レイトン教授と悪魔の箱（ゲーム）のネタバレ解説・考察まとめ

『レイトン教授と悪魔の箱』の概要

『レイトン教授と悪魔の箱』はレベルファイブから発売された『レイトンシリーズ』の第2作目である。DS用ゲームソフトが2007年11月29日に発売、スマートフォン版が2018年12月5日に配信された。

『レイトンシリーズ』第1弾である『レイトン教授と不思議な町』と同様、ナゾを解きながらストーリーを進めていくアドベンチャーゲームである。今作は138のナゾに加え、「レイトンからの挑戦状」に15のナゾで構成されている。ちょっぴりホラー要素に映画級の美しく臨場感あふれるグラフィックアニメが特徴だ。テーマ曲はSalyu（2004年にデビュー）の「iris~しあわせの箱~」。本作の世界観を表現した1曲となっている。日本ゲーム大賞2008年度優秀賞受賞。

“悪魔の箱”といわれる呪われた箱の正体を解き明かすためにレイトンとルークはモレントリー急行に乗り込む。今作では前作『レイトン教授と不思議な町』で登場したアロマも加わり3人で旅をすることになる。ナゾに包まれた箱の正体を追ってたどり着いた幻の町フォルセンスで起こる不思議な事件と箱の正体との関係が明らかになる。

『レイトン教授と悪魔の箱』のあらすじ・ストーリー

“悪魔の箱”のナゾ

ある日、レイトン教授のもとに一通の手紙が届く。差出人はレイトンの尊敬する師アンドルー・シュレーダー博士だった。手紙には、「長年追い求めてきた“悪魔の箱”を手に入れた。自分の身に何かあった場合後のことを頼む。」と書かれていた。心配になったレイトンはルークと共に博士の家に向かうが、そこにはすでに絶命した博士の姿があった。

博士が手に入れたはずの“悪魔の箱”は現場から消えていた。レイトンとルークは博士の家でモレントリー急行の使用済みチケットを発見する。2人はこの切符が“悪魔の箱”にたどり着くヒントであると考え、モレントリー急行に乗って“悪魔の箱”を探す旅に出かけることにする。

モレントリー急行で向かう先

モレントリー急行で“悪魔の箱”を探す旅に出た2人。2人の後をこっそり付いてきたアロマ（前作『レイトン教授と不思議な町』で登場した大富豪の娘）も加わり、3人で列車の向かう町で調査をおこなうことにする。しばらくして列車は停車駅のドロップストーンへ到着する。偶然にも町の設立50周年記念の日であったため祭りを楽しむことにするレイトン達。町で“悪魔の箱”について聞き込みを行うが、町の人達は“悪魔の箱”という言葉を聞いただけで顔色を変えて何も知らないと答える。

調査の結果、この町を仕切っているのはアンダーソン家で町一番の大金持ちであるということだった。そのアンダーソンは一人娘のことで頭を悩ましているらしい。どうやら娘が一人旅に出ようとしているらしい。また、町にチェルミー警部が来て調査しているという情報も入ってきた。どうやらアンダーソンが“悪魔の箱”を探していた、という。

レイトン達はアンダーソン伯爵を探し、話を聞いた。伯爵の母親が“悪魔の箱”を探していたようで、彼女の名前はソフィアという。この町をつくった領主でもあった。彼女は“悪魔の箱”を探したが、結局見つけられないまま1年前に亡くなったという。

町の祭りを楽しみながら調査を続けてきたレイトン達だったが、人ごみに巻き込まれアロマはレイトンとルークとはぐれてしまった。レイトンを探すアロマだったが、何者かに襲われてしまう。レイトンとルークは人だかりの中からアロマを探し、無事に合流できた。

秘密の行き先

町での調査の結果、モレントリー急行には秘密の行き先があり、そこに行くためには列車内で何かしなければならないことがある、ということだった。秘密の行き先は幻の町と呼ばれていて“悪魔の箱”に関係あるようだ。レイトン達は列車に戻り、条件をクリアするために車内の探索を行うことにする。さらに、アンダーソン家の娘もこの列車に乗ったという情報を耳にする。

列車が長いトンネルに入ったとき、レイトン達は眠気に襲われる。気が付いたとき、ルークが列車が入れ替えられる夢を見たと話す。幻の町へ行く条件とは、トンネル内で入れ替えられる車両の中にいることだった。入れ替えられた車両だけが幻の町「フォルセンス」に行ける仕組みだったのだ。博士の持っていた行き先のないモレントリー急行の切符のナゾを解き明かすとフォルセンスという文字が完成した。“悪魔の箱”の秘密が隠された町フォルセンスに到着した3人。不気味な駅にはかなり古い写真が飾ってあった。

秘密の行き先「フォルセンス」

真っ暗な駅をでた3人は急な眩暈に襲われる。意識がはっきりしてくた3人が見た光景は異様なものだった。真っ暗だったはずの駅には光が灯り、目の前には華やかな町が現れた。町の住民に話を聞くと、この町の領主、フェルーゼン伯爵は金脈を掘り当てて有り余るほどの財産を持っていた。フェルーゼン伯爵は今は亡き人となり、遺産は領主の屋敷に残されたまま忘れ去られているという。

町を探索していると、町に住む吸血鬼の話を耳にする。町のはずれにある城に住んでいるといわれており、住民達は吸血鬼を恐れているようだ。モレントリー急行で出会った列車の社長であるパッポラッチがフォルセンスの町にある記念館を管理していると住民に聞き、パッポラッチとフォルセンスの関わりについても気になるレイトン達。

悪魔の箱を狙う人物

レイトンとルークは調査の途中、チェルミー警部がシュレーダー博士殺害の犯人を見つけたという話を聞き、一度ホテルに戻る。チェルミー警部の推理ではモレントリー急行の車掌が犯人だと言うが、レイトンは博士の家から“悪魔の箱”を持ち去った犯人がこの部屋にいると話す。

レイトンは部屋で休んでいたアロマに対し、「犯人はあなただ。」と告げる。実はアロマは変装したドン・ポール（レイトンをライバル視している天才科学者）だったのだ。ドロップストーンで襲われたときに、本物のアロマと入れ替わっていた。ドン・ポールはチェルミー警部に捕まることなく、姿をくらまし消えていった。しかし、逃げる際に悪魔の箱らしきものを落としていった。本物の“悪魔の箱”かどうか確認しようとしたところ、パッポラッチがその箱をよこせと言い、「自分はフェルーゼン家の血筋だ。」と話す。“悪魔の箱”にはフェルーゼン家の財宝の在りかが示されているようだ。

不死のバンパイア

“悪魔の箱”の所有者をめぐって争っていると、人がバンパイアの城に連れ去られたと情報が入る。レイトンは“悪魔の箱”の正体をあばくために、箱の中身を確認することに。レイトンとルークが箱を開けると中は空っぽだった。2人は箱を開けたが生きている。レイトンは箱の真相についてひとつ確信を得る。

レイトンとルークは吸血鬼の住む城に向かう。その途中には坑道があったが、すでに使われておらず閉鎖されていた。ここで金を掘っていたようだ。坑道の記録には、「金を掘るようになってから原因不明の病が流行り、病に侵された人々は坑道に来ることはなくなった」と記されていた。城に向かうレイトン達の前に写真屋が現れ、2人に真実を告げる。フォルセンスは「呪われた町」と呼ばれるに値する過去があると言う。写真屋は城にいるフェルーゼン家の長男に会ってほしいと頼む。

城に住む吸血鬼の真実

城に着いたレイトンとルーク。執事に伯爵のもとまで案内された2人はフェルーゼン家の長男アンソニーに話を聞く。アンソニーと夕食をとり、一晩泊めてもらうことになった2人。ルークは記念館にあった写真にふと疑問を持つ。記念館に飾ってあった写真の50年前のフェルーゼン一家の写真にアンソニーは写っていたが、彼は、写真の中の姿から全く変わっていなかった。さらに、屋敷に飾られた写真にはアンソニーとカティア（ドロップストーンの領主であるアンダーソン家の一人娘）にそっくりな女性が舞踏会で踊っている写真もあった。

疲れて眠りに落ちたレイトンとルークだったが、目を覚ますといつの間にか縄で縛られていた。アンソニーは2人を今夜のごちそうと言いながら儀式の準備に取り掛かる。レイトンとルークはアンソニーが準備に夢中になっている間に縄を解き逃げようと試みる。屋敷から逃げるために屋敷の中を探索する2人は屋敷の中でカティアを発見する。カティアに一刻も早くこの屋敷から出るように言われて出口に急ぐ3人はアンソニーに見つかってしまう。アンソニーはカティアを目にするとソフィアが帰ってきたと喜ぶが、カティアの様子はどこかおかしかった。

“悪魔の箱”の正体

カティアはアンソニーが自分の祖父であると話す。アンソニーの若さはアンソニー自身が作り出した幻想だった。この町はアンソニーの父、亡きフェルーゼン候の掘り出した金脈によって一躍発達した。しかし、金脈には秘密があり、深く掘りすぎた地中から幻覚作用のある臭気が発生していたのだ。臭気は暗示作用があり、町は臭気によって発生する幻覚により呪われた町と噂されるようになった。そのため、50年前に撮られた写真と現在の町が変わらないのは幻覚作用が原因だったのだ。駅に飾ってあった町の写真を見たレイトン達は幻覚作用により、町の姿が写真通りだと錯覚した。

アンソニーとソフィアはお互いに愛し合っていたが、ソフィアに新しい命が宿ったとき、その幸せは終わりを告げた。アンソニーはこの町から出ることができないが、ソフィアは新しい命を幻覚作用のあるこの町で育てることはできないと考え、ひとり町を出ることにした。アンソニーのためを思い、彼に真実を告げることなくこの町から離れてしまった。幻覚が解けたアンソニーの姿は本来の姿に戻った。老いた姿の彼は真実を受け止める。“悪魔の箱”には町の鉱物が微量に紛れ込んでいたため、箱を開けた者は幻覚作用と、開けると死ぬという噂により暗示にかかり、自ら死を選んでしまう者が続出した結果だった。“悪魔の箱”は呪いの箱ではなく、アンソニーの「思い」が込められた箱だった。ソフィアに思いを伝えるために箱を町の者に託したが、箱は本来の役目を果たすことなくソフィアは亡くなってしまった。

箱の中身

箱を開けたアンソニーはソフィアに思いが通じていたことを知る。箱の中にはソフィアからの手紙が入っていたのだ。ソフィアはアンソニーのことを想い続けていた。真実を知ったアンソニーはカティアとの再会を喜び、アンソニーとカティアは共に町に残りレイトンとルークが乗るモレントリー急行を見送った。

『レイトン教授と悪魔の箱』のゲームシステム

基本的な流れ