【進撃の巨人】サムエル「全員立体機動に移れッ!!」【厳選名作SS】

進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。今回は普段影の薄いモブたちが格好良く活躍するSSです。モブ達の中には正直名前を聞いても誰だかわからないキャラも…。 最後にキャラ紹介を載せています。

164: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/06(水) 20:37:31 ID:rFTymUno
すまん、ミーナは前方じゃなくて後方だった。
ちょっとこの後の展開必要なので脳内変換よろ。

165: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/06(水) 23:13:45 ID:rFTymUno
ミーナ「これ以上アニを傷付けたくないから…」ビキ

ビギッビキッ

ミーナ「すぐに終わらせてあげる」

ゴォッ!!

アニ(…速っ!?)

168: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/08(金) 14:37:58 ID:bzw/w41.
ウォール教会 礼拝堂

トム「やはり…ここですね」

???「待て。憲兵団の者が何をしている」

トム「…余りにも美しい建物なので中を拝見しようかと」

???「臭い芝居はよせ。
貴様だな?
最近教団を嗅ぎ回っている者とは」

トム「私じゃありませんよ?
それはミリウスです。
全く…バレバレじゃないですか」

???「ふん…どちらにしろ貴様はここで消えてもらう。
だが、その前に嗅ぎ回っている目的を教えてもらおうか」

トム「構いませんよ?
その目的も今日で終わる予定なので」

???「終わる?バレてもう諦めたのか。
ずいぶんと潔いのだな」

トム「いえいえ…今日で嗅ぎ回る必要も無くなりますから、ね」

???「…何?」

177: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/09(土) 06:16:56 ID:/IqkmQpk
トム「私達の目的は市民兵士の保護、及び害虫駆除です」

???「害虫駆除だと…?」

トム「その発生源の特定、そして破壊。
それが私達の目的です」

???「…どこまで知っている」

トム「お恥ずかしいながら、巨人を人口的に作り出してることくらいまでしか…」

???「…最高機密ではないか。
ふざけおって…」ギリッ

178: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/09(土) 06:32:31 ID:/IqkmQpk
トム「…ユミル」

???「っ…!?」

トム「…やはり彼女を使いましたか。
あなた方はポーカーフェイスを練習した方いい」

???「何の…ことだ…」

トム「彼女は先日の超大型の襲撃以降行方不明になってます。
おかしいですねぇ…死者は0のはずなのですが」

???「…逃げたしたんだろう」

トム「いえ、彼女の性格からそれはあり得ないでしょう」

???「…我々が攫ったという証拠もなかろう!」

トム「攫ったとは一言も言ってませんが」

???「ぬ…ぐ…!貴様ぁ…」

179: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/09(土) 08:08:40 ID:/IqkmQpk
トム「超大型の襲撃…
あれはあなた方の計画の始まりだった。
超大型によって壁を破壊し、
巨人を侵入させて壁内を制圧する予定だったのでしょう」

???「…知らんな」

トム「しかしエレン・イェーガーにより超大型は討伐。
計画はほんの一部で止められてしまった」

???「面白い。
随分と妄想が上手いじゃないか」

トム「だが」

???「…」

トム「あなた方の真の狙いは壁の破壊では無く解放。
違いますか?」

???「…何のことだ」

トム「壁の中の大型巨人。
それがあなた方の狙いだった」

???「…!」

180: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/09(土) 08:40:26 ID:/IqkmQpk
???「どこで…その話を…」

トム「おかしいと思いました。
壁を神と崇めるあなた方が、壁を破壊するということが。
ですが本当の神はその中身で、破壊ではなく解放なら辻褄が合います」

???「くっ…」

182: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/09(土) 09:26:05 ID:/IqkmQpk
トム「超大型は討伐され、オマケに鎧、隠し球の女型までも撃墜。
おそらく鎧と女型は単独行動でしょうか。
計画は完全に破綻し、あなたは窮地に立たされた。
しかし、あなたは一つの奇跡に出会った。
それがユミルです」

???「…」

トム「ユミルは以前から我々に監視されていました。
理由は一つ。
彼女が『始祖』である可能性があったからです。
彼女は襲撃の際に巨人化してしまった。
おそらく友人を助けるため、でしょうね。
ウォール教はユミルの友人、クリスタ…いえ、ヒストリア・レンズを監視していたため、それを目撃。
そこであなた方も気付いた。
彼女が『始祖』である可能性に」

183: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/09(土) 11:37:30 ID:/IqkmQpk
トム「そして計画は変更した。
外部からの巨人の侵攻では無く、内部からの侵攻へ」

???「…く…くく…」

トム「あなた方は『始祖』の力を使い、普通の人間を巨人化に成功。
その巨人を量産して放つつもりですね。
…そう、壁外遠征で調査兵団がいないこの日に」

???「ククク…」

トム「そうでしょう?
…ニック司祭」

184: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/09(土) 11:58:38 ID:/IqkmQpk
ニック「…ククク…クハッ…ハーハッハッハァ!!!」

トム「…」

ニック「そうだ!その通りだ!
我々は神の力を手に入れたのだ!
始祖の力は実に素晴らしい!!
だが、この事を知ってどうする!?
一介の憲兵ごときに何ができる!
巨大な流れに蟻一匹が逆らえると思っているのか!」

ズゥゥゥン…

ニック「始まったようだな…。
今、この時より計画は始動した。
もう誰にも止められはせんぞ。
人類は滅び、我々ウォール教が神となる!
ここで貴様もゴミのように死ぬのだ!」

信者群「…」ワラワラ

トム「遊びが過ぎたなウォール教…。
神の祈る暇も無いと思え」チャキッ

187: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/09(土) 20:23:51 ID:/IqkmQpk
ダズサイド

ダズ「フー…」スパー

ジャン「勤務中に一服してんじゃねぇ!」

ダズ「…上官のお手本通りにしてるだけだ」スパー

ジャン「チッ…。
まぁいつもみたいに寝てないだけマシか…。
それより奴を見つけたぞ」

ダズ「…奴?」

ジャン「お前がライナー探せって言ったんだろ!」

188: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/09(土) 20:38:34 ID:/IqkmQpk
ダズ「…二日酔いがヒデェんだ。
チェスター・ベニントンみたいに吠えないでくれ」

ジャン「誰だよ…。
ライナーは裏町にいる。
お前に言われた通り、訓練生だけでばれない程度に奴を奴を包囲した」

ダズ「上出来だ。
奴をネバーランドから引きずり戻してやろうぜ」

ジャン「…ああ」

190: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/09(土) 23:40:58 ID:/IqkmQpk
ライナー「ベルトルト…今、仇を…取る…からな…。
全部壊して、一からやり直そう…」

ダズ「ヘイ、ライナー」

ライナー「…ダズ」

ダズ「ネバーランドの居心地はどうだい。
ピーターパンとティンカーベルには会えたか?」

ライナー「ワケのわからねぇことを…。
…お前も知っているんだろう?
俺の正体が鎧の巨人だってことによ」

ダズ「ああ。
ついでにとびっきりの馬鹿ってこともな」

ライナー「…そうさ。
俺は馬鹿野郎だ。
自分が巨人か人間かの区別もつかんくらいにな」

191: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 09:25:22 ID:V4jhg0Sw
ライナー「…俺は人殺しだ。
前回はお前らに邪魔されたが、
五年前に何人…間接的には何万の人を殺したかすらわからねぇ…。
大義のため。
俺たちはそのためだけに人を殺してきた。
今更止まれねぇんだ…だから…」

ダズ「大義?
人殺しに大義もクソもあるか。
人殺し分別なんかありゃしねぇ。
全員一致で燃えるゴミ。
皆まとめて焼却炉、だ。
お前は大義って言葉に甘えただけだ」

ライナー「…うるせぇ。
俺がやらなきゃ誰かがやった!
もう帰るとこなんてねぇっ!!!」ガリッ

193: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 11:35:44 ID:V4jhg0Sw
鎧「グオオオオオッ!!!」ビリビリ

ジャン「…あ、ああ…」

コニー「ライナーが鎧って本当だったのか…」

アルミン「巨人から逃れるために駐屯兵になったっていうのに…くっ…」

ミカサ「主席でごめんなさい。
ライナー、あなたこそが主席に相応しいいいいいい」ガタガタ

194: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 11:41:12 ID:V4jhg0Sw
ダズ「…ジャン、作戦通り行くぞ。
お前が指示を出せ。
俺はあくまでモブだ。
メインステージには上がれねぇ」

ジャン「わ、分かった…」

ダズ「俺はフードで顔を隠す。
適当に駐屯兵の精鋭とかってことにしといてくれ…」

鎧「オオオオオオオ!!!」ドオオオン

ダズ「さて、と…。
他の駐屯兵が来るまでに終らせるとしようか…。

踊るぜ、ジャン」

197: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 17:26:18 ID:V4jhg0Sw
ジャン「作戦通り行くぞ!
成績上位だった奴とアルミンは立体機動に移るぞ!」パシュッ

ジャン「うおおおおお!!!
ライナアアアアアア!!!」ギュイイイイイン

ジャン「って、おおおおおおい!!
何で俺一人何だよ!!!」

コニー「怖い」

マルコ「無理」

サシャ「それよりパンか何かありませんかね」

ミカサ「あばばばば」ガタガタガタガタ

アルミン「僕は上位じゃないし」

ジャン(駄目だこいつら…)

198: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 17:33:43 ID:V4jhg0Sw
ジャン「出番無いからって拗ねてんじゃ…うおっ!?」

鎧「オオオオオオオ!!」ブンッ

コニー「あ、ジャンが死ぬぞ」

サシャ「出番が多い奴はいなくなればええんや」

ダズ「…」ギュイン

シュパッ

スガガガガガガ!!!

鎧「グオオオオオッ!?」ヨロッ

ジャン「あぶねぇ…助かったぜダ…精鋭の人…」

アルミン「チッ」

ジャン「てめぇ!!」

200: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 19:31:33 ID:V4jhg0Sw
壁上

ピクシス「グーグー」

アンカ「おら、起きろ」ドコッ

ピクシス「ぐふっ!」

アンカ「壁内に巨人が出現。数は100体程度だ。
さっさと指示を出せ」

ピクシス「すまんが酒を持ってきてくれんかのぉ…」

アンカ「呆けたかジジイ。
ここがスウィートルームに見えるか?」

ピクシス「酒が…酒が美味いんじゃ…」

アンカ「使えねぇな…さっさと立てクソジジイ」グイッ

ピクシス「漏らしてもうた…」

アンカ「知るかよ」

201: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 19:39:08 ID:V4jhg0Sw
ザワザワ…

兵士1「壁内に巨人だと…」

兵士2「しかも数は100を超えてるらしいぞ…」

兵士3「もう駄目だ…お終いだぁ…」

アンカ「チッ。すっかりビビってやがる…。
さっさと喝をいれてやれ」ドンッ

ピクシス「年寄りをいじめないでおくれ…」

兵士1「ピクシス指令だ…」

兵士3「あの人ならきっとこの危機を乗り越えてくれる!」

兵士2「馬鹿言うな…いずれここにも奴らが来ちまう…」

ピクシス「スゥ…ちゅうmアンカ「ちゅうううううもおおおおおおくっっ!!!!!」

202: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 19:44:43 ID:V4jhg0Sw
アンカ「壁内巨人が多数出現!!!
てめぇらには殲滅をしてもらう!!!
できないならここで死ねっっ!!
ここで死ねないなら前線で死ねっっ!!
奴らぶっ潰して生を掴みとりやがれ!!!」

サムエル「げっ…姐さん」

ハンナ「珍しくやる気ね…」

203: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 19:50:42 ID:V4jhg0Sw
アンカ「作戦の指揮はキッツ大隊長に行ってもらう!!!
死にたくなければ逆らうんじゃねぇぞ!!!」

キッツ「任せておけ!
奴らに鉄槌を降してやろうぞ!」

サムエル「うわ…キッツの親父まで出るのか…」

ハンナ「フフッ。もう引退して隠居じゃー!とか言ってたのにね」

フランツ「親父が出るなら僕らの出番は無いね」

ハンナ「そんなこと言わないの。
キッチリこなしましょ!」

フランツ「もちろんさ」

208: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 23:23:28 ID:V4jhg0Sw
アンカ「おいサムエル」

サムエル「ハイッ」ビクッ

アンカ「さっき言った通り、キッツ大隊長に指揮は任せる。
お前は最前線で戦え。
絶対に顔を見られるなよ」

サムエル「姐さんは?」

アンカ「大隊長の補佐だ。
あのおっさん、どうせ指揮は丸投げして前線に出るだろ」

サムエル「…でしょうね」

アンカ「ハンナとフランツは市民を守れ。
必要とあらば前に出てくれ」

ハンナ「はーい」

フランツ「了解しました」

アンカ「よし、散れ」

サムフラハンナ「ハッ!」

アンカ「坊や達…死ぬんじゃないよ」

209: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 23:45:02 ID:V4jhg0Sw
キッツ「ぬぅりゃあああ!!」ズバァァァン

サムエル「さすが軍神キッツ…。
衰えねぇなぁ」

アンカ「あのおっさんは生涯現役だろ。
案の定、指揮してねぇし」

兵士1「大隊長殿!!
前方より巨人の群が出現いたしました!距離400!」

キッツ「丁度いい!
『アレ』をぶち込んでやれいっ!!」

兵士1「使うのですか!?
あの兵器は試作段階です!」

キッツ「構うものか!
今使わずしていつ使うのだ!!
エネルギー充填急げ!!!」

兵士2「エネルギー充填!
いつでも行けます!!」

キッツ「よぅし!
目標!前方巨人の群!!
試作型立体機動砲用意!!
撃てえええええええ!!!!」

210: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/10(日) 23:51:54 ID:V4jhg0Sw
兵士1「ヤー!!
立体機動砲ファイア!!」

兵士2「ヤー!!
ファイアアアアアアア!!!」

キュイイイイン…

カッ!!

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

212: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/11(月) 01:06:19 ID:TnNsWuUo
アンカ「…!おい、サムエル。
あそこの壁の上を見てみろ」

サムエル「!?なんだ…あいつ…」

アンカ「あたしの目が腐ってるわけじなゃいみたいだな。
あんなデカイ猿は初めて見たぞ」

サムエル「奇行種…?
いや、中にいますね。確実に」

ドオオオン

兵士1「ぐあああ!!」

兵士2「な、何だ!?砲弾がいきなり…」

兵士3「また来たぞ!退避だ!!」

ドオオオン…

213: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/11(月) 01:16:28 ID:TnNsWuUo
アンカ「野郎…固定砲台の球を投げてきてやがる。
しかも狙立体機動砲を狙ってな」

サムエル「…俺が行きます。
このままじゃ滅多打ちにされちまう」

アンカ「…オーライ。
目標は1km先だ。
途中まであたしが道を開いてやる。
あのエテ公にピッチャー返し食らわせてやれ」

サムエル「…ヤー」

216: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/11(月) 13:21:57 ID:TnNsWuUo
兵士3「大隊長殿!!
砲弾の出処が判明しました!
およそ1km先の壁上から、特殊な巨人が投擲してます!
被害増加!負傷者多数!」

兵士2「他巨人勢も息を吹き返したようです!
各所で押され始めました!」

キッツ「ぬぅ!小癪な!
ワシがうなじを削いでやるわ!」

兵士3「無茶です!
巨人の群の更に奥ですよ!?」

キッツ「ワシが先陣を切らんとしてなんとする!!
撃鉄を鳴らせ!!
声を上げろ!!
行くぞおおお!!!」

兵士達「おおおおおおお!!!!」ビリビリ

ドドドドドドドドド

217: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/11(月) 13:30:54 ID:TnNsWuUo
信者A「くそっ!こいつら全然ビビってないぞ!
本当にあの駐屯兵なのか!?」

信者B「獣様の援護で陣形が崩れ始めてる!!
我らも行くぞおおお!!!」ガリッ

ーーーカッ

巨人群「オオオオオオオ!!!」

兵士3「前方に巨人が多数出現!!」

キッツ「知らんっ!!
このまま突っ込めえええ!!」

兵士達「オオオオオオオ!!!」

ドオオオン…

アンカ「オヤジが敵を引きつけているウチに行くぞ!」

サムエル「ヤー!」バシュウウウ

218: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/11(月) 13:39:58 ID:TnNsWuUo
巨人「ガアアアッ!!」ゴオッ

アンカ「邪魔だ!」ズバァァン

巨人「 」ズゥゥゥン…

アンカ「道は開けた!
行けっ!サムエル!」

サムエル「ヤー。
後は任せてください」

アンカ「ハッ。随分とたくましくなったもんだ」

サムエル「姐さんほどじゃないですよ」

アンカ「うるせぇ。…サムエル、死ぬなよ」

サムエル「姐さんに心配されちゃあ死ねませんよ。
また後で会いましょう」

アンカ「いってこい!」ドンッ

サムエル「…ヤー!」バシュウウウ

219: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/11(月) 13:46:26 ID:TnNsWuUo
獣「…」ブンッ

ドオオオン…

バシュウウウ…

獣「…!」

サムエル「ハロー、エテ公。
猿回しの時間だぜ」スタッ

獣「…あれ。
全然計画進んでないんだけど、どういうことか知らない…?」

サムエル「!?」

獣「おっかしいなぁ…。
調査兵団と厄介な奴はいないハズなのに…」

サムエル「おい…巨人が喋るなんて聞いてねぇぞ…」

222: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/11(月) 20:21:27 ID:TnNsWuUo
サムエル「…何者だお前」

獣「あ、君も厄介な人の1人なのか。
悪いけど、死ぬか情報吐いてもらうかしてもらおう」ブンッ

サムエル「聞く耳は持たねぇか…!」

ドオオオン!!

獣「あれ…潰したはずなんだけど…」

タンッ タンッ タンッ

バシュウウウ!!!

サムエル「随分と速いじゃねぇか…」スタッ

獣「うーん…確かに厄介だなぁ…」

225: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/13(水) 23:55:12 ID:USun/v2Y
巨大樹の森 後方 ミーナvs女型

アニ・レオンハートは後悔した。

例えミーナが、リヴァイ兵長並の実力者でもタイマンなら勝てる。
そう思っていた。

しかし相手が悪かった。否、悪過ぎた。
ミーナ・カロライナとは決して戦ってはいけない。

リミッターを完全に解除したミーナはもはや人外。

あらゆる木々をブレード一振りでなぎ倒し、手を出そうものなら瞬く間に細切れにされる。

長い髪を振り乱し、高速で空を駆ける姿はまさに鬼神そのものであった。

226: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/13(水) 23:57:21 ID:USun/v2Y
女型「アアアッ!!(泣」ブンッ

アニは追い払うように手を振り回すことしかできなかった。
だが、その刹那ーーー

ドンッ!!!

数秒前まであった自分の腕が空を舞う。

アニ(…私は…いったい…)

ミーナ「……」ゴオッ

ザシュッ
ザンッ
ズバババンッ

アニ(…いったい…何と戦っていたんだろう…)

ミーナ「バイバイ、アニ」

ズバァァン…

アニ「……バイバイ、ミーナ」

アニ・レオンハートは笑顔で長旅を終えた。

232: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 12:22:25 ID:nFMoFoaE
巨大樹の森 右方 ナックvs巨人群

信者4「他愛も無い…私はハズレを引いたようだな」

巨人「…」ガブッガブッ

信者4「どれ、死に顔でも見てやろう」クイッ

巨人「うー…」スッ

信者4「…どけと命令している」

巨人「あー…?」キョトン

信者4「チッ…まだ使いこなせんか…」

ザクッ

信者4「……あ?」

233: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 12:23:50 ID:nFMoFoaE
ナック「…確かにてめぇはハズレを引いたみたいだな」

信者4「貴…様…!何故生きて…!」ゴフッ

ナック「上から降って来た奴に身代わりになってもらったんだよ。
…左腕と引き換えにな」

信者4「……私の負けか…。
だが…!貴様も道連れにしてやろう…!」バッ

ナック「…!」

信者4「クク…私を倒しても巨人共は消えん…。
片腕ではうなじも削げまい…!」

234: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 12:24:52 ID:nFMoFoaE
ザンッ

ナック「…うるせぇよ」

信者4「ガ…ハ…」

ナック「…片腕じゃうなじが削げない?
そんなこと…やってみなきゃ分かんねぇだろうが…」

235: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 12:30:04 ID:nFMoFoaE
ズシン…ズシン…

巨人の数はおよそ50体。
片腕ではブレードで鋭角を作れない。
ガスもアンカーも片方しか使えない。

しかしナックは冷静だった。

236: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 12:31:06 ID:nFMoFoaE
ナック・ティアス。
その実力は並の兵士とは次元が違うが、モブの中ではダズやミーナに比べると遥かに劣る。

しかし、ナックには誰よりも強くなることができた。

窮地。
ナックにとって窮地とは、もっとも真価を発揮できる状況だった。

ナックは五感を研ぎ澄まし、静かに燃えた。
アドレナリンが大量分泌し、即座に切断面を止血。
同時に痛覚も遮断される。

目の前の巨人を殲滅。
ナックはその事だけに全神経を注ぎ込んだ。

237: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 12:35:37 ID:nFMoFoaE
「オオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」

ナックは吼えた。
巨人と間違うほどの声で吼え、自らを奮い立たせる。

ナック「腕の一本くらい無くても何も変わらねぇんだよ…
俺がまとめて相手してやる…
……かかってきやがれ!!」

238: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 12:46:51 ID:nFMoFoaE
ナックはブレードを咥え飛んだ。

ナック「ガアアッ!!」

ズバンッ!!

ブレードを咥えることで鋭角を作り出すことに成功。

巨人「あー…」アーン

大口を開け、迫り来る巨人。
片腕では回避は不可ーーーー

ナック「…!」パシュッ

カッ

アンカーを巨人の背後に打ち込みーーー

ナック「フッ!」グルンッ

巨人「あー」スカッ

ナック「オラアアアッ!」ズバァン

ガスを片方だけ吹かし、体を反転させ最小限の動きで回避。

普段のナックからは想像できない繊細な動きであった。

240: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/16(土) 12:53:11 ID:nFMoFoaE
一体、また一体と倒れゆく巨人。
ナックは動きを止めることはなかった。

ナック「オオオオオッ!!!」

巨人「ガアアアアアッ!!」

ナックは巨人の群へ再び飛び込んだーーー

245: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 12:56:21 ID:.Atrrj46
壁上 サムエルvs獣

サムエル「チィッ!」バシュッ

獣「なかなか素早いね。
捕まえられるかなぁ」ブンッ

サムエル「くっ…!」

246: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 13:00:50 ID:.Atrrj46
戦況最悪だった。

理由は一つ。
壁上のため、アンカーを打ち込む場所が獣と壁の側面しか無かったからだ。

サムエルは回避するだけで反撃に出れない。
サムエルほどの実力者でも立体機動が満足に使えない状況では攻めあぐねていた。

248: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 17:21:06 ID:.Atrrj46
獣きアンカーを打ち込もうものなら即座に掴まれてしまうだろう。

だからと言って側面を使いま回りこもうにも、獣のスピードには追いつけない。

サムエルは回避にガスを使い続けるだけだった。

249: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 17:29:06 ID:.Atrrj46
そんな中、サムエルは一つの才覚に目覚め始める。

獣「なんか…ずいぶんと余裕に見えるけど」

サムエル「お前が疲れてきたんじゃねぇか?」バシュ

獣「そうなのかなぁ…」ドコォォォ

先程まではギリギリの回避をしていたサムエルだが、今のサムエルには獣の攻撃が当たる気配が無い。

サムエル「フンッ!」バシュッ

ズババン!

獣「うわっ」ヨロッ

目覚めた才覚。

それは先見の才であった。

250: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 17:34:23 ID:.Atrrj46
先見。
それは相手の筋肉の動き、動向から動きを先読みする能力である。

極限の状況下でサムエルは集中力のピークに達す。
そして開花した才覚。

サムエルには獣の動きが手に取るように読めていた。

サムエル「右腕の振り下ろし…か」スッ

ドコオオオ!

獣「あれぇ…?」

251: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 17:39:52 ID:.Atrrj46
獣「めんどくさいなぁ…。
もう死んでいいよ」ブンブン!

サムエル「!」

当たれば勝ち。
獣はそう考え両手をサムエルを叩き潰すためだけに振り回した。

しかしーーー

サムエル「そんなに振り回していいのか?」

獣の足に打ち込まれたアンカー。
攻撃に夢中になるあまり、獣はアンカーを打ち込まれたことに気付いていなかった。

252: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 17:50:58 ID:.Atrrj46
バシュウウウウ!!

サムエルは目一杯にガスを吹かし、スライディングしながら足下に接近。

獣「うわっ、いつの間に…」ブンッ

獣はサムエルを振り払おうと、手を振り払う。

カシュッ

だが、サムエルは当たる瞬間にもう一本のアンカーを逆足に打ち込み、方向転換した。

サムエル「ハアアッ!」バシュウウウ!

スバァァン!

獣「くっ…」グラッ

サムエルは獣のアキレス腱を切り裂く。

253: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 17:57:43 ID:.Atrrj46
踏ん張りの効かなくなった獣はゆっくりと壁伝いに落下していく。

サムエル「紐なしバンジーだ。お供するぜ」

サムエルは落下していく獣をめがけてダイブ。

獣「ちょこまかと…!」ブンブンッ

サムエル「丸見えだ」バシュッ

攻撃をガスを吹かして回避。
そして獣の眼前に躍り出る。

サムエル「次は噛み付きか?」

獣「ガアアッ!」グオッ

254: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 18:02:08 ID:.Atrrj46
サムエル「フッ!」グルン

反転して噛み付きも回避。
同時にガスを使い加速。
そしてうなじにたどり着く。

サムエル「動物園で大人しくしてやがれ」

獣「ぐっ…ちくしょおおおお!!!」

ズバァァァン…

255: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 18:10:59 ID:.Atrrj46
アンカ「オヤジ!サムエルが猿をやった!
こっちも盛り返すぞ!」

キッツ「分かっておるわ!!
皆のもの!行くぞおおお!!!」

アンカ「一匹の巨人に五人以上で戦え!
一匹ずつ確実にうなじ削げ!!
野郎共!!
人類の底力を見せてやれ!!」

兵士「おおおおお!!!」

256: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 18:17:05 ID:.Atrrj46
ウォール教 礼拝堂

トム「どうやら祭りも終わりのようですね。
ニック司祭」

ニック「ば、馬鹿な…」

無数の屍の上に佇むトム。
その姿には返り血、埃一つ付いていない。

ニック「この人数を1人で…!
貴様!何者なんだ!!
この化物めが!」

トム「ただのモブですよ」

ザンッ

ニ/ック「あっ」

トム「さようならニック司祭」

257: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 18:21:33 ID:.Atrrj46
トム(こっちは終わりましたよ…。
あとは壁外の三人ですね。
内通者を上手く炙り出してくれるといいんですけど…。
私に死亡報告書なんて書かせないでくださいよ?
ダズではありませんが面倒くさいので。)

259: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 20:12:55 ID:.Atrrj46
ダズ&104期生vs鎧

鎧「オオオオオ!」

ドコオオオオ!

ジャン「どうしたライナー!!
俺一人に手こずる程度なら、人類滅亡なんて到底無理だな!」

ライナー(うるせぇ…うるせぇうるせぇうるせぇうるせぇえええええ!!!)

鎧「オオオオオッ!!!」ドコオオオオ!

ジャン「チィッ!無茶苦茶に暴れ出しやがった!」

ヒュウウウ…

ダズ「…!」

ジャン「瓦礫が…なっ!?」

幼女「きゃああああ!!」

ジャン「何で子供がここに!?
くそっ!避難してなかったのか!
ここからじゃ間に合わねぇっ!」バシュウウウ

ドォォォン…

ジャン「くっそおおおお!!」

260: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 20:20:46 ID:.Atrrj46
ダズ「大丈夫か?お嬢さん」

幼女「え、うん…」

ジャン「ダズ…!」

ダズ「…いいかお嬢さん。
ここはお嬢さんのようなレディに相応しい場所じゃない。
シンデレラの舞踏会場はあっちだ。
ほら、皆お嬢さんを待っている。
ホットミルクでも飲んでのんびりしててくれ」

幼女「ありがとう…///」

266: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/19(火) 17:36:00 ID:l3D68DAk
ダズ「おい」

104期生「ビクッ」

ダズ「…シンデレラが来たってのに誰もエスコートはねぇのか?
あまりにもキュートで手がだせねぇのか?
それとも…」

104期生「…」

ダズ「ただのルーザー・ドッグか?」

104期生「イラッ」

268: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/19(火) 17:50:54 ID:l3D68DAk
ダズ「いや、それじゃワンコ失礼か?
お前らは吠えることすらできないしな。
あぁそうかい。
ガタガタ震えてるからな。
お前らは子鹿ーーーー

ブチッ

104期生「うるせぇこの老け顔が!!」

269: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/19(火) 17:55:19 ID:l3D68DAk
アルミン「フードで顔隠してばれてないと思ってるだろうけど、あんたダズだろ!」

コニー「そんな喋り方するのダズしかいねぇよ!馬鹿!」

サシャ「誰が負け犬や!誰が子鹿や!
調子乗っとるといてまうぞゴラァ!」

ミカサ「ふふふふるえててててなんかかかいないいいいい…」

271: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/19(火) 19:31:51 ID:l3D68DAk
ダズ「…オーライ。
やればできるじゃねぇか…」パサッ

アルミン「!?」

コニー「お前…その傷…」

ダズ「擦り傷だ。
シンデレラを守るためなら安いもんだろ…」ポタポタ

サシャ「掠めたって…血塗れやないかい!」

※ここからは流血で片目が塞がったダズをイメージしてください。

272: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/19(火) 19:43:16 ID:l3D68DAk
ダズ「お前らは騎士(ナイト)だ。
あのクソゴリラに触らせるな。
いいか?髪一本血一滴も、だ。
守れ。
決して純潔を汚すんじゃねぇ」

ミカサ「…わわわわかったたた」ガシッ

幼女「おおおおおお姉ちゃんんんんん。
ふふふふふふ震え過ぎぎぎぎ」ガタガタガタガタ

ダズ「オーライ。
お姫さまはお前に任せた」

ミカサ「まままままかせてててててて」ガタガタガタガタ

幼女「あばばばばば」ガタガタガタガタ

273: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/19(火) 19:47:14 ID:l3D68DAk
ダズ「さて、と…。
よぉライナー」

鎧「……」

ダズ「…俺は死ぬほど許せないことがある。
一つはレディに手を出す奴。
そして二つは…

仲間に手を出す奴だ」

鎧「……」

274: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/19(火) 19:49:51 ID:l3D68DAk
ダズ「…お前はこの世で1番やっちゃならねぇ事をやっちまいやがった。
おかげでハザードが鳴りっぱなしだ…。

固定砲準備。目標はあのピーチボーイ。
全員下がっていろ。邪魔だ。

……奴と灼熱のタンゴを踊ってやる」

鎧「オオオオオ!!!」

276: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/19(火) 19:51:49 ID:l3D68DAk
勝負は一瞬だった。

ライナーは本当の恐怖を覚えることになった。

279: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/19(火) 23:22:39 ID:l3D68DAk
ダズ「ジャン。動き回られるとめんどくせぇ。
固定砲で足を止めさせろ」

ジャン「足を止めろって言ったって、あいつの鎧はそう簡単には…」

ダズ「…あいつを狙えとは言ってねぇよ」

ジャン「…!
オーライ…。俺が指示を出す。
チャンスは一度だ。
しくじるんじゃねぇぞ」

ダズ「はっ…頼もしいな」

280: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/19(火) 23:51:44 ID:l3D68DAk
鎧「グオオオオッ!!」ドシンドシン

ジャン「来たぞ!!
固定砲六番!指示通り撃てぇ!!」

サシャ「死ねやライナァァァ!!!」

ドォン!

ライナー(砲弾如きで止まるかよ!!)

鎧の巨人は砲弾では止まらない。
その事は五年前に証明されていた。
しかしーーー

ズドォォン!

鎧「オオッ!?」ガクッ

固定砲で狙ったのは鎧ではなく、
鎧の足下であった。

ライナー(くっ…!体制が…)

足場のが崩れたことで鎧は体制を崩し、その場に膝をついた。

その一瞬をダズは見逃さなかった。

281: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/20(水) 00:02:51 ID:YAHn/kZM
ライナーが異変を感じる。
体制を立て直そうとするも、足が動かない。

ライナー(何で動かねぇんだ…っ!?)

ライナーが自身のアキレス腱が大きく削がれている事に気付く。

ライナー(馬鹿…な…いつの間に…)

シュパッ

地面に着いた手を何か通り過ぎた。

ブシャアアア

ライナー(!?指がいきなり…!)

出血と同時に鎧の五指が吹き飛ぶ。

ザザザンッ!

282: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/20(水) 00:19:47 ID:YAHn/kZM
ライナー(今度は何が…!)

両肩の関節部分が削がれ、ぶらりと腕が垂れ下がる。

ザザザンッ!

ライナー(うあッ!?)

ザンッ!
ザンッ!
ザザザンッ!

ライナー(あ…ああ…や、やめて…くれ…)

ズバァン!

ライナー(う…うおおおおお!!!)

肩、肘、手首、股。
次々と鎧の関節部分が削がれていく。

鎧「アアアアアアアア!!」

283: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/20(水) 00:36:57 ID:YAHn/kZM
ライナー(ベルトルト!アニ!!
誰が、誰か助けてくれえええ!!)

ダズ「叫んでもベルトルトもアニも来ねぇよ。
休暇とってバカンスに行ってる」

鎧の眼前に現れたダズ。

ライナー(ひっ!?)

鎧は動けなかった。
当然である。
もはや、鎧には体を動かせる腱がないのだから。

284: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/20(水) 00:44:02 ID:YAHn/kZM
ズバァン!

ライナーは突如暗転。
ダズの放った回転切りで両目が潰される。
ここまで砲撃から約10秒。

ライナー(く、首回りを最大まで硬化すれば…)ビキビキ

ライナーは首を硬化。
だがーーーー

ドンッ!

無情にも鎧の首が空を舞った。

285: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/20(水) 00:52:18 ID:YAHn/kZM
ライナー(な…んで…硬化…して…いたのに…)

ダズ「…巨人の口の中ってのは最悪だ。
臭ぇし汚ぇ…」

切断面からダズが出てくる。

ライナー「てめぇ…ワザと口に入って内側から…」

ダズ「内部は流石に硬化できなかったみてぇだな…。
終わりだ。ライナー」

288: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/20(水) 13:26:45 ID:l2e1n.Oo
ライナー(くっ…巨人体と同化してて動けない…!)

ダズ「…」ヒュッ

ライナー(切られる…っ!!)

バキィッ!

ライナー「!?」

ライナー(な、殴られたのか…?)

ダズ「…よぉ。ちっとは目が覚めたか?」

289: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/20(水) 13:32:38 ID:l2e1n.Oo
ライナー「ぐっ…早く殺せ…」

ダズ「…まだ起きてねぇみたいだな」

バキィッ!

ライナー「がはっ!」

ダズ「どうだ?妖精がまだ見えるか?」

ライナー「てめぇ…何を」

バキィッ!

ライナー「ぐっ…!」

ダズ「…今のはお前が殺しかけたお嬢さんの分だ」

ライナー「が…あ…」

バキィッ!

290: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/20(水) 13:36:55 ID:l2e1n.Oo
ダズ「今のはてめぇが裏切った仲間の分」

バキィッ!

ダズ「…五年前の分」

バキィッ!バキィッ!

ダズ「今のは…

てめぇが自分自身を裏切り続けたライナー・ブラウンの分だ」

ライナー「…!」

バキィッ!

291: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/20(水) 13:42:06 ID:l2e1n.Oo
ダズ「今のは……
これから街を直す人の分…って事でいいか」

ライナー「おぉい!特に理由の無い暴力を振るうんじゃねぇ!!」

ダズ「…目が覚めたみてぇだな」

ライナー「……」

ダズ「…いい加減、その臭え着ぐるみ脱いだらどうだ。
たまには何も隠さねぇで舞台に上がって見せろ」

292: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/20(水) 13:53:49 ID:l2e1n.Oo
ライナー「……」

サシャ「ライナー…」

パンッ

ライナー(平手!?)

パキッ!

ライナー(からの肘っ!?)

サシャ「どんだけ心配したと思っとるんや!」

ライナー「…!!」

サシャ「…ライナーが鎧の巨人って聞いてから…皆どんだけライナーを心配したか分かっとるんかい!」

ライナー「お前はさっき死ねとか言ってたじゃねぇか!!」

サシャ「…チッ。聞こえてましたか」

ライナー「この芋女が…!」

293: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/20(水) 14:13:41 ID:l2e1n.Oo
ダズ「……随分と楽しそうだな」

ライナー「…ダズ」

ダズ「クソホモゴリラと普通のホモゴリラか、どっちが本当のお前かは知らねぇが…」

ダズ「そっちの方が似合ってるんじゃねえか?」ニッ

ライナー「…うるせぇよ」

296: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/20(水) 23:49:06 ID:l2e1n.Oo
巨大樹の森 中央

ハンジ「でさー、ソニーとビーンったら私がいなくなると唸るんだよ。
やっぱり巨人にも甘え心があるんじゃないかなぁ」

リヴァイ「奇行種が何言ってやがる…」

ハンジ「奇行種!いい響きだね!
褒め言葉として受け取っておくよ!」

ペトラ「ハンジ分隊長ったら…」

ハハハ…

モブリット(…ケイジ、トーマ。
作戦の確認するからちょっと離れるで)

ケイジ(…分かった)

297: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/21(木) 00:09:55 ID:D646NaiM
トーマ「モブリット。
隊から離れ過ぎじゃねぇか?」

モブリット「…せやな。
ここらでええか…」

トーマ「それで、確認って何だ?」

モブリット「…内通者のことやねんけど、目星が着いたで」

トーマ「本当か…?」

モブリット「恐らく…トーマスや」

298: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/21(木) 00:18:03 ID:D646NaiM
ケイジ「トーマス…あいつが?」

モブリット「…せや。
あいつが1番怪しいと思うんやけど」

ケイジ「…裏は取れてるのか?」

モブリット「…まぁ嘘やねんけど」

トーマ「……おい。ふざけてる場合じゃ…」

モブリット「軽いダウパリアンジョークや。
そんな睨まんでもええやろ」

299: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/21(木) 00:23:27 ID:D646NaiM
モブリット「内通者はナックや」

トーマ「…お前いい加減しろよ」

ケイジ「あの単細胞ができるわけないだろ!」

モブリット「可哀想なこと言うなや。
ナックはただアホなだけやろ。
本当の内通者はな…トムや」

300: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/21(木) 00:26:35 ID:D646NaiM
ケイジ「…トムか!あいつが情報を流してたのか…」

トーマ「怪しい奴だとは思っていたが…やはりそうか…」

モブリット「嘘や」

トーマ「…」
ケイジ「…」

301: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/21(木) 00:37:03 ID:D646NaiM
モブリット「怪しいと言えばミリウスもサムエルも怪しいわ。
あの馬鹿ップルもきな臭いと思わへんか?
それにキッツのオヤジもアンカもなんか臭うでぇ…!
ダズの老け顔も怪しい…年齢を偽ってるに違いないわ!
あとはミーナ!
あいつの乳は大したもんや!
あの乳になにか重要な秘密が隠されとるんや!
帰ったら乳揉み遠征せな!
ああああ!!
誰が内通者なんや!
どいつもこいつも怪しくてしょうもないわ!」

ケイジ「…おい」

モブリット「でもな!1番怪しいのは…」

トーマ「ふざけるのもいい加減に…」

モブリット「お前らやけどな」

トーマ「っ!?」

302: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/21(木) 00:42:04 ID:D646NaiM
ケイジ「はっ…それもダウパリアンジョークか?
全く笑えないな」

モブリット「いま笑ったやんけ。
オモロかったか?
ほんなら、もう一度言ったるわ」

モブリット「内通者はお前らや。このドアホが」

トーマ「…」

306: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/24(日) 00:09:31 ID:Jl16djdE
ケイジ「何を根拠にいってるんだ?」

モブリット「ケイジィィ…そのセリフは自供してるみたいなもんやで?
まぁええ。
こっちから質問させてもらうわ。
自分ら、前回の壁外遠征のときなにしとったん?
いつも遠征メンバーにおるはずなのに、何であの日だけおらんかったんや?」

ケイジ「ただメンバーから外れてただけだ」

トーマ「ああ。調査兵団の本部で待機してたぞ」

モブリット「ふーん…そうかい」

307: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/24(日) 00:26:41 ID:Jl16djdE
モブリット「超大型の襲撃の時にも待機しとった、と?」

ケイジ「あれは俺らの任務じゃない。
ミーナ達の任務だろう。
勝手に動いてたら他の調査兵団に怪しまれちまうからな」

モブリット「おっかしいなぁ…。
サムエルが戦闘中にトロスト区で見かけたって言ってたんやけど」

ケイジ「っ!?」

308: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/24(日) 00:36:19 ID:Jl16djdE
モブリット「嘘、や」

ケイジ「お前…っ!」

モブリット「怪しいトコは腐るほどあるんやけどなぁ…。
とりあえずブレードしまったらどうや?
怪しく無いなら臨戦体制になんなや。
せやろ?」

ガササッ

モブリット「のう…リーネ、ヘニング」

リーネ「…!」シュッ
ヘニング「…チッ」シュッ

ガキィィィィン!

309: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/24(日) 00:52:44 ID:Jl16djdE
トーマ「背後からのダブルアタックを見もせず難なく受け止めるか…」

ケイジ「…ふん。流石は最強、と言ったところか」

モブリット「はっ…最強の名は…ダズにくれてやった…わ!!」キィン!

ズババンッ!

ヘニング「ぬぅ!」

ババッ

モブリット「チッ。掠めただけかい。
ちったぁやるようになったみたいやなぁ」

ヘニング「へっ!いつまでも最強気取ってんじゃねえ!ここでその看板降ろしっ!?」

ザンッ

ヘニング「うおっ!?危なっ!!
最後まで喋らせろ!!」

モブリット「相変わらずやかましいやっちゃのう。
最強の看板なんざとうに降ろしたって言うてるやろ」

リーネ「目標捕捉…直ちに駆逐…」バシュウウウ!

モブリット「貧乳に用は無いわ!」ヒュッ

ガキィィィン!!

318: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/24(日) 12:35:18 ID:ek7vkUsw
モブリット「…お前ら何考えてん…
まさか他の奴ら消して日の本に出よとか考えとるんか?」

ケイジ「……何が悪い。
俺たち実力のある者が光を浴びて何が悪い!!
黒子はもうごめんなんだよ!!」

トーマ「俺らだってどうせ死ぬなら見開きいっぱい使って死にたいんだ!
誰も気付かないところで死んでたまるか!」

ヘニング「モブリット!
てめぇもそう考えてんだろ!!
リヴァイなんてちょっと強い小っさいおっさんの下にいておかしいと思わねぇのか!?」

モブリット「…どうしようもないアホやな。
そんなことお前らができるわけないやろが」

319: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/24(日) 12:49:02 ID:ek7vkUsw
モブリット「だってお前ら地味やもん。
ビジュアル的にもキャラ的にも」

トーマケイジヘニングリーネ「……」ブチッ

モブリット「トーマとトウマもどっちだか分からへんし」

トーマ「……」ブチブチッ

ケイジ「…全員リミッター外せ。
…こいつを殺るぞ…」ビキッビキッ

リーネ「…リミッター解除…目標を殲滅する」ビキッ

ヘニング「髪の毛一本残さねぇぞおおお!!」ビキッビキッ

トーマ「…殺れ」ビキビキッ

モブリット「おお怖い怖い。
…悪いが手加減はせぇへん。
死んでも文句言うなや」チャキッ

322: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/24(日) 17:40:21 ID:ek7vkUsw
ガキィィン!

ガキィィン!

一閃、また一閃と高速の刃がモブリットを襲う。
モブリットはそれをブレード一本で軽くいなしーーーー

ザクッ

ヘニング「ぐっ…!」ブシャァ

一瞬の隙を狙い反撃に出る。

モブリット「リミッター外してもその程度か?
刺してくださいって突っ込んで来てるだけやん」

トーマ「この化け物が…!」

ケイジ「四人でかかるぞ!」

リーネ「…了解した」

323: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/24(日) 17:49:24 ID:ek7vkUsw
四人はモブリットの四方に散り、
全速でモブリットに向かう。

バシュウウウウウ!

ヘニング「死にやがれ!」ゴオッ

モブリット「…ホンマにアホやな」

モブリットは半歩下がりーーーー

ガシッ

ヘニング「!?」

ヘニングの手を掴み後ろへいなす。

モブリット「ほれっ」グイッ

リーネ「!?」

ドコッ!

ヘニング「ぐっ…がっ…」

リーネ「あっ…!」

ヘニングとリーネが正面衝突する。

トーマ「殺ったぁぁ!!」ゴオッ!

324: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/24(日) 17:55:25 ID:ek7vkUsw
モブリット「ワイは殺れへんが、笑いは取れたで」ヒュッ

バキィィ!!

トーマ「ぐはっ!」

トーマを鉄拳で叩き落とす。

ケイジ「後ろがガラ空きだぜ!」ゴオッ!

モブリット「ご忠告おーきに」バッ

ドッコォォ!

ケイジ「ぐ…おっ」

モブリットの後ろ蹴りがケイジの鳩尾に深く食い込む。

325: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/24(日) 17:59:50 ID:ek7vkUsw
モブリット「なんや、ブレード使うまでもあらへんな。
さっさと終わらせたろか」

ヘニング「ガアアッ!!」シュッ

モブリット「遅いわ」パシッ

片手ブレードを弾き、ヘニングの首を掴む。

ヘニング「ぐっ…!」

モブリット「ほなさいなら」ググッ

バキッ

327: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/24(日) 20:13:05 ID:ek7vkUsw
ダランと手を降ろすと同時に、ヘニングは巨大樹から落ちていく。

モブリット「よっしゃ。
次。かかってこんかい」ボキボキ

リーネ「…っ!」ゴオッ!

ケイジ「うかつに飛び込むな!」

リーネは巨大樹の枝を滑空するように低く走った。
狙いは足ーーーー

リーネ「フッ!」バシュッ!

モブリット「おおっ?」

ガスを一瞬吹かし、モブリットの頭上を超え背後に回り込む、がーーーー

モブリット「ま、及第点やな」

リーネ「!?」

しかし、リーネの目に映ったのはモブリットの足の裏。
背後に回り込んだのに何故、リーネは一瞬反応が遅れた。

バキャアッ!

モブリットが放った飛び蹴りにより、リーネは数十メートル吹き飛び、巨大樹に打ち付けられる。

リーネの首は在らぬ方向に曲がり、目の光を失った。

328: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/24(日) 21:42:49 ID:ek7vkUsw
モブリット「次」

トーマ「くそがあああっ!!!」バシュウウウ!!

モブリット「…」

ゴキッ

トーマ「躱されたか…え?」

トーマがモブリットを通り過ぎる。
そして自身の異変に気付く。

何故首だけ真後ろを向いているのか、と。

トーマの意識はそこで途切れた。

330: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 00:01:19 ID:Tm99OmYE
モブリット「つ・ぎ」クイクイ

ケイジ「…くっ!」シュウウウ…

モブリット「…!お前…」

ケイジの顔の傷から発生する蒸気。
モブリットは悟る。

こいつはもう人間じゃない、と。

モブリット「…人の道を外してまでもスポットライトを浴びたい…か。
大した覚悟やな」

ケイジ「必要なのは個性だ!
巨人化できるという個性があれば俺だって…」

ザンッ

ケ/イジ「あっ」

モブリット「…アホ。
巨人化なんざバーゲンセール状態やろうが…」

332: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 00:15:54 ID:Tm99OmYE
ハンジ「あ!モブリット!どこ行ってたんだい!もうすぐ出発だよ!」

リヴァイ「…糞でもつまってたんだろ」

モブリット「すいません。ケツの固定砲の調子が悪くて…」

ペトラ「もー!モブリット!
汚い話はやめてよ!」

モブリット「いや、最初に振ってきたのはリヴァイ兵長やろ…」

ペトラ「やろ?モブリット、なんか訛ってない?」

モブリット「気のせい気のせい!」

ペトラ「?…そう」

オルオ「兵長!!壁内から緊急の信号弾です!
至急戻るように、と!!」

エルヴィン「…またか。今度はいったい何が…」

リヴァイ「答えはみてから考えればいい。とりあえず戻るぞ」

グンタ「撤収だ!!急いで引き返すぞ!!」

モブリット(やはり来よったか…。
まぁ、ダズにトム。それとオヤジもいるし問題無いやろ。
それより…あの三人が戻らん。
やられることは無いと思うが…)

333: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 00:37:25 ID:Tm99OmYE
トーマス「…おい…ナック。
何…寝てんだよ…」

おびただしい数の巨人の死骸。
その蒸気によって辺りが蒸し暑い。
そんな中、樹を背中にナックは目を瞑って座っていた。

ナック「……あ?トー…マス…か?
悪ぃ…もう目が…見えねぇんだ…」

片手には刃の無いブレード。
もう一本のブレードは柄の部分が血塗れになっていた。

334: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 00:48:18 ID:Tm99OmYE
トーマス「…片手と片足無くしてイメチェンか?
時代を先駆け過ぎだぜ。
ふざけてないでさっさと…」

ナック「討伐…数…92…3だっけか…。
どうだ…ミーナを…抜いてやったぜ…」

トーマス「…そいつは凄いな。
帰ったらミーナに自慢してやれ。
あいつ、悔しがるぜ。
違反かもしれねぇが、調査兵団にみてもらう。
そこまで踏ん張れよ」

ナック「…マジか。
またトム…に…説教され…ちまうな…」

トーマス「あぁ。
お前も一緒に説教だからな。
クソッタレ」

ナック「…あぁ…最悪だな…クソッタレ」

336: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 00:53:53 ID:Tm99OmYE
トーマス「手ぇ貸せ。運んでやる」

ナック「…悪ぃ」

トーマス「…よっ…と。
立体機動使うぞ。振り落とされんなよ」

ナック「…悪ぃ…」

トーマス「…気にすんなよ」バシュッ

337: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 01:06:10 ID:Tm99OmYE
トーマスは自身が出せる最高速度で駆けた。

トーマス「…おい。ちゃんと掴まってくれ。
支えながらじゃ上手く飛べねぇ」

ナック「…悪…ぃ…」

ナックは今にも消えそうな声で呟く。
だが、トーマスに掴まる手に力が入ることはなかった。

トーマス「…そうだナック。
お前に用事があるからこっち来たんだ。
タバコ持ってねぇか?」

ナック「…わ…ぃ…」

トーマス「…聞こえねぇよ。
はっきり喋ってくれ」

ナックが徐々に重くなっていく。
トーマスは不安をかき消すように立体機動を飛ばす。

ナック「……ぃ…」

トーマス「…ふざけてんなら捨ててくぞ」

338: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 01:20:23 ID:Tm99OmYE
徐々にナックから力が抜けていく。
そして体温すらも無くなりつつあった。

トーマス「ふざけんじゃねぇぞ…。
もうすぐ着く。お前の大好きなミーナも待ってるぜ」

ナック「…み…ぃな…」

トーマス「あぁ。
あいつを悔しがらせてやれ。
馬鹿みてぇに悔しがるぜ」

ナック「と…ます…」

トーマス「どうした。タバコでも吸いたいか?
生憎だが俺も今切らしてるんだよ」

ナック「じゃあな」 ニッ

ナックはそう笑うと静かに眠った。

トーマス「じゃあな…馬鹿野郎」

燃える男、ナック・ティアス ここに沈む

343: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 13:23:29 ID:Tm99OmYE
巨大樹の森 後方

アニ「……う。
…え…生き…てる?」

ミーナ「あ、目が覚めたみたいだね」

アニ「ミ、ミーナ…!」ビクッ

ミーナ「ちょっと!そんなに怯えないでよ!
傷つくじゃない!もう!」

アニ「…なんで殺さなかったんだい」

ミーナ「…親友を殺せるわけないでしょ」

アニ「親…友…」

ミーナ「でもなぁ…アニをこのまま連れて帰るわけにも行かないし…どうしようかなぁ」

アニ「…置いてってくれ。
私の正体は割れてるんだろう?
このままここで野垂れ死ぬさ」

ミーナ「あ、トムに相談してみよう!
きっとどうにかしてくれるよ!」

アニ「話聞けよ…まったく…」

344: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 13:34:55 ID:Tm99OmYE
アニ「あんた、服がボロボロじゃないか」

ミーナ「あはは…本気出すと服が動きに耐えられなくて破けちゃうんだよね」

アニ「…ったく…しょうがないね。ほら」ヌギヌギ

ミーナ「ちょっ、アニ!?」

アニ「ジャケットは厚手だから破けてないけど、インナーがボロボロじゃマズイだろ。
私のパーカーあげるよ」

ミーナ「ありがと…」

アニ「…あんた、いい体してるね」

ミーナ「やめてよ!おっさんじゃないんだから!」

アニ「パーカー…少し小さいね」

ミーナ「…うん。胸回りが特に…」

ゲシッ

ミーナ「痛っ!いきなり蹴らないでよ!」

アニ「悪かったね」

ミーナ「えへへ…アニの匂いがする」モフモフ

アニ「…そうかい」

345: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 13:44:28 ID:Tm99OmYE
ミーナ「…やばっ」

アニ「…どうしたんだい?」

ミーナ「囲まれてるよ。三人かな…。
アニ、立体機動は使える?
先に逃げてて」

アニ「…馬鹿言うんじゃないよ。
あんたに拾われた命だ。
私も一緒に…」

ミーナ「私が心配に見える?」

アニ「…わかった。
邪魔にならないように避難しておくよ」

ミーナ「うん。気を付けてね」

バシュウウウ…

346: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 13:46:45 ID:Tm99OmYE
ミーナ「…出てきなよ。信者さん」

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ミカサ・アッカーマン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ

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ミカサ・アッカーマンとは諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。本作のヒロイン的ポジションで、幼い時にエレンに助けられた経験から、彼を守ることを自分の使命だと考えている。驚異的な身体能力を持ち、トップの成績で訓練兵団を卒業。実戦でも1人で複数の巨人を討伐する実績を残す。性格は寡黙で口下手だが、エレンのこととなると取り乱す一面もある。物語後半において、母方の祖先が東洋にあるヒィズル国将軍家だったことが明らかになった。

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クリスタ・レンズ/ヒストリア・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ

クリスタ・レンズ/ヒストリア・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ

クリスタ・レンズ(ヒストリア・レイス)とは、諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物。第104期訓練兵団卒業生であり、主人公エレン・イェーガーは同期の1人。小柄で温厚、思いやりのある可愛らしいアイドル的な存在として登場する。同期のユミルと仲が良い。成績10位以内に入っているが、実際はユミルからその座を譲られただけで身体能力は人並みである。本名はヒストリア・レイスといい、壁内世界の真の王家の末裔であることが後に発覚する。

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フリーダ・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ

フリーダ・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ

フリーダ・レイスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、レイス家の長女。黒髪で青い瞳を持つ。レイス家当主のロッド・レイスとその正妻の第1子として生まれた。表向きは地方の貴族として振る舞っているが、実際は壁内の真の王家の末裔。レイス家に代々引き継がれている特別な巨人能力を叔父のウーリ・レイスから引き継ぎ、宿している。本人の飾らない性格は多くの者から慕われており、妾の子である異母妹ヒストリアにも姉として優しく接していた。

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イェレナ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ

イェレナ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ

イェレナとは『進撃の巨人』の登場人物で反マーレ派義勇兵の中心人物。マーレに滅ぼされた国の出身で、「獣の巨人」継承者で王家の血を引くジーク・イェーガーの信奉者として活動し、パラディ島の近代化に大きく貢献した。ジークの提唱する「エルディア人安楽死計画」達成のためなら寝食を共にした仲間すら殺害する冷酷な性格の女性。しかし実際にはマーレの被害者というのは虚偽であり、「世界を救う英雄」に憧れているだけのごく一般的なマーレ人である。

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