転生したらスライムだった件（転スラ）のネタバレ解説・考察まとめ

2024.02.23

『転生したらスライムだった件』とは、伏瀬が小説投稿サイト『小説家になろう』で2013年から連載していた作品を書籍化し、アニメや漫画などのメディアにも展開している異世界ファンタジー。シリーズ総発行部数2500万部突破の人気作で、主人公のリムルをはじめとした仲間が悪逆な敵を倒していく爽快感が魅力である。通り魔に刺されて死んだ日本の会社員、三上悟がスライムとして異世界に転生した所から物語は始まる。元サラリーマンが人と魔物が楽しく過ごせる国を作るべく、仲間を増やして成り上がっていく姿が描かれている。

『転生したらスライムだった件』のあらすじ・ストーリー

不穏なる予兆編

働かない事をモットーとしている魔王ディーノが、魔王ギィからの手紙を持ってテンペストへとやって来る。手紙にはディーノをテンペストで世話をしてくれと書いてあるのだ。
ギィといざこざを起こしたくないリムルは、嫌々ながらディーノを世話することにする。

それからしばらくして、役に立つ配下を探しに出ていたディアブロが、3人の女性を連れてテンペストへと帰還する。彼女たちはディアブロ同様にこの世界最強クラスの力を持つ原初の悪魔であり、人類から畏怖される存在である。
そんな彼女たちにいともたやすく名を授けるリムルを見て、ディーノは驚愕するのであった。
悪魔たちは、原初の白（ブラン）がテスタロッサ、原初の黄（ジョーヌ）がカレラ、そして原初の紫（ヴィオレ）がウルティマと名づけられ、テンペストの最強戦力の一角をなすのである。

これによりテンペストは暴風竜ヴェルドラに、悪魔公へと進化した原初の悪魔が4人とその配下の悪魔が700人、そしてベニマルを筆頭にした幹部たちにラミリスの不死の迷宮内の階層守護者たちと、過剰ともいえる戦力を手に入れたのである。

テンペスト開国祭に招待されていたクロエたち5人の子供たちは、そのままテンペストに移住して、新設された学校で学んでいた。
実はリムルは同郷の異世界人でありイングラシア王国の自由組合総帥（グランドマスター）でもあるユウキ・カグラザカに、不穏な気配を感じていたのだ。
このリムルの推測は間違ってはいなかった。じつはユウキ・カグラザカこそ、ラプラスたち中庸道化連を率いている人物だったのである。

テンペストの学校には、ヒナタ配下の聖騎士やヒナタ自身も教えに来ていた。そのヒナタから、なかなか来ないテンペスト楽団に魔王ルミナスがじれていると聞くリムル。
ルミナスは開国祭で聴いたテンペスト楽団の演奏を非常に気に入り、ルベリオスで音楽会を開くようにとリムルに申し入れていたのだ。

ルミナスの招待に応じて、リムルは5人の子どもたち、楽団とともにルベリオスへとおもむく。

その頃、魔導王朝サリオン皇帝エルメシアとの謁見をすませた魔王レオンも、ある目的を持ってルベリオスへと向かっていた。
しかもそのレオンの行動には、影にうごめくユウキたち中庸道化連の思惑があったのである。

ルベリオス動乱編

ルベリオスが襲撃者に侵攻されて動乱が巻き起こるのは、リムルたちがルベリオスに到着してからすぐのことであった。
首謀者は元日曜師グランであるロッゾ一族の長、グランベル・ロッゾ。
盟約を結んだユウキにある目的を託したグランベルは、ユウキたちの陽動となるべく一族の総力を持ってルベリオスへの攻撃を開始したのだ。

ヒナタをも凌駕するグランベルの実力に、音楽会の会場となっていたルベリオス大聖堂は混乱の渦に巻き込まれる。
大聖堂にいる楽団員と子どもたちはディアブロの配下によって守られているが、一瞬も気を抜けないリムル。

グランベルの襲撃の目的が秘宝を奪うことと見抜いていたルミナスは、自室に置かれた秘宝に寄り添っていた。しかしわずかなスキをつかれて、その大切な秘宝をユウキに盗まれてしまうのである。
このルミナスの秘宝を奪うことこそ、グランベルがユウキに託したことであった。

秘宝を奪われたことにより、怒りに我を忘れたルミナスはグランベルの待つ大聖堂へと急ぐ。ルミナスが破壊され尽くした大聖堂に出現したとき、ヒナタはグランベルに倒されて絶命寸前であった。
叫び声をあげながらヒナタにかけ寄るクロエと、クロエの姿を見て茫然と立ち尽くすレオン、そして破壊のかぎりを尽くしている仮面の強者の姿がそこにあった。

その仮面の強者こそが、ルミナスが大切に守ってきた秘宝の正体であり、勇者クロノアの復活した姿だったのだ。
ただし今のクロノアには破壊衝動しかなく、敵味方の区別なく壮絶な攻撃を繰り出している。そこには逃げ惑うユウキの姿もあった。

ルミナスはヒナタを助けようとするが、彼女の権能の力も及ばずにこと切れるヒナタ。
リムルは絶望しかけるが、クロノアの中にヒナタとクロエの魂が眠っている可能性があるとルミナスから聞き、急きょヴェルドラを呼び出して協力を要請する。
そしてリムルはラファエルの助けを借りながら、ヴェルドラによって抑え込まれたクロノアの精神世界へと潜っていくのだった。

その様子を見て安堵したルミナスは勇者全盛期の力を取り戻しているグランベルと対峙する。そして究極能力（アルティメットスキル）を用いてついにグランベルを打ち倒すのだった。

魔王レオンはリムルの行動を邪魔させないために敵と戦っていた。魔王レオンがルベリオスを訪れたのは、己のすべてをかけて探し続けていた少女クロエ・オベールが、リムルとともにいるらしいとラプラスたちに吹き込まれていたためである。
そのクロエが危機に陥り、リムルしか助けられるものがいない。なら誰にもリムルの邪魔をさせるわけにはいかないのである。

クロノアの精神に潜ったリムルは心象世界のシズさんと共に、ついにクロエとヒナタの魂を見つけ出すことに成功する。そしてクロノアはクロエの姿に戻り、ヒナタの魂はルミナスによって本人の体に戻されたのである。クロノアとクロエは同一人物だったのだ。
こうしてルベリオスの危機は去ったのである。

帝国機甲軍団の侵攻編

統一皇帝ルドラ・ナム・ウル・ナスカが統治するナスカ・ナムリウム・ウルメリア東方連合統一王国、通称“東の帝国”がまさに今、西方世界への侵攻を始めようとしていた。
機甲軍団をはじめ、魔獣軍団、混成軍団の総勢100万人からなる軍勢が、出撃の時を迎えていたのである。

しかも混成軍団の団長は、西方世界から東の帝国へと亡命していたユウキ・カグラザカであった。人並み外れた権能を持つユウキは帝国内部でも頭角をあらわし、短期間で軍団長にまで登りつめたのだ。
そのユウキの真の目的は、東の帝国を手中に収めることである。西方世界との戦いに乗じてクーデターを起こすつもりなのだ。
そしてそれは、魔王ギィとの約束でもあった。

ユウキ率いる混成軍団6万は、テンペストの同盟国である武装国家ドワルゴンの牽制のためにドワルゴン東側へと陣をはる。しかしそれは見せかけであり、スキを見て帝国内でクーデターを起こそうと身構えていたのだった。

機甲軍団は軍団長カリギュリオに率いられ、西方世界への侵攻を開始していた。戦車に飛空船、そして改造兵士と、究極の科学と魔法を融合させた総勢100万からなる軍勢に絶対の自信を持っていたカリギュリオは慢心しきっていた。
その慢心がたった一人の生存者さえ許されない、100万の軍勢の壊滅を招くのである。

ガゼル王牽制のためにドワルゴン北側に展開していた戦車部隊とその応援の飛空船部隊は、本気を出したテンペスト軍によって蹂躙される。
ドワルゴンを包囲していた機甲軍団30万の軍勢は、テンペストに攻め込もうとしているカリギュリオたち主力部隊に連絡をする間もないほどに、あまりにも短時間で壊滅したのである。

帝国機甲軍団の壊滅編

テンペストでは、機甲軍団の主力70万による迷宮攻略戦が開始されようとしていた。
リムルは魔王ラミリスの権能で街全体を迷宮内に隔離させて全住民を保護し、街のあった跡には迷宮への入り口だけを残していたのである。
カリギュリオは財宝への欲に目がくらみ、罠とも気づかず次々と兵士を迷宮に送り込んでいくのであった。

時を同じくして、迷宮内部ではリムルの暗殺計画が実行されようとしていた。
今まで誰にも知られずに、ラファエルにさえ気づかれずに潜んでいた暗殺者。それは勇者マサユキの仲間であったはずのジウとバーニィだった。
この2人の正体は、帝国最強といわれる帝国皇帝近衛騎士団（インペリアルガーディアン）に所属する者たちであったのだ。

間一髪で敵の攻撃をかわしたリムルのもとに勇者に変化したクロエが駆けつけ、ベニマルとともに敵に立ち向かう。激しい戦いの末、ジウとバーニィは討ち取られる。しかしラミリスの腕輪をもっていた2人は迷宮の入り口で復活するのである。

どんな精鋭を送り込んでも誰一人として戻ってこない迷宮の状況に、カリギュリオはじれていた。
そんなとき、カリギュリオの陣にたどり着いたミーシャによって戦車部隊と飛空船部隊の全滅を知るのである。
ミーシャの報告を信じられずにいたカリギュリオだが、ラミリスの腕輪で復活してその場に駆けつけたジウとバーニィの証言により、自分たちの惨敗を認めざるを得なくなる。

まだ生き残っていたカリギュリオたち20万の兵は捨て身の攻撃をしようとするが、地上に出現した原初の悪魔カレラの核撃魔法によって一気に数を減らされる。
その後、後悔と怒りの念から“聖人”へと覚醒したカリギュリオだが、その力をものともしないディアブロによって葬り去られるのである。
この戦いで生き残ったのは、ミーシャただ1人であった。ユウキの仲間であることを告げ、ディアブロに見逃されたのだ。
こうしてテンペストに侵攻してきた帝国機甲軍団は、文字通り全滅したのである。

帝国皇帝ルドラの誤算編

テンペスト軍と帝国機甲軍団との戦いが終わった迷宮内では、リムルによってある奇跡の儀式が行われていた。
絶命したはずの帝国軍の兵士たちが次々と息を吹き返していたのである。

これはラファエルによる発案であり、リムルたちを人類の敵という目で見られないようにするための策であった。
いくら西方世界の敵である東の帝国であろうとも、100万人の死が人々に与える衝撃は十分に想像できたからである。

ただしあくまでも仮初の命である。しかし再び命を与えられた者たちにとってはそれはどうでもよいことであったのだ。
彼らは生き返ったことに感謝し、リムルを畏怖するとともに崇めるようになるのである。

そのころ、東の帝国皇帝ルドラは、今回の戦争で生き残りがまったくいなかったことに衝撃を受けていた。
ルドラにとって、機甲軍団が負けるであろうことは最初からわかっていたことだった。
ルドラの唯一の誤算は、生き残った者がただの1人もいなかったことなのだった。

量より質が重要であるこの世界での戦いは、たった1人の力で戦況をくつがえせるのである。それは今回のリムルたちの戦いを見ても明らかなこと。
今回の戦いにおける皇帝ルドラの真の目的は、何十万もの犠牲の上に幾人かの覚醒者を生み出すことだったのだ。

ルドラにとって、機甲軍団などしょせん捨て駒でしかなかった。
その昔、ルドラがまだ勇者であったころに魔王ギィと交わした約束。その約束を達成するための力は、まだ十分に帝国内に温存されているのである。

そしてルドラは帝国の元帥たる灼熱竜ヴェルグリンドとともに立ち上がる。
帝国の侵攻はまだ始まったばかりなのだった。

『転生したらスライムだった件』の登場人物・キャラクター

テンペスト勢

リムル＝テンペスト

CV：岡咲美保
本作の主人公。日本でゼネコン大手に勤務していた三上悟（CV：寺島拓篤）が、通り魔に刺されて死亡し、異世界に渡りスライムに転生する。最初に出会った盟友であるヴェルドラからリムル＝テンペストの名前を与えられる。「大賢者」「捕食者」のユニークスキルを駆使し、捕食した様々な敵からスキルを得ていく中で最弱モンスターのスライムらしからぬ強さを見せ「ジュラの森の大同盟」の盟主を務め、ジュラ・テンペスト連邦国と名を改めてからは国主を務める。魔王クレイマンの策謀により殺された仲間を蘇生する為、真なる魔王に進化することを決意して実際にやってのける。人と魔が共に暮らす世界を作る為、前世の知識を駆使した森林開拓と街作りを先導する。仲間からの信頼の厚い一方、根が遊び心のあるおっさんなのでキャバクラに行ってエルフのお姉さんと遊んだことがバレて怒られる場面もある。同郷の異世界人シズの遺体を捕食したことで、シズの現身に似た人間体に擬態する能力を得て、会議の時や外交等の対外的な場面ではこの格好をとるが、基本は丸いスライムボディを好む。盟友の関係である暴風竜ヴェルドラをはじめ、魔王ミリムやドワーフ王ガゼル＝ドワルゴンなど、世界の重要人物に好かれる性質がある。

大賢者（エイチアルモノ）

CV：豊口めぐみ
リムルのユニークスキル。
三上が通り魔に刺された際に考えていたことをもとにスキルの獲得を告げていた声の主。
三上が死ぬ直前に「30童貞で魔法使いなら、40近い俺は、もうすぐ賢者だったのに……大賢者も夢じゃないな……」と言ったことから、エクストラスキルとして「賢者」を獲得し、続けてユニークスキル「大賢者」に進化した。
スキルであるため、彼、もしくは彼女は姿を持たない。
あらゆる事象に詳しく、思考能力にも長けていることから、リムルの質問に的確な解答ができる。
その際は語頭に「解」や「了」をつけて話すことが多い。
常に低い声量で抑揚の少ない話し方ではあるが無感情ではないようで、リムルがイフリートの炎に包まれても無傷だったときや、シズの仮面を付けて似合うか尋ねられたときなどには、呆れた様子でため息を漏らしていた。
大賢者もリムルが持つ他のスキルと同様に物語進行と同時に進化している。

ヴェルドラ＝テンペスト

竜の時の姿。

CV：前野智昭
世界に4種のみ存在する竜種の一柱で「暴風竜」の名で恐れられている。魔王よりも危険とされる「天災級」とされ、実力は魔王に匹敵する。300年前に勇者に敗北し「無限牢獄」によってジュラの森の洞窟に封印されていたところ、転生してきたリムルの「捕食者」によりその胃袋で無限牢獄の解放を待つ。二年後、リムルが真なる魔王に覚醒したことで無限牢獄を破り、復活を果たす。そんなリムルとは名付けをした仲で初めての友達で盟友。ヴェルドラの姿は基本は巨大で威厳ある黒いドラゴンの姿だが、復活する際リムルの分身を依代として復活したことで金髪で筋骨隆々の青年の形態をとることが出来るようになった。単純な性格で騙されやすいし、乗せられやすい。リムルから人見知りと紹介されたところヴェルドラ自身は否定しているが、実際は寂しがりで人見知り。だが人間が好き。また好奇心が旺盛で復活前はリムルの記憶を勝手に漁って漫画やアニメに没頭しており、復活に時間が掛かったのは実はこれが原因だった。また、リムルが魔王に進化したことでヴェルドラのスキル「究明者（シリタガリ）」が究極能力「究明之王（ファウスト）」に進化する。

ベニマル

シュナ

Chalikouu6

@Chalikouu6

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ミュウランとは『転生したらスライムだった件』に登場する魔導師（ウィザード）。種族は魔人で、元々は魔王”クレイマン”配下の五本指”薬指”の称号を持っていた。クレイマンから主人公”リムル”が治める国”ジュラ・テンペスト連邦”の調査を命じられた際には、テンペストに住まう者たちの大虐殺に加担。リムルの活躍によってクレイマンの支配から逃れる事ができた後は”ミュウ・ファルメナス”と名前を変えてファルムス王国改めファルメナス王国の女王となる。王であり夫でもあるヨウムと共に、ファルメナス王国繁栄に尽力していく。

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転生したらスライムだった件（転スラ）のネタバレ解説・考察まとめ

不穏なる予兆編

ルベリオス動乱編

帝国機甲軍団の侵攻編

帝国機甲軍団の壊滅編

帝国皇帝ルドラの誤算編

『転生したらスライムだった件』の登場人物・キャラクター

テンペスト勢

リムル＝テンペスト

大賢者（エイチアルモノ）

ヴェルドラ＝テンペスト

ベニマル

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