クソゲーだったFF14が作り直しを経て新生エオルゼアとして生まれ変わるまで

ネットワークを通じて多くの人々がコミュニケーションを取り、広大な世界を冒険するMMORPGとしてサービスを開始した「ファイナルファンタジーXIV」。大人気MMORPGとしてその名が知れ渡るまでの道は、けして順風満帆ではなかった。一つのゲームを、まるまる「作り直す」という異例の取り組み。大人気RPGの世界が「新生」し、注目を集めるまでの経緯について解説。

ファイナルファンタジーXIV(FINAL FANTASY XIV、FFXIV、FF14)とは

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大手ゲームメーカー、スクウェア・エニックスの看板タイトルとして、古くから多くの人々に支持され続けている名作RPG「Final Fantasy」シリーズ。
そのナンバリング作品の14番目として作成されたのが、「Final Fantasy XIV」。通称「FFXIV」である。
同社が過去に発売した11番目のナンバリング作品「Final Fantasy XI」、通称「FFXI」に引き続き、2作目のオンラインRPGゲーム(MMORPG)。
ネットワークを介し、世界中のプレイヤーと繋がることで剣と魔法、未知に溢れるファンタジーの世界を冒険する。
かつてのシリーズの世界観を引き継ぎつつ、日々広がりを見せる広大なフィールド。そこを舞台として展開していく重厚なストーリーが特徴的である。
PS4、PCの中に描かれる高画質で美麗な風景やモンスター、キャラクターのグラフィックはMMORPGの中でも非常に高水準である。
遊びやすさを追求したゲームシステムや、意外性の高いコラボ企画なども充実している。
稼働後、追加パッケージとして第1弾「蒼天のイシュガルド」、第2弾「紅蓮のリベレーター」を発売しており、今もなおその世界は広がりを見せている。

大きな期待が寄せられ、稼働した「旧FFXIV」

「FFXI」から「FFXIV」へ。進化に期待を寄せたプレイヤー達

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PS2をベースとして「オンラインのFF」を作り上げた先駆者「FFXI」

FFとして最初に「オンライン」の世界に踏み込んだ前作「FFXI」。
2002年にサービスを開始して以来、多くのゲーマーがのめりこみ冒険の日々を送っていた。
だが、もともとPS2とPCというプラットフォームで展開していた「FFXI」も、グラフィックやゲームとしての容量などから、徐々に広がりに限界を見せ始める。
そんな中、2009年についに新たなMMORPG「FFXIV」が、北米で開催されたE3にて電撃発表された。

満を持して発表された「FFXIV」。その美麗なグラフィックで描かれる世界に、ファンは期待を寄せた

何よりもファン達の目を引いたのは、最新のマシンスペックが実現する、グラフィックの美しさであった。
自身の分身としてそこを駆けるキャラクターや、彼らが生活する街や自然の世界。
そこで出会う敵と、戦いを繰り広げる上で展開される技や魔法。
PS2、そして当時のPCのベーススペックを大きく超えた新たな「世界」は、FFファンから、そしてMMORPGファンからも大きな期待を寄せられていた。
新たなマシンパワーで描かれる「オンラインのFF」の世界にファンは胸をときめかせ、より一層、進化した「冒険」の日々を、心待ちにしたのである。

待望のテスト稼働開始。だが…

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ファンが待ち望んだテスト稼働。しかし、多くの「問題点」が見えてくる

2009年8月ドイツで行われた「Gamescom」にて、FFXIVの試遊台が提供された。
更にその後、サービスの本稼働前にユーザに実際にプレイしてもらい、試験を行う「αテスト」「βテスト」が実施。
そして2010年9月30日に正式サービスが開始される運びとなった。
ファンから多くの期待を寄せられ、稼働した新たな世界。
人々が待ち望んだ最新鋭のMMORPGだったが、稼働後早々、雲行きは怪しくなってしまう。

ゲームとして遊んでいく中で見えていく、多くの「不満点」

製品版稼働前の「βテスト」にて、実際にゲームに触れたユーザから、様々な不評が寄せられてしまう。
あくまでテストプレイということで問題点は見つかってしかるべきだったのだが、その前提をもってしても、最新鋭のMMORPGに大いなる期待を寄せたユーザ達は、目の前に広がる惨状に愕然とした。

ユーザーインターフェースの使いにくさ

ゲームの世界を冒険するうえで、装備を入れ替える、魔法をセットする、アイテムを操作する、受けているクエスト(依頼のようなもの)をチェックするなど、何を行うにしても、ユーザはそれぞれのウィンドウを介して操作を行うのだが、1つのウィンドウを開くたびに4~5秒停止し、何をするにしてもテンポが悪い。
極めつけはカーソルを動かすたびに1秒前後遅延するため、ゲームを進行するうえではストレスが非常にたまっていく。
また、全てのウィンドウが「モーダル」、すなわち一つの操作が終わるまで他の処理を行えないため、とにかく長い遅延時間を待つ必要があった。
加えて、今回の「FFXIV」には武器ごとに異なった役割を持つ「クラス」という職業のようなものが存在するが、クラスを変更するたびにスキルを設定しなおす必要があり、前述の遅延問題も相まって、非常に使いづらいシステムに変貌してしまった。

コピー&ペーストを多用したかのような同じ構造のマップ

とにかく、マップ構造が「コピー&ペースト」を繰り返したかのように、同じような構造が続く。
加えて、フィールドを歩くたびにわずかな段差や小さい石にすら引っかかるため、まっすぐ歩くことすら困難。
メインストーリーの中では各地に依頼をこなすため、相当な移動を強いられるのだが、各地にワープするための「テレポ」の制限が厳しく、ほとんどは実際に歩いて目的地を目指すしかない。
代り映えがなく、かつまともに進めすらしないフィールドを延々、気を張りっぱなしで進むのは、非常に苦痛であった。

明らかに作りこみが甘い、成長システム

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本来は楽しむはずの「レベル上げ」も、旧FFXIVでは「苦行」になってしまった

技や魔法を強化するためにはひたすら使い続け「修練値」というものを稼ぐ必要があるのだが、とにかく道のりが長く、ひたすら同じスキルを撃ち続ける必要があるという、まさしく「苦行」を強いられることになる。
加えて、この「修練値」に大量に取得できるという不具合が発見されるのだが、これを報告するも運営側が放置。
多くのユーザが分かっていながらこの不正行為に手を出してしまうのだが、手段が広く浸透したところで、運営が今度は不正行為に手を出したとして、ユーザをBAN(ユーザ権利をはく奪する措置)するという事態に発展。
また、苦労して各クラスを成長させても、最終的には好きなクラスのスキルをセットできてしまうため、どんなユーザでもほぼ同じステータスのキャラクターを作り上げてしまい、そこに本来の「クラスを選ぶことの自由」は感じられず、長く辛い作業の果てを見て、大勢の人々が落胆する。

RPGのメイン要素である「バトル」のバグ

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もはやモンスターではなく「バグ」と戦い続ける冒険者達

フィールドにいるモンスターとのバトルはRPGの醍醐味ではあるが、こちらにも様々なバグが潜んでいた。
戦っていたはずの敵のHPが急に全回復したり、プレイヤー側のターゲットが突然はずれ攻撃不能となるも、敵からは一方的に攻撃され続けるなど、バトルバランスそのものが壊れるようなものが多数存在。
挙句の果てには、敵が消え、見えない敵から攻撃をもらってしまうというものまであり、そもそも「戦闘」というていをなしていない。
バトル中はボタンを押すことで相手に攻撃を仕掛けるわけだが、近年のMMORPGでは当たり前に実装されている「オートアタック」という概念がなく、プレイヤーはひたすらボタンを押し続けなければいけないため、必然的にチャットをする暇もない。とはいえ、戦闘バランス自体が「ボタンを連打していれば勝てる」という雑なものであるため工夫をする余地がなく、プレイヤー達は敵に向かって、ひたすら無言でボタンを連打することとなった。
かつての「FFXI」でプレイヤー同士がスキルとスキルをタイミング良く繋げると追加ダメージが発生する「連携」というシステムがあったが、今作でもそれに相当する「バトルレジメン」というものが存在する。
だが、あまりにも難解なシステムに困惑し、使いこなせないユーザが続出。さらにはこれに対し、開発サイドも「我々も良く分からない」とコメント。作り手ですら理解していないシステムが当たり前のように組み込まれていた。

alex48695
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@alex48695

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