急いで走っていく様子を目撃する。どうして濡れているのか白衣の男に聞いてみたが慌てて走っていってしまった。

リバーサイドの出会い

未来のレイトンを探していると首輪をつけたウサギに出会う。ルークが動物と話す能力でウサギに話を聞いた。ウサギ曰く10年後のロンドンにある研究所では、動物たちを使って実験を繰り返していたようだった。その研究所について話を聞きたかったがウサギは思い出したくないようだった。あきらめて調査を継続することにする。バーで話を聞くとシルクハットの黒ずくめの男は常連らしくついさっきまでバーに滞在していたと話す。入れ違いになったのかと考え、六角塔に戻ることにするレイトンたち。

六角塔の主

六角塔にたどり着いた一行だったが、いざ未来のレイトンにご対面というときに、レイトンがいなくなっていたことに気づくルークたち。アロマの背中にメモが張り付けてあり、レイトンから「先に進んでくれ。後で追いつく。」という伝言が残されていた。レイトンの指示に従いルークたちは六角塔に入ることにする。レイトンがいなくなって不安なルークたちが中に入る前で躊躇しているとレイトンが追い付いた。気になることがあったというレイトン。レイトンも合流してみんなで六角塔の入り口を通って中へ進んだ。

未来のレイトンがいる部屋まで進んでいくレイトンたち。実際に見た未来のレイトンは雰囲気が少し違うようだった。レイトンは未来のレイトンに自分の未来の姿ではないと告げる。混乱するルークにレイトンは証拠がある、と話し1つのナゾを出す。一見予測でしか当てられないようなナゾで未来のレイトンと名乗る人物も予測だけで答えられないと言うが、このナゾは10年前（現実世界）にレイトンが解いたナゾであり、10年後のレイトンなら覚えているはずだと述べる。未来のレイトンは偽物だと分かり、その正体はスタンガン博士であったことが判明する。スタンガン博士の本当の名はアラン・ディミトリーという。レイトンの名を騙って科学者を連れ去っていた張本人だった。レイトンをわざと未来のロンドンに招き入れたのはレイトンの記憶がタイムマシンの完成に必要だったのだ。ディミトリーは過去をやり直すためにタイムマシンを完成させたいという。タイムマシンの完成には飛び先である「起源点の情報」が必要だと述べ、クレアとの接点を持つレイトンとホーク首相をターゲットにした。クレアが死ぬ直前の時の流れの分岐点を探し出すことが目的だった。ディミトリーはクレアのことを愛していたと告げる。

ディミトリーはホーク首相を人質にしてレイトンたちを捕獲した。レイトンたちは捕まったと思われたが、ここでもう1人のレイトンが現れた。実は捕まったレイトンはドン・ポール（レイトンをライバル視する科学者）の変装だった。レイトンが別行動したときに入れ替わったようだ。檻に閉じ込められたルークたちだったが檻のナゾを解き脱出に成功する。しかしディミトリーは首相を連れて逃げてしまった。六角塔から脱出したレイトンたち。ルークはレイトンとドン・ポールが手を組んだことに疑問を持っていたが、お互いの目的のために一時的に手を組んだようだった。

レイトンは初めに未来のシュレーダー博士に出会ったときに違和感に気づいたという。レイトンたちが未来にきて初めに見たシュレーダー博士はドン・ポールが変装した博士だったのだ。さらに、ホテルにいたデルモナ学長もドン・ポールの変装だった。ドン・ポールは未来にきたレイトンたちをこっそり監視していた。それに気づいたレイトンはドン・ポールに町の秘密を話し、協力するように頼んだ、ということだった。それからクレアのことを詳しくルークに話した。多次元物理研究所の爆発事故の犠牲者の1人がクレアだった。