アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』とは2016年公開のアメリカの3D映画。2010年公開の『アリス・イン・ワンダーランド』の続編。ティム・バートン製作・製作総指揮。監督は ジェームズ・ボビン。3年の船旅から戻ったアリスが青い蝶のアブソレムに導かれ、鏡の中に入り再びアンダーランドを訪れる。そこで病んでいる親友のマッド・ハッターを救うために過去に遡り、過去を変える時間の旅に出る。ヒットした前作と比べアメリカ、日本ともに興行成績は振るわず、厳しい評価になった。
『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』の概要
『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』とは2010年公開の『アリス・イン・ワンダーランド』の続編。前作の監督のティム・バートンは本作では製作・製作総指揮を務め、本作の監督は『ザ・マペット』のジェームズ・ボビンに代わった。主演のミア・ワシコウスカを始め、マッドハッター役のジョニー・デップ、その他前作からの出演者は引き続きの登板となった。
アブソレム役のアラン・リックマンの遺作となった作品でもある。
アンダーランドから戻り、父の残した船、ワンダー号の船長として3年の航海から戻ったアリスは、会社の会長のアスコット卿が他界したことを知る。会長職はアリスの元婚約者でもあった息子のヘイミッシュが引き継ぐことになり、アスコット卿の称号継承パーティーが行われることになった。アリスは母と共にそのパーティーに向かった。そこでヘイミッシュからアリスはクビを言い渡され、ワンダー号を売り渡すように強要される。ショックを受けたアリスの前に蝶になったアブソレムが飛んでいた。アリスはアブソレムを追いかけて鏡の中に入り、再びアンダーランドにたどり着いた。
アンダーランドの仲間たちはアリスの登場を喜ぶが、マッドハッターの姿が見えない。アンダーランドの仲間たちはマッドハッターがおかしくなったという。マッドハッターの家族は昔、ジャバウォッキーの襲撃を受けて死んだはずであったが、彼が初めて作り彼の父に渡したはずの紙の帽子を見つけたのだ。家族が恋しくなったマッドハッターは生気を失っていた。アリスはマッドハッターを助けるため、白の女王の提案で、万物の大時計を動かす力の根源、クロノスフィアを使って過去に遡り、過去を変える旅に出ることを決意する。
過去に遡っていくうちに前作では明かされなかった赤の女王、白の女王姉妹の確執の原因となった出来事や、赤の女王の大きな頭の謎も解明される。
前作が大ヒットとなり、期待されていた本作であったが、興行成績はアメリカでも日本でも振るわず、厳しい結果となった。
『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』は2016年7月1日より全国979スクリーンで公開され、週末2日間で動員27万3209人、興収4億2545万7700円をあげた。
ただしこれは最終興収118億円を記録した前作「アリス・イン・ワンダーランド」(2010)の興収比32.3%のオープニングとなり、最終的な興行収入は27.8億円であった。
アメリカの大手映画批評サイト「Rotten Tomatoes」の『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』に対する批評家の支持率は29%と厳しい評価であった。
低評価の原因としては様々な意見があるが、ルイス・キャロルの原作とほとんど関連性がないこと、前作で個性を発揮していたアンダーランドのキャラクターたちがほとんど活躍しないことが大きな原因と言える。
また前作に比べて色鮮やかな色彩になっており、技術の進歩も目覚ましいものだが、前作の暗めのトーンでキャラクターの個性がはっきり描かれたティム・バートン色に魅力を感じていたファンにとっては若干受け入れがたい思いがあったものと推察される。
『アリス・イン・ワンダーランド』の不思議の国の世界観を見たいという観客からすると拍子抜けの映画ではあるが、家族の絆と前作で強く成長したアリスのブレない姿はしっかり描かれている。
『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』のあらすじ・ストーリー
大荒れの中の帰還
前作描かれた夢の世界、アンダーランドから戻ったアリスは、父の残してくれた船・ワンダー号で貿易の旅に出ていた。帰港の途中、ワンダー号は海賊に遭遇してしまうがアリスの機転で無事ロンドンに辿り着いた。
再び航海に出るつもりのアリスだったが、母や周囲の反対を受けたことに反発。
そんなアリスの前にひらひらと舞う蝶が現れる。アリスはその蝶が前作で登場したアブソレムという芋虫だと気づき、後を追って鏡の中の世界に入っていった。
鏡の中の世界ーアンダーランドに到着したアリスは「彼との別れも近い」というアブソレムの言葉と共に、さらに真っ逆さまに落ちていった。
懐かしい仲間との再会
到着した場所では、懐かしい仲間たちがお茶会をしていた。アンダーランドの仲間たちはアリスとの再会を喜ぶが、同時にアリスの親友であるマッドハッターが弱っているという知らせを告げた。なんでも、ある出来事をきっかけに何年も前に殺されたハイトップ家(マッドハッターの家族)の悲劇を思い出してしまったという。
そして仲間たちは、そんなマッドハッターを助けてほしいとアリスに持ち掛ける。
仲間たちに説得されたアリスがマッドハッターの元を訪れる。やはり具合の悪そうなマッドハッターが差し出したのは、なんと死んだはずのマッドハッターの父親の帽子だった。この帽子が見つかったということは家族が生きているかもしれないと話すマッドハッターは、アリスなら一緒に家族を探してくれると信じていた。
しかし、アリスは痛哭な表情で「家族は死んだのよ」と告げる。アリスの否定的な意見を受け入れられないマッドハッターは心を閉ざし、アリスを家から追い出してしまった。
マッドハッターをなんとか立ち直らせることはできないか。そう考えるアリスに白の女王・ミラーナが、万物の大時計を動かす力の源クロノスフィアで時間をさかのぼり、ハイトップ家を救う方法を提案する。そしてその方法を実行できるのはアリスだけであることも告げた。
危険な旅になることは確実だが、ほかならぬ親友・マッドハッターのためならと計画の実行を決意したアリス。仲間たちの案内でクロノスフィアを所有するタイムの元へ向かった。
クロノスフィアとタイム
アンダーランドの住人に関わる奇妙な時計が並ぶ部屋でタイムと対面したアリスは「友達の命が危ないんです」と説得、父の形見である懐中時計の存在に助けられながらなんとかタイムに事情を説明する。
しかし、歴史を崩壊させる恐れもあるクロノスフィアを貸すことはできないと断られ、タイムの城から追放されそうになってしまう。
すると、前作でアリスにアンダーランドから追放されたはずの赤の女王・イラスベスが現れた。こっそりその後をつけると、赤の女王に執心のタイムがプレゼントを渡し、それを受け取ったイラスベスがクロノスフィアで成し遂げたい野望を話している。
このチャンスを逃すまいと一瞬の隙をついたアリスは、無事クロノスフィアに乗り込むことに成功した。間一髪でアリスを取り逃したタイムはアリスを追いかける。
時間の旅の中で
ハイトップ家殺害の日を目指していたアリスだったが、赤の女王の王位継承式の日にたどり着いた。そして、白の女王と赤の女王の確執、マッドハッターと彼の父の口論を目撃する。その場でマッドハッターを捕まえたアリスは、このままでは後悔すると忠告するもマッドハッターを説き伏せることはできなかった。
一方アリスを追っていたタイムはお茶会の現場にたどり着く。盗人アリスを探しているというタイムに、マッドハッタ―はアリスをお茶会に招待していると嘘をつき挑発した。
その頃アリスはさらに時間をさかのぼり、幼いマッドハッターに自宅へ招待をされていた。また、この日は赤の女王が事故にあってしまった日でもあり、その事故を止めるべくハイトップ家を早々に後にした。
しかしアリスの計画もむなしく、6時の鐘がなったとき赤の女王はやはり事故にあってしまった。
「過去を変えることはできない」というタイムの言葉に胸を締め付けられるアリス。しかしここでふと、タイムと対面した時を思い出す。タイムが並べていた奇妙な時計ー死者となったアンダーランド住人の時計は名前順に並んでいた。しかしそこにハイトップ家の名前はなかったのだ。このことからアリスはハイトップ家が生きていることを確信した。
そしてついに、タイムはアリスにたどり着く。クロノスフィアがなくなったことで体に異変をきたしていたタイムは、鏡の向こうの世界ー現実世界に一時的に逃げおおせたアリスをとらえることができなかった。
現実世界の病院で目が覚めたアリスは、アリスがヒステリーを起こしていると決めつける医師の手を逃れて、再びアンダーランドに戻っていった。
あの日の真実
たどりついたアンダーランドは火の海だった。まさにハイトップ家が殺害されたその日である。必死にハイトップ家を探すアリスは、ハイトップ家がやはり生きていて赤の女王の命令によって捕らえられた事実を目の当たりにした。
病気のマッドハッターのいる世界に戻ったアリスはすぐさまマッドハッターの元へ急ぎ、家族が生きていること、赤の女王の命令によって何年も閉じ込められていることを伝える。マッドハッターは家族を救い出すことを決意した。
一方赤の女王の元に現れたタイムは、アリスがハイトップ家を救いだそうとしていることを告げる。しかし赤の女王は、クロノスフィアで成し遂げたい野望の前でタイムの動きが目障りだとタイムを捕らえてしまう。
赤の女王の城に向かったアリスとマッドハッターは、小さくされた姿で額縁の中に捕らわれたハイトップ家を無事に見つけることに成功するが、赤の女王の手下である野菜たちに捕らえられクロノスフィアも奪われてしまう。
クロノスフィアを手に入れた赤の女王は野望を果たすべく、白の女王を連れて自身に事故が見舞われた忌むべき日へとさかのぼっていった。
捕らえられ牢獄に入れられたアリスは、同じく捕らえられたタイムがクロノスフィアを失ったことで苦しむ姿を目の当たりにして自分の行いを反省する。
その後、赤の女王の手下である野菜たちはアリスを解放。自分の体の一部を食べられたことで野菜たちは女王に恨みを募らせていた結果の反逆だった。
野菜たちに解放されたアリスは、タイムのためにクロノスフィアを取り返すことを決意する。
一方、過去に戻った赤の女王は幼い自分と対面するという禁忌を侵してしまう。これこそまさに、タイムがアリスに忠告した歴史を崩壊させる絶対的な禁忌だった。
過去を壊してしまった赤の女王の行動で、全ては徐々に朽ちて固まっていってしまう。慌てた赤の女王はクロノスフィアに乗ってタイムの城を目指すが、歴史の崩壊は止まらない。誰もが諦め、歴史の崩壊に飲み込まれそうになったその時、歴史の崩壊がアリスに及ぶまさに瀬戸際のところでアリスはクロノスフィアを元の場所に戻すことに成功。崩壊しかけた歴史と世界は元の形を取り戻していった。
取り戻した平穏
もとに戻った世界で、マッドハッターは家族と再会を果たす。
アリスはタイムに今回のことを謝るが、許しは得られたものの二度と来ないでくれと言われてしまった。アリスはそんなタイムに父の形見である懐中時計を差し出した。
アンダーランドでの冒険を終えたアリスは住人達に見送られながら鏡の中の世界ー現実の世界へと帰っていく。
「過去は変えられないが、そこから学ぶことはできる」
そういってアリスは新たな道を歩む決意をした。
『アリス・イン・ワンダーランド /時間の旅』の登場人物・キャラクター
主人公
アリス・キングスレー (演: ミア・ワシコウスカ)
日本語吹き替えは安藤瞳。
物語の主人公。前作でヘイミッシュのプロポーズを断ってから3年間貿易の仕事で船旅に出ていた。
父の形見の船『ワンダー号』の船長でもある。
奇想天外なことが大好きな夢想家であるが、本作では自分の意思をしっかり持つ自立した女性に描かれている。
ヘイミッシュに父の形見の船を奪われそうになり、母と喧嘩して家を飛び出したところ、アンダーランドの青い蝶アブソレムに導かれ再びアンダーランドに行く。
家族が恋しくなり病気になってしまった親友のマッドハッターを助けるため、タイムが持っているクロノスフィアで時間を遡り、過去を変える旅に出る。
この時間の旅でマッドハッターの家族を救ったことから、家族の大切さを知り、父の形見の船、ワンダー号よりも今生きているたった一人の母が大切だと気づく。
「不可能なことは何もない」が信条。
アンダーランドの住人
タラント・ハイトップ/ マッドハッター(演:ジョニー・デップ)
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ジョニー・デップの歴代出演作品まとめ!変貌っぷりがすごい【パイレーツ・オブ・カリビアン】
そのルックスから、日本でもファンが多いジョニー・デップ。彼の名前を聞いて真っ先に思い浮かぶ作品といえば、やはり『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでしょう。しかしながら、実はそれ以外にも様々な有名作品に出演しています。この記事では、そんな彼の歴代作を時系列でまとめました。さきほど挙げた海賊映画のジャック・スパロウもそうですが、ブッ飛んだキャラクターを演じさせるならジョニー・デップに勝る人はいませんよね。
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【SW】ディズニー作品を一覧で紹介!アニメ映画だけじゃない!【MCU】
子ども向けのアニメ映画だけでなく、ファミリー向けや大人だからこそ楽しめる映画も多く擁するディズニー映画。ここではディズニー・プリンセスやピクサー作品、アメコミヒーローの活躍を描くMCUやスペースオペラの名作スター・ウォーズシリーズ、名作の実写リブート作品などを一覧にまとめました。各作品、登場人物やあらすじなどの作品情報を紹介していきます。
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逮捕されたことのある海外有名人の画像・マグショットまとめ【ジョニー・デップ他】
ここでは逮捕された経験のある海外の有名人・芸能人・セレブをまとめた。逮捕時に撮られるマグショットも一部掲載している。ジョニー・デップやジャスティン・ビーバー、キアヌ・リーブスなど、誰もが一度は名前を聞いたことのある有名人ばかりだ。
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目次 - Contents
- 『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』の概要
- 『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』のあらすじ・ストーリー
- 大荒れの中の帰還
- 懐かしい仲間との再会
- クロノスフィアとタイム
- 時間の旅の中で
- あの日の真実
- 取り戻した平穏
- 『アリス・イン・ワンダーランド /時間の旅』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- アリス・キングスレー (演: ミア・ワシコウスカ)
- アンダーランドの住人
- タラント・ハイトップ/ マッドハッター(演:ジョニー・デップ)
- 白の女王・ミラーナ(演: アン・ハサウェイ)
- トウィードルダム、トウィードルディー (演:マット・ルーカス)
- ベイヤード(演:ティモシー・スポール)
- サッカリー / 三月ウサギ(演:ポール・ホワイトハウス)
- チェシャ猫 (演:スティーヴン・フライ)
- マリアムキン / ヤマネ(演:バーバラ・ウィンザー)
- マクトウィスプ / 白ウサギ(演:マイケル・シーン)
- ハンプティ・ダンプティ(演: ウォーリー・ウィンガート)
- アブソレム(演: アラン・リックマン)
- タイム(演:サシャ・バロン・コーエン)
- ウィルキンズ(演: マット・ヴォーゲル)
- 赤の女王・イラスベス(演: ヘレナ・ボナム=カーター)
- ジャバウォッキー
- 野菜の兵士
- オレロン王(演: リチャード・アーミティッジ)
- エルズメア王妃(演: ハティ・モラハン)
- 幼いミラーナ(演:アメリア・クラウチ)
- 幼いイラスベス(演:レイラ・デ・メサ)
- 幼いマッドハッター(演:ルイ・アシュボーン・サーキス)
- ザニック・ハイトップ(演: リス・エヴァンス)
- タイバ・ハイトップ(演:シモーヌ・カービー)
- 現実の人物
- ヘレン・キングスレー(演: リンゼイ・ダンカン)
- ヘイミッシュ (演: レオ・ビル)
- アスコット夫人 (演:ジェラルディン・ジェームズ)
- アレグザンドラ(演:ジョアンナ・ボビン)
- アディソン・ベネット医師(演: アンドリュー・スコット)
- ジェームズ・ハーコート(演:エド・スペリーアス)
- 『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』の用語
- ワンダー号
- アリスが飛び込む鏡
- クロノスフィア
- 万物の大時計
- タイムの城
- ホルベンダッシュの日
- トゥーマリーの日
- フェルの日
- 『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- タイム「過去を変えることはできない。だが、そこから学ぶことはあるかもしれない」
- 赤の女王・イラスベス「その言葉を聞きたかったの。今までずっと」
- アリス「時間は泥棒だと思っていたの。大好きなものを奪い去るから。でも、奪い去る前に与えてくれるのね。毎日が宝物よ。毎時間、毎分、毎秒が」
- ヘレン「アリスは自分の心のままに生きていくの。私もそうよ」
- 『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 前作と対になるチェシャ猫から三日月へのモチーフの変遷
- 前作『アリス・イン・ワンダーランド』より初動興収が68パーセントダウン
- 『アリス・イン・ワンダーランド/ 時間の旅 』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):ダニー・エルフマン『アリス・イン・ワンダーランド アリスのテーマ』
- ED(エンディング):P!nk 『Just Like Fire (From the Original Motion Picture "Alice Through The Looking Glass")』
- 『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』の関連映像
- 予告編