終物語(物語シリーズ)のネタバレ解説・考察まとめ
『終物語』とは、西尾維新による小説、およびそれを原作としたテレビアニメ作品『物語シリーズ』の1つである。小説は講談社から上中下の3巻が刊行され、テレビアニメは2015年の10月から12月まで放送された。今作は主人公・阿良々木暦の過去と幼なじみのについてのストーリーと、吸血鬼の少女・忍野忍の初代眷属にまつわるストーリーが描かれている。阿良々木と忍の複雑な人間関係に焦点を当てた物語となっており、そんな中でも言葉遊びや漫才じみた会話が織り込まれ笑えるところが魅力である。
七百一中学校(ななひゃくいちちゅうがっこう)
阿良々木が通っていた公立の中学校で、千石撫子の通う学校でもある。
女子の制服はワンピースである。
妖刀・心渡(こころわたり)
怪異のみを殺す力を持つ刀。怪異のみを殺すため、人間に怪異が憑依している状態でも人の体は傷つけることなく怪異のみを斬ることができる。
元々は初代怪異殺しが所有していたもので、実物は存在していない。忍が所有しているものは、初代怪異殺しが作ったレプリカである。
エナジードレイン
相手から生命力やエネルギーを奪い取る行為である。
この能力を使える者に、吸血鬼の怪異である忍やその眷属である初代怪異殺し、「障り猫」という怪異に人格を乗っ取られた羽川(ブラック羽川)などがいる。
『終物語』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
阿良々木暦「確かに僕は今とても幸せだ…だからこそあえて言うぞ、こんなもんはな、誰もが持ってて当たり前のもんなんだよ!」
老倉は自分のこれまでのことを阿良々木と羽川に話し、頑張って努力しているのになぜ幸せになれないのかとうなだれる。それに対して羽川は、老倉自身が幸せになろうとしないから幸せになれないのだと指摘した。すると老倉は羽川の言葉に同意する。そして今更自分が幸せになったら重みで潰れてしまうと言うのだった。
それを聞いていた阿良々木は、あらゆる幸せは老倉にとってちょうどいいものだと言い、「確かに僕は今とても幸せだ…だからこそあえて言うぞ、こんなもんはな、誰もが持ってて当たり前のもんなんだよ!」と叫ぶ。
老倉は自分のことを好きになれず、幸せになることを自ら諦めている様子だった。そんな老倉に対して阿良々木は、自分が老倉を思っている気持ちぐらいには老倉が老倉自身を大切に思ってほしいと願うのである。阿良々木が心から老倉のことを思って発したセリフであった。
神原駿河「それが言えないんだったら、主人だのあるじだの口にするな。孤高でもなければ、高潔でもない。きみはただの人見知りだ」
阿良々木と初代怪異殺しは街で遭遇し、忍の眷属の座をかけた決闘をすることになった頃、神原と忍は言い合いになっていた。
神原は忍に、400年かけて忍に会うためだけに復活した初代に直接会って話をするべきだと言う。しかし忍は、眷属とは好き嫌いでの話ではないのだと言い、それに眷属なら阿良々木がいるのだから初代と会う必要はないと言い張った。
そんな忍に神原は「言えばいいだろう。四百年がかりで生き返ってくるような愛情は、重いって。阿良々木先輩と仲良くやっているところに、今更生き返って来られても困るって。お前の気持ちは迷惑だって――そのまま死んでればよかったって、言えよ。それが言えないんだったら、主人だのあるじだの口にするな。孤高でもなければ、高潔でもない。きみはただの人見知りだ」と叫ぶのだった。
直接会い殺し合いになっても、和解した後に初代が殺されることになっても、どんな結果になってもとにかく忍が会って話をするべきだと語る。
神原の言葉に衝撃を受け、言い負かされた忍は1度拗ねてふて寝した。
しかし阿良々木と初代の決闘の場に現れて、敗れた初代に対して別れの言葉を告げるのである。
神原の言葉は、復活した初代とは会わないの一点張りだった忍の心を変え、忍が初代に対して本当の気持ちを伝えることができたきっかけの言葉である。
涙を流し眷属に別れを告げる忍
阿良々木は、復活した初代怪異殺しと忍の眷属の座をかけて決闘することになった。勝負は一瞬で決着し、初代は敗北する。阿良々木に貼られた怪異を散らすお札によって体はバラバラになってしまっていた。うわ言のように「キスショット…」と呟き続ける初代を阿良々木が心渡で止めを刺そうとした時、初代に会うことを頑なに拒んでいた忍が現れる。
そして初代を本名の「生死郎」と呼び、謝罪したのち会えて嬉しかったと涙ながらに伝えた。けんか別れのようになっていた2人が嫌いあっていたわけではないのだと誤解が解け、和解できた瞬間である。
『終物語』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
浪白公園のモニュメントは東京都東大和市に実在
作中に登場し、阿良々木たちが伊豆湖に呼び出されて忍とも合流した公園である浪白公園には特徴的なモニュメントが描かれる。
そのモニュメントは東京都の東大和市にて実在したものだった。
老倉育のキャストは監督の指名
『終物語』のアニメで監督を務めた新房昭之は、新しく登場するヒロインの老倉に対して性格や生い立ちなどからとても魅力的なキャラクターだと感じていた。
その魅力を声で表現する上で、新房自身が小説を読んでいる段階で井上麻里奈をイメージしていたと語る。『物語シリーズ』はほぼオーディションでキャストを決めているが、老倉役には井上麻里奈を指名したのだった。
老倉のニックネームは「オイコラさん」
老倉は数学が大好きで、老倉という名前でもあることから「オイラーの等式」のオイラーをニックネームとして呼んでもらいたがっていた。
しかし誰も呼んでくれる者はおらず、名字の「おいくら」にかけて「ハウマッチ」と陰で呼ばれていた。
そんな老倉育のニックネーム問題だが、『終物語』のBlu-ray・DVD特典として収録された副音声での戦場ヶ原と老倉の会話で新たなニックネームが明らかになる。
「オイコラさん」や「偽オイラー」、男子の間では老倉の胸が小さいことから「老倉育たない」などとも呼ばれていたのだった。
『終物語』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング):忍野扇(CV:水橋かおり)「decent black」(第1話)
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目次 - Contents
- 『終物語』の概要
- 『終物語』のあらすじ・ストーリー
- 阿良々木と幼なじみの過去
- 老倉育の真意
- 初代怪異殺しとの邂逅
- 初代と阿良々木の決着
- 『終物語』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 阿良々木暦(あららぎ こよみ)
- 忍野扇(おしの おうぎ)
- 老倉育(おいくら そだち)
- 忍野忍(おしの しのぶ)
- 神原駿河(かんばる するが)
- 阿良々木暦のクラスメイト
- 羽川翼(はねかわ つばさ)
- 戦場ヶ原ひたぎ(せんじょうがはら ひたぎ)
- 怪異専門家
- 忍野メメ(おしの めめ)
- 臥煙伊豆湖(がえん いずこ)
- 斧乃木余接(おののき よつぎ)
- 手折正弦(ており ただつる)
- 阿良々木暦の家族
- 阿良々木火憐(あららぎ かれん)
- 阿良々木月火(あららぎ つきひ)
- その他
- 初代怪異殺し
- エピソード
- 八九寺真宵(はちくじ まよい)
- 千石撫子(せんごく なでこ)
- 1年3組
- 足根敬離(あしね けいり)
- 蟻暮琵琶(ありくれ びわ)
- 医上道定(いがみ みちさだ)
- 浮飛急須(うきとび きゅうす)
- 効超煙次(ききごえ えんじ)
- 雉切帆河(きじきり ほか)
- 苦部合図(くべ あいず)
- 激坂なげき(げきさか なげき)
- 甲堂草書(こうどう そうしょ)
- 小馬沖忠(こうま おきただ)
- 品庭綾伝(しなにわ あやづて)
- 周井通真(しゅうい つうま)
- 趣沢住度(しゅざわ じゅうど)
- 巣内告詞(すうち こくし)
- 砂浜類瀬(すなはま るいせ)
- 題野木苺(だいの きいちご)
- 問嶋水仙(といしま すいせん)
- 糖根軸(とうね じく)
- 長靴頂下(ながぐつ ちょうか)
- 把賀濾過(はが ろか)
- 速町整子(はやまち せいこ)
- 菱形情路(ひしがた じょうろ)
- 深遠霜乃(ふかどお しもの)
- 服石点呼(ふくいし てんこ)
- 歩藤しじま(ふどう しじま)
- 冬波境篤(ふゆなみ さかあつ)
- 窓村壁(まどむら かべ)
- 鞠角瓢衣(まりずみ ひょうい)
- 実崎明媚(みざき めいび)
- 目辺実粟(めべ みあわ)
- 湯場職則(ゆば しょくのり)
- 余来承継(よき しょうけい)
- 割取質枝(わりとり しつえ)
- 鉄条径(てつじょう こみち)
- 『終物語』の用語
- 怪異
- 私立直江津高校(しりつなおえつこうこう)
- 七百一中学校(ななひゃくいちちゅうがっこう)
- 妖刀・心渡(こころわたり)
- エナジードレイン
- 『終物語』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 阿良々木暦「確かに僕は今とても幸せだ…だからこそあえて言うぞ、こんなもんはな、誰もが持ってて当たり前のもんなんだよ!」
- 神原駿河「それが言えないんだったら、主人だのあるじだの口にするな。孤高でもなければ、高潔でもない。きみはただの人見知りだ」
- 涙を流し眷属に別れを告げる忍
- 『終物語』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 浪白公園のモニュメントは東京都東大和市に実在
- 老倉育のキャストは監督の指名
- 老倉のニックネームは「オイコラさん」
- 『終物語』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):忍野扇(CV:水橋かおり)「decent black」(第1話)
- OP(オープニング):老倉育(CV:井上麻里奈)「mathemagics」(第2話 - 第3話、第5話)
- OP(オープニング):老倉育(CV:井上麻里奈)「夕立方程式」(第4話 - 第6話)
- OP(オープニング):「mein schatz」(第7話 - 第9話、第11話)
- OP(オープニング):八九寺真宵(CV:加藤英美里)「terminal terminal」(SP1日目)
- OP(オープニング):戦場ヶ原ひたぎ(CV:斎藤千和)「dreamy date drive」(SP1日目)
- OP(オープニング):忍野扇(CV:水橋かおり)「dark cherry mystery」(SP2日目)
- ED(エンディング):瀬川ありさ「さよならのゆくえ」(第1話 - 第12話)
- ED(エンディング):ClariS「SHIORI」(SP1日目、SP2日目)