セブンガーファイト(円谷プロ)のネタバレ解説・考察まとめ

『セブンガーファイト』とは円谷プロの作品見放題サブスク「TSUBURAYA IMAGINATION」の中で配信された『ウルトラマンZ』のスピンオフ作品である。対怪獣特殊空挺機、通称「特空機1号セブンガー」によるテレビ本編では描かれなかった裏側の戦いにフォーカスを当てている。ハルキ操縦のセブンガーにヨウコ、ユカ、ヘビクラが怪獣分析や戦術指示をしながらウルトラマンZが参戦していないストレイジ本来の任務を赤裸々に描いている。

『セブンガーファイト』の概要

『セブンガーファイト』とはTVシリーズ『ウルトラマンZ』のスピンオフ作品である。円谷プロの作品見放題サブスク「TSUBURAYA IMAGINATION」にて新たに制作・配信されたテレビ本編の裏にあるストレイジ本来の任務、特空機1号セブンガーと怪獣たちの戦いをコミカルに描く1話5分全10話の短編シリーズ。爆発演出や簡易的なジオラマを使った市街地戦はあるものの、ほぼ野外で怪獣たちが殴り合っているという作風は往年の作品『ウルトラファイト』をオマージュしているが、アフレコも含めあまりにもおふざけ満載な演出がされているので戦いというよりも「じゃれ合い」に近い。全10話構成のうち「TSUBURAYA IMAGINATION」で7話を、残りの3話は「ウルトラマンZ完全超全集ストレイジBOX」の付録として同封されていた特典DVDに収録されているというややこしい視聴形態となっており、そのために本作品はなかなか日の目に当たりにくい非常にレアでマニアックな作品でもある。監督は『ウルトラマンZ』本編内でもメイン監督を務めた田口清隆。脚本は『ニュージェネレーションウルトラマンシリーズ』で数々の脚本を手がけた足木淳一郎が担当している。セブンガー自体『ウルトラマンZ』放送前の予告動画に登場するや当時『ウルトラマン』を見ていた大人たちに「まさかのセブンガー?」と話題となり、ウルトラ怪獣シリーズ「セブンガー」のソフビ人形がなかなか手に入らないという大人気ぶりにも発展した。そのセブンガーをさらに『ウルトラファイト』風にアレンジしてコミカルに戦わせた『セブンガーファイト』は『ウルトラマンZ』で新たに広がったファン層はもちろん往年の『ウルトラマン』ファン、特撮マニアをも巻き込んでさらなる大きな話題になった。

『セブンガーファイト』のあらすじ・ストーリー

ストレイジ誕生前夜

日々地球では、世界各地で突発的に出現する怪獣による被害に悩まされ続けていた。そのため世界各国は連携し、地球防衛軍(Global Allied Forces)を設立し怪獣に対抗していた。そんなある日、日本領土に「火星怪獣ナメゴン」が現れ、約2週間に渡って日本を荒らし回る。日本、アメリカ双方の防衛軍が協力して何とかナメゴンの進行を食い止めようとしたがまるで歯が立たなかった。そんな中、地球防衛軍日本支部(Global Allied Forces Japan)は対怪獣用に開発していたロボット「セブンガー」を出撃させ「ナメゴン」を撃破してみせる。この「セブンガー」の功績が国内のマスコミから「見せた!日本の底力」などと高い評価を受けたこともあり、地球防衛軍日本支部は対怪獣に特化したロボット部隊ストレイジ「対怪獣特殊空挺機甲隊(Special Tactical Operations Regimental Airborne and Ground Equipment)」を設立することとなる。ナメゴン戦で活躍した「セブンガー」は「対怪獣特殊空挺機甲1号機(特空機1号)」として、ストレイジのシンボル機として配備されることとなる。こうして怪獣との戦闘はもちろんのこと戦闘によって負った各種損害、ビルの倒壊などによる瓦礫撤去などにも対応する万能ロボットとして、ストレイジに所属の若き熱血漢「ナツカワ ハルキ」の操縦のもと活躍していくこととなる。

「対怪獣特殊空挺機甲1号機セブンガー」の任務と活躍

海獣と戦うセブンガー。

とある山腹に「エリ巻怪獣ジラース」が出現する。山から街に降りる前になんとか進行を止めるべく「セブンガー」は出動する。気性が荒く対峙するや否や突進してくるジラースに対し、防戦一方となってしまうセブンガーとハルキ。そんなハルキを見かね無線でヨウコとユカからジラースの弱点とされるエリ巻きを攻撃するようにアドバイスを授ける。アドバイスを受けジラースのエリ巻きに攻撃を集中するハルキだったが、ヘビクラだけは何かを察しエリ巻きへの攻撃を中止するよう促す。しかしハルキは忠告を無視しエリ巻きを引きちぎってしまったことでジラースが激昂、さらに暴れ狂うカタチとなってしまった。そんな激しい戦闘の最中、一瞬の隙を付き2体が交錯、セブンガーが膝をつき戦闘不能になると思いきやバコさん伝授の「かすみ斬り」でジラースを倒すことに成功した。

宇宙人のロボットを回収し防衛用として転用するため統合先進装備研究所(Joint Advanced Equipment Research Center)管理下の元秘密裏に研究・開発されていたロボット「ヘルズキング改」が突如暴走してしまった。統先研はこの重大な事故を「セブンガー」で対処するようストレイジに命令をする。ヨウコ、ユカを含めハルキ自身も先輩ロボットとしての意地を見せつけようと血気盛んに「セブンガー」で出撃していくが、圧倒的性能を誇る「ヘルズキング改」にどう対処するか苦慮してしまう。しかし性能差を埋める良い策が思いつかないストレイジの面々は「気持ち」で何とかしようと肉弾戦で「ヘルズキング改」に応戦を開始する。その気合いと根性の甲斐もあり何とか「気持ち」で押し切り、崖から突き落とし撃破することに成功する。

捕縛したピット星人が残していった「宇宙怪獣エレキング」が暴れ回るなか、これを迎撃するためハルキはバコさんが開発した新兵器「特空機支援火器40ミリ汎用機関砲」を装備した「セブンガー」で出撃する。だがいざ新兵器を使おうとすると作動しない欠陥が発覚、ハルキは何度も試みたが動かないことに腹を立て新兵器を放棄してしまう。しかしその新兵器を「エレキング」が確保し使用するとなんなく作動してしまい「セブンガー」は突如新兵器に攻撃される側に回ってしまう。武装した「エレキング」に追いかけ回されながらも「セブンガー」は岩を投げ抵抗を試みるが難なく追い込まれてしまう。追い詰められ絶体絶命となった「セブンガー」に「エレキング」は新兵器でトドメを刺そうとするが、再び新兵器が作動しなくなってしまう。故障した新兵器を何とか修理しようと試みた「エレキング」だが新兵器が暴発、自ら銃弾を浴び絶滅してしまう。偶然にもピンチを乗り切ることに成功した「セブンガー」であった。

宇宙から飛来した「発泡怪獣ダンカン」が新型ミサイルを咥えて市街地を逃走。市街地を壊さぬよう細心の注意を払いながら「セブンガー」による「ダンカン捕獲作戦」が開始された。小動物のようなカワイイらしい見た目の「ダンカン」に対してハルキは「動物の扱いは得意」と豪語、その甲斐もあり何とか「ダンカン」の捕獲に成功、同時に咥えていたミサイルも確保するも一瞬のふいを突かれ機体に噛みつかれてしまう。動物の扱いが得意なハルキは「ダンカン」をあやし宥めようと試み、無事落ち着かせることに成功する。だがそのグルーミングの最中、喜びのあまり「ダンカン」が発泡を噴き上げ、機体ともどもあたり一面を泡だらけにしてしまい後処理に追われるハメになってしまう。

多数の怪獣が生息している孤島「スフラン島」。そこに生息する怪獣たちが海を越えて本土に上陸してくることを恐れた地球防衛軍はスフラン島ごと凍結するという作戦をストレイジ主導のもと実行する。だが島を占拠していた「アクマニヤ星人」が凍結作戦を阻止するべく様々な方法で攻撃を加えてきた。地球防衛軍が島に整備していた基地に突如謎の光線が当てられ、光線を浴びた砲台がロボット兵器「ビームミサイルキング」に変身、セブンガーは「20式銃剣2型」などの装備で応戦することとなった。さらに基地を守ろうとするセブンガーの前に「凍結怪獣ガンダー」と「油獣ペスター」の2体の怪獣が現れ、はさみ撃ちに合うも何とか基地を守り抜く。だが「アクマニヤ星人」に加勢した「宇宙昆虫サタンビートル」「ボーズ星人」「怪異宇宙人ケットル星人」「鬼怪獣オニオン」が一挙集結し、セブンガーはピンチに陥ってしまう。そのピンチに突如「ウルトラマンレオ」が駆けつけ「セブンガー」と共闘、怪獣たちを撃破するのであった。

「特空機1号セブンガー」最後の激闘

光の国を襲撃した「凶暴宇宙鮫ゲネガーグ」を追い、地球に飛来した「ウルトラマンZ」と運命の出会いを果たしたハルキは共に戦うようになっていた。一方ストレイジでは新たな特空機として「キングジョー・ストレイジカスタム」を完成させつつあった。そんな中、突如2体の怪獣「隕石怪獣ガラモン」が飛来し進行を開始する。ストレイジに出撃命令が下される中、老朽化した「セブンガー」でハルキは出撃していく。性能的に見劣りする「セブンガー」は2体の「ガラモン」に苦戦してしまう。そんな中「友好珍獣ピグモン」が加勢に現れるが、無惨にも「ガラモン」に踏み殺されてしまう。その光景に怒りを爆発させたハルキはハルキの中に宿る「ウルトラマンZ」の意思を目覚めさせ共に「ガラモン」たちへ応戦を再開、見事撃破し「セブンガー」の餞の戦いとなった。

宇宙で巡り合うかつての仲間たち

ハルキと「ウルトラマンZ」が地球での最終決戦を終え宇宙に旅立った後、ストレイジでは新たなる技術を盛り込んで宇宙用に換装した「宇宙セブンガー」を開発する。だがその宇宙セブンガーは「四次元怪獣ブルトン」解析によるワープ実験の最中に起きた不具合によってヨウコとユカを乗せ、怪獣が闊歩する無法惑星に飛ばされてしまう。そんな無法惑星で次々起こる怪獣たちの小競り合いに「宇宙セブンガー」は巻き込まれてしまう。次々に襲ってくる怪獣たちに対し「20式多用途電磁警棒」で応戦するも多勢に無勢な状況を打破できずピンチに陥ってしまう。そこへ地球で共闘していたストレイジの元リーダー・ヘビクラが「ジャグラスジャグラー魔人態」の姿で、さらにハルキが「ウルトラマンZ・ベータスマッシュ」となって「宇宙セブンガー」を助けにやってきた。ハルキ、ヨウコ、ユカ、ヘビクラの元ストレイジの面々が無法惑星で一堂に集い共闘し、みごと荒くれる怪獣軍団を撃破する。その後中破した「宇宙セブンガー」は、ハルキの「ベータスマッシュ」に抱えられ無事に地球に帰還することとなった。

『セブンガーファイト』の登場人物・キャラクター

『セブンガーファイト』で登場した特空機

対怪獣特殊空挺機甲1号機セブンガー

地球防衛軍日本支部対怪獣ロボット部隊ストレイジ所属

型式名称:SC-1
身長:55メートル
体重:3万8千トン
実用行動時間:3分
装甲材質:超硬質合金S型
製造地:日本

『ウルトラマンZ』に登場するロボット兵器。正式名称は「対怪獣特殊空挺機甲1号機」略して「特空機1号」と呼ばれているストレイジのシンボルロボット。日米防衛軍では歯が立たなかった「ナメゴン」を撃破した功績から国内のマスコミに「見せた!日本の底力」などと高い評価を受け、ストレイジ設立の礎となった。デザインはずんぐりとしていて「ぶきっちょ感」が否めないが瓦礫を一つずつ掴むなど器用な操作も可能である。目は基本「困り目」になっているが、戦闘時にはさまざまに変化させ感情をあらわす。背面ブースターで飛行移動も可能で、飛来した現場には「セブンガー、着陸します。ご注意ください」と周囲への警告アナウンスを鳴らしながら「ま~か~せ~て~」とも聞こえる駆動音とともに着陸する。活動時間はオリジナルのネックでもあった1分間から3分間に延長されている。電源はバッテリー方式で、1分間活動可能なバッテリーを最大3基まで装填が可能、使い終わったバッテリーは背中の挿入口から自動で射出される。電力を補充出来る市街地ならば、ケーブルによる有線電力供給も可能である。戦闘スタイルは近接戦闘の肉弾戦を得意とする。必殺技は「硬芯鉄拳弾」。基本的に発射は膝をつき右腕を前に出した態勢でパイロットが狙いを定めて発射するマニュアル操作だが、一定射程圏内にターゲットが入るとパイロット不在でもオート機能で発射することもできる。ドリル型をした「超硬芯回転鉄拳」などの追加武装もある。当初はナツカワ ハルキとナカシマ ヨウコが持ち回りで操縦していたが、「特空機2号・ウインダム」が配備されてからはハルキが専属で搭乗している。

『セブンガーファイト』で登場したストレイジ隊員

ナツカワ ハルキ (演:平野宏周)

地球防衛軍の対怪獣ロボット部隊「ストレイジ」に所属する新人パイロット。その常に一生懸命な姿勢と真っ直ぐな正義感は周りからも評価をされており、ここ一番の場面でも大役を任されることもある。怪獣との戦いの中で一度命を落とすも「ウルトラマンZ」と一体化することで一命を取り留め、その後「ウルトラマンZ」や仲間たちと共に戦いを繰り広げていく。口癖は「押忍」と「チェストー!」。

ナカシマ ヨウコ (演:松田リマ)

地球防衛軍の対怪獣ロボット部隊「ストレイジ」に所属するエリートパイロット。ハルキとは特空機パイロット同士の関係であり、先輩として尊敬をされている。「一人でも多くの人を助ける」という責務を抱いており、その強い姿勢は後輩のハルキにも影響を与えている。明るく勝気で男勝りな性格でもあるが中身は意外と乙女チックな部分も持ち合わせている。

バージンヘアー
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@basashi_negi

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