キャサリン・フルボディ(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『キャサリン・フルボディ』とは、2019年2月にアトラスから発売されたホラー・アダルトテイストのアクションパズルアドベンチャーゲームである。対応機種はPlayStation 4、PlayStation Vita、Nintendo Switch(移植版)。2011年2月に発売された『キャサリン』のリメイク版で、第3のヒロインである「リン」が追加されている。他にもエンディングやステージの追加があり、超熟進化と揶揄されるほどのフルパワーアップを遂げた。

『キャサリン・フルボディ』の概要

『キャサリン・フルボディ』とは、2019年2月14日にアトラスから発売されたホラー・アダルトテイストのアクションパズルアドベンチャーゲームである。プロデューサーとゲームディレクターを橋野桂が兼任し、アートディレクションは副島成記が担当。『ペルソナ3』、『ペルソナ4』の開発チームと目黒将司が音楽製作にあたった。OPムービーの音楽にはL-VOKALの『Yo』が採用されている。アニメーションパートの製作はSTUDIO4℃が務めた。

対応機種はPlayStation 4、PlayStation Vita。2020年7月2日にNintendo Switchの移植版である『キャサリン・フルボディ for Nintendo Switch』も発売された。『ペルソナシリーズ』開発チームが手掛けており、2011年2月17日にPlayStation 3、Xbox 360用のソフトとして発売された『キャサリン』のリメイク版にあたる。続編と言うわけではなく、新シナリオ・新イベントの大幅追加、数多くの便利で驚きの新機能の搭載など、超熟進化と揶揄されるフルパワーアップを遂げ、初心者からやりこみユーザーまで楽しめるボリュームとなっている。

本作では主人公であるヴィンセントが悪夢と現実を行き来する。現実世界のヴィンセントが行きつけにしているバー「ストレイ・シープ」を中心に繰り広げられるアドベンチャーパートと、悪夢の中で生き残るためのアクションパズルパートに分かれている。また、ゲーム中に現れる様々な選択肢のチョイスによって、後のストーリー展開に変化を及ぼす。

『キャサリン・フルボディ』のあらすじ・ストーリー

悪夢にさいなまれるヴィンセント

ある夜、走って逃げてきた記憶喪失の「リン」は偶然ぶつかったヴィンセントに助けられるのだった。

物語の主人公はヴィンセント・ブルックス、32歳。ある夜、何者かに追われ逃げていた記憶喪失の謎の女性、リンと出会った。その数日後、ヴィンセントは恐ろしい“悪夢”を見るようになる。終わりの見えない奈落に崩壊し続ける足場。ひたすら落下しないように上へと登り続けて、扉に辿り着き、そこを通り抜けるとやっと目が覚めたのだった。

ヴィンセントは付き合って数年たつ恋人、キャサリンとの関係に不安があることを仲間たちに話した。その中で「男性ばかりが朝起きると死んでいる」という原因不明の怪死事件のことを聞く。この怪事件と、自分が見た悪夢に関係があるのではないかと不安に襲われるヴィンセント。その夜、彼はまた悪夢に襲われた。ヴィンセントは夢の中でお互いが羊に見える人間たちと出会い、羊たちが死ぬ運命にあると告げる「悪夢の世界の管理者」の声を聞く。助かるために上に登り続け、前回と同じように扉を通り抜けたことで、キャサリンに似たバケモノから逃げ出すことができた。
しかし目を覚ましたヴィンセントの横には、昨夜同じ席で飲んでいた女性が裸で寝ていたのだ。

身に覚えのない浮気

覚えていなかったとはいえ、恋人がいるにもかかわらず浮気をしてしまったことに焦り、仲間たちに相談するヴィンセントだが、彼らの反応は冷たかった。行きつけのバー「ストレイ・シープ」に現れたその女性から逃げ切り、三度悪夢に囚われる。悪夢の中ではリンがピアノを弾いていた。脱出すると、またもや隣にはその女性がいる。しかもその女性の名も、恋人と同じく「キャサリン」であることが発覚する。さらに恋人のキャサリンからは、妊娠したことを告げられ、ヴィンセントの精神がさらに疲弊する。
そこにキャサリンの恋人を名乗るスティーブという人物から連絡が入る。ヴィンセントはキャサリンを押し付けることができるかもしれないと考えるが、スティーブからは「その女性ではない」と言われ、「まさか恋人のキャサリンが浮気を?」と混乱する。

選択

妊娠したという恋人のキャサリンと、好意を寄せてくる謎の女性キャサリン、そして何者かに追われているリン。ヴィンセントは悪夢に囚われたことで三人への想いを見つめなおす。最上層とされていたカテドラルも生き延びたヴィンセントだったが、眠りにつくと再び悪夢の世界に囚われる。しかもそこではこれまでとは異なり、天上の試練が科されることになった。
今までの行動や問いかけに対する答えによって、ヴィンセントの運命が決まる。

『キャサリン・フルボディ』のゲームシステム

現実のアドベンチャーパートと悪夢のアクションパートで構成される。夢の中と現実世界を交互に行き来して物語は進行する。途中、選択を迫られ、それによりヴィンセントの考え方が変わっていき、展開に影響を及ぼす。

アドベンチャーパート

ヴィンセントたちの溜まり場になっているバー「ストレイシープ」

現実世界の行きつけのバー「ストレイ・シープ」をメインに展開される。
このパートではヴィンセントが行動するたびに時間が経過していき、それに伴って店内の客の顔ぶれや会話の内容に変化が生じる。友人や店の客と交流したり、バーと言うだけあってお酒を楽しむこともできる。飲酒を繰り返すほど悪夢の中で動くスピードがアップする。
セーブや難易度変更などもこのパートで行うことができ、携帯電話を操作することでそれが可能となる。もちろん携帯電話なので着信が来たり、メールを受信する。メールには返信することができ、返信内容は思想の変化をもたらす。
また、バーの中にレトロチックなゲーム機が置かれていて、本編のパズルアクションにそっくりな「ラプンツェル」というミニゲームを遊ぶことができる。本編とは違って時間制限がない代わりに、決められた手数でクリアすると言うものだ。クリアすればトロフィーを入手することができる。なお、このミニゲームは物語に影響は出さない。店のドアから「帰宅」を選択するか、帰宅時間になるとアドベンチャーパートが終了し、ヴィンセントの悪夢の中へと誘われる。

アクションパート

石の足場を組み替えながら、生き残るために塔の頂を目指すヴィンセント。

ヴィンセントが眠りにつき「悪夢」が始まる。
石のような無数の箱が足場となっているが、時間が経つ毎にそれがどんどん崩れゆく。落ちないようにひたすら足場を上へと登っていくが、箱の並びは階段のように登りやすい状態で用意されているばかりではない。そのままでは登って行けない場所ではヴィンセントを操作し、押したり引っ張ったりといったアクションでパズルのように箱を動かして足場を作らないとならない。

ひと時の休息を得られる「踊り場」では、悪夢に落とされた羊たちとアイテムや情報を交換できる。

フロアは複数のステージで成り立っており、ステージ間には「踊り場」と呼ばれる安全地帯がある。踊り場では記帳台でセーブができる。また、他の『羊』たちとの会話も可能で、箱を動かすテクニックを教えてくれる羊や、ステージ途中に落ちているお金と交換でアイテムを売ってくれる羊もいる。

踊り場から「告解の部屋」に入ると次のステージへ向かう。その前に2択の質問に答える事になる。

次のステージに進むには踊り場の奥に設置された「告解の部屋」に入る。そこでは上階へ進む前に謎の人物が出す質問に答える必要がある。質問は毎回ランダムで決定され、質問に答えるとヴィンセントの思想に変化があり、クリア後のエンディングが変化する。ネットワークに繋がる環境であれば、回答が匿名で送信され、他のプレイヤーの回答も加えた集計結果のグラフが見れる。

ゲームオーバー画面はLOVE IS OVER(愛は終わり)。

ゴールに近づくと各フロアごとに違ったボスが現れて、ヴィンセントを追いかけてくる上に特殊な攻撃を仕掛けてくる。様々な攻撃を避けつつ、頂上の「扉」または「レバー」に辿り着くことができればステージクリアとなる。逆にゲームオーバーの条件は「完全に足場から転落する」「落下する箱に潰されてしまう」「怪物の攻撃を受ける」など。その際、ヴィンセントは死亡し、GAME OVERではなくLOVE IS OVER(愛は終わりました。)と表示される。

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