パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンドは、2007年5月25日に公開されたアメリカの冒険映画。
世界中の海賊は次々に処刑され、海賊の時代が終焉を迎えようとしていた。海賊たちは決起し、『伝説の海賊』と呼ばれる9名を招集する。クラーケンに飲み込まれた伝説の海賊の一人ジャック・スパロウを救うべく、ウィルとエリザベスらブラック・パール号は、蘇ったバルボッサを船長として世界の果てを目指す。
『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』の概要
全国のディズニーパークで人気のアトラクション『カリブの海賊』をモチーフとした『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ3作目。本作の興行収入は公開17日で60億を突破し、ディズニー映画史上最速の記録となった。
前作と同じくヴァービンスキー監督・ジョニー・デップ主演。『デッドマンズ・チェスト』と同時に撮影され、前作公開後にも追加で撮影が行われている。本作をもってパイレーツ・オブ・カリビアンシリーズは終了する予定だったが、後に『生命の泉』が制作された。
『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』のあらすじ・ストーリー
名声響き渡るジャック・スパロウは、彼が持つブラック・パール号と共に巨大怪物『クラーケン』に飲み込まれてその生命を落とした。彼の消えた後、港町ポート・ロイヤルでは東インド貿易会社のベケット卿による戒厳令が敷かれる。海賊行為を行った者、海賊行為に加担した者は次々と囚えられ処刑されていった。そんな中、囚われた一人の子どもが歌を口ずさむと、囚人の海賊らは一斉に歌い出す。それは選ばれし9人の『伝説の海賊』の評議会招集を告げる歌だった。
預言者ティア・ダルマによって復活を遂げたバルボッサは、『伝説の海賊』の一人であるジャックを蘇らせるため、ウィル・エリザベスらと共にシンガポールのサオ・フェンの元へと向かう。サオ・フェンは伝説の海賊の一人であり、ジャックの魂が眠るデイヴィ・ジョーンズの墓場を記した『世界の果てへと続く海図』を持っていた。東インド貿易会社の襲撃を受けつつも海図を譲り受けたバルボッサ一行は再び海へ出る。極寒の地を越えた一行は、海図の謎が解明できず進む道を見失った。しかしジャックの発見した『上は下』というキーワードを手がかりに、船を左右に揺らし転覆させることで『上は下』、つまり逆さまの世界を見つけ出した。デイヴィ・ジョーンズの墓場にたどり着いた彼らは、数々の幻覚に悩まされていたジャックを救い出した。
元の世界ではジェームズ・ノリントンがベケット卿の部下として、デイヴィ・ジョーンズらフライング・ダッチマン号を支配していた。かつて恐れられていたクラーケンは見せしめに殺され、体内から取り出したジョーンズの心臓という最大の人質を手に入れたベケット卿が覇権を得つつあった。ベケット卿の『安定した通商のための海賊殲滅』という狙いに対して、バルボッサの『評議会によって女神カリプソを開放して、その力を以て東インド会社を退ける』、ジャックの『ジョーンズの心臓が持つ〈突き刺した者は永遠の生命を手に入れる〉という能力を使って不死の身体を得る』、ウィルの『フライング・ダッチマン号に囚われた父親を救う』、それぞれの狙いが海の上で交錯し、激しい火花を散らし始める。その中で、サオ・フェンは東インド会社の襲撃によって生命を落とし、伝説の海賊の称号をエリザベスに託す。追い詰められた伝説の海賊たちは、ついに評議会を開く。集まったのは、サオ・フェンに代わって南シナ海の王となったエリザベス、地中海の王キャプテン・シュヴァル、太平洋の王ミストレス・チン、黒海の王アモンド・ザ・コルセア、大西洋の王ジェントルマン・ジョカルト、アドリア海の王エドゥアルド・ビジャヌエバ、インド洋の王スリ・スンバジ、カスピ海の王バルボッサ、そしてカリブ海の王であるジャック・スパロウの9人。しかし彼らの意見はなかなかまとまらず、ジャックの父ティーグの提案により、海賊王を9人の投票で決めることになる。それぞれが自らに投票を入れる中でジャックだけがエリザベスに票を投じ、海賊王となったエリザベスはベケット卿との決戦を決意する。
バルボッサは当初の予定通り、カリプソの開放の儀式を行う。カリプソはかつてジョーンズが愛した女性であり、現在ティア・ダルマとして生きていた。カリプソを人間の姿に封印したのは他でもないデイヴィ・ジョーンズ。それを知ったカリプソはバルボッサの狙いを無視して怒り狂い、巨大な姿に変貌して嵐を起こす。嵐の中、エリザベスの演説により奮起した海賊たちは、ついにベケット卿の船軍に攻撃をかける。ジャックはフライング・ダッチマン号に潜入し、ジョーンズの心臓の入った小箱を手に入れていた。ジャックは心臓を取り戻そうとするジョーンズと剣を交え、鍵を手に入れる。そして壮絶な戦いの中でブラック・パール号とフライング・ダッチマン号は対峙する。降りしきる雨、剣劇と大砲の音、怒号と悲鳴が海を埋め尽くした。戦いの中でウィルはエリザベスにプロポーズを行い、バルボッサ立会の元結婚式を挙げる。そんな彼らの前に現れたのは、ジャックに逃げられたデイヴィ・ジョーンズ。ウィルを追い詰めたジョーンズだったがそこにジャックが合流、心臓に剣をかざしジョーンズを制する。しかし無残にもウィルは突き刺され、狼狽したジャックが選んだ手段は、瀕死のウィルの手を使ってジョーンズの心臓を突き刺すことだった。ジョーンズの心臓を突き刺した者は不死の身体となり、フライング・ダッチマン号の船長として海の死者をあの世へ送る役目を永遠に担う。ジャックは自らの野望であった不死の身体を諦め、ウィルを助け出したのだ。カリプソの名を呟きながら海に落ちたジョーンズに代わり、ウィルはフライング・ダッチマン号の船長となった。ジャックら率いるブラック・パール号とウィルのフライング・ダッチマン号の総攻撃によってベケット卿は砲弾を浴び、その生命を散らす。東インド会社は撤退し、長い戦いは海賊側の勝利となった。
フライング・ダッチマン号は10年に一度しか陸に上がれない。孤島で愛を確かめ合うウィルとエリザベスは静かに運命を受け入れる。ウィルはエリザベスに心臓を預け、海の彼方へ向かった。一方、ジャックはまたもバルボッサにブラック・パール号を奪われてしまう。バルボッサが目指している永遠の命を得られると言われる『生命の泉』を求めて、海図とコンパスを辿り海に出るジャックだった。
『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』の登場人物・キャラクター
ジャック・スパロウ
キャスト : ジョニー・デップ
シリーズ通しての主人公。ブラック・パール号の船長。前作にてデイヴィ・ジョーンズとの戦いの中、ジョーンズの操るクラーケンに飲み込まれて生命を失った。死後はデイヴィ・ジョーンズの墓場に送られ、幻覚を見せられる日々に苦しんでいた。バルボッサらの手助けによりデイヴィ・ジョーンズの墓場から元の世界に戻り、ジョーンズの心臓を使って不死の身体を手に入れようと企てる。しかしウィルの窮地を救うため、自らの不死を諦めてウィルの生命を助けた。
船長という称号にこだわりを持ち、自らを「キャプテン・ジャック・スパロウ」と呼ばせている。ジョニー・デップは「自身の掟に忠実な海賊は、自身の美意識に忠実な現代のロックスターのような」イメージを持っていると述べている。
ウィル・ターナー
キャスト : オーランド・ブルーム
引き続き準主人公として登場。真面目で実直な性格をしており、日頃から剣術の修行を怠らない。
フライング・ダッチマン号で働く父ビル・ターナーを救うため、東インド会社と交渉を行いつつバルボッサと行動を共にする。ジョーンズに剣で刺され、生命を落としかけるもジャックの機転に救われ、生命と引き換えにフライング・ダッチマン号の船長として働く。エリザベスと船上の戦いの中で結婚を果たすものの、10年に1度しか陸に上がることを許されなくなってしまった。
エリザベス・スワン
キャスト : キーラ・ナイトレイ
前作からのヒロイン。ウェザビー・スワン総督の一人娘で、父を殺したベケット卿の仇を討つためバルボッサに同行する。サオ・フェンにその器量を認められ、死の間際にエンプレス号の船長、伝説の海賊の称号を譲り受けた。評議会ではジャックの投票によって海賊王に選出され、ベケット卿との戦いを煽動した。
ウィルとの結婚を果たし、子どもと共に10年に1度の帰りを待つ。
快活で自立心の強い性格をしている一方で、ジャックを出し抜く狡猾さも併せ持っている。
ヘクター・バルボッサ
キャスト : ジェフリー・ラッシュ
伝説の海賊の1人、カスピ海の王。かつてはジャック・スパロウ率いるブラック・パール号の一等航海士だった。第1作でジャックの銃弾を受けて死亡したが、ティア・ダルマの呪術によって蘇る。
伝説の海賊が集まる評議会を使って女神カリプソを開放し、その力を以て東インド会社を退けることを狙っている。伝説の海賊の一人であるジャックをデイヴィ・ジョーンズの墓場から蘇らせるため、ウィルたちと航海に出る。
ベケット卿との戦いに勝利した後はジャックらを置いてブラック・パール号の船長となり、不死の身体を得られるという『生命の泉』へと向かう。
カトラー・ベケット
キャスト : トム・ホランダー
東インド貿易会社の権力者であり、『全ては利益のため』を口癖に会社の利益を追求する。
海賊を忌み嫌い、安定した通商を妨げるとして海賊行為を行った者・海賊行為に加担したものを次々と処刑した。前作にてディヴィ・ジョーンズの心臓を手に入れており、それを使ってフライング・ダッチマン号を操りさらなる海賊の根絶を図った。
海賊たちの最後の反逆と思われた評議会を狙い、ジャックやウィル、サオ・フェンらと狡猾に交渉を繰り返し、最後の戦いに自ら参戦した。その結果、想定外のウィルの復活により放心してしまい、『全ては利益のため』と呟き、船と共に沈んでいった。
サオ・フェン
キャスト : チョウ・ユンファ
シンガポールを拠点として、南シナ海を統べるエンプレス号の船長。伝説の海賊の一人。ジャックが囚われたデイヴィ・ジョーンズの墓場への海図をバルボッサに譲り、手を組んだ。
エリザベスの身体に女神カリプソが封印されていると勘違いしており、エリザベスを手元に置こうと企てるものの、東インド会社の襲撃により生命を落とす。その際にエリザベスにエンプレス号の船長の権利、伝説の海賊の称号を譲った。
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目次 - Contents
- 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』の概要
- 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』のあらすじ・ストーリー
- 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』の登場人物・キャラクター
- ジャック・スパロウ
- ウィル・ターナー
- エリザベス・スワン
- ヘクター・バルボッサ
- カトラー・ベケット
- サオ・フェン
- デイヴィ・ジョーンズ
- ティア・ダルマ
- 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』の名言・名セリフ
- 「Gentlemen... hoist the colors.」
- 「I do.」
- 「―Fire!」
- 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ジャックの父『キャプテン・ティーグ』
- ワールドエンドの制作費
- ジョニー・デップのタトゥー