ウルトラマンZ(円谷プロ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウルトラマンZ』とは、円谷プロダクション制作で2020年に放送された『ウルトラシリーズ』の特撮テレビドラマで、令和ウルトラマンシリーズとしては第2作目にあたる。キャッチフレーズは「ご唱和ください、我の名を!ウルトラマンゼット!」。
対怪獣ロボット部隊、ストレイジに所属する主人公のナツカワハルキは、地球にやってきた怪獣との戦いの中で若きウルトラマン、ゼットと運命の出会いを果たす。巨大ロボット『特空機』の戦いと、その裏で暗躍する影に果敢に立ち向かうハルキとゼットの熱血コンビの活躍を描いた作品。

さらばウルトラマンゼット

ゼットがデストルドスを倒したことで喜ぶストレイジの面々を見届け、いつものように空高く飛び立とうとするゼットだったが、エネルギー切れで墜落してしまう。
急いで駆けつけたストレイジのメンバーたちとハルキが激励しあう裏で、ヘビクラがジ『オーブ』の時に着ていたスーツ姿で生き残っていたセレブロに邪心剣を向け、ゲームオーバーを告げる。
だがその目の前に現れたユカとかつてセレブロに寄生されていたカブラギによって、セレブロは生け捕りにされるのだった。
ユカの「また会えますよね?」という言葉に「じゃあな」と返し、ジャグラーはどこかへ去っていく。

そして、ハルキは完全にゼットと一体化したことで宇宙へと旅立つことになった。「盆と正月には帰ってきますね」と言い、ゼットの姿で宇宙へと飛び立っていくのだった。
ゼットは宇宙でべリアロクと再会。彼らはまた宇宙のどこかで助けを求める人々へウルトラマンとして力を貸すのだろう。ゼットとハルキの戦いは、これからも続いていく。

『ウルトラマンZ』の登場人物・キャラクター

ストレイジのメンバー

ナツカワ・ハルキ

出典: m-78.jp

演:平野 宏周

本作の主人公。ウルトラマンゼットと一体化して戦う青年で、対怪獣ロボット部隊「ストレイジ」のパイロットである。
空手の達人で礼儀正しい体育会系の熱血漢。何事にも一生懸命だが、そのやる気が空回りしてしまうこともしばしば。
「押忍!」が口癖で、隊長であるヘビクラからは「押忍じゃなくて了解」とよく注意されている。
気合を入れた一撃を放つ際には「チェストー!」という掛け声を叫ぶことも多い。
正義感が強く、第一話冒頭から自分の危険を顧みず逃げ遅れた子犬を助けるなどまさに正統派ヒーローといった性格。
また、ウルトラフュージョンする際にも歴代ウルトラ戦士へも敬称を付けて呼ぶなど、会ったこともない先輩方への敬意を忘れないほどの礼儀正しさを見せる。
ゼットの師匠であるゼロに会った時には、いつも力を借りていることについてお礼を言っていた。
ウルトラマンジード/朝倉リクへは当初リクがウルトラマンであることを知らなかったからか、「りっくん先輩」と奇妙な呼び方をする。
かつて怪獣災害で自分を逃がして父が亡くなった過去を持ち、卵を守ろうと犠牲になったレッドキングとの戦いでは動揺からつがいのもう一体のレッドキングを見逃してしまう。
しかし、先輩ウルトラマンのコスモスやエックスのように怪獣を沈静化させたりしたわけでもない為、再び孵化した子供のレッドキングと共に人間に牙を剥く可能性を指摘されるなど、まだ精神的に戦士として未熟な面も見受けられたが、カネゴンとの出会いでメダルに信頼されているとの言葉や時空を超えて父と再会を果たしたことで決意を新たに、迷いを振り切り戦士として成長した。
デストルドスとの戦いの後は、ゼット、べリアロクと共に宇宙をに旅立ったが、次の正月には早々に帰ってきた(ウルトラヒーローズEXPO2021のステージ。)

ナカシマ・ヨウコ

出典: m-78.jp

演:松田 リマ

本作のメインヒロイン。ストレイジのメインパイロット。
特空機の操縦技術は作中随一で、本編中盤では操縦の難しいキングジョーストレイジカスタムのパイロットを務める。
勝気で男勝りな性格だが、乙女チックな一面も持っており、主に戦闘時以外にそうした一面を見せる。
また、おじさま好きの「枯れ専」であり、整備班のバコさんこと『イナバ・コジロー』にはデレデレだった。
年齢が5000歳であるウルトラマンゼットに対しては「ゼット様」と呼び慕っている。
交際を申し込まれると腕相撲で力試しをするのだが、誰一人として勝てたことがない。ハルキが何故腕相撲にこだわるのか理由を聞いた時にはあいまいにはぐらかされている。
終盤ではウルトロイドゼロのパイロットとして抜擢されるものの、セレブロに寄生され暴走。デストルドスの操縦者としてその肉体を酷使されるも、ハルキによって助け出されている。
その後再結成されたストレイジでも再びパイロットとして、地球を守るために戦っている。

セブンガーファイトでは、ユカとともに完成した宇宙用セブンガーのパイロットとして活躍していた。

ヘビクラ・ショウタ/ジャグラス ジャグラー

出典: m-78.jp

演:青柳 尊哉

ストレイジの隊長を務めるが、その正体は『ウルトラマンオーブ』にも登場した「ジャグラス ジャグラー」。
『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!』で共闘した「朝倉リク/ウルトラマンジード」とあった際には「正義に目覚めた、って言ったら信じるか?」と言っていたように当初は目的不明だったが、後半にて『ウルトラマンオーブ ORB ORIGIN SAGA』で自らの正義のもととある大きな木を切り倒しその星を危機から救おうとしたものの、その木を守ろうとした女王を傷つけたことでその星の民から裏切り者扱いされ、アスカ・シン/ウルトラマンダイナには「それは光の戦士の戦い方じゃない」と言われ、自身の正義を完全に否定された経験から、光の戦士の正義の危うさを知らしめるためにセレブロの計画を利用し『ウルトラマンを超える兵器』を作らせ、それを奪うことだった。
しかし、かつての『オーブ』でのナターシャのように、ウルトロイドゼロより慕ってくれた部下のハルキを助けてしまうなど、光を捨てきれず闇になりきれないところもある。(この件は『ORB ORIGIN SAGA』でジャグラーを師匠と慕ってくれていたが、戦いの中で死亡してしまった「ミコット」のことを思い出してしまったのでは?という声も多い。)
ヘビクラとしてはまさに理想の上司、といった活躍を見せる。
例としては、アクシデントで巨大化してしまったM1号駆除を命じる上層部に対し、何度もかかってくる電話を受け流しM1号を元に戻すための細胞逆分裂剤の開発時間までの時間を稼いだりなど。
また、盆栽を趣味にしていたり、ぺギラにより異常な寒気が訪れた際の「熱いけどアッサムティー、飲む?」というセリフやや殺し屋超獣バラバが撃破された際に「バラバがバラバラ」というギャグをひとり呟くなど、「オーブ」時代よりもコミカルな描写も多い。特に盆栽は気に入っていたようで、バコさんの娘である「イナバ・ルリ」の名前を聞き驚きの声を上げたユカにビックリしてうっかり剪定に失敗したときには本気でショックを受けていたり、ストレイジ解散時や最終回でゼット世界の地球を離れる際にも盆栽を持っていくなど本気で盆栽を趣味にしているようだ。
最終回ではストレイジのメンバーにその正体を知られてなお慕われていた。
最終決戦では危険を感じたら逃げていい、と言った上で「全員生きて帰ってバコさんのマグロで打ち上げするぞ!」と隊員たちの士気を上げ、自身もウインダムで出撃しヨウコの救出とデストルドスの撃破に貢献した。
しかし、戦いの後打ち上げに参加することなく、盆栽を片手にどこかへ旅立っていった。

その後はゼットの地球に現れたアブソリュートタルタロスとの戦いに人知れず参加。ウルトラマンゼロとタルタロスの戦いに乱入しゼロと共闘したり、再びゼットの地球に危機が訪れた際にはハルキの隊長としてともに戦ってほしいという願いを聞き、ストレイジやゼットをはじめとするウルトラマンたちと共闘、宇宙用に改造されたセブンガーがワープ実験に失敗し怪獣無法惑星に漂着した際に助けに来るなど、ストレイジの面々のことを影で見守っているようだ。

イナバ・コジロー

出典: m-78.jp

演:橋爪 淳

セブンガーをはじめとする特空機の整備を担当する老年の男性。
整備班のリーダーで、ストレイジのメンバーからは「バコさん」の愛称で親しまれている。
また、手品が得意だったり、空手もかなりの腕前だったり、巨大なマグロを解体できたりと様々な技術を持っているが、いずれも「昔、ちょっとな」と返すなど過去は謎に包まれている。
キングジョー奪還に現れたバロッサ星人相手に自分の昼食の弁当箱を『キングジョーの最終起動装置』と言い投げ捨てるというハッタリをかまし、水筒の水をかけてハルキに電流を流させ感電させたり、娘であるイナバ・ルリの作り出したM1号を救う作戦では、あわや作戦失敗かと思われたその時、ヨウコに頼み乗せて貰ったキングジョーストレイジカスタムから細胞分裂促進剤をロケットランチャーで発射しM1号を救うなどの活躍も。
最終回ではセブンガーに乗り込みヨウコ救出及びデストルドス撃破に貢献した。
ハルキが宇宙へ旅立つ際には、ヨウコとユカに宇宙用ロボットの話を振られた際には「簡単に言うな」と返しながらも開発を決意し、ハルキを見送るのだった。

オオタ・ユカ

出典: m-78.jp

演:黒木 ひかり

ストレイジの科学担当の女性。
幼い頃に見たホロボロスのことを曾祖母だけが信じてくれたことから「地球にはまだ未知の怪獣がたくさんいるから、その謎をすべて解き明かしたい」という想いを抱き、怪獣を研究するこの職についたという経歴を持つ。
怪獣分析に役立つ様々な知識を持っており、彼女の知識やアイデアが特空機やゼットたちを救うこともしばしば。
また、珍しい怪獣が出現したときなどは興奮から目を輝かせることも多い。
ハルキが冷蔵庫としておやつのプリンを入れていた保管庫には様々な怪獣の一部がコレクションされていたり、正体を知らなかったとはいえジャグラスジャグラー魔人体を「仮面の宇宙人様」と呼び、「解剖したい」と言うなど、マッドサイエンティストの一面を見せる一方で、前述のホロボロスやM1号など倒さずに無力化出来るのであればそれに賛同したり、D4の危険性を訴え怪獣たちが強すぎる力を持つウルトロイドゼロを恐れていることににいち早く気づくなど、ユウキ・マイと違い科学者としての良心をしっかりと持つ、正義側の人間である。

最終決戦ではデストルドス内部のヨウコのいるコクピットの場所を探し出し、救出に貢献。
そして記憶を取り戻したカブラギと共にセレブロを捕獲。怪獣研究センターと合同で生態調査という名の解剖調査を行うのだった。

『セブンガーファイト』ではヨウコとともに宇宙用セブンガーに乗りこみ、ハルキやヘビクラと再会を果たした。

GAFJ(地球防衛軍日本支部)

クリヤマ長官

出典: m-78.jp

演:小倉 久寛

ストレイジの創設者で、地球防衛軍日本支部の長官。胃痛持ち。
良くも悪くも後先考えないハルキに説教を垂れることも多いが、それは隊員たちのことを思っての行動。

怪獣との戦いで起きる被害と特空機の開発予算の捻出や、上層部と現場を繋ぐその立場に苦労し、胃を痛ませている。

D4完成後はセレブロに寄生されてしまい、その立場を悪用しストレイジを解散させられてしまう。
変身シーンこそないものの、ファイブキング内のインナースペースでの描写があるためセレブロはクリヤマ長官のアクセスカードも作成したものと思われる。(メタ的には、DXウルトラゼットライザーにはクリヤマ長官のアクセスカードの音声を収録していなかったためだと思われる。)
最終的にはセレブロがウルトロイドゼロのパイロットであるヨウコに乗り移った際にその体を乗り捨てられる形になった。
最終回での登場はなかったものの、カブラギと同じくクリヤマ長官も記憶を取り戻した。

ユウキ・マイ

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