ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(ヱヴァ:Q)のネタバレ解説・考察まとめ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』とは、社会現象をも巻き起こしたTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を、同作監督を務めた庵野秀明自らが再構成したアニメ映画作品。「新劇場版」シリーズの三作目である。
主人公碇シンジが目覚めると、前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』から14年もの月日が流れていた。自身が起こした大災害により滅亡に瀕する世界で、かつての仲間たちが新世界創世を画策する「NERV」とそれを阻む「WILLE」の二派に別れて相争う中、シンジは14年前の真実を求めてNERV本部へと向かう。

正式名称:EVANGELION Mark.06
パイロット:渚カヲル

前作『ヱヴァ:破』のラストにて、カヲルが搭乗していたエヴァンゲリオン。
現在はNERV本部にあるセントラルドグマに打ち捨てられ、さらにどういった経緯でかロンギヌスの槍で串刺しにされている。
内部には第12の使徒が潜んでおり、ロンギヌスの槍を引き抜くと同時に活動を再開。最後はMark.09の鎌で首を切り落とされた。

EVANGELION Mark.04(エヴァンゲリオン マークフォー)

正式名称:EVANGELION Mark.04
パイロット:無し(無人機)

NERVが保有するエヴァンゲリオン。
人型ですらなく、家庭用の自動掃除ロボットのような円盤状の姿をしている。アンチA.T.フィールドと強力な火器を備え、対使徒というよりは対エヴァンゲリオンのために造られたものだと思われる。
『ヱヴァ:破』に名前だけ登場したエヴァンゲリオン4号機との関連は不明。

WILLEの兵器

AAAヴンダー(エーエーエーヴンダー)

WILLEの旗艦たる空中戦艦。エヴァンゲリオンを動力としており、作中では初号機をメインエンジンとしていた。
強烈な火器を大量に搭載しており、火力という点でだけいえば通常の状態のエヴァンゲリオンをも上回る。桁外れの推力を有し、本機のみならず周辺を航行する通常の戦艦をもまとめて飛翔させることができる。その際、飛翔させている物体の上部に特撮のピアノ線のような光る線が現れる。
本来はNERVの保有するMark.09をメインエンジンとして起動する兵器であるらしく、このことからもともとはNERVの開発したものをWILLEが奪取したのだと思われる。

DSSチョーカー(ディーエスエスチョーカー)

Deification Shutdown System Choker(神格化シャットダウンシステムチョーカー)の略。疑似シン化が観測されると爆発し、装着者の命を奪う。さらなる疑似シン化とフォースインパクトを発生させる可能性のあるシンジが、WILLEによって強制的に身につけさせられたもの。ある程度の距離であれば、疑似シン化を果たしていなくても爆発させることが可能。
カヲルはあっさりと解除していたが、目的からして簡単に外れるようなものでは意味が無いなので、使徒としての力でなんらかの干渉をしたものと思われる。

使徒

15年前、突如南極に出現した正体不明の巨大生物。人類の半数を死に至らしめた大災害、セカンドインパクトの原因となった。
コアと呼ばれる部位を持ち、ここを破壊されると活動を停止する(死亡する)。しかしコア以外の部位は再生することが可能で、さらにはA.T.フィールドという強烈無比な障壁を展開する能力を有し、これにより物理的な攻撃をほぼ無効化する。通常兵器ではほとんどダメージを与えられない。
『ヱヴァ:破』までの戦いでその大部分が撃破されており、本作ではほとんど出番が無い。

完全な設定が明かされておらず、媒体によっても多少異なるものの、その正体は「本来地球で繁栄するはずだった生命の原初の姿」だとされている。誕生して間もない地球に複数の天体が衝突、その内の二つに生命の源となる存在が付着していた。先に地球に降り立った方は後から来た天体の衝突で地下深くに追いやられ、後から降り立った方は邪魔者のいなくなった地表を我が物顔で独占。進化の果てに今の生態系を作り出した。
しかし最初に地球に降り立った原初の生命も滅びたわけではなく、地下深くで独自の進化を続けていた。南極の調査隊がその一体こと第1使徒アダムを発見し、研究の末に覚醒させてしまった結果発生したのがセカンドインパクトである。
使徒は生命体としては不完全な存在であり、自らの欠落を埋めるために現生人類のオリジンたる第2使徒リリス(後から地球に降り立った、地球の生態系の源となった原初の生命。研究が進んでいない段階で捕獲されたため使徒と誤認された)との接触を求めている。
一方、ゼーレもまた「使徒を利用して人類を完全無欠の存在にする」ことを目的としており、その意味では『エヴァンゲリオン』の物語は究極の進化を目指す二種の生物の生存競争だと言いかえることもできる。

第1の使徒アダム

人類が最初に発見した使徒。上述の通りセカンドインパクトの原因となり、その肉体は粉微塵となるも、破片が回収され様々な実験に利用されていた。
初号機以外のエヴァンゲリオンは、全てこの第1の使徒の肉片を培養したものを素材にしている。カヲルもまたアダムの残滓から生まれた存在ではあるが、こちらはアダムの魂を人間の肉体に定着させたものとなっている。

第2の使徒リリス

人類が第1の使徒に次いで発見した使徒。上述の通り、実際は使徒とは本質的に異なる存在で、現在の地球上で反映する全ての生命体のオリジンである。
『ヱヴァ:序』では上半身のみがセントラルドグマに磔にされていたが、本作では同じ場所で全身がそろった状態でロンギヌスの槍に串刺しにされていた。カヲルによると、様々な実験によって弄ばれ、すでに死んでいるとのことである。
13号機によってロンギヌスの槍を引き抜かれた際、風船のように膨れて弾け飛び、消滅した。

第12の使徒

EVANGELION Mark.06の中に潜んでいた使徒。ロンギヌスの槍を引き抜かれたことで活動を再開し、エヴァンゲリオンを操って13号機に襲い掛かった。
護衛についていたMark.09によって首を落とされ、さらに13号機に噛み砕かれて撃破される。

第13の使徒

第12の使徒を倒した結果、カヲルが“堕とされた”存在。具体的にどのような意味を差しているのかは不明ながら、これにより13号機は疑似シン化を開始し、フォースインパクトの発生条件が整ってしまう。
カヲルにとってもまったく予想外の事態だったらしく、唖然とする一方で「さすがシンジくんの御父上だ」と感心していた。

『ヱヴァンゲリオン新劇場版:Q』の用語

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