School Days(スクールデイズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『School Days』とは、2005年4月28日にオーバーフローより発売された、日本のアダルトゲームを原作としたアニメである。
最初から最悪の結末を迎える方向性で話が進められ、主人公の伊藤誠の態度が多くの視聴者の反感を買い、「誠死ね」という言葉が浴びせられた。
伊藤誠は、以前から隣のクラスの桂言葉のことを気にしていた。ある日、誠は学園に伝わる恋のおまじないを実行したが、同じクラスの西園寺世界に見つかってしまう。そのお詫びという名目で、世界が言葉と誠の間を取り持つところから物語は始まる。

『School Days』の概要

『School Days』とは、2005年4月28日にオーバーフローより発売された日本のアダルトゲームを原作としたアニメであり、2007年7月から同年9月まで独立UHF局などで全12話が放送された。
作品は非常にセンセーショナルな展開が続く。三角関係の修羅場はともかく、肉体関係の伴う浮気やいじめがひたすら激しい。
そして、アニメ史上でもぶっちぎりに凄惨なエンドが記憶中枢に焼き付く。このように癖の強い作品ではあるが、丁寧な心理描写や次が気になり続ける構成、美麗なキャラ造形と、完成度はかなり高めだ。憂鬱な方向に気を紛らわしたい時、これ以上の作品はそうないだろう。
伊藤誠が桂言葉と出合ったのは榊野学園の入学式のとき。 言葉は誠の隣のクラスで同じ沿線から通っていて、毎日同じ時刻の電車に乗り本を読んでいる。気にはなるけど、遠くから眺めているただそれだけの存在だった。
ある日、「好きな人の写真を待ち受けにして3週間、誰にもバレなかったら恋が成就する」という携帯電話のおまじないを誠はばかばかしいと思いながらも、電車で出会う言葉の姿を携帯電話の待ち受けにする。だが、そんな誠の待ち受け画面に映った言葉の写真を同じクラスで隣の席の西園寺世界に見られてしまう。おまじないを始めて1日目ではかなく散ってしまった淡い期待だったが、世界が勝手に誠の待ち受けを見てしまったお詫びにと、誠と言葉の仲を応援したいと二人の間を取り持つ事に。その日から誠の退屈だった日常が大きく動き始める。

『School Days』のあらすじ・ストーリー

早くも三角関係が始まる

左から言葉、誠、世界。

榊野学園高等学校1年3組、2学期の始まり。席替えで、誠は世界と隣の席になる。
「好きな人の写真を携帯の待ち受け画面にして3週間、誰にもバレなければ恋が叶う」というおまじないが流行っていた。
そこで、誠は通学途中に電車の中でこっそり撮った、4組の言葉の写真を待ち受けにする。しかし、1日目にして世界に見られてしまう。
それから、2人は授業中にノートを使って筆談をするようになる。待受を見てしまった罪滅ぼしにと、世界は誠の恋を応援するという。4組と合同の体育の時間、言葉と友達になり、3人で昼休みを一緒に過ごすきっかけを作ってくれたのだ。
その後、世界の後押しもあり、誠は言葉に告白。言葉も実は以前から誠が気になっていたからと、承諾する。応援してくれた世界に対し、誠は駅のホームでお礼を言う。世界は冗談ぽく笑いながらこの借りは一生返せないくらい大きいと言う。どうやって返そうか考えていると、電車が来たタイミングで世界は誠にキスをする。世界は電車の中に滑り込み、一人涙する。誠のことが好きなのに、その想いを押し殺して、誠の恋を応援する世界であった。

誠と世界の関係

言葉と思うように関係が上手くいかず、誠は世界に相談する。すると世界は、自分が誠の練習相手になり特訓してあげると提案する。
お芝居だと言い聞かせ、特訓を始めるが誠は我慢ができなくなり世界が欲しいと呟くが、世界はその後わざと誠と別で帰る。一方の誠は、世界の体が忘れられない。
帰り道、誠は言葉と偶然会い、今度の休みにプールに行こうと誘われる。
次の日、誠のクラスメイトの黒田光にもプールに誘われ、誠の友達の澤永泰介にも声を掛けて欲しいと頼むのだ。光は澤永のことが気になっていたようだ。光は、世界と世界の友達の清浦刹那のことも誘っていた。そしてプールに行く日が同じだったため、誠は、言葉と光と澤永と世界と刹那というメンバーで行くことになる。
昼食の席で、言葉はみんなに誠と付き合っていることを伝える。それを聞いて、世界は暗い表情をして俯く。
言葉は、他の女子より早く着替えて誠に話しかけるなど、積極的に行動するが誠は特訓の時のことが頭から離れず世界のことが気になってしまう。だが世界に、誠は言葉の彼氏で私たちは友達なんだから忘れてと言われてしまう。
こうして帰路につくが、誠は世界への気持ちが抑えられず「今、世界に会いたいんだ。もう、我慢したくないんだ」 とメールを送り、逆向きの電車に乗り、世界の元へと向かい抱きしめて好きだと伝えてしまう。そしてそのまま世界の家に行ってしまうのだ。
後日、誠に会いに言葉は学校の屋上へ向かうが、扉の前で世界が「私、誠のこと好きなの、誠が他の子と付き合ってても、好きなの!」と誠に伝えているところを聞いてしまいショックを受ける。

言葉は誠と世界の関係を知ってしまう

言葉は自宅で編み物をしながら、誠の心変わりについて考える。
そんな中、誠のクラスの学園祭実行委員がケガをしてしまい、代わりに誠が委員を務めることになった。
一方、言葉のいる4組では、乙女達のメンバーを中心にお化け屋敷を作る計画が進められ、乙女達はそのためのシーツやベニヤ板を言葉に用意させようとする。このおばけ屋敷とは、学園祭の時にカップルが行為に使うための隠し部屋こと「休憩室」のことで、この学園の伝統なのだ。また当日、女子が避妊具を握った拳を男子に突き出したら、告白の代わり、というサインもある。その手を男子が取ったらOKで、そのまま一緒に休憩室へ行くということに。
乙女たちに資材調達などに使い走りされた結果、雨に濡れてしまった言葉。偶然廊下で会った誠は、その透けた下着を見て、最近言葉のことを避けてはいたが気持ちが揺らぐ。言葉と別れ、世界と付き合っていると思っている刹那が止めるも、言葉に話しかける。刹那は誠のケータイを奪い言葉の番号を着信拒否する。そして、言葉は電話が通じず住所を調べて誠の家へ訪れる。それに対し、着信拒否を解除していた誠は、「もう電話は通じるから」と何とか追い返そうとする。しかし、世界の靴が玄関にあることに言葉は気づいてしまう。
この場は帰ることにした言葉だが、一つだけと言い、後夜祭で一緒に踊って欲しいとお願いをする。それに対し誠は考えておくと、その場しのぎの返事をする。世界はその会話を部屋で聞き、私も帰ると部屋を飛び出す。そして、外で言葉と出くわし言葉に平手打ちをされ、誠と付き合っているのは私だと泣かれてしまう。

誠は周りの女子達とも関係を持つようになる

学祭1日目の夜、遅くまで翌日の準備をしている誠と刹那。そこで刹那はもうすぐ親の転勤があり、フランスに行くことを明かす。世界には心配で言えていないと言う。
ここで入学式の頃の回想が入り、誠は男子にからかわれていた刹那を助けていた。それがきっかけで誠を好きになっていたのだ。だが、世界のためにその気持ちを隠し通してきた。刹那は、準備で疲れてうたた寝をする誠に自分だけの思い出としてキスをするが、その場面を言葉に見られてしまう。誠と自分の邪魔をするのは、誠のことが好きだったのかと問うが、刹那はそうではなく世界のためだと答える。

学園祭2日目、誠は乙女に声をかけられ休憩室に誘われる。中学の頃からずっと好きだったのだと告げられ、そのまま関係を持ってしまう。
その後、誠は言葉と世界と乙女とフォークダンスを踊る約束をしてしまっていたが、結局世界と踊ることに。誠を信じて教室に迎えに来た言葉を迎えたのは、澤永だった。誠は世界と踊りに行った、と告げられショックを受ける。澤永は思いを寄せていた言葉をそのまま押し倒す。言葉は澤永に体を奪われた後、世界と踊る誠を見て1人、泣き崩れた。
世界はフォークダンスを踊りながら、「私、誠の彼女なんだよね?」と聞くがそれには答えない誠。

刹那はフランスへの出発を控え、自分は明日には出発するから世界のことを頼むと誠にお願いをする。そこに言葉がやって来て誠を誘うが、誠は「もう会わない方が良い」と言うが、納得しない言葉に刹那は誠にキスをしたのだ。「こういうことだから、迷惑してるの」と言い、誠もようやく「俺はもう、言葉のこと好きじゃないから」とはっきり告げる。
その後、誠と乙女の関係を知った刹那は、誠の家に行き、乙女とは別れて欲しいと直接頼む。どうしてそこまでするのかと聞かれるが全部世界のためだと言い張る。誠は刹那も自分に気があるのではないかと思い、そのまま刹那を押し倒す。刹那は世界だけを見ていてくれるならいいと、誠を受け入れた。
しかし、女子バスケ部の打ち上げと称した休憩室の隠し撮り上映会で、世界は誠と乙女が休憩室でした行為を見てしまい、刹那の引越しも知り、学校を休んで引きこもる世界。
その頃誠は、自宅で光と関係を持ち始めていた。光は落ち込んだ世界を慰めるために誠を連れ出そうとしたが、なぜかそういうことになってしまっていた。光から「世界のところには行かないのか」と言われるが、「めんどくさい」と答えまた光をベッドに引き込む。
世界が休んでいるのをいいことに、光以外にも片っ端から周りの女子に手を出す誠であった。

改めて言葉が好きだと気づく誠

引きこもっていた世界は吐き気に襲われ、妊娠したのではないかと気づく。
翌日、学校で久しぶりに登校した世界は、誠に妊娠したかもしれないと告げるが、「そんなこと俺に言われたって、わかんないよ」と最低な言葉を言われ、世界は思わず「誠の子なんだよ!真面目に考えて!」と大声で言ってしまい、クラス中に知られてしまう。誠は光を呼び出すが、逆に世界とのことを問い詰められ、避妊しないでしたことがあると認める。光からも他に関係を持った女子からも愛想をつかされる。
誠は、自宅のベッドで「何であんなこと言うんだよ、世界のやつ!」と悪態をつくのだ。

クリスマスの夜、世界は誠とのディナーのために料理を作る。誠は買い出しに出て、他の女子達に連絡するが、誰にも繋がらない。
その頃、心が壊れてしまった言葉は繋がらない誠の携帯に電話をかけ、「おかけになった電話は現在…」というアナウンスが流れるが、誠に話すように一人でに話し続ける。そこに偶然、誠が通りかかる。肩に雪を積もらせながら、誠のことを待っていたと言う。
誠は、そんな言葉を見て「勘弁してくれよ、もうやめてくれよ」と絞り出すが、言葉はそれでも「誠君のこと好きです。大好きです」と繰り返す。それを聞いた誠は、改めて言葉のことが好きだと気づき、言葉を抱きしめる。

最悪の結末

誠が言葉とクリスマスディナーを楽しむ頃、世界は誠の家で1人帰りを待つ。だが帰りが遅すぎる誠に電話をかけると、急用ができたとあやしい受け答えをされ、誰かと会っているのかと問う世界。「お願いだから自覚持ってよ。私のお腹には誠の子供だっているんだよ」と言う世界に対し、「言葉ならそんなこと言わないのに」と誠は言う。まさか言葉と会っているのかと言われ、「何で子供なんて作ったんだよ!」と誠は逆ギレする。世界はショックを受け、家に帰ろうとする。ところが偶然、向かいのホームに入ってきた電車に誠と言葉が乗っているのを見てしまう。
誠は家に帰り、キッチンにぶちまけられた料理を見てため息をつきつつ、片づける。
誠の家に引き返した世界を迎えたのは、言葉だった。世界は我慢できず、感情的になり「何で桂さんと一緒なのよ、桂さんとは別れたんじゃなかったの?私に子供ができた途端、今度は私を捨てるの?」と叫ぶ世界に対し、言葉が冷静に「誠君を誘惑したのは、西園寺さんじゃないですか。清浦さんも誠君のこと、好きだったんですよ」と言われ、世界の前で見せつけるように誠にキスする。世界はたまらずその場を逃げ去り、自宅に帰るが刹那の気持ちを知り、自己嫌悪に陥る。
翌朝、世界は誠からのメールを見て愕然とする。「言葉が知り合いの病院を紹介してくれるって言ってる。早い時期のほうが体の負担が少なくていいって話だから」との内容に対し世界は「会って話したい。家まで行くから。二人だけで」と返信をする。
その夜、誠の家に来た世界。お茶を淹れるという誠を制し、自分がやるとキッチンに行く。クリスマスの夜に自分が作った料理が捨てられているのをじっと見つめ、なぜか携帯を取り出しメールを打ち始める。誠の携帯が別室で鳴り見に行く誠の背中を、キッチンの入り口で見る世界、その手には包丁を持っていたのだ。誠はメールを開くが、送信元は世界からで「ごめん さよなら」とのメール。振り向くと、包丁を持った世界が誠の腹をひと刺しする。倒れる誠に馬乗りになり、「酷いよ!自分だけ!桂さんと幸せになろうなんて!」と言い、さらに滅多刺しする。やがて、「世界」とつぶやいて絶命する誠。動かなくなった誠を見て我に返り、慌てて逃げ出す世界であった。

その後、誠の家を訪れた言葉は、誠の遺体を発見する。誰がやったかをすぐに悟った言葉は、誠の携帯で「屋上で待ってる」と世界にメールをする。
屋上に来た世界は、いつものベンチの上にバッグが乗っているのを見つける。言葉に「病院、行きましたか?いいお医者さんなんですよ」と言われるが行ってないとの答えに言葉は、「誠君の気を引くために、赤ちゃんができたなんて嘘をついたんですよね?」と問うが違うと言われ、「だったら病院に行けるはずですよね?それに、西園寺さんが誠君の子供を産めるわけないじゃないですか。誠君の彼女は、私なんですから」と言われてしまう。世界は「私だって誠の彼女になりたかった!ずっと我慢して誠のしたいことしてあげたのに!何で…!」と悲しむ世界に言葉は、「誠君なら、そこにいますよ。聞いてみたらどうですか?」と言われる。言葉が示したバッグを開けると、その中にはバラバラにされた誠の遺体が入っていたのだ。世界が吐き気をこらえていると、言葉はいつの間にかノコギリを構えていた。本当に妊娠しているのか確かめたいと、世界にノコギリを振りかざす。世界もポケットから包丁を出すが一瞬遅く、言葉によって腕を押さえられ、首を切られてしまう。言葉は倒れた世界の腹を裂き、掻き回し、「やっぱり…嘘だったんじゃないですか。中に誰もいませんよ」とこの場面は終わる。

その後、海を進むヨットの上で誠の首を抱きしめる言葉は「やっと…2人きりですね。誠君」と呟く。

『School Days』の登場人物・キャラクター

伊藤 誠(いとう まこと)

CV:平井達矢

物語の主人公である。榊野学園(さかきのがくえん)1年3組。湾岸線・東原巳駅付近のマンションに、母の萌子と2人で暮らしている。
毎朝、通学電車で乗り合わせる隣のクラスの桂言葉へ、密かに想いを寄せている。
普段は心根の優しい性格をしており、世界をはじめ多くの女性達から想いを寄せられている。
だが、極度の優柔不断で流されやすく、無気力で面倒事を極端に毛嫌いするため、時に異常なまでの身勝手ぶりを発揮する。また、真面目で大人しそうな見た目に反し、非常に性欲旺盛。

西園寺 世界(さいおんじ せかい)

CV:柚木かなめ

榊野学園1年3組。誠や泰介とは級友であり、刹那とは幼馴染かつ親友。得意な料理はサンドイッチ。1本の長いアホ毛が目立つセミロングヘアと、常に着用している薄い青と白の縞パンが特徴。なお、湾岸新線、模手原坂下駅付近のアパートに、母の踊子と2人で暮らしている。
気さくで明るい性格と明瞭な口調から、多くの友人を持つクラスのムードメーカーだが、心理的に追い詰められると自宅へ引きこもってしまうなど、精神面はかなり脆い。また、同作品内の登場人物の中でも、特に身勝手で自己中心的な言動が目立ち、閉鎖的で独占欲の強いところもある。
席替えの際には誠の隣席となるはずだった刹那へ頼み込んで代わってもらうなど、彼へ好意を抱いている女性の1人。
天文部部長という肩書きも持っており、部活動の一環として校舎屋上へ通じる扉の鍵を学園から貸し与えられているため、校舎内と屋上を自由に出入りできる。

桂 言葉(かつら ことのは)

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