碇ゲンドウ(エヴァンゲリオン)の徹底解説・考察まとめ
碇ゲンドウとは、新世紀エヴァンゲリオンの登場人物で、特務機関ネルフの最高司令官。主人公碇シンジの実父ではあるが、その関係は荒んでおりほとんど親子らしい会話を交わすことはなかった。本作の核心ともいえる「人類補完計画」を実行すべく謀略を巡らせる黒幕的ポジション。その真の目的は、過去に命を落とした最愛の妻・碇ユイと再会することである。常にサングラスをかけており、その表情を読み取ることは難しい。
碇ゲンドウの概要
碇ゲンドウとは、新世紀エヴァンゲリオンの登場人物で、特務機関ネルフの最高司令官。主人公碇シンジの実父であり、彼をエヴァパイロットにするためネルフ本部に呼び出した張本人である。
彼の目的は「人類補完計画」の遂行と、過去にエヴァ実験中の事故で亡くなった最愛の妻・碇ユイとの再会である。
「人類補完計画」とは元々ゼーレ(ネルフの上位組織である秘密結社)による行き詰った人類種を完全な存在へと進化させるための計画だったが、ゲンドウはそれを利用し、初号機と一体化したユイの魂の元へ辿り着こうとしていた。
ゲンドウ(ネルフ)とゼーレの人類補完の方向性が異なっていたため、両者は後に対立し、軍事的に衝突することになる。
しかし結局は「人類補完計画」の鍵であった綾波レイに背かれてしまい、彼の目論見はあと一歩のところで頓挫することになる。
新劇場版では役職や目的に変化はないが、テレビアニメ版・旧劇場版と異なる方法で人類補完とユイとの再会を果たそうとしていた。
また、「シンジとゲンドウの仲を取り持ちたい」という想いで綾波レイが企画した食事会への参加を了承したり、シンジに「大人になれ」と諭したりと、父親らしさを感じさせる描写も見られる。
テレビアニメ版では「アダムの胎児」を入手していたシーンで「ネブカドネザルの鍵」という謎のアイテムを手に入れており、それを使って人間を捨てていたことが新劇場版最終作『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(以降シン・エヴァ)』において語られる。
そしてゲンドウが主導する「アディショナルインパクト」による人類補完の最中、精神世界でのシンジとの対話を通して、自らの内面を曝け出した。そしてインパクトではユイと再会できないことを悟り、今まで恐怖の対象だったシンジの中にこそユイが存在すると知る。最終的にアディショナルインパクトの主導権をシンジに明け渡し、自らはユイと共にすべての幕引き(=エヴァンゲリオンの消滅)を担うことを選んだのだった。
碇ゲンドウのプロフィール・人物像
生年月日:1967年4月29日
血液型:不明
年齢:48歳
役職:特務機関NERV最高司令官
趣味:ピアノ(新劇場版)
担当声優:立木文彦
サングラスと髭が特徴的な長身の男性。性格は冷酷で非情。目的のためなら自分の息子を利用し、切り捨てることもいとわない。その冷徹さや非情さから、クズと評されることもある。知略に長けるだけでなく政治的手腕も高く、常に謀略を巡らせている。いかなる相手に対しても威圧的に接し、部下から煙たがられている描写もある。
年齢は48歳
ゲンドウの年齢は48歳。特務機関NERVの最高司令官という立場にしては若いといえる。副司令官の冬月コウゾウは60歳であり、立場上はゲンドウの方が上だが彼からは「碇」と呼び捨てにされている。ゲンドウは年上の彼に対して求めるような場面もある。
担当声優は立木文彦
ゲンドウの担当声優は立木文彦。ダンディな声が特徴の声優だ。立木にとってゲンドウ役はターニングポイントとなっており、監督の庵野秀明からは感情を抑えた演技を要求されて大いに戸惑ったという。しかしそのおかげでゲンドウは作中でも存在感を示すキャラクターとなった。立木にとってもこの演技はその後のナレーションを務める際のヒントにもなったそう。
クズと評される性格
冷酷な性格のゲンドウは視聴者からしばしばクズ扱いされる。特に息子のシンジに対する態度は「父親失格」といわれがちだ。実際に何の説明もなく親戚に預ける、「エヴァに乗れ」と強要するなど、問題とされる行動は多々ある。一方で本来は不器用な性格であると窺える描写もあり、シンジに対する非道な態度もその不器用さからくるものだと考えることもできる。
特徴的なゲンドウポーズ
ゲンドウは指揮を執る時など、多くの場面で机に両肘を立てて寄りかかり、両手を口元に持ってくるポーズをとっている。このポーズは視聴者に大きな印象を与えたことから「ゲンドウポーズ」とも呼ばれる。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』では目が消失
『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』ではバイザーをつけた姿で登場。銃でバイザーごと頭部を撃ち抜かれた後は、十字状の穴が空いた状態となる。なお頭部への銃撃で脳みそが飛び出したが、それでもゲンドウは生存しており、脳みそを拾い集めていた。
碇ゲンドウの来歴・活躍
テレビアニメ版・旧劇場版
学生時代・ユイとの出会い
学生時代から悪い噂の絶えなかったゲンドウ。碇ユイに近づいたのも、元々は彼女の背後にある秘密結社ゼーレに接近するためだった。しかしそのうちにユイのことを本当に愛するようになり、やがて結婚する。この時ゲンドウの苗字は旧姓の「六分儀」から「碇」に変わった。そして2000年、息子のシンジが生まれる。
後にゲンドウの腹心となる冬月コウゾウを引き合わせたのも、冬月の教え子だった碇ユイだと考えられる。酒に酔って傷害事件を起こしたゲンドウは、面識のなかった冬月を身元引受人に指名。これをきっかけに冬月とゲンドウは知り合った。
結婚から1年後、南極でセカンドインパクトが発生。ゲンドウはこの時葛城調査隊に所属していたが、これから起こるであろうことを予測してその直前に南極を脱出している。
その1年後、南極調査船上で冬月と再会。冬月はセカンドインパクトの原因が世間的に公表されている隕石の衝突ではなく、「光の巨人(第1使徒アダム)」によるものだと突きとめ、世間に真実を公表するとゲンドウに迫る。しかしゲンドウは冬月に建設中のジオフロントとエヴァ零号機の試作品を見せ、彼をも計画に引き入れるのだった。
ユイの死と人類補完計画の始動 最終目的はユイとの再会
2004年、エヴァ初号機の起動実験中にユイが初号機のコアに取り込まれてしまう。最愛の妻であったユイを失ったことで、ゲンドウは大きな衝撃を受ける。そして、世界のすべてを犠牲にしてでもユイと再び会いたいと願ったゲンドウは、ゼーレに「人類補完計画」の開始を提案。ユイとの再会という最終目標のため、陰謀や非道な手段を駆使して邁進していくことになる。
ゲンドウはまず、自分の言いなりになる技術者を得るため赤木ナオコ博士を篭絡。
加えて、ユイをサルベージした際のデータからクローン「綾波レイ」を作り上げた。
ナオコが自殺した後はその娘であるリツコを愛人とし、エヴァの開発やネルフ組織の拡充など人類補完計画に向けて着々と準備を進めていく。
零号機の起動実験で綾波レイが負傷した際は、自分の手を火傷するのもいとわず救出に向かった。それはユイのコピーであるレイに思い入れがあるからというだけでなく、第2使徒リリスの魂を持つレイは人類補完計画における重要なファクターであり、自分に好感を持つよう仕立て上げる必要があったからという理由もあった。
シンジの初号機パイロット就任
2015年、ゲンドウはネルフ本部のある第3新東京市にシンジを呼び寄せる。それはシンジをエヴァ初号機のパイロットにして、襲い来る使徒と戦わせるためであった。
母・ユイの死後疎遠になっていた父親に、いきなり「エヴァに乗れ」と使徒との戦いを強いられたシンジは当然反発。しかし起動実験時の事故で重傷を負っていたレイの姿を見せたことで、シンジは「レイの代わりに自分が乗る」とエヴァの搭乗を承諾した。
初号機を暴走させながらも、シンジはなんとか使徒を撃破。しかしゲンドウが息子を褒めることはなく、同居しようともしなかった。
その後使徒とエヴァとの戦いが繰り広げられる裏で、ゲンドウは様々な謀略を張り巡らせる。ネルフ諜報員である加持リョウジからアダムの胎児を入手したり、人類補完計画の鍵となる「ロンギヌスの槍」を南極で確保したりと暗躍していた。その行動をゼーレは独断専行ではないかと疑問視する。
ゼーレとゲンドウとの亀裂が明白になったのは、初号機が覚醒し使徒の持つ「生命の実」ことS2機関を取り込んだ事件からだった。ゼーレはネルフ副指令・冬月を拉致してゲンドウに圧力をかける。
一方ゲンドウは、第15使徒アラエルの殲滅を口実としてロンギヌスの槍を軌道衛星上に投擲。これによりゼーレは、リリスを依り代に使っての人類補完を断念し、リリスの分身である初号機を使った人類補完に方針を切り替える。
ゼーレが送り込んだ最後の使徒・渚カヲルことタブリスを殺害したことで、ネルフはすべての使徒の殲滅に成功。人類補完計画は次の段階へ進むことになる。
人類補完計画発動
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目次 - Contents
- 碇ゲンドウの概要
- 碇ゲンドウのプロフィール・人物像
- 年齢は48歳
- 担当声優は立木文彦
- クズと評される性格
- 特徴的なゲンドウポーズ
- 『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』では目が消失
- 碇ゲンドウの来歴・活躍
- テレビアニメ版・旧劇場版
- 学生時代・ユイとの出会い
- ユイの死と人類補完計画の始動 最終目的はユイとの再会
- シンジの初号機パイロット就任
- 人類補完計画発動
- 新劇場版
- ゲンドウの生い立ちとユイとの別れ
- シンジとの再会
- サードインパクトの発動
- 第13号機の完成とフォースインパクト
- アディショナルインパクト発動
- 碇ゲンドウの関連人物・キャラクター
- 碇シンジ
- 綾波レイ
- 冬月コウゾウ
- 赤木リツコ
- 碇ユイ
- 碇ゲンドウの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「乗るなら早くしろ、でなければ帰れ」
- 「自分の願望はあらゆる犠牲を払い、自分の力で実現させるものだ。他人から与えられるものではない。シンジ、大人になれ」
- 「他人の死と思いを受け入れるとは。大人になったな、シンジ」
- 碇ゲンドウの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ゲームにおける親子の和解エンド
- ゲンドウのゴーグルは「闇落ち」感を出すため
- 有名なセリフ「エヴァに乗れ」は本編では言っていない可能性