ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ(ジェネスタ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』とは、日本の特撮作品。『ウルトラマンギンガ』から『ウルトラマンブレーザー』に登場したウルトラマンの活躍を描いている。キャッチコピーは「新時代は新たな次元へ━。掴め!未来からのメッセージ!」、「燃やせ!ULTRA PRIDE!」。
ウルトラマンたちの暮らす光の国のシステムに何者かが侵入し、過去のデータが失われる。ギンガたち若い世代のウルトラマンが自分たちの戦いを振り返って記憶を回収する一方、彼らと共に戦った人間たちも過去の記録の検証を始めていた。
『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』の概要
『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』とは、日本の特撮ドラマ作品。キャッチコピーは第1期が「新時代(ニュージェネレーション)は新たな次元へ━。掴め!未来からのメッセージ(ディメンションナイザー)!」、第2期は「燃やせ!ULTRA PRIDE(ウルトラプライド)!」。
『ウルトラマンギンガ』から『ウルトラマンブレーザー』までの各作品に登場したウルトラマンたちの活躍を回想や過去のデータの参照の形で振り返り、ここに新しい映像を加えることで新たなドラマとして仕立てたもの。懐かしい映像から生死不明のまま行方を絶った者のその後が描かれることもあり、『ウルトラマンシリーズ』を追い続けてきた人ほど楽しめる内容となっている。
ウルトラマンたちの暮らす光の国のシステムに何者かが侵入し、過去のデータが失われる。ギンガやゼットといった「新時代」と呼ばれる世代のウルトラマンたちは、自分たちの戦いを振り返って記憶を回収しつつ、データを消去した犯人を追い詰めていく。
その頃地球では、かつてウルトラマンと共に戦った人間たちが独自に過去の記録の検証を始めていた。ウルトラマンと共に過ごした日々を懐かしく思う彼らの前に、宇宙からの新たな来訪者が現れる。
『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』のあらすじ・ストーリー
光の国の異変
ウルトラマンたちの暮らす光の国のシステムに何者かが侵入し、過去のデータが失われる。ギンガやゼットといった「新時代」と呼ばれる世代のウルトラマンたちは、自分たちの戦いを振り返って記憶を回収し、失われたデータを補填していく。
その一方、彼らは光の国のシステムに侵入した犯人を捜索。やがてそれがエディオムというすでに滅びた文明によって作り出された人工知能であることが判明する。
エディオムは宇宙に広がる様々な文明の情報を収集することを任務としており、自分を生み出した文明が滅んだ後も黙々とその作業を続けていた。その中でウルトラマンの存在と、彼らが仲間との絆を力に変えて強大な敵を打ち破っていったことを知り、「記憶を失って孤独な存在となった時、彼らは孤独なまま戦うのか、再び絆を蘇らせるのか」との好奇心から今回の事件を起こしたのだった。
ギンガたちによってその正体を暴かれたエディオムは、彼らの絆の力の前に敗北したことを認め、自分もまた孤独を感じていたことを学ぶ。改心したエディオムは、ウルトラマンたちに見守られながら、再び宇宙へと旅立っていくのだった。
セブンガー改造計画
新たな来訪者
かつてウルトラマンゼットと共に地球を守り、数々の怪獣と戦った地球防衛軍日本支部ことストレイジ。ここに所属するオオタユカは、ストレイジの主力であるロボット兵器セブンガーの強化改修のヒントを得るために、自分たちとウルトラマンの過去の戦いの映像記録を参照する。
地球を救って次元の彼方へと去っていったゼットと、彼と融合していた同僚のナツカワハルキのことを懐かしんでいたユカの前に、突如謎のロボットと見知らぬ青年が現れる。
青年は自らをリシュリア星人のトレジャーハンターであるイグニスと名乗り、ゼットとも知り合いであることをユカに明かす。謎のロボットはイグニスが宇宙で拾ったマウンテンカリバーII-Vという代物で、その中にあらゆる時空と時代のウルトラマンの戦いの記録が入っていると聞いたユカは、セブンガー強化のヒントを得ようと早速それを見始める。
イグニスもウルトラマンたちの過去の戦いの中にまだ見ぬお宝があると考え、ユカに協力。マウンテンカリバー用の記憶媒体であるストレイジキーを彼女に渡しつつ、作業自体は丸投げしてその場を去っていく。
別世界の防衛隊
手始めにユカが確認したのは、自分たちとは違う世界で地球を守るために戦う防衛隊の活動記録だった。怪獣ゴモラの因子を再現したサイバーゴモラを操って戦う別世界の防衛隊Xio(ジオ)の活躍を見たユカは、彼らの持つ自分たちとは異なる戦闘能力に感嘆する一方で、「ただ戦うための力があるだけではない、平和のために愛する人のために力を振るう様にこそ彼らの力の秘密がある」と分析し、マウンテンカリバーからも慧眼であると絶賛される。
「セブンガーもロボットなのだから、その強化を考えるならロボット怪獣の記録を見るべきではないか」と考えたユカは、かつて自分たちストレイジとギルバリスという怪獣の交戦記録を見始める。ギルバリスはウルトラマンジードとウルトラマンゼットを同時に相手取ってなお優位に立ち回った強豪怪獣で、セブンガーのコンピュータをハッキングして操るなど様々な搦め手も駆使してユカたちを苦しめた。しかしユカが「AIが搭載されているなら入力された問題を解こうとするはず」と考えてミレニアム問題のデータをむりやり叩き込んだ結果動きが鈍り、ここにウルトラマンたちの必殺技が炸裂してなんとか勝利したのだった。
自分の機転が逆転のきっかけになったことを思い出して得意になるユカだったが、マウンテンカリバーは「ギルバリスは本来はもっと恐ろしい怪獣である」と他のウルトラマンが交戦した記録を披露する。ギルバリスは“知的生命体の絶滅”を目的として活動する巨大な人工知能の戦闘用ボディであり、フルスペックであればウルトラマンが3人まとめてかかっても敗北寸前まで追い詰められるほどのすさまじい戦闘能力を持っていた。さらにこの人工知能はギャラクトロンという量産型のロボット怪獣を大量に作り出しており、その1体1体が場合によってはウルトラマンを倒しうるほどの攻撃力と防御力を兼ね備えていた。
幸いウルトラマンたちの活躍によってギルバリスの拠点は破壊されたが、ユカたちの前に現れた個体のように、宇宙にはまだ稼働中のギルバリスやギャラクトロンが存在している可能性が高いという。これらに対抗するために、ただ強い力を求めるだけでなくハッキング対策や人工知能を暴走させない工夫も必要だと、ユカは改めて感じるのだった。
並行世界の天才児たち
次いでユカが注目したのは、並行世界の地球を守る防衛隊の戦力を支える、若き天才科学者たちだった。その中には10代にして地球防衛の要として活躍する者たちも少なくなく、「年下でこんなにすごい人たちがいるなんて」とユカは自己嫌悪に陥る。マウンテンカリバーは「大切なのは年齢ではなく、力を合わせて地球を守ろうという意志だ」と彼女を慰める。気を取り直したユカは、並行世界のロボット兵器についても調査していく。
少しずつ並行世界の戦いのデータが集まっていく一方、マウンテンカリバーは不可思議な動きを見せ始める。ユカが寝ている間に、SKaRDという別の並行宇宙の防衛隊の活動記録を勝手に参照し、そこで活躍したロボット兵器アースガロンのデータを収集していたのである。マウンテンカリバー自身も自分がそんな行動を取っていることには気づいておらず、集めたデータで生成した新たなストレイジキーを見て驚く始末。様子を見に来たイグニスもこの事態に驚く中、マウンテンカリバーは自分の正体について語り始める。
マウンテンカリバーの正体
マウンテンカリバーの正体は、かつて光の国に大事件を巻き起こした人工知能エディオムだった。ウルトラマンたちとの邂逅によって己の間違いを悟り、改心したエディオムは、絆というものについてより深く学ぶために物事を間近で経験する“肉体”を作ろうと考えた。それがマウンテンカリバーだったのである。完成したばかりの“エディオムの新たな肉体”ことマウンテンカリバーが、あとは起動するだけとなったところで「誰かが宇宙に落としていったもの」だと考えたイグニスが地球に持ち込んだというのが真相だった。
黙っていたことを詫びるエディオムだったが、ユカは「悪いことをしたわけではない」と彼を許し、今までに集めたデータをさらに見せてほしいと頼み込む。エディオムがこれに応えると、イグニスもイグニスで「俺だって変身もできるしウルトラマンと一緒に戦ったこともある」と自信満々に語り出し、ユカを混乱させるのだった。
絆の力
次いでユカが見ることとなったのは、ウルトラマンたちをも苦しめた異次元の侵略者ヤプールの脅威だった。ヤプールは狡猾な策略と強大な戦闘力でウルトラマンたちを追い詰め、時には打ち倒したことさえもある恐るべき存在である。最終的には敗れたものの、ヤプールたちは今も諦めずに地球と宇宙を狙い続けているという。
その事実に青ざめるユカだったが、エディオムは「ヤプールの力はすさまじいが、ウルトラマンにもそれに対抗する力がある」と断言。ウルトラマンたちがこれまでの戦いで培ってきた同族同士の、あるいは地球人との絆のデータを提示する。かつて自分の策略をも打ち破った“絆の力”がウルトラマンたちと共にある限り、彼らが倒れることはありえないと、エディオムは実体験を交えて断言する。
一方で、「ウルトラマンとして生まれながらも、絆の力を否定して悪しき道に走った者たち」もまた存在していた。ウルトラマンベリアルやウルトラマントレギアといた悪のウルトラマン、そして彼らに匹敵する脅威として人々を苦しめたダークザギ。その存在は悲しくも恐ろしいものではあったが、だからこそ彼らのデータは貴重かつ重要なものだった。
立場と認識
セブンガーの強化が遅々として進まない中、ユカは上層部に呼び出されて叱責される。「私だって一生懸命やっている。中途半端な強化ではやる意味がない、上層部は何も分かっていない」と憤慨するユカだったが、エディオムは「彼らは彼らで思うところがあるのだろう」と彼女を諭す。例として彼が見せてきたのは、「ウルトラマンベリアルの息子」という立場に悩み苦しむ、ウルトラマンジードという戦士の記録だった。
ジードはベリアルに似た恐ろしげな姿のせいで人々から怖がられ、報われない日々を送っていた。そんな彼の前に先輩であるウルトラマンゼロが現れ、地球で活動する際の立場をしばらく入れ替えてみることを提案される。今までの自分とは違う立場で世界や社会を見たジードは、己の悩みについて自分なりの答えを出していった。これを見たユカもまた、1つの視点からでは気づけないこともあるのだと再確認する。
仕事ぶりも完璧、気遣いもバッチリなエディオムに感心するユカだったが、彼はAIの利便性の裏にある危険性についても考慮するべきだと語る。AIは電子的な防御を破られてハッキングされると敵に制御を奪われる可能性があり、それは人類より優れた科学力を持つ宇宙人を相手にする限り“いつ起きても不思議ではない事態”なのだ。実際にそうやって発生した事件の映像データを見せられたユカは、エディオムの指摘はもっともだとしてハッキング対策の重要性を肝に銘じる。
続けてエディオムがユカに見せたのは、「ウルトラマンの偽物」たちの暗躍だった。姿を真似て悪事を働く者や、"ウルトラマンに扮して活動する”ことで本当に正義の心に目覚めた者。科学的にウルトラマンの戦闘力を再現されたロボット兵器。頼りになるウルトラマンだが、だからこそその姿や力を悪用されると恐ろしい事態を招くということを、ユカは実際の映像を見届けることで学んでいく。
完璧で究極な設計
研究と観察の果てに、ユカが目指したのは「原点回帰」だった。自分たちストレイジがどのような特空機(ロボット兵器)を運用してきたか、セブンガーに必要とされるのがなんなのかをもう1度洗い出そうというのである。ウインダムやキングジョーストレイジカスタムといった自分が開発した特空機とその活躍の映像を堪能したユカは、「全ての特空機の力をセブンガーに搭載しよう」と結論。武装と装甲とそれらをまとめて動かすための推進装置を大量に増設した、「パーフェクトセブンガー」なる機体の設計図を完成させる。
これこそ究極の機体と得意げなユカだったが、そんな彼女にエディオムは「誤った使い方をした結果、大きな悲劇を招いた兵器」のデータを見せる。自分が作るものも同じ結果を生み出すかもしれないという事実を突きつけられ、ユカは悄然とする。
そこにイグニスが現れ、意気消沈するユカに自分の経験を語って聞かせる。彼もまた幾多の戦いの中で強すぎる力を求め、あるいはそれによって生まれた惨劇を目の当たりにしてきた。しかし、過ちを乗り越えて進もうとする気持ちが、仲間を想う絆がそんなイグニスの背を押して、苦難を打ち破る力を与えてくれたという。
イグニスもまた大きな過ちを経験し、それを克服しながら生きてきたのだと知ったユカは、自身もまた力を正しく使う覚悟を改めて固める。
『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』の登場人物・キャラクター
主要人物
大田結花/オオタユカ(演:黒木ひかり)
地球防衛軍日本支部ことストレイジに所属する、若き女性科学者。漢字表記だと「大田結花」だが、作中ではカタカナ表記の「オオタユカ」で通している。
セブンガーの開発や強化を担当しているが、「古い機体だからこれ以上いじるところがない」と頭を抱え、何かヒントを得ようと過去の自分たちの戦いを再検証する。
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目次 - Contents
- 『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』の概要
- 『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』のあらすじ・ストーリー
- 光の国の異変
- セブンガー改造計画
- 新たな来訪者
- 別世界の防衛隊
- 並行世界の天才児たち
- マウンテンカリバーの正体
- 絆の力
- 立場と認識
- 完璧で究極な設計
- 『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 大田結花/オオタユカ(演:黒木ひかり)
- イグニス(演:細貝圭)
- マウンテンカリバーII-V
- ウルトラマン
- ウルトラマンゼット
- 『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):NEW GENERATION STARS with voyager「STARS」(第1期)
- OP(オープニング):オオタ ユカ with voyager「ULTRA PRIDE」(第2期)