フチ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
フチとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、アイヌの老婆にしてヒロイン・アシリパの祖母。
アイヌの古い教えを大切にしながら日々を生きる一般人で、作中で繰り広げられる熾烈な金塊争奪戦とは無縁の立場にある。一方で家族の多くが金塊争奪戦の渦中にあり、たびたびその関係者の来訪を受ける。中でも陸軍兵士の谷垣源次郎とは、瀕死の重傷を負って彼女の家に担ぎ込まれてから交流を重ね、実の家族のように互いを大切に想う間柄。主人公・杉元佐一を気に入り、アシリパを嫁にもらってほしいと考えている。
北海道の各地で金塊争奪戦が繰り広げられる中、陸軍第七師団は「稲妻強盗」の異名を持つ悪漢・坂本慶一郎(さかもと けいいちろう)と、その妻でもある凶悪犯・蝮のお銀(まむしのおぎん)を殺害。しかしお銀が後生大事に抱えていたものが、金塊の隠し場所を記した暗号の一部である刺青人皮ではなく、2人の間に生まれた赤ん坊であることを知って驚く。
男所帯の自分たちの手には負えないと判断した第七師団は、これをフチのコタンに相応の金と共にこっそり押し付ける。アイヌには自分の血筋でなくとも子供は大切に育てるという風習があり、この子もそうしてもらえるだろうと期待してのことだった。
坂本夫婦の子供はフチが引き取ることとなり、その出自も知らないまま甲斐甲斐しく世話を焼く。アシリパを強く案じつつも、赤ん坊の世話で忙しいため死に装束を作る余裕がなくなり、「自分の死について悩んでいる場合じゃない」と活力を取り戻していることが、後にコタンの人々の口から語られる形で紹介されている。
谷垣とインカラマッの子の出産に立ち会う
アシリパを守るために旅立った谷垣とインカラマッは、その道中で互いに惹かれ合い、子を成す。旅の中でアシリパの記憶こそが金塊の隠し場所を解き明かす重要な鍵であることが判明し、彼女の身柄を巡って第七師団とも共闘する杉元たちだったが、金塊を狙っていたロシアの革命勢力に連れ去られたアシリパを取り戻すまではよかったものの、今度は第七師団と本格的に事を構えることとなってしまう。
身重のインカラマッを事実上の人質にされていた谷垣は、これを救出するも追撃を受けて逃げ場を失う。さらにこのタイミングでインカラマッが産気づいてしまったことでいよいよ追い詰められ、フチのコタンに助けを求める。
フチはインカラマッを預かると、熟練の産婆としての顔を見せて赤ん坊を無事に出産させる。一方の谷垣は第七師団の追手に追い詰められるも、アシリパ奪還の際に同行した士官による「我々は正しい目的のために金塊を手に入れようとしているのだから、妊娠している妻を連れて逃げんとする者を殺すような、正義に反する行いをしてはならない」との判断により見逃されることとなった。
フチの関連人物・キャラクター
アシリパ
孫娘。大人顔負けの狩りの腕を持ち、成人したアイヌの女性が必ず彫り込む口周りの刺青を「やりたくない」と臆面もなく口にするなど、明治という時代においてかなり先進的な女性。
コタンにおいて唯一の肉親である彼女のことを愛し、暖かく見守る。アシリパもまたアイヌの風習を押し付けようとする点については辟易としているものの、祖母であるフチのことを敬愛している。
アシリパ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]
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アシリパとは『週刊ヤングジャンプ』で連載されている野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する主人公の1人である。北海道の小樽近辺の集落に住むアイヌの少女で、大人顔負けの精神力と狩猟技術と調理技術の持ち主。伝統を尊重しながら時代の変化を柔軟に受け入れ、「新しいアイヌ」たることを信念としている。アイヌが隠した金塊とそれを巡る殺人事件に父が関与していた事を知り、その真実と真意を知るため、元日本兵でもう1人の主人公である杉元と共に、隠し金塊の謎へと挑んでいる。
ウイルク
娘婿。自らをロシア東沿岸の少数民族の人間だと名乗りながらコタンに現れ、フチの娘と恋仲になり、彼女と結婚してアシリパを設ける。妻の死後、本来女には教えないアイヌの狩りの手法を、アシリパに徹底して教え込む。
非常に聡明かつ博識で、決断力と行動力に富む。他のコタンのアイヌたちとも交流していたが、ある時数人分のバラバラ死体が発見され、その中にウイルクと彼の仲間たちの顔の皮もあったことから全員まとめて何者かに殺されたとされている。
実はロシアで“少数民族の存続”を目的に活動していたテロリストで、ロシア皇帝の暗殺という歴史的事件の犯人グループのリーダーである。北海道に来たのはロシアの役人の追跡を撒くことと、アイヌが集めていたという大量の金塊を横取りして自分たちの軍資金とするためだった。
しかしアイヌの思想と北海道の自然に触れる内に、ロシア極東部の少数民族が今のまま命脈を保つことは難しいと感じるようになり、“北海道を日本から独立させ、そこにロシア沿岸の少数民族を取り込む”という形に方針転換。アシリパに狩りの技を仕込んだのも、いずれ彼女にアイヌたちのリーダーとなることを期待したためだった。
第七師団の鶴見中尉に自分の存在と正体を知られてしまい、彼の策謀で仲間のアイヌたちが殺し合った後、彼らの遺体をバラバラにした上で顔の皮を剥ぎ、ここに自身の顔の皮を紛れさせることで死を偽装。顔の皮の無い正体不明の殺人犯“のっぺらぼう”として網走監獄に入り、刺青人皮の形で隠し金塊の情報をアシリパに伝えようとしていた。
杉元佐一(すぎもと さいち)
“不死身の杉元”の異名で恐れられる日露戦争の英雄。普段は明るく優しく礼儀正しく、かわいらしいものを好む好青年だが、目の前の相手を敵だと認識すると即座に戦争帰りの狂暴さを剥き出しにする。
幼馴染にして親友の寅次(とらじ)から「病気の妻にアメリカで手術を受けさせてやってほしい」との遺言を託されており、これを守るために大金を欲し、隠し金塊争奪戦に参加する。常識外れの生命力の持ち主で、作中では適切な治療を受けられたこともあっての上だが頭を撃ち抜かれても生還している。
アシリパに連れられてコタンにやってきた際、フチと出会う。アイヌの文化に素直に敬意を表す杉元に好感を抱き、アシリパが彼に好意を抱いていることも察したため、「孫を嫁にもらってほしい」と頼み込む。アイヌ語の分からなかった杉元は、恥ずかしがったアシリパの誤訳を信じて「アイヌからするとそう見えるのかもしれないが、味噌はオソマ(アイヌ語で“うんち”を意味する言葉)ではない」と苦笑しながらとんちんかんな言葉を返した。
杉元佐一(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]
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杉元佐一(すぎもとさいち)とは『週刊ヤングジャンプ』で連載されている野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する主人公。日露戦争を戦い抜いてきた元・陸軍兵士で、体に無数の傷を追ってきたが全く命を落とすことが無かった。その活躍ぶりから、軍人の間では『不死身の杉元』と言われている。杉元が金塊を探しに北海道の山に入ると、アイヌの少女アシリパと出会う。後に少女の父は金塊を隠した人物であることを知り、お互いの目的を果たすために一緒に旅を始める。
谷垣源次郎(たにがき げんじろう)
金塊争奪戦の最大勢力である、陸軍第七師団に所属していた兵士。故郷ではマタギをしており、アイヌのものとは異なるが狩りの心得がある。
当初杉元やアシリパとは敵対する間柄だったが、アイヌの狩人が仕掛けた罠で毒矢を受けて重体に陥る。この時点で谷垣は第七師団を無断で離脱しており、競争相手に自分たちの情報が流出することを避けたいと考えた杉元とアシリパによってフチのコタンに運び込まれる。そのままフチの家で治療を受け、回復するまで面倒を見てもらう。
療養生活の中でフチやコタンの人々に深い感謝と恩義を感じていき、家族同然の絆を結んでいく。やがてフチが「2度とアシリパと会えない」という占いを信じて生きる気力を失うと、なんとか彼女に元気になってもらいたいと考え、生きてコタンに帰れるまでアシリパを守ると決意してコタンを出立。杉元たちの仲間となった。
谷垣源次郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]
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谷垣源次郎は、『週刊ヤングジャンプ』に2014年から連載が開始された、野田サトル原作の漫画・アニメ『ゴールデンカムイ』の登場人物。時代は明治時代の北海道。日露戦争(1904年~05年)終結から間もないころ、アイヌ民族が隠したとされる莫大な金塊のうわさを聞き、様々な理由と野望を胸に秘めた男たちが、誇り高き北の大地に集結する。その中で谷垣は金塊を追っている屯田兵の部隊、大日本帝国陸軍最強と謳われた北海道の第七師団(道民は畏敬の念を含めて「北鎮部隊」と呼ぶ)27聯隊に一等卒として所属している。
インカラマッ
アイヌの女占い師。占い師としてのセンスは本物で、作中で彼女の占いは全てが的中している。
天涯孤独の身の上で旅暮らし。かつて憧れていたウイルクの足跡を追ってフチのコタンを訪れ、彼女の前で「アシリパに危機が迫っている」と占う。アシリパを守るために谷垣がコタンを出立する際、「自分の護衛にちょうどいい」と判断し、道案内役を買って出る。旅の中で谷垣の優しさや男らしさに惹かれていき、自身からアプローチする形で肉体関係を結び、彼の子を宿すこととなる。
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菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
菊田杢太郎(きくた もくたろう)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、鶴見中尉率いる第七師団の一員。作中では珍しく、比較的常識的な言動をする男だ。日露戦争で倒したロシア将校の銃を奪い、戦争が終わった後でも持ち歩いている。金塊争奪戦には途中から参戦したが、その正体は軍中央から鶴見中尉に差し向けられたスパイ。また、かつて故郷を出たばかりの杉元佐一(すぎもと さいち)と出会い、軍に入隊するきっかけを作っており、「不死身の杉元」の生みの親とも言える。
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インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
インカラマッとは、『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。目的を明かそうとせず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、その存在を怪しまれている。鶴見中尉率いる第七師団から離れ小樽のアシリパのコタンで療養していた谷垣源次郎と、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけ旅をする。
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江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
江渡貝弥作(えどがいやさく)とは、野田サトルによる漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、北海道・夕張で剥製工房を営んでいる青年である。剥製職人としての腕は良いが、人間の死体の皮で革細工を作るという歪んだ趣味を持っている。自分の実の母親を剥製にして所有。母親の偏った教育の下で成長したが、母を慕うなどマザコン気質の持ち主である。鶴見の依頼により贋物の刺青人皮を作成したが、刺青を狙う尾形や杉本に狙われる。初めて自分を受け入れてくれた鶴見を慕っており、最期は鶴見の為に自らの命を犠牲にした。
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