ザ・クラウン(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ザ・クラウン』とは、イギリス女王エリザベス2世の治世を描く、アメリカ合衆国とイギリス合作のテレビドラマシリーズ。Left Bank Picturesおよびソニー・ピクチャーズ テレビジョンが製作。2016年11月より配信開始となり最終シーズンは2023年12月に配信され、全6シーズン、各10エピソードの合計60話構成。2シーズンごとに主要キャストが入れ替わる。当時の美術・衣装などが忠実に再現されており、各界から高い評価を得ている。
君主の即位の儀式。
エリザベス女王の戴冠式は、即位後16ヶ月もあとに実施された。
戴冠式委員長をフィリップ王配が務め、初めて世界に向けてTV中継がされた。
イングランド国教会
16世紀に成立したイギリス(イングランド王国)でのキリスト教会の名称。
世界に広がる聖公会(アングリカン・コミュニオン)のうち最初に成立し、その母体となった教会である。イギリスの君主が協会の最高ガバナー・トップを務めている。典礼的にカトリック教会との共通点が多いため、王室にもカトリックの考えに基づいた考え・行動を求められることが多く離婚歴のあるものとの婚姻や、王室の一員が離婚することなど許されてはいなかった。エリザベス女王在位中、徐々に緩和されていった。
保守党と労働党
イギリスの2大政党で、エリザベス女王治世時代に複数回与党が交代している。
大きくわけると、保守党は伝統を重んじる政党であり、労働党は自由や平等を重んじる革新的な考えをもつ政党である。
保守党には、ウィンストン・チャーチル、アンソニー・イーデン、ハロルド・マクミランや、初の女性党首・首相となったマーガレット・サッチャーなどが所属しており、エリザベス女王時代は保守党が政権を握ることが多かった。
一方労働党は、ハロルド・ウィルソンやトニー・ブレアなどが女王在位中に政権を奪還し、首相を務めている。
ロンドン橋計画(Operation London Bridge)
エリザベス女王崩御の際、イギリス国内および領地で行われる各種行事計画のこと。直接的な表現をさけ、王室内ではメンバーの不幸にあたり、このようなコードネームが使われる。
シーズン4で、チャールズ皇太子一家がスキー旅行にでかけた際、雪崩に遭遇し行方不明となった際は、メナイ橋計画(オペレーション・メナイ・ブリッジ)の実施の可能性を示唆する描写がある。その他、フィリップ王配はフォース橋が暗号となっている。
これは、この世からあの世へ渡る架け橋、という意味で橋の名前がコードネームとして使われている。
『ザ・クラウン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
シーズン1で描かれる豪華なエリザベス女王の結婚式と戴冠式
シーズン1のエピソード1で描かれる、エリザベス女王とフィリップ王配の結婚式と、エピソード5で描かれる戴冠式。
いずれも、ウェストミンスター寺院で行われたものだが、精密に再現されており、シーズンの冒頭から豪華絢爛な様子や、当時のイギリス王室の権威をしることができる。忠実に再現された衣装・美術品の美しさも目を見張るものがある。
世界中に大きな衝撃を与えたダイアナ妃の事故
多くの人の記憶にも残る、ダイアナ妃の交通事故前後の様子がシーズン6のエピソード3で忠実に描かれている。最終シーズンで描かれているが、それまで、シーズン4や5でダイアナ妃の寂しさや心情の変化を描き、ドラマの山場として事故が描かれている。なぜ事故が起きてしまったのか、事故後、家族がどのような想いとなったのかが丁寧に描かれている。
エリザベス女王が譲位を検討する最終エピソード
チャールズ皇太子への譲位すべきか悩むエリザベス女王。そこに、若き日の自分自身が現れ対話する。そこで「長くても短くても全生涯をあなた方に捧げる」と誓ったことを思い出し、自身が歳を重ねた一方で自信をつけ、誰よりも君主としてうまくやれる人物であると気づき、譲位せずに君主であり続けることを選択する。その瞬間、それぞれエリザベス女王を演じてきた、クレア・フォイとオリビア・コールマンも登場し、3世代のエリザベス女王がウィンザー城でイギリスの未来を見据えるうように、イメルダ・スタウントンが城を後にして、ドラマが終わる。
『ザ・クラウン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
忠実に再現された美術・衣装
エピソード内で登場する美術品や、衣装はかなり忠実に再現され、たびたびSNSで当時の様子と比較されている。
制作が終わった後、実際に撮影で使用された、約450点のアイテムはオークションに出品された。その収益は、奨学金プログラム設立の資金に使われた。
エリザベス女王逝去でエンディング変更
シーズン6制作中に、エリザベス女王は逝去された。そのため、制作陣は、女王へ敬意を表し、撮影を一時中断していた。さらに、本作の原案・脚本を務めるピーター・モーガンは、女王が逝去したことで、エンディングを変更したことを、インタビューで明かしている。
NetflixおよびLeft Bank Pictures製作史上最も高額な製作費
1シーズンごとに約2億6000万ドル(約340億円)の予算といわれており、シーズン1が製作された当時、これまでにNetflixおよびLeft Bank Picturesが製作したドラマの中で最も高額な製作費が費やされたといわれている。
『ザ・クラウン』の主題歌・挿入歌
主題歌:「The Crown Main Title」
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目次 - Contents
- 『ザ・クラウン』の概要
- 『ザ・クラウン』のあらすじ・ストーリー
- エリザベス女王誕生~シーズン1~
- 国内政治の混乱とエドワード王子の誕生~シーズン2~
- チャーチル元首相の死とエリザベス女王即位25周年~シーズン3~
- イギリス初の女性首相の誕生とチャールズ皇太子の結婚~シーズン4~
- 王族のスキャンダル~シーズン5~
- ダイアナ元妃の事故と譲位~シーズン6~
- 『ザ・クラウン』の登場人物・キャラクター
- 王族
- エリザベス2世(演:ヴィオラ・プレテヨーン/クレア・フォイ/オリヴィア・コールマン/イメルダ・スタウントン)
- エディンバラ公爵フィリップ王配(演:マット・スミス/トビアス・メンジーズ/ジョナサン・プライス)
- チャールズ皇太子(演:ジュリアン・バリング/ジョシュ・オコナー/ドミニク・ウエスト)
- ダイアナ・スペンサー(演:エマ・コリン/エリザベス・デビッキ)
- カミラ・シャンド(演:エメラルド・フェネル/オリヴィア・ウィリアムズ)
- アン王女(演:リラ・バレット=ライ/エリン・ドハティ/クラウディア・ハリソン)
- マーク・フィリップス(演:ジェフリー・ブレトン)
- マーガレット王女(演:ボウ・ガドスドン/ヴァネッサ・カービー/ヘレナ・ボナム=カーター/レスリー・マンヴィル)
- アンソニー・アームストロング=ジョーンズ(演:マシュー・グー/ベン・ダニエルズ)
- メアリー王太后(演:カンディーダ・ベンソン/アイリーン・アトキンス)
- エリザベス王妃(演:ヴィクトリア・ハミルトン/マリオン・ベイリー/マーシャ・ウォレン)
- ルイス・マウントバッテン(演:グレッグ・ワイズ/チャールズ・ダンス)
- ジョージ6世(演:ジャレッド・ハリス)
- エドワード8世/ウィンザー公爵(演:アレックス・ジェニングス/デレク・ジャコビ)
- ウォリス・シンプソン(演:リア・ウィリアムス/ジェラルディン・チャップリン)
- ペネロピ・ナッチブル(演:ナターシャ・マケルホーン)
- グロスター公爵ヘンリー王子(演:アンディ・サンダーソン/マイケル・トーマス)
- グロスター公爵夫人アリス王女(演:ペニー・ダウニー)
- アリス王女(演:ロザリンド・ナイト/ソフィー・リー /ジェイン・ラポテア)
- ケント公爵夫人マリナ(演:クレア・ホルマン)
- アンドリュー王子(演:トム・バーン /ジェームズ・マレー)
- セーラ・ファーガソン(演:ジェシカ・アクイリナ/エマ・レアード・クレイグ)
- エドワード王子(演:アンガス・イムリー/サム・ウルフ)
- ウィリアム王子(演:セナン・ウェスト/ルフス・カンパ/エド・マクヴィー)
- ハリー王子(演:ウィル・パウェル/フリン・エドワーズ/ルーサー・フォード)
- チャールズ・スペンサー(演:フィリップ・カンバス)
- キャサリン・ミドルトン(演:エラ・ブライト/メグ・ベラミー)
- ピッパ・ミドルトン(演:マチルダ・ブロードブリッジ)
- 王族の側近
- トミー・ラッセルズ(演:ピップ・トレンス)
- マイケル・エイディーン(演:ウィル・キーン/デヴィッド・リントール)
- マーティン・チャータリス(演:ハリー・ハッデン=ペイトン/チャールズ・エドワーズ)
- ジョック・コルヴィル(演:ニコラス・ロウ)
- マイク・パーカー(演:ダニエル・イングス)
- 第七代カーナヴォン伯爵(演:ジョー・エドガー/ジョセフ・クロスカ/ジョン・ホリングワース/ティム・ベンティンク)
- ロバート・フェロウズ(演:アンドリュー・ヘイヴィル)
- ロビン・ジャンヴリン(演:ジェイミー・パーカー)
- 政治家とその周辺人物
- ウィンストン・チャーチル(演:ジョン・リスゴー)
- クレメンティーン・チャーチル(演:ハリエット・ウォルター)
- アンソニー・イーデン(演:ジェレミー・ノーサム)
- ハロルド・マクミラン(演:アントン・レッサー)
- ハロルド・ウィルソン(演:ジェイソン・ワトキンス)
- エドワード・ヒース(演:マイケル・マロニー)
- エドワード・ミルウォード(演:マーク・ルイス・ジョーンズ)
- マーガレット・サッチャー(演:ジリアン・アンダーソン)
- デニス・サッチャー(演:スティーブン・ボクサー)
- ジェフリー・ハウ(演:ポール・ジェイソン)
- ウィリー・ホワイトロー(演:ドン・ギャラガー)
- チャールズ・パウエル(演:ドミニク・ローワン)
- ジョン・F・ケネディ(演:マイケル・C・ホール)
- ジャクリーン・ケネディ(演:ジョディ・バルフォア)
- リンドン・ジョンソン(演:クランシー・ブラウン)
- ボブ・ホーク(演:リチャード・ロクスバーグ)
- ジョン・メージャー(演:マーク・オザル/ジョニー・リー・ミラー)
- ノーマ・メージャー(演:フローラ・モンゴメリー)
- トニー・ブレア(演:バーティ・カーヴェル)
- シェリー・ブレア(演:リディア・レオナルド)
- クレメント・アトリー(演:サイモン・チャンドラー)
- ラブ・バトラー(演:マイケル・カルキン)
- ソールズベリー卿(演:クライヴ・フランシス)
- ボリス・エリツィン(演:アナトリー・コテネフ)
- ナイーナ・エリツィナ(演:マリーナ・シマンスカヤ)
- その他
- ピーター・タウンゼント(演:ベン・マイルズ/ティモシー・ダルトン)
- グラハム・サザーランド(演:スティーヴン・ディレイン)
- ジョン・グリッグ(演:ジョン・ヘフマン)
- パトリシア・キャンベル(演:ジェンマ・ウィーラン)
- ビリー・グラハム(演:ポール・スパークス)
- クルト・ハーン(演:ブルクハルト・クラウスナー)
- アンドリュー・パーカー・ボウルズ(演:アンドリュー・ブハン /ダニエル・フリン)
- ロビン・ウッズ(演:ティム・マクマラン)
- ロディ・ルウェリン(演:ハリー・トレッダウェイ)
- マイケル・フェイガン(演:トム・ブルック)
- デレク“ダズル”・ジェニングス(演:トム・バーク)
- マイケル・シェイ(演:ニコラス・ファレル)
- ドディ・アルファイド(演:ハリド・アブダラ)
- モハメド・アルファイド(演:アミール・エル=マスリー/サリーム・ダウ)
- マーティン・バシール(演:プラサンナ・プワナラジャ)
- コリン・テナント(演:デヴィッド・シールズ/ピップ・カーター/リチャード・タバーソン)
- ルース・ロッシュ(演:ジョージー・グレン)
- ハスナット・カーン(演:フマーユーン・サイード)
- ジェームズ・コルハースト(演:オリヴァー・クリス)
- シドニー・ジョンソン(演:コニー・ムガザ/ジョシュア・ケカナ/ジュード・アクウディケ)
- ジョージ・ケアリー(演:リチャード・ライクロフト)
- ゲスト
- ナセル大統領(演:アミール・ブトルス)
- アンソニー・ブラント(演:サミュエル・ウエスト)
- ジョン・アームストロング(演:コリン・モーガン)
- セシル・キング(演:ルパート・ヴァンシタート)
- 昭和天皇(演:伊川東吾)
- アン・テナント(演:ナンシー・キャロル)
- セーラ・スペンサー(演:イソベル・イーディー)
- マーク・サッチャー(演:フレディ・フォックス)
- ペネロープ・カーター(演:ジェマ・ジョーンズ)
- ジョージ5世(演:リチャード・ディレイン)
- ニコライ2世(演:アレクセイ・ディアキン)
- アレクサンドラ・フョードロヴナ(演:アニャ・アントウィッチ)
- オリガ・ニコラエヴナ(演:アナスタシア・エヴェラル)
- タチアナ・ニコラエヴナ(演:ジュリア・ハワース)
- マリア・ニコラエヴナ(演:タマラ・スルカニシビリ)
- アナスタシア・ニコラエヴナ(演:エイミー・フォーマン)
- アレクセイ・ニコラエヴィチ(演:ウィリアム・ビレツキー)
- ノートン・ナッチブル(演:エリオット・コーワン)
- ニコラス・ナッチブル(演:エドワード・パウエル)
- アレクサンドラ・ナッチブル(演:エロディー・ヴィッカーズ)
- ティモシー・ローレンス(演:テオ・フレイザー・スティール)
- ケリー・フィッシャー(演: エリン・リチャーズ)
- 『ザ・クラウン』の用語
- 戴冠式
- イングランド国教会
- 保守党と労働党
- ロンドン橋計画(Operation London Bridge)
- 『ザ・クラウン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- シーズン1で描かれる豪華なエリザベス女王の結婚式と戴冠式
- 世界中に大きな衝撃を与えたダイアナ妃の事故
- エリザベス女王が譲位を検討する最終エピソード
- 『ザ・クラウン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 忠実に再現された美術・衣装
- エリザベス女王逝去でエンディング変更
- NetflixおよびLeft Bank Pictures製作史上最も高額な製作費
- 『ザ・クラウン』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:「The Crown Main Title」