怪奇大作戦（円谷プロ）のネタバレ解説・考察まとめ

『怪奇大作戦』の概要

『ウルトラシリーズ』に続くタケダアワーの1作として制作された。
警察の捜査では解決困難な事件を調査する科学捜査研究所、通称「SRI」による科学捜査がメインに据えられ、SF的トリックや事件の闇に潜む人の心の闇が描かれる。
『ウルトラシリーズ』の視聴者層が年齢を重ねたことにより、『ウルトラセブン』における巨大特撮がリアリティに乏しいと受け止められたため、怪獣や宇宙人といった派手な要素を避け、社会派ドラマの路線が敷かれることとなった。
円谷プロダクションの十八番である特撮は本編との親和性が重視され、同時にグロテスクな表現も多用された作品である。
平均視聴率は22％。ヒット番組といえる数字をマークし、予算超過やスケジュール破綻もなく半年の放送を満了した。

『怪奇大作戦』の用語解説

SRI

正式名称「科学捜査研究所」。略称のSRIは英字表記「Science Research Institute」の頭文字を取ったもの。警察の捜査が行き詰った怪奇事件について科学捜査を行う組織である。
現在の警察に存在する「科学捜査研究所」とは無関係となっている。
劇中では警察からの依頼を受けたり、警察との共同捜査を行うことが主ではあるが、民間組織であるため逮捕権等の警察特有の権限は持たない。

『怪奇大作戦』の登場人物・キャラクター紹介

牧史郎（演：岸田森）

本作の主役。冷静沈着で、科学的視座に富む青年。SRIの頭脳として事件解決に奔走する。若干ながら科学万能主義的な側面も持つ。父親を科学犯罪で失っており、犯罪に対する憎しみが強い。コーヒーとタバコを嗜む。

的矢忠（演：原保美）

SRI所長。警視庁の鑑識課長だった経験を活かし、SRIを設立した。警視庁との繋がりが強く、特に町田警部とはあだ名で呼びあうほどに懇意である。妻帯者で、妻と息子も作中に登場した事がある。

三沢京介（演：勝呂誉）

SRIきっての熱血漢。防衛大学出身の肉体派であり、頭脳も明晰だが、情に脆いところが弱点。「助さん」と相性で呼ばれる事が多い。大のビール好き。

野村洋（演：松山省二）

SRIでは若手のメンバー。ムードメーカーで、多少おっちょこちょいな面があり、発言を咎められることも多い他、『かまいたち』では犠牲者を増やしかける失態も犯した。「ノム」の愛称で呼ばれる。

小川さおり（演：小橋玲子）

SRIの紅一点。SRI事務所に詰めていることが多いが、現場に出ることもある。野村よりも若く、無邪気な面も見られる。『かまいたち』では犯人が女性を狙うことを活かし、囮役を買って出たことも。

町田大蔵（演：小林昭二）

警視庁の警部。警視庁捜査一課課長で的矢の元同僚。警察とSRIの橋渡しとして捜査依頼を持ち込む他、SRIから警察への協力依頼も彼を通して行われる。自身の経験則や偏見、先入観に囚われる、SRIの引き立て役として描かれることも多い。エピソードごとの役回りが大きく変わるキャラクタ。