真・女神転生IV FINAL(メガテン4 ファイナル)のネタバレ解説・考察まとめ

『真・女神転生IV FINAL』とは、2016年にアトラスから発売された3DS用RPG。前作『真・女神転生IV』の世界観を踏襲しつつ、前作終盤の状況から始まる完全新作のマルチストーリーである。
物語の舞台は、天使や悪魔に支配され廃墟と化した203X年の東京。人外ハンター見習いの少年ナナシは、戦闘で命を落とすも魔神ダグザと契約を交わして現世に蘇り、過酷な宿命へ身を投じる。前作の要望を反映したバランス調整、新システムや新規悪魔の追加が行われており、シリーズの集大成にふさわしい仕上がりとなっている。

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今作では“パートナー”に選んだ仲間がバトルの大きな手助けになる。前作では戦闘に参加する仲間がランダムに選ばれていたが、今作ではメニュー画面から任意のキャラクターを固定して同行させられる仕様に変更された。

主人公に同行するパートナーにもレベルが設定され、主人公や仲魔と同様に戦闘を通じて成長し、修得するスキルが増えていく。各キャラクターの戦闘スタイルは明確に差別化されており、例えばアサヒは主に回復やレベルアップによる状態異常からの復帰、ノゾミは銃撃と状態異常付与、ナバールは補助魔法や攻撃系アイテムの消費による毎ターンのアシストを主体とするなど、前作以上に共闘の恩恵を感じられる調整が施されている。

また、戦闘中に行動に応じて蓄積される「アシストゲージ」が最大になると「アシストアタック」が自動発動する。発動時は、味方への補助・回復スキルの全発動、敵の耐性を無視した総攻撃、さらに敵ターンの強制スキップという絶大な効果がもたらされる。このシステムは極めて強力なため、あらかじめゲージを溜めてからボス戦に突入するといった戦術も有効である。ただし、選んだルートによってはパートナーが全員死亡し、この機能自体が使用不可となる。

物語の進行に合わせて、パートナーたちからスマートフォンへメッセージが届くシステムも追加された。これらのメッセージはメニューの「パートナートピック」からいつでも確認できる。今作の「NEUTRAL(ニュートラル)ルート」ではパートナーの存在がシナリオに深く関わっており、文字通り作品の大きなテーマとして位置づけられている。

チャレンジクエスト

前作においてユーザーを悩ませた「物語の進行によって受注・達成ができなくなる期間限定クエスト」が今作では完全に撤廃された。すべてのクエストはシナリオの進捗に合わせて順次追加されていく仕様に一新されている。
さらに、討伐系のクエストなどは条件を満たした時点で自動受注されるようになり、いちいちハンター商会へ足を運んで個別に引き受ける手間が省かれた。敵のドロップアイテムを収集して納品するクエストについても、対象となる敵シンボルが赤色で強調表示され、マップ上にもアイコンが提示されるようになったため、収集の難易度が大幅に下がっている。

悪魔合体

歴代シリーズの基本でありながら前作では廃止されていた「2身合体」が今作で復活を果たした。また、前作の「悪魔合体ライト」に存在した「本来は継承不可能なスキルを無理やり引き継がせる」という強力な特性は削除され、今作では合体事故が発生した際の手違いでしか再現できなくなっている。

メニュー画面の機能強化

メニュー画面のUIと機能が大幅に拡張された。
手持ちのスキルを自由に並び替える「スキル順」、仲魔と対話してギフトを受け取ったりスキルの変化イベントを起こしたりする「トーク」、ゲーム内の人名や世界観の専門用語をいつでも閲覧できる「ハンターメモ」、パートナーからのメッセージを読み返す「トピック」、各種チュートリアルを再確認できる「How to」といった便利な機能が新設されている。特に「ハンターメモ」は膨大なテキスト量で構成されており、「東のミカド国と東京の関係性」や「二つの世界における時間の歪み」といった前作の複雑な設定や背景を振り返るのに最適なデータベースとなっている。

遺物

今作ではアイテムを拾ったその場で換金価値(目安額)が表示されるようになり、現在所持している未換金の遺物情報も一目で確認できるようになった。さらに、マップ上で一度拾った遺物が再出現しているかどうかも視覚的に判別可能となり、探索の効率が向上している。
また、各遺物に用意されているテキストのフレーバーテキストについて、前作では「東のミカド国」の住人視点による的外れでコミカルな解説だったのに対し、今作では「東京」で暮らす人間たちの現実的な視点に基づいた解説文へと刷新されている。

行方不明者の死亡報告

前作におけるAP(アプリポイント)は、基本的にレベルアップ時くらいしか入手手段がなく非常に貴重だったが、今作では救済措置が追加された。ダンジョン各所で倒れている行方不明のハンターを発見し、商会へ「死亡報告」を行うことで、彼らが遺したAP(1〜4ポイント)を回収できる。
ただし、行方不明者の総数は20名程度にとどまり、得られるポイントもわずかであるため、仮にレベルを上限の99まで上げて全行方不明者を見つけ出したとしても、すべてのアプリを解禁するための必要量には届かないバランスになっている。

DDS(デジタル・デビル・サービス)

前作のすれちがい通信はローカル通信のみに対応していたため、実際にゲーム機を持ったプレイヤー同士が物理的に接近しなければ成立しなかった。しかし今作ではインターネット経由での「ネットすれちがい通信」に対応。国内外の広範囲なプレイヤーと非同期での通信が可能となり、利便性が劇的に向上した。

ニヤリ

前作で猛威を振るった「ニヤリ状態になると回避率が跳ね上がる」という仕様は、ゲームバランス調整のため今作で削除された。その代わり、自身がニヤリ状態の時にのみ強力な追加効果が発動するスキルが多数新設されている。
特に即死魔法だった「ムド」や「ハマ」は一般的なダメージ魔法へと性質が変更され、ニヤリ状態で唱えた時のみ従来の確率即死効果が上乗せされる仕様となった。また、前作では最高峰の回復魔法だった「メシアライザー」も、通常時はHPの全回復のみとなり、ニヤリ状態時のみ状態異常回復が追加される形へ弱体化している。これらに伴い、敵のニヤリ状態を強制的に解除する専用スキルなども新たに用意された。
なお、シンボルエンカウント時に敵の背後から斬りつけて先制攻撃に成功すると、一定確率でパーティメンバーに最初からニヤリが付与される。前作にあった「味方全員がニヤリになるとHP・MPが回復する」というボーナス仕様は廃止された。

エストマ

前作の戦闘回避スキルは、マップ上で斬りつけた敵シンボルを消滅させる「エストマソード」だったが、狭い通路で敵に挟まれた際などに確実に戦闘を回避できない不便さがあった。
そのためか今作では、プレイヤーの周囲に光のバリアを展開する往年の「エストマ」の仕様へと回帰。発動中は、自身よりレベルの低い敵シンボルとの接触戦闘を完全にシャットアウトできるようになり、探索の快適性が増した。

状態異常

前作における戦闘中の状態異常は、死亡を除くと睡眠・混乱・毒・緊縛・風邪(DLC限定の烙印)のみとバリエーションが少なかったが、今作では新たに「目眩」や「魅了」などが追加され、戦術の幅が広がった。
これに伴い、前作では「すべての状態異常を無効化する」という鉄壁の耐性を持っていた魔人マザーハーロットなどの強力な悪魔たちも、今作で新設された「魔封」などの新しい状態異常については通ってしまうように調整されている。

会話アプリ

悪魔との交渉で使用する会話用アプリが見直され、前作において利用価値の低かった「ネゴシエート」「チャリティ」「無駄話」の3つが廃止された。これにより、実用的な「スカウト」「ファンド」「トレード」の3種類に絞られ、シンプルな運用が可能になっている。

ルート分岐

従来のシリーズでは、物語の途中で選んできた無数の選択肢によって主人公の属性思想(ライト/ニュートラル/カオス)が変動し、分岐点におけるその時点の属性によって自動的に進むルートが決まるシステムが一般的だった。しかし今作ではその仕様が一新され、ルート分岐点に現れるダイレクトな選択肢を選ぶだけで、それまでの思想に関係なく任意のルートを決定できるようになっている。
用意されているルートは「LAW」「CHAOS」「NEUTRAL」の3軸だが、NEUTRALルートのみさらに「協調(絆)ルート」と「殲滅(創生)ルート」の2つに派生するため、エンディングは実質的に全4種類存在する。なお、LAWとCHAOSに関しては、そのルートを選択した瞬間に即座にエンディングへと突入するため、物語としては中盤の時点で幕を閉じる仕様となっている。

ストーリー中に登場する道中の選択肢はルート分岐そのものには影響を及ぼさない。しかし、それまで積み重ねてきた思想スタンスと、最終的に分岐点で選んだルートの傾向があまりにも乖離していた場合、ペナルティとして「所持している全アイテムが強制的に全破棄される」といった極めて過酷な制裁が課せられる。
ちなみに、すべての仲間を拒絶する「殲滅ルート」を選択した場合、主人公の戦闘ボイスの一部が冷酷なものへと変化する。この演出自体は本作特有のものではなく、PC-98(メガCD)版の初代『真・女神転生』においてすでに試みられていた演出のオマージュである。

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