エルド・ジン（進撃の巨人）の徹底解説・考察まとめ

エルド・ジンのプロフィール・人物像

身長：182cm
体重：75kg
年齢：不明
誕生日：1月30日

エルド・ジンとは『進撃の巨人』の登場人物であり、調査兵団特別作戦班（通称・リヴァイ班）に所属する兵士。リヴァイが班と別行動を取る際には指揮を任されるなど、班における副リーダー的存在。後ろに束ねた金髪の髪と顎髭がトレードマーク。年齢は不明だが、ペトラとオルオの初陣に居合わせており、その口ぶりやペトラの話し方から2人より先輩であると窺える。
戦闘能力も高く、巨人討伐数14体、討伐補佐32体と班内でも実力者である。また、エレンが偶発的に腕を巨人化させてしまった際にはいち早く彼に反応していたり、「女型の巨人」捕獲作戦の際にエルヴィン団長の意図に真っ先に気づくなど、素早い判断力と高い洞察力を兼ね備えている。
普段は落ち着いた物腰でクールな性格だが、ペトラとオルオ初陣の際の恥ずかしい過去を暴露してしまうなど気さくな面も持っている。
巨大樹の森で行われた「女型の巨人」捕獲作戦において、リヴァイ不在の中エルドは班の指揮を執り「女型の巨人」と応戦。オルオやペトラにジェスチャーのみで指示・連携を取り合う高い指揮能力を見せた。息の合った連携で「女型の巨人」をあと一歩の所まで追いつめるが、予想外の反撃に遭いリヴァイ班は壊滅。エルドも上半身を噛み千切られ戦死する。

エルド・ジンの来歴・活躍

リヴァイ班

ウォール・マリア陥落後、調査兵団はウォール・マリア奪還作戦に備え、大部隊がシガンシナ区への道中に立ち寄れる拠点を作るために壁外遠征を行っていた。兵団の中でも精鋭の兵士が揃った班、調査兵団特別作戦班（通称・リヴァイ班）はリヴァイ兵士長を筆頭に、エルドも戦場の最前線で活躍していた。
トロスト区陥落時も壁外遠征に出ていた調査兵団だが、巨人が一斉に北へ向かい出した異変を察知したエルヴィン団長の指示で、急遽トロスト区へと帰還する。トロスト区帰還後、兵団の活躍により壁内の巨人は掃討され、巨人の侵入を阻むことができた。
しかし、トロスト区奪還の功労者であり、巨人の力を身に宿す少年エレン・イェーガーの身柄を「調査兵団」と「憲兵団」、どちらに引き渡すか兵法会議が開かれる。エレンに一方的に暴行を加え、実力差を示すリヴァイとエルヴィンの提案により、エレンの身柄は調査兵団への引き渡しが決定。さらに、暴走した際の抑止力としてリヴァイ班に編入されるのだった。

リヴァイ班は旧調査兵団本部に拠点を移すが、リヴァイの指示により荒れた拠点の清掃を全員で行うことになる。清掃後、班の会議でエルドはエレンに「未だに信じられないんだが…「巨人になる」っていうのはどういうことなんだエレン？」と尋ねるが、巨人化時の記憶が定かではないエレンから詳しいことを聞き出すことはできなかった。さらに、会議中に訪れたハンジにより会議は中断。その後、ハンジとリヴァイ班は協力し、エレンの巨人能力を試す実験を行うのだった。

新兵勧誘式

ハンジがリヴァイ班の拠点に訪れた翌日、ハンジの下に、実験のために生け捕りにした2体の巨人「ソニー」と「ビーン」が何者かによって殺害されたと報告が届く。現場に駆け付けるハンジとリヴァイ班だが、そこには巨人の亡骸のみが残っており、犯人の手がかりは全く残っていなかった。その後、犯行の可能性がある訓練兵達の立体起動装置を確認するが、結局犯人は見つからなかった。
巨人殺害の犯人が不明のまま調査兵団新兵勧誘式の日が訪れるが、トロスト区陥落で巨人の恐怖を体験した訓練兵が多くいる中、調査兵団への入団を志願する者がいるのかと心配するエルド。エレンと共に新兵勧誘式の様子を見守っていると、エルヴィンは新兵に対し「1ヶ月後の壁外調査に参加してもらう。新兵が最初の壁外遠征で死亡する確率は5割といった所。」と脅すように兵団の現状を説明する。続々と訓練兵が立ち去って行き、残る者はいないかと思われたが、エレンの同期も含め21人の兵士を迎え入れることができた。そして、新兵を迎えた1ヶ月後、調査兵団は新兵と共に、シガンシナ区への補給ルート確保のため壁外遠征を行うのだった。

ささやかな代償

新兵を混じえた壁外遠征が行われるよりも前に、リヴァイ班はハンジと共にエレンの巨人能力を試すため実験を行う。初実験はエレンの巨人化が目的だったが、巨人への変身が不発。また、変身の際に修復するはずの傷も治らず実験は失敗に終わる。
巨人化できなかったことやリヴァイの叱責で落ち込むエレン。エルドは「そう気を落とすな。焦って命を落とすよりはずっとよかった…これも無駄ではないさ。」と慰める。だが、エレンはエルド達が自分に失望しない様子を見て、まるで現状を変えることを望んでないような違和感を覚える。
その後、突然エレンの腕部が巨人化してしまい、エレンに対し不信感と敵意を向けるリヴァイ班。エルドはエレンに許可なく巨人化した理由を問い詰める。さらに、彼の詰問を皮切りに班員達は混乱。一時険悪な空気が流れるが、ハンジの乱入により事態は収束。しかし、仲間達から信用されてなかった事実を目の当たりにしたエレンは深く傷ついてしまう。

事態が収束した後、仲間に敵意を向けられたことに落ち込むエレン。しかし、リヴァイは彼に「そういう奴らだから選んだ。」とエルド達の行動は、地獄のような状況で生き延び、生き方を学んだからだと告げる。
その後、ハンジの調査によりエレンの巨人化が意図的なものではなく、偶然だったことが判明。エレンの潔白が証明され、エルド達は仲間を疑い刃を向けてしまった「ささやかな代償」として、エレンの変身時と同様に手を噛み切り謝罪。その際にエルドは「これはキツイな…エレン…お前よくこんなの嚙み切れるな。」とエレンの行動に感心し、彼の苦痛を仲間として分かち合った。

第57回壁外遠征

新兵を迎え入れてから1ヶ月後、調査兵団は第57回壁外調査を開始する。長距離索敵陣形が組まれる中、エルド達リヴァイ班は「五列中央・待機」と陣形の中でも後方側に配置される。この配置は陣形の中で最も安全な配置で、エレンが危険に晒されないように位置づけられたのだ。
シガンシナ区への補給ルート確保とエレンを送るための試運転として行われた壁外遠征だが、突如知性を持った巨人「女型の巨人」が襲撃。右翼索敵班が壊滅し、巨人との戦闘を避ける索敵が機能が失われた調査兵団は巨大樹の森へ移動する。
突然の予定変更と、巨人の襲撃に対し状況を理解できず困惑するリヴァイ班だが、突然「女型の巨人」が彼らを襲来。エルドや班員達は迎撃を試みようとリヴァイへ指示を仰ぐが、リヴァイの命令は「迎撃」ではなく「前進」だった。そして、このリヴァイの命令の際に、リヴァイ班の使命が「エレンの監視」ではなく「エレンの保護」だったと判明する。
足止めで多くの兵士が殺害されるのを目の当たりにし動揺するエレン。エルドはエレンに「歩調を乱すな！！最高速度を保て！」とリヴァイの指示に従うように彼を促す。一時は巨人化し単独で戦おうとしたエレンだが、ペトラの説得により前進を決意。
リヴァイ班をめがけて更に加速する「女型の巨人」。逃げ切ることは不可能と思われていたが、前進を続けるリヴァイ班。追いつかれそうになったその時、木の陰から大量の巨人拘束装置が出現。「女型の巨人」の生け捕りに成功する。実はリヴァイ班がひたすら前進していたのは、この拘束装置の配置された地点まで「女型の巨人」を誘導することだったのだ。
その後、リヴァイは一旦班と別行動を取る事になり、班の指揮をエルドに任せる。その後、リヴァイ班は「女型の巨人」から距離を置くために別の場所へ移動。作戦の成功に班員全員で喜ぶのだった。

不穏な影

安全な場所へ移動したエルド達は今回の壁外遠征の目的が「シガンシナ区への補給ルートの確保」ではなく「壁内に紛れ込んでいるスパイを炙り出すこと」だったと知る。自分達に作戦が知らされていなかった事に対し動揺するペトラとオルオ。しかし、エルドは冷静に、この作戦は5年前から生き残っている兵士にのみ知らされていたと推測。さらに、以前エルヴィンに問われた「敵はなんだと思う？」の質問に答えられていたら本作戦に参加できた可能性があると推測を重ねるが、実際にこの推測は的を射ていたのだ。
一方、生け捕りにされた「女型の巨人」だが、硬質化能力により刃が通らず、本体の確保が難航。さらに、叫びの力により多くの巨人を呼び寄せ、自身を他の巨人に捕食させ死亡。目的を達成できなかった調査兵団はカラネス区へ撤退する。
エルド達にも撤退命令が届くが、「女型の巨人」の捕獲場所と離れていたため、本体の確保が成功したと思い込んでしまう。しかし、実は「女型の巨人」は死亡したと見せかけ、巨人が発する蒸気に紛れて逃走していたのだ。リヴァイと合流に向かうリヴァイ班。合流の最中、エレンに対し先輩風を吹かすペトラやオルオを見てエルドは、彼らが初陣の際に小便を漏らして泣いていたことを暴露。賑やかに合流を目指すリヴァイ班だが、突如謎の兵士が現れ班員のグンタを殺害。緊張した空気が流れる中、謎の兵士が「女型の巨人」へ変身し、再びリヴァイ班に襲い掛かる。
エレンは再び現れた「女型の巨人」を倒すため、巨人化を試みるがエルドは彼に兵団本部への合流を命令。命令に納得できないエレンだが、巨人化能力のリスクが多いため、リヴァイ班が戦闘を行うのが最善策だと彼を説得。オルオやペトラの説得の後押しもあり、エレンは彼らの武運を祈りながら、本部との合流を目指す。

「女型の巨人」VSリヴァイ班

エレンを逃した後、エルド・オルオ・ペトラの3人は「女型の巨人」と戦闘を開始する。エルドは陽動として「女型の巨人」の注意を引き、その隙にペトラとオルオが巨人の眼を潰し視力を奪うことに成功。リヴァイ班は視力が回復するまでの1分間で「女型の巨人」を仕留めようと試みる。まず、うなじを守る腕が上がらなくなるように、肩回りの筋肉を削ぎ落すようにペトラとオルオに指示。声掛けなしで指示を出す高度な連携を見せた。
肩回りの筋肉を削いだリヴァイ班、次にうなじを狙うため首の筋肉を削ごうとエルドは突撃するが、自身達の予想を上回る速度で「女型の巨人」の視力が回復。エルドは上半身を噛み千切られ死亡してしまう。突然のエルドの死と予想外の反撃に混乱するリヴァイ班。直後、ペトラとオルオも「女型の巨人」の反撃に遭い死亡。エレンとリヴァイを除くリヴァイ班は壊滅してしまうのだった。
エルド達の死を目の当たりにし激昂するエレン。巨人化し、怒りに身を任せ「女型の巨人」と戦うが、敗北し連れ去られてしまう。その一方、班と合流しようとしていたリヴァイだが、時すでに遅く、道中でエルドの亡骸を発見。その後、「女型の巨人」からエレンの奪還に成功したリヴァイは、兵団と合流しカラネス区へと帰還する。

エルド・ジンの関連人物・キャラクター

リヴァイ・アッカーマン

リヴァイ班のリーダー。上司と部下の関係で信頼は厚く、たとえ理由が分からない命令でも、彼の命令に従っている。リヴァイも、判断力と洞察力の高いエルドに信頼を寄せていたようで、自身が班に不在の際には、彼に班の指揮を託している。
「女型の巨人」捕獲時も、リヴァイは班と別行動を取ったが、その際に端的に指示を出すのみで、後の指揮をすべてエルドに託した様子から、その信頼の厚さを伺うことができる。

ペトラ＆オルオ