獣神ライガー(Jushin Liger)のネタバレ解説・考察まとめ

『獣神ライガー(Jushin Liger)』とは、1989年にテレビ朝日系列で放送されたSFロボットテレビアニメである。バイオアーマー「獣神ライガー」の力を手に入れた少年・大牙剣が、邪神復活を目論むドラゴ帝国と壮絶な戦いを繰り広げる。筋肉隆々の巨人に主人公が乗りこんで戦うという、これまでにないアイデアが話題を呼んだ。勧善懲悪のヒロイックな子供向け番組であるが、永井豪を原作・原案に迎えた結果、ハードなストーリーや凄惨な戦闘描写、そして過激なお色気・サービスシーンが盛り込まれた。

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CV:冬馬由美
第30話で登場。剣の幼なじみで隣のお姉さん的存在。父が事業に失敗して引っ越しを余儀なくされたことで疎遠になっていたが、勤めていたテニス場に剣達が立ち寄ったことで再会する。帰宅途中の山中で行き倒れていたリュウ・ドルクを保護し、山中の療養所に運び込む。記憶を失っていたリュウ・ドルクと心を通わせるが、ライガーを目の当たりにして記憶を取り戻したリュウ・ドルクが放ったドルガ・ブリザードの余波に吹き飛ばされ、彼の胸の中で事切れる。彼女の存在が、戦士として生きてきたリュウ・ドルクの心に疑念を植え付ける。

ダンゴの母

ダンゴの母

第6話で登場。夫に先立たれながらも、北海道釧路市で鮮魚店「魚正」を切り盛りしてダンゴ兄妹を養うシングルマザー。ほぼ廃墟と化した街の中でも、まったく動じずに商売にいそしむ。のちにドラゴナイトに店舗を破壊されるが再建を誓い、ダンゴを剣たちの元に送り出した。

最終回で自暴自棄になる民衆に活を入れる姿が描かれる。これも善神アーガマの力の源である「善き心」の一端を担った。

ダンゴの妹

ダンゴの妹

CV:冬馬由美
第6話で登場。ダンゴを「あんちゃん」と呼び慕っている。ノリで魚の開きを「獲れたて」と言ってしまうなど調子が良い。

最終回で母とともに民衆の前に立ち、兄たちの勝利を信じて諦めるなと訴えた。

『獣神ライガー』の用語

バイオアーマー

生物ベースで構築された巨大兵器の総称。作中ではライガーや、巨大化したドラゴナイトがバイオアーマーと呼ばれている。主題歌にも登場する本作の代名詞的な用語だが、バイオアーマーの定義自体が作中でもかなり曖昧であり、アーガマ側とドラゴ側でもその形態は顕著に異なる。後半になるに従って用語自体がほとんど登場しなくなる。

アーガマの遺産としてのバイオアーマー

「ライガー」に代表される善神アーガマの遺産は、アーガマの魂が現世を去る時に自らの肉体の断片を材料にして子孫に分け与えた「神の化身」であり、剣はライガーの中で人の姿を保ったままその力を振るうことができる。これは同じアーガマの遺産であるドルガも同様。重戦馬ベガルーダも作中一度だけ「バイオアーマー」と呼ばれていた。

ドラゴ帝国のバイオアーマー

ドラゴ帝国のドラゴナイトはその肉体そのものを改造され生物兵器にされた者たちであり、その巨大化した姿をバイオアーマーと呼んでいるようだ。ちなみに「バイオアーマー」と最初に口にしたのは第1話のドル・アーミーであり、ライガーを自軍のバイオアーマーと誤認して発したセリフである。

アーガマの末裔

作中、善神アーガマの子孫・末裔とされる家系。神の化身である「ライガー」や「ドルガ」を呼び出す、「神の宮殿」を操るなど様々な権能を付与されているが、それは全て邪神ドラゴが復活した時にこれを倒すために用意されたものである。最終回で復活したアーガマは明らかに人間とは異なる姿形をしているが、どのようにして子孫を残したのかは作中描かれていない。

大牙家(たいがけ)

善神アーガマの血を引く家系。時折「獅子の血を引く者」と呼ばれる、右手の平に獅子のアザを持つ者が生まれる。作中では北海道釧路市で「大牙牧場」を経営する龍造と、孫の剣が登場する。龍造は先祖代々の伝承を網羅しており、剣の手のひらに獅子のアザが浮かんだことでドラゴ帝国襲来と鬼の岩出現を予見した。作中の10年前には剣の両親が飛行機事故で故人になっている。

神代家(かみしろけ)

大牙家と同じく善神アーガマの血を引き、主に託宣や予言をもたらす巫女を輩出する家系。霊能力に加えて念動力を備えた子供も生まれる。ちなみに龍造が神代姉妹を「様」付けで呼んでいたことから、家の格は大牙家より上のようだ。作中には神代姉妹のゆいとまいが登場する。冴子が提供した豪華別荘を「まあまあね」と評している様子があり、神代家の邸宅はそれ以上の豪邸と思われる。

ドラゴ帝国(ていこく)

邪神ドラゴ復活を国是とし、女帝ザーラが邪神の代行者として完全独裁制を敷く地底帝国。ザーラの直下にそれぞれ親衛隊と陸・海・空を担当する四天王と呼ばれる将軍がおり、配下のドラゴナイトと呼ばれる戦闘員に号令して人間界に苛烈な攻撃を仕掛ける。邪神復活のために必要なのが恐怖や悲しみ、絶望そのものであるため、人間への攻撃に一切の躊躇がない。

鬼の岩

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