アシリパ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
アシリパとは『週刊ヤングジャンプ』で連載されている野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する主人公の1人である。北海道の小樽近辺の集落に住むアイヌの少女で、大人顔負けの精神力と狩猟技術と調理技術の持ち主。伝統を尊重しながら時代の変化を柔軟に受け入れ、「新しいアイヌ」たることを信念としている。アイヌが隠した金塊とそれを巡る殺人事件に父が関与していた事を知り、その真実と真意を知るため、元日本兵でもう1人の主人公である杉元と共に、隠し金塊の謎へと挑んでいる。
活動写真家の映像で昔のウイルク(父)と母に出会う
第205話で豊原の山中で出会った活動写真家とアシリパで自作のアイヌの暮らしを杉元達に役者になってもらい作成したが、第206話では出来上がった作品の上映会をして作品を鑑賞していると撮った映像とは違うものが途中から再生されていた。そこには10年以上前に撮影した小樽の映像が流れ、若い時のウイルク(父)と母が写っていた。この映像を通して初めて母の顔を確認したが、アシリパは「ウイルクから聞いた母の思い出の方が体温まで伝わるほど残る。」と言っていた。
アシリパの関連人物・キャラクター
杉元佐一
出典: kon-ani.com
ゴールデンカムイの主人公で、日露戦争のどんな惨状でも生き抜いてきたので「不死身の杉元」と呼ばれている。この旅の目的は亡き友の妻・梅子の病を治すために、アシリパと共に金塊強奪の謎を暴き、隠されている金塊を見つけ出して治療費にすることである。旅の中ではアシリパと一緒に捕まえた獲物を調理することも多く、脳みそを生のままで食べることにハマっている。鍋物の場合、持参している味噌を入れて食べるのも好きである。杉元は結構戦闘が多くて血が流れるシーンがたくさん出てくるが、戦闘に関して殺さないようにアシリパは杉元と約束させている。
アシリパに対しての恋愛感情があるのか無いのかよくわからないが、2人だけの時は良い雰囲気を漂わせてる。フチ(アシリパの祖母)からは嫁としてもらってくれないかと言われているが、杉元自身はアイヌの言葉が分からないため理解していない。
白石由竹
酒・博打・女の三拍子が大好きな遊び人。いつもドジをしたり、調子に乗ったりしてしまうが持ち前の明るさでピンチをしのぐことが多い。白石は、全国を回った経験からコミュニケーション能力は高く、近所の家から料理に使う調味料を借りてきたり、街に出ては様々な情報を仕入れてくるのがとても上手である。こんな自由奔放な面が多いが、義理堅いところがあり、杉元達には気に入られている。アシリパとお酒を飲んだ時はビンタされたり、鷲を捕まえる鉤(カギ)で口を釣られたり、タヌキを捕まえる毛よじりという道具でお尻の肉を挟んでみたりといじりやすいキャラクターになっている。その反面白石の脱獄力を買っていて、杉元が第七師団に捕まった際に白石に拘留されている場所に潜り込ませたり、ウイルクを助けるために網走監獄への侵入ルートの提案を任せるぐらい信用している。
尾形百之助
出典: hivicon.com
第七師団の元上等兵で、残酷なことでも普通にできてしまう心の持ち主。上司の鶴見中尉を裏切って脱走兵として動いている時は土方の用心棒やキロランケの共謀者と所属する場所を転々としているが、何が目的なのか真意が不明になっている。網走監獄ではウイルクと杉元の頭を撃ち抜いているが、その状況をうまく知らないアシリパは父と杉元が誰に撃たれたかは知らない。後に尾形は「ウイルクを殺したのは俺だ」と打ち明けた際、アシリパは彼に矢を向けた。死んだと思っていた杉元の声が聞こえてきたことに驚いてこれを放ってしまい、尾形の右目を射抜く。そのあと尾形は不適な笑みを浮かべながらその場に倒れ、杉元がナイフで目をくり取って矢の毒を吸い出していた。粗処置をしてロシア人の診療所に杉元が無理を言って治療をお願いしたが、彼は医師を殴り馬に乗って逃亡してしまった。
土方歳三
出典: animeanime.jp
新撰組鬼の副長であり、箱館戦争で死亡したと新政府軍から報じられたが、数十年間監獄に捕らえられていて表に出なかった。金塊を狙う理由ははっきりとは書いていないが、土方の狙いは移民を受け入れた国家の設立にあると考えられる。明治政府の主導は限界にあり、南下してくるロシア勢力に対抗する余裕はない。そこで北海道を独立させて移民を受け入れ、北方の護りとする。そのために多額の金額を必要としていると考えられる。
アシリパの和名「小蝶辺明日子」を知るのはウイルクと母だけのはずが、第48話で土方も知っていることが判明(後にキロランケも知っていることが明らかとなり、その理由が「ウイルクと一緒に日本に来たから」ということだった)。ウイルクと土方の関係性は第81話で、杉元が2人についての関係・共有情報を探ろうとするも「そこまでたどり着いたか」と意味深な言葉を吐いてうやむやにしてしまったので詳しくはわからない。土方はアシリパが父から金塊の貴重な情報の鍵を握っていると確信してため、何か情報を聞こうとしてジワジワと距離を詰めている。まだまだアシリパ達にどう近寄ってきて、何を仕掛けてくるのかがわからない存在なので目が離せない。
ウイルク
出典: animeanime.jp
彼の名前の由来はポーランド人であるウイルクの父が、狼を見ていた時に無駄のない機能的な生き様に美しさを感じていた。息子にはポーランド語で狼の意味であるウイルクと名付けようと決めた。大人になった彼は狼の生き方のように、合理性を最優先とした非情とすら思われるほどの思考と決断力を持っている。アシリパをアイヌの未来を担う存在として鍛える一方、父として惜しみなく愛情を注いだ。網走監獄でアシリパとのっぺらぼうになったウイルクを再会させる際に、彼は尾形に頭を撃たれてしまった。
アシリパの名言・名セリフ/名シーン・名場面
「杉元も干し柿を食べたら 戦争へ行く前の杉元に戻れるのかな」
第七師団からの追撃をかわすため、吹雪荒れ狂う山中に突入したアシリパ一行。このままでは凍え死ぬと判断したアシリパは、仕留めた鹿の体内に潜って寒さを凌ぐことを提案する。
尾形が手早く三島の鹿を仕留め、内臓を掻き出したその体内に潜り込むアシリパたち。杉元と同じ鹿の中に入ったアシリパは、彼に「お前の故郷はどんなところなのか」と尋ねる。乞われるまま生まれ故郷の話を始めた杉元が、様々な軋轢からそこを飛び出して以来一度も食べていない好物の干し柿のことに触れると、アシリパは見出しの言葉を口にする。
退役した身とはいえ、杉元は日露戦争で獅子奮迅の活躍をした兵士である。自分を殺そうとする敵に一切の容赦はなく、たとえ一時手を組んだ相手だろうと悪人が死んでも動じない。アイヌであるアシリパには、それが「戦争で生き抜くために必死に良心に蓋をした結果、今も心の奥底にそれを封じたまま解放できず、かつての自分に戻れないでいる」ように感じられていた。
杉元に幸せになってほしい、戦争に行く前の人間性を取り戻してほしい。幼い頃を過ごした生まれ故郷の、一番楽しかった記憶に、大好きだった食べ物に触れればそれは叶うのではないか。そして願わくば、その時隣にいるのは自分でありたい。
そう思えばこそ、アシリパは「全てが終わったら私を杉元の生まれ故郷に連れて行ってほしい、そしてそこで一緒に干し柿を食べよう」と言葉を続ける。彼女の優しさに、杉元は声も上げないまま静かに涙を流す。
アシリパの聡明さと杉元への想いが詰まった名セリフ。そしてこの何気ないやり取りが伏線となり、彼女は尾形の嘘を見破ることとなる。
アシリパの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
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目次 - Contents
- アシリパの概要
- アシリパのプロフィール・人物像
- 性格
- 変顔
- アシリパの装備・能力
- 野生動物の狩猟技術+調理法
- 自然界で生きる術
- 装備品
- アイヌ装束
- 弓矢
- メノコマキリ(女性用小刀)
- その他の持ち物
- 語学力
- アシリパの来歴・活躍
- 旅の始まり
- 白石由竹が旅に参加した経緯
- 酒を飲むと冷静さが無くなるアシリパ
- 谷垣源一郎との出会いと旅の目的
- アシリパはアイヌの子供達を怖がらせるのが得意
- 糞を見つけると嬉しいアシリパだが、実は獲物の重要な手掛かりになる
- トイレを我慢して、汗だくになるアシリパ
- 杉元のイチモツを見てしまったが、見て見ぬふりして凌ぐ
- キロランケとの出会い
- アシリパが牛山を尊敬する!?
- インカラマッとの出会い
- アシリパが偽アイヌに拘束される
- 蛇が大嫌い
- 丹頂鶴を食べた後に急に踊り始めた
- 珍しくアシリパが弱気の発言
- ついにのっぺらぼうの居る網走監獄に潜入
- 若い頃のウイルクを知る女性を探しに行き、アシリパは昔の記憶を思い出す
- 初めて人を傷つけた瞬間
- 離ればなれになっていたアシリパと杉元が再会し、感動のシーンのはずが
- アシリパが映画監督に
- 活動写真家の映像で昔のウイルク(父)と母に出会う
- アシリパの関連人物・キャラクター
- 杉元佐一
- 白石由竹
- 尾形百之助
- 土方歳三
- ウイルク
- アシリパの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「杉元も干し柿を食べたら 戦争へ行く前の杉元に戻れるのかな」
- アシリパの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アシリパのメノコマキリはモデルになった実物が存在する
- チタタプはアイヌにとって一般的な料理だった
- アイヌ女性は口の周りに入れ墨を入れていた