エシディシ(ジョジョの奇妙な冒険)の徹底解説・考察まとめ

エシディシとは、荒木飛呂彦による漫画、及びそれを原作とするメディアミックス作品『ジョジョの奇妙な冒険』Part2『戦闘潮流』に登場するキャラクターで、「柱の男」と呼ばれる生命体の1人である。直情的な自身の気性を理解しており、激昂しそうになると号泣して感情をコントロールする。熱を操る「怪焔王の流法(かいえんのうのモード)」で戦う。一度主人公ジョセフ・ジョースターに敗れたが、脳だけになっても生き延び、仲間の為にプライドを捨ててまで「エイジャの赤石」と呼ばれるアイテムを入手せんとした。

エシディシのプロフィール・人物像

CV:藤原啓治(TVアニメ版 / ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』)

エシディシとは、荒木飛呂彦による漫画、及びそれを原作とするメディアミックス作品に登場するキャラクターで、「柱の男」と呼ばれる種族の1人である。
直情的で荒っぽいという自身の気性を理解しており、激昂しそうになると泣き喚いて感情をコントロールする。圧倒的なカリスマを持ったリーダー然としたカーズ、武人気質のワムウと比べると比較的飄々としてコミカルな印象を与えるが、自身の性質を理解して冷静さを保つ習慣を持つなど、人間を超えた超知能、身体能力は他2人と変わらない。
主人公ジョセフ・ジョースターとの戦いで肉体を失うも、脳と血管だけになり、戦士でもない女性に取り憑くなどプライドを捨ててまで仲間の為に「エイジャの赤石(せきせき)」と呼ばれるアイテムを入手しようとした。その精神性はジョセフのみならず、読者にも高い評価を得ている。

エシディシの来歴・活躍

闇の一族

エシディシ(右)はカーズ(左)に賛同し、共に究極生物化を目指す。

太古の昔、「闇の一族」と呼ばれる種族がいた。太陽に当たると活動不能になる体質のため、彼らは人間をはるかに超える能力を数多持ちながらも地下で栄えるにとどまっていた。エシディシはそんな闇の一族の1人であった。エシディシと同じ年頃の個体に、カーズという者がいた。元より人間以上の超知能を持っていた闇の一族だが、カーズは特にずば抜けた天才で、被った者を吸血鬼化させる「石仮面(いしかめん)」を発明する。石仮面は、元々人間を食料にしていた闇の一族に吸血鬼という更なる高質なエネルギーを与えることになった。
石仮面には被ることで骨針を出し、被った者の脳を刺激することで能力を高める機能があった。これを自分たちにも使えば太陽さえ克服でき、生態系の頂点に立てる何物をも超えた「究極生物(アルティミット・シイング)」になれるとカーズは主張する。ところが、同胞たちは生態系のバランスが崩れることを恐れてカーズに賛同しなかった。
唯一カーズの主張に耳を貸したのがエシディシである。エシディシは、カーズと共に同胞たちを皆殺しにし、2人の赤子を連れて旅に出る。石仮面は、それのみでは闇の一族の脳を押し、能力を上げることができなかった。カーズたちはやがて、石仮面の機能を上げる「エイジャの赤石(せきせき)」という宝石を求めるようになる。これをはめ込んだ石仮面なら、闇の一族を更なる高次元へと運ぶはずであった。
一点の曇りもないスーパーエイジャを求め旅に出たカーズたちは、やがて波紋(はもん)と呼ばれるエネルギーを駆使する戦士たちと出会う。波紋とは特殊な呼吸法により作り上げられる力で、太陽と同じエネルギー波を持ち、闇の一族にもダメージを与えることができるものだった。
自分たちと戦うすべを身に着けた波紋使いたちとの戦いが続くが、やがてカーズたちは休眠期に入る。1923年、ナチスドイツにより遺跡から発掘された彼らは「柱の男」と呼ばれるようになる。

波紋の戦士ジョセフ・ジョースター

カーズ、エシディシは、先んじて目覚めたワムウが自分たちを観察していたナチス兵を殺して搾り取った血で復活する。すれ違いざまナチスの若い兵士を意識せずに捕食した一行は、兵士の友人である波紋使いのシーザー・ツェペリの攻撃を受ける。しかし、シーザーの波紋の力は脅威でも何でもなかった。シーザーと一緒にいたもう1人の波紋使いジョセフ・ジョースターが柱の男たちを挑発してくる。強者との戦いを好むワムウはジョセフとの戦いに応じたが、彼の波紋の力はシーザー以下だった。それでもまるでジョセフに付き合うかのようなワムウに対し、カーズとエシディシは先に外に出た。
ワムウはジョセフを後に自分の好敵手になるとみなし再戦を誓う。この時、ワムウはジョセフが逃げられないようにと彼の心臓に毒薬入りの指輪を埋め込んだ。これは柱の男たちが昔から行ってきたもので、33カ月以内に彼らのピアスに入っている解毒剤を飲むことで指輪は消滅する。エシディシはジョセフにはあまり興味を持っていなかったが、酔狂として彼の喉に同じく指輪を埋め込んだ。

ジョセフとの戦い

エシディシ(左)とジョセフ(右)の戦い。

エイジャの赤石は波紋戦士たちが所有していることが分かった。エシディシは、単身波紋戦士たちの修行場であるエア・サプレーナ島へ向かう。師範代のロギンスを血祭りにあげたエシディシは、次いでジョセフとの戦闘になる。先のワムウとの戦いよりもジョセフは成長しており、エシディシは片腕を切断される。
激昂しそうになったエシディシだが、自身の性質を知り尽くしている彼は大仰に泣き喚くことで頭を落ち着かせた。ジョセフにとってはエシディシのこの習慣は不気味なものに見えたらしい。それを察知したエシディシは、ジョセフが口にした孫子の兵法を引き合いに出す。知略、だまし討ちが得意らしいジョセフだが、エシディシとて人間以上の超知能を持つ一族。毛糸をほぐして結界を作り、波紋を流し込むというジョセフの策は当に見切っていた。
しかし、ジョセフは自分で「手品が好き」と言うように、エシディシが自分の策を見破ることを見越して二重に罠を張っていた。修業の果てにパワーアップした波紋を流し込まれたエシディシの肉体は崩れ去った。

エシディシ完全消滅

それでも、エシディシは死ななかった。脳とわずかな触手のみになりながらも生き延びたエシディシは、解毒剤を飲んだジョセフの背中にしがみついて移動。ジョセフとシーザーの師リサリサに仕える女性スージー・Qに取り憑いた。リサリサが持っていた赤石を奪ったエシディシは、それをスイスへと郵送する。生身の人間に攻撃用の波紋を流すわけにはいかず、スージーQは人質にとられた形であった。
しかし、シーザーとジョセフは協力してスージーQの体に害が及ばないように波紋を流した。エシディシはたまらずスージーQの肉体から抜け出し、太陽光を浴びて消滅する。戦士でもない女性に取り憑いたエシディシを、シーザーは「胸糞悪い野郎」と評した。それに対し、ジョセフは「こいつ(エシディシ)は、仲間の為にプライドを捨てて目的を果たそうとした」と、やり方や立場の違いはともかくその執念には敬意を表するのだった。

エシディシの能力

柱の男としての能力

人間をはるかに超える能力

柱の男たちは、知能、身体能力、寿命など全てにおいて人間をはるかに超える。それは一見コミカルなエシディシも同じで、激昂しやすい自分の性格を客観視し、理解している為怒り狂いそうになると泣き喚いて頭を冷静にする。その後、ジョセフ得意の知略を見抜くなどしたが、「騙し打ちの手品が好き」と自ら語るジョセフが一枚上をいっていたため倒されることとなった。

強靭な肉体と凄まじい生命力

脳だけになっても生き延びたエシディシ。

柱の男は能力のみならず、肉体の強度も人間を超えている。作中でエシディシが火のついたダイナマイトを飲み込むシーンがある。ダイナマイトは爆発したが、腹が膨れただけでエシディシにとっては何のダメージでもなかった。自らの血液の温度を500度まで上げるというエシディシの能力も、柱の男という生命体の強靭な肉体だからこそできる芸当である。凄まじい生命力故に肉体を失い、脳と触手だけになっても活動ができる。

太陽光や波紋以外では倒せない

波紋の力でダメージを受けるエシディシ(右コマ)。

太陽と波紋は柱の男たちにとって最大だが、唯一の弱点である。しかし、太陽光では柱の男の体を石化させるだけで完全な殺害はできず、波紋の力も高レベルなものでないとダメージを与えられない。

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