ヒカルの碁(ヒカ碁)のネタバレ解説・考察まとめ

『ヒカルの碁』とは、ほったゆみ(原作)と小畑健(漫画)による日本の少年漫画。集英社『週刊少年ジャンプ』にて連載された人気漫画作品である。囲碁を題材にした作品で、小学生を中心に囲碁ブームを巻き起こした。
テレビアニメ、小説、ゲームなど、様々な形でのメディアミックスも行われている。
平安時代の最強棋士・藤原佐為に取り憑かれた進藤ヒカルが、囲碁を通して出会った人々との中で神の一手を目指して成長する物語。

佐為と塔矢行洋の対決シーン

塔矢行洋が心臓の発作を起こし入院したため、ヒカルは行洋の容態が気になり病院を訪れた。入院中だけの手慰みとしていたが、行洋がネット碁をしていることを知ったヒカルは、行洋と2人になった時に佐為と対戦して欲しいと頼み込んだ。
ネットで名を馳せたsaiのことを知っていた行洋だが、本当の名も明かさず姿も見せようとしない佐為との対戦には難色を示していた。
しかし、ヒカルがあまりにも熱心に頼み込んだため、十段戦の合間の気晴らしとして打つことにした。
あまり乗り気ではない様子にヒカルは思わず真剣に打って欲しい、と言ってしまった。自分が負ける様なヒカルの口ぶりにプライドが傷つけられた行洋は、佐為に負けたら棋士を引退すると宣言してしまった。
慌てるヒカルだが、いくら言葉を重ねても行洋の意思は変わらなかった。

一方の佐為は、行洋がそこまでの決意で自分との戦いに臨んでくれることに歓喜していた。

対局当日、約束の時間。
パソコンの前に座ったヒカルに覆いかぶさるように大きく腕を広げ、行洋の対面に座った。

今世に表れライバルとこだわっていた塔矢行洋との初めての互先、佐為の気迫が伝わってくる名シーン。

引用:ヒカルの碁 13巻

これが私の碁だ、名人塔矢行洋の。容赦はせん、必ず勝って 名を名乗らせてやる

佐為と塔矢行洋の対局が始まった。
ネットのsaiがただならぬ相手と知りつつも、5冠を持つ自分が無様な碁を打つわけにはいかないと、行洋は十段戦の緊張を保ったまま佐為との対局に臨んだ。
一見佐為優勢に見えていた対局も、手が進むうちに、佐為が仕掛けた一手がいつのまにか働きを失っていた。

自分の碁にプライドを持ちこれまで勝ち進んで来た、名人・塔矢行洋の強さと自信が溢れ出た名言。

引用:ヒカルの碁 13巻

今わかった 神はこの一局をヒカルに見せるため私に千年の時を長らえさせたのだ

佐為と塔矢行洋のネットでの対局は、佐為の勝利で終わった。
行洋との一戦に力を出し切り、満足していた佐為にヒカルは、行洋が違う一手を指していたら、佐為が敗北していたという一手を指摘した。
佐為や行洋が気付かなかった一手を見つけたヒカルの成長を驚くとともに、なぜ自分がヒカルに取り憑いたのか、神の采配を理解した佐為の一言。
「今わかった。神はこの一局をヒカルに見せるため私に千年の時を長らえさせたのだ」
碁の神様に愛されたヒカルの成長のために自分が存在していたと理解した佐為の名言。

引用:ヒカルの碁 14巻

saiともう一度打たせてくれ、ネットでいいから、名をあかせとは言わぬから

saiとのネット碁での対局で、saiの強さを思い知り、タイトル戦でなくても、棋士でなくても本気の碁が打てることを知った塔矢行洋は、ネットでの対戦の後に病室を訪れたヒカルにもう一度saiと打ちたいと感情をあらわに言い募った。
ヒカルに頼まれた当初は乗り気でなく、名を明かせと高圧的な態度を取っていたが、saiがかけがえのない好敵手と理解した行洋は、saiとの再戦を強く望んだ。
「saiともう一度打たせてくれ、ネットでいいから、名をあかせとは言わぬから」

正体を隠されたままでももう一度対戦したいという塔矢行洋の強い気持ちが伝わる名言。

引用:ヒカルの碁 14巻

オレにも打たせろっ

ヒカルが子供囲碁大会で大人でも迷う死活をちらっと見ただけで答えたと聞き、塔矢アキラを破った子供としてヒカルの謎めいた強さに注目し、観察し続けてきた緒方。ネットの中のsaiとアキラの対戦でsaiの強さを感じ、自分も対局したいと強く願っていた。
しかし、アキラとの対局後、ネットの中にsaiはいなくなっていた。

師である塔矢行洋がsaiと対戦し、それを仕組んだのがヒカルではないかと疑った緒方は、行洋の病室でヒカルと行洋がsaiの話をしているのを聞いた。
緒方に聞かれたヒカルは逃げ出したが、緒方はヒカルを追いかけ壁際に追い詰めた。ヒカルの胸ぐらを掴んで言った一言。
「オレにも打たせろっ」

いつも落ち着きはらい動揺したり激高したりした姿を見せない冷静な緒方が、なりふり構わずヒカルを追いかけ追い詰めた。緒方の真剣さ、saiと打ちたいと切望する強い気持ちが伝わる名言。

引用:ヒカルの碁 14巻

キミって上ばっか見てるな 下にもコワイのがいるの知らないだろ

佐為との対局後、十段防衛戦最終局を終え、十段位を緒方に明け渡した塔矢行洋。いつもの行洋らしくない囲碁だったと倉田はヒカルに話した。佐為との対局で調子が崩れてしまったのではと危惧するヒカルに、碁が若返り進化した碁だったと倉田は語った。
その直後、塔矢行洋引退の報が入った。テレビでその報を知った倉田は塔矢行洋の家に行き、対局を願った。
「また来ます」と言って帰る倉田を見送るアキラは、倉田に倉田目指して頑張ると宣言した。すると倉田はアキラを振り返り「キミって上ばっか見てるんだな。下にもコワイのがいるの知らないだろ。下っていうか、キミのすぐ後ろにいるんだよ。オレを脅かしに来るのはキミとソイツだ。今年プロになった進藤ヒカル」

上ばかり気にして下からの追い上げを気にしていなかったアキラに苦言を呈した倉田の名言。
アキラにヒカルに対する危機感を覚えさせた。

引用:ヒカルの碁 14巻

19路の碁盤がいつもより狭く感じる!フシギだ 負ける気がしない

倉田と一色碁を打ち、力を認めてもらったヒカル。佐為と塔矢行洋の対局で、行洋の逆転の一手を発見できたヒカルに周囲もヒカルの力を認め始めてきた。
自分でも調子の波に乗れているように感じ、いつもは広く感じている碁盤を狭く感じるようになっていた。
「19路の碁盤がいつもより狭く感じる!フシギだ、負ける気がしない」

ヒカルが急速に成長し、好調の波に乗っているとわかる一言。

引用:ヒカルの碁 14巻

虎次郎が私のために存在したというならば、私はヒカルのために存在した。ならばヒカルもまた誰かのために存在するのだろう。その誰かもまた別の誰かのために。千年が二千年がそうやって積み重なってゆく。神の一手に続く遠い道程。私の役目は終わった。

塔矢行洋との対局をヒカルに見せた佐為は、ヒカルの成長を目の当たりにし、神はこの対局をヒカルに見せるために自分を長らえさせたのだと気づいた。
その瞬間から佐為の止まっていた時が進み出し、自分がこの世にいられる時間はもう僅かだと悟った。
佐為がヒカルに自分はもう消えてしまう、と告げてもヒカルに本気にしてもらえず、わずかな時間でもヒカルと打ちたいと、囲碁イベントで疲れているヒカルを誘い対局した。

疲れて眠そうなヒカルと対局しながら、一手一手大事そうに打つ佐為。
自分のために存在した虎次郎とヒカルの為に存在した佐為、ならばヒカルも別の誰かのために存在し、これからもその絆は続き、そうしていつかは神の一手に届くはず。
神の一手を極めるために長らえたが、次代のヒカルにそれを託し自らの役目を終えた佐為が思った一言。神の一手に繋ぐ道筋のひとつとなった佐為の名言。

ヒカルに最後の声をかけるがその声が届かないうちに佐為は消えてしまった。

引用:ヒカルの碁 15巻

因島から早く東京に帰りたいヒカルが早打ちでアマチュアNo.1と対局するシーン

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