ティファ・ロックハート(ファイナルファンタジーVII)の徹底解説・考察まとめ

ティファ・ロックハートとは『ファイナルファンタジーVII』および『ファイナルファンタジーVIIリメイク』に登場するキャラクターで、主人公クラウドの幼馴染である。セフィロスが引き起こした故郷ニブルヘイムでの事件をきっかけに神羅に関係するすべてに憎しみを抱くようになり、星の命を救う活動組織「アバランチ」に加入した。世界に名を轟かす格闘家ザンガンに師事し、女性格闘家としてモンスター相手に臆することなく拳を振るっている。

内部に張り巡らされた様々な罠や凶悪なモンスターたちを退けて、クラウド達は最深部に到達した。ティファはセフィロスと決着をつけようとしているクラウドに同行し、奥へと進んでいく。しかし進むにつれて周囲の景色が変化し始め、かつてのニブルヘイムの様子が映し出された。

任務の為に村に到着したセフィロス達だが、現れたもう一人のソルジャーはクラウドではなく、巨大な剣を背負った黒髪の男だった。クラウドは「これは単なる幻影だ。気にすることはない」と言うものの、同行していたティファは動揺した様子を見せる。黒髪の男はかつてクラウドがとった行動と全く同じことをしており、村が焼き討ちに遭った場面になってもクラウドは姿を現さなかった。
クラウドは「ニブルヘイム事件の日、俺はその場に居なかった。そう言いたいんだろう?」と呟くとセフィロスは「理解してもらえたようだな」と満足げに姿を現す。一方のティファはどんどん怯えた様子になり、「もうやめて!」と懇願していた。
セフィロスは意に介さず「クラウド、お前はジェノバ細胞によって創り出された人形だ」と非情に告げる。クラウドはセフィロスの言葉など信じていなかったが、ティファの怯え切った様子に動揺を隠せないでいた。
やがてクラウドはセフィロスの言葉によって徐々に精神が不安定になっていく。そしてついには完全に自我を失ってしまい、「皆ごめんなさい。特にティファさん。いつか本当のクラウド君に会えるといいですね」と言葉を残すと、擬態したジェノバ細胞が仲間から奪い取った黒マテリアをセフィロスに手渡した。
その瞬間激しい光が巻き起こり、大空洞は崩壊を始める。ティファは調査に赴いていた神羅のルーファウスやスカーレット、そして宝条博士によって飛空艇「ハイウィンド」に運ばれ意識を失った。

神羅からの脱出

次にティファが神羅カンパニージュノン支社の医務室で目覚めたときには、世界のあらゆることが変化していた。
側にいたバレットによるとセフィロスはメテオを発動させ、大空洞に封印されていた「星を滅ぼすもの」ウェポンが闊歩していたのである。仲間は散り散りになっており、ティファは絶望に飲み込まれそうになっていた。
すると突然ルーファウスとスカーレットが現れ、「世界を滅ぼそうとしている元凶」としてアバランチメンバーのティファとバレットを処刑すると宣言する。ティファはガス室に閉じ込められてしまったが、バレットは社内に潜り込んでいたケット・シーによって難を逃れた。しかしガス室の扉は固く施錠されており、バレットたちはいったんエアポートへと向かう。

一方のティファは兵士が落とした鍵によって枷をはずすことに成功しており、タイミングよく神羅ビルの襲撃に現れたウェポンの砲撃によって壁が破壊されガス室から脱出した。
海に向けて設えられた砲台に向かったティファは、何処からか聞こえてきた仲間の声を頼りに砲台から飛び降りる。
ティファとバレットを救うべくジュノンに潜入していた仲間達によって、ティファは飛空艇に乗り脱出することができた。
飛空艇の甲板に向かったティファは仲間が無事な様子を見て安堵するが、クラウドの姿だけが見えず落ち込む。しかし仲間に励まされてクラウドの情報を探し求めると、「ミディール」という辺境の地にクラウドらしき人物が保護されていることがわかった。

クラウドの世界

本当の自分を取り戻したクラウド(左)

ミディールの病院に保護されていたクラウドだが、高濃度のエネルギーであるライフストリームにさらされ、自我を失った重度の魔晄中毒状態に陥っていた。
「クラウドの力になりたい」と願ったティファは一人ミディールに残って看病を続けるが、状況は芳しくない。久しぶりに再会した仲間に対しても焦りを隠せなかったティファだが、ウェポンの襲撃とライフストリームの噴出に巻き込まれ、クラウド共々ライフストリームに落下してしまった。
ティファが目覚めると、クラウドが本当の自分は何者なのかと悩んでいることを悟る。ティファはクラウドを取り戻すため過去の記憶を共に辿っていき、今まで口にすることができなかった真実をクラウドに明かした。

任務の日にセフィロスとともにやって来たソルジャーは、クラウドではなく黒髪の男・ザックスだった。クラウドとの再会を待ちわびていたティファだったが、クラウドが現れること無くティファは落ち込む。
しかしセフィロスが村に火をつけてティファが斬りつけられた場面を、クラウドは目撃していたのである。クラウドはソルジャーではなく一般兵士としてティファと共に行動しており、ピンチのティファを助けていたのだ。
本当のクラウドはセフィロスを魔晄炉に突き落とした後ザックスとともに捕らえられ、ジェノバ細胞を埋め込まれていた。そして魔晄によってソルジャーと同等の力を手に入れた一般兵だったのである。

ティファは本当のクラウドを取り戻し、ライフストリームから脱出した。

決着

仲間達に誠心誠意謝罪をし、セフィロスとの決着をつけるというクラウドに対しティファは素直な気持ちを表せるようになっていった。
決戦前夜いったん仲間たちと別れてクラウドと二人きりになったティファは、「言いたいことはたくさんあったのに、何を言えばいいのかわからない」というクラウドに優しく微笑む。そして「思いを伝えられるのは、言葉だけじゃないよ」と告げたのだった。
二人で寄り添い朝を迎えたティファだが、いつの間にか戻ってきていた仲間たちに目撃されており、恥ずかしさから蹲ってしまう。
それでも気を持ち直してセフィロスとの決戦に挑み、世界を救うことができた。

平和を取り戻した世界で、ティファはバレットとマリン、そしてクラウドと共に生きる道を選んだのだった。

ティファ・ロックハートの関連人物・キャラクター

クラウド・ストライフ

ティファの幼馴染のクラウド

ニブルヘイム出身の「元ソルジャークラス・ファースト」を名乗る青年であり、ティファの幼馴染でもある。頑丈な肉体と優れた戦闘能力を保持しており、背中には巨大なバスターソードを背負っている。「興味ないね」が口癖のクールな性格をしているが、時折謎の声が頭に響くことがあり、そのたび頭を抱えてうずくまるという精神的に不安定な部分も垣間見れる。
報酬次第で仕事を請け負う「なんでも屋」を営んでいたクラウドは偶然ミッドガルの駅で幼馴染のティファと再会し、星を救う活動をしているレジスタンス組織「アバランチ」の活動を依頼される。そして活動の最中一度は離れたはずの神羅と再び関りを持ち、やがてクラウドにとって深い因縁を持つ「伝説のソルジャー」セフィロスの引き起こす陰謀に巻き込まれていくこととなった。

クラウドの正体は神羅の科学者宝条が「ジェノバ細胞」を使って創り出した、実験体である。ニブルヘイムの魔晄炉で見た「ジェノバ」のポッドと高濃度の魔晄漬けにされた異形の人間(モンスター)によって、自身が空からやって来た災厄「ジェノバ」によって生み出された存在だと認識したセフィロスは乱心しニブルヘイムに火を放つ。クラウドは業火の中から生還しセフィロスを止める為ニブルヘイムの魔晄炉へと向かっていた。
セフィロスとともに調査に来ていたソルジャーザックス、幼馴染のティファはクラウドより先に魔晄炉へたどり着いていたが、セフィロスに返り討ちにされ重傷を負う。倒れているザックスの剣を手に取った一般兵のクラウドはセフィロスに不意打ちを喰らわせ、セフィロスをジェノバの首ごと魔晄炉内に落とすことに成功した。

生き残ったクラウドとザックスは事件の調査のためニブルヘイムを訪れた宝条に捕らえられ、ジェノバ細胞を埋め込まれた上で魔晄漬けにされる。ソルジャーだったザックスは魔晄に耐性があったため五年後自力で目覚めるが、精神的に弱さを抱えていたクラウドは重度の魔晄中毒に陥って自我を損失していた。
ザックスによって助け出されたクラウドはミッドガル付近まで辿りつくが、目前で大量の神羅兵に銃撃されザックスは死亡する。今際の際ザックスから託されたバスターソードを手に取ったクラウドは無意識のまま歩き続けてミッドガルの駅に到着し、ティファと再会した。この時のクラウドは重度の魔晄中毒のため自我が無かったが、体内に埋め込まれたジェノバ細胞が「擬態」の特殊能力を発揮し、ティファの記憶とソルジャーだったザックスの活躍が混ざった人格を瞬時に作り上げたのだった。

ストーリー中盤再び重度の魔晄中毒に陥ったクラウドはティファと共にライフストリームに落下し、ニブルヘイムでの真実を一つづつ解き明かしていく。そしてティファの助力によって本当の自分を取り戻したクラウドは、セフィロスに立ち向かい決着をつけることに成功した。

renote.net

セフィロス

「伝説」のソルジャーで、ティファとクラウドの故郷を焼き払った元凶

「英雄」「伝説のソルジャー」と名高い神羅カンパニーに属していたソルジャーである。幼いころから人間離れした自分の強さに疑問を抱いており、任務でニブルヘイムの魔晄炉を訪れたことをきっかけに自身の出生の秘密を知って人類を滅ぼそうと考えるようになった。ニブルヘイムの村を焼き払って住民を大量に殺害しており、クラウドとティファの故郷を奪った張本人である。

優れた能力を持ち、人々を約束の地へ導くという伝説が伝わる「古代種」を研究していた天才科学者ガスト博士は、古代の地層から発見された謎の生物「ジェノバ」を古代種だと認識する。「ジェノバ」の細胞を使って古代種を現代に蘇らせるという「ジェノバ・プロジェクト」が持ち上がり、チームの一員だった宝条は女性科学者ルクレツィアとの間に子供をもうけた。そして胎児期に直接ジェノバ細胞を移植されて誕生したのがセフィロスである。
セフィロスは尋常ならざる強靭な肉体や戦闘能力を有していたが、セフィロスを出産したルクレツィアはジェノバ細胞の影響で不死の身体になってしまう。母子の異変からガスト博士は「ジェノバ」が古代種ではなく星を滅ぼすために空からやってきた災厄だったことに気付き、突如謎の失踪をするのだった。「ジェノバ・プロジェクト」やセフィロスの存在は宝条博士に引き継がれ秘密裏に研究が続けられてきたが、セフィロスは宝条が実の父親とは知らずに成長していく。

ある時後輩のソルジャーザックスと共にニブルヘイムの魔晄炉調査に訪れたセフィロスは、魔晄炉内部で「ジェノバ」と書かれた謎のポッドと高濃度の魔晄漬けにされた人間(モンスター)を発見した。「自分も魔晄漬けにされて生み出されたモンスターなのではないか」と疑念を抱いたセフィロスは、ニブルヘイム村に古くからある「神羅屋敷」の地下に籠り書物を読み漁る。そして「ジェノバ・プロジェクト」によって生み出された事を知ったセフィロスは、母である「ジェノバ」が成しえなかった人間を滅ぼすという目標を実現させんと乱心し、ニブルヘイムに火を放ち住民を虐殺した。

「ジェノバ」を取り戻そうと考えたセフィロスは魔晄炉へ向かうが、同行していたザックス、山岳ガイドをしているティファ、ニブルヘイム出身の一般兵クラウドがセフィロスの後を追っていた。ザックスとティファはセフィロスに返り討ちにされ重傷を負うも、クラウドが隙をついて重傷を負いながらもセフィロスを「ジェノバ」の首ごと魔晄炉内に落とすことに成功する。
魔晄炉に落とされたセフィロスは肉体を失うが、強靭な精神力を持っていたセフィロスの意志はライフストリームに溶けることなく逆に膨大な知識を吸収した。そして様々な真実を知ったセフィロスは「究極の黒魔法メテオ」を使って星に傷をつけ、エネルギーを吸収して神に成り代わろうと画策する。
宝条が独自に行っていた研究の過程で生み出された「ジェノバ細胞を持つ者」を操ったセフィロスはメテオを発動させることに成功したが、クラウドや星を救う志を持った仲間たちによって阻まれた。

renote.net

ザンガン

世界中に128人の弟子を持つ格闘家ザンガン(手前の白髪男)

世界中に128人の弟子を持つ伝説的な格闘家で、ニブルヘイム村を訪れた際に出会ったティファを弟子に取る。ティファの実力の高さを認めており、クラウドの回想内で「ティファはセンスがいいぞ」と発言していた。
セフィロスが引き起こしたニブルヘイム村の焼き討ちに巻き込まれるが、炎の中からティファを救出する。村を脱出したザンガンは魔晄炉でセフィロスに切られて重傷を負っているティファを発見し、ミッドガルへと運んだためティファは神羅の手から逃れることができた。

ティファの最終リミット技「ファイナルヘブン」を入手する際ザンガンがティファへあてた手紙を楽譜に残しており、その後のニブルヘイムがどのような経過を辿ったのか伺い知ることができる。

ティファ・ロックハートの名言・名セリフ/名シーン・名場面

給水塔での約束

幼いころのティファ(左)とクラウド(右)

幼いクラウドはニブルヘイム村の給水塔に幼馴染のティファを呼び出していた。ソルジャーになる決心をしたクラウドはティファに「春になったらミッドガルに行くよ。セフィロスみたいな立派なソルジャーになるんだ」と宣言する。ティファは「しばらく村には帰れないな」と言われたティファは少し考えた後「ねぇ、約束をしない?」とクラウドに持ちかけた。
「クラウドが有名になってもし私がその時困ってたら、クラウド私を助けに来てね」と唐突に言われクラウドは困惑するが、「私がピンチの時にヒーローが現れて助けてくれるの。一度くらいは経験してみたいじゃない?」とティファは畳みかける。最終的にティファに押し切られる形となったが、クラウドとティファは満天の星空の元で約束を交わしたのだった。

給水塔での約束はお互いの記憶に深く刻まれた大切な思い出であり、時折精神的に不安定になるクラウドは「ティファと約束を交わした光景」を心の拠り所にして自己を保ってきたほどだった。一方ティファもセフィロスに切られた際本当はクラウドが助けに来てくれていたという事実を知り、クラウドに約束を守ってくれていたことを感謝している。星空とゆったりした曲調の音楽が特徴的な美しいシーンである。

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