傾物語(物語シリーズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『傾物語』(カブキモノガタリ)とは高校生の青年が少女たちとの関わり合う中で、日常に潜む怪異現象などに困惑しながらも、解決する姿を描いた西尾維新の小説。『〈物語〉シリーズ』の第5弾であり、同シリーズのセカンドシーズン第2弾(通算8巻)に当たる作品。
本作は夏休みの宿題をし忘れた暦が忍に昨日に戻ることを提案。それを忍は快諾するが予想外にも11年前に飛んでしまう。しかし暦は、その時期に事故に遭って死んだ八九寺真宵を、タイムパラドックスや運命の強制力などの問題を考慮しながらも、救うために奔走する。

『傾物語』の概要

『傾物語』(カブキモノガタリ)は『化物語』(バケモノガタリ)をはじめとする『〈物語〉シリーズ』の第5弾。新章(セカンドシーズン)第2弾として講談社BOXより2010年12月に刊行された。書籍のハードカバーイラストは、シリーズ通してVOFANが担当している。
「『〈物語〉シリーズ』セカンドシーズン」のアニメ作品は2013年7月から同年12月にかけて放送。『傾物語』は2013年8月17日から2013年9月7日の全4話で放送された。
アニメーション制作は、シリーズを通して『魔法少女まどか☆マギカ』や、『三月のライオン』など数多くの作品を手掛ける「シャフト」。総監督は新房昭之が担当している。
物語の主人公阿良々木暦(あららぎこよみ)は受験勉強に注力し過ぎた結果、夏休みの宿題をし忘れてしまう。そこで元吸血鬼のなれの果て忍野忍(おしのしのぶ)に昨日に戻りたいという無茶を言う。しかし以外にも忍は快諾するのだった。だがタイムトラベルで行きついたのは昨日ではなく11年前母の日の前日だった。そこで暦たちは「この失敗には何か意味がある」として翌日に交通事故で亡くなってしまったある少女を、救うことを決意する。
しかしそのことが起因して時空を超えた大事件へと変貌していく。

ファンからは「今までのシリーズにはあまり見られなかったSF要素や、タイムトラベルやタイムパラドックスを考えながら行動する。といった展開が新鮮で面白かった」「八九寺真宵(はちくじまよい)メインなのに前半はあまり活躍の場がないなあ、と思っていたら後半怒涛の展開で、かなり楽しめた」と好評を得ている。

『傾物語』のあらすじ・ストーリー

夏休みの宿題

私立直江津(なおえつ)高校夏休み最終日である8月20日。
阿良々木暦は受験勉強のために夏休みのほとんどの期間を費やしてしまい、肝心の”夏休みの宿題”をやっていなかったことを忍野忍に指摘され「昨日に戻り宿題をやり直したい」という軽い思いつきで、忍にタイムスリップできないかと提案をする。
時刻は既に午後10時を指している。忍の回答は意外にも肯定的なものだった。忍自身「成功することはあっても、失敗することはあり得ない」などと自信満々である。「実際にやってみよ」という軽いノリでタイムスリップを決意する。そうして忍と徒歩でそうに遠くない朽ちた神社、北白蛇神社に行くのだった。そこに溜まっている霊的エネルギーを使用し、詠唱をとなえ忍がゲートを開き、暦と忍は見事タイムスリップに成功した。
しかし、計画通りに「昨日」というわけではなく11年前に飛んでしまった。ではなぜ11年前まで時を遡ってしまったのか。その理由はタイムスリップをする際の暦の思考に起因するものがあった。暦は時間移動をする際、宿題のことなど考えてはいなかった。彼は11年前に小学5年生という若さで、交通事故に巻き込まれ命を落としたことが原因で、迷い牛(人を道に迷わせることを本分とする怪異)となってしまった八九寺真宵という少女のことを考えていた。その理由を探るためにはもう少し時間を戻す必要がある。

暦がタイムスリップを決意する少し前の夏休み最終日、8月20日のお昼。彼は八九寺の忘れ物である大きなリュックサックを届けるために町内を歩き回っていたのだ。そんな中知り合いの暴力陰陽師こと、影縫余弦(かげぬいよづる)が有する式神童女斧乃木余接(おののきよつぎ)に会った。暦は斧乃木に棒アイスを買ってあげたあと、二人でベンチに腰掛け雑談に興じるのだった。
そこで斧乃木は暦に「吸血鬼になって幸せか」と、そんな質問をなげかけてきた。

暦は高校2年生から3年生に代わる時期の春休みある吸血鬼に出遭った。その吸血鬼は鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードだった。キスショットは四肢をもがれ今にも死にそうだったが、暦が自ら血を与えることでキスショットは命を長らえた。そして、キスショットは食事として吸血したのではなく眷属として暦を吸血鬼にしたのだった。

そして斧乃木は自身のことについて「鬼のお兄ちゃん実は僕、元人間の付喪神なんだよね」とそんな風にさらりと打ち明けた。付喪神は百年物を使い続けると、それに霊性が宿るとする御霊信仰のひとつである。唐突の告白に暦は驚いた。
聞けば一度死を迎え影縫に復活させてもらったそうだ。斧乃木は「僕と貴方と八九寺と誰が一番幸せなのか」とそんな質問を投げかけた。
八九寺真宵。11年前、母の日に母に会おうとして、その道中で事故に遭ってしまったがゆえに、迷い牛となってしまった小学5年生の少女。
しかし暦は、その質問に対するある種の答えのようなものを持ち合わせてはいなかった。
暦なりに考えた。違いというなら全員が違う怪異だろうと答えた。しかし斧乃木ちゃんが言いたいのはそうではなく、斧乃木いわく「僕たちは一度死んで誰かの手によって生き返させられている。僕の場合はお姉ちゃん。あなたの場合は、あの吸血鬼(忍)にね。でも彼女八九寺真宵の場合は死んでその後生き返ることも成仏することもなく、死に続けていると言う違いがあるだろう。果たしてそんな境遇の八九寺という少女は幸せと言えるのだろうか」とのことだった。

さらに斧乃木は「怪異として生きる意味はあるのか?」と暦に問う。暦はそれに答えられなかった。それでも「答えを今すぐ出す必要はないと思う。確かに自分が生まれた意味を知りたいと言うのは、ごく自然な問いだろう。だがその質問を八九寺にしたところであいつも、答えられないんじゃないか?」と戸惑いながらも答えた。
すると斧乃木は「ひょっとしたら、お兄ちゃんなら答えれるかなと思ったんだけどね」とすこし肩を落とした。
最後に斧乃木は「八九寺は果たして、幽霊になって幸せなのだろうか?今度会ったら聞いてみてよ」と言った。

そんな訳で暦は、肝心のタイムスリップのとき、八九寺のことを考えていたのだ。それが理由で世界はおろか、次元すら巻き込んだ大冒険が始まる。

いざ昨日へタイムトラベル

無事タイムスリップに成功した暦は、忍にタイムパラドックスについて質問したが、忍は曖昧に大丈夫と答えるだけだった。
もっともこの時は、まさか自分たちが11年前にタイムスリップしているとは(ワンセグがつながらないなど多少の違和感は感じていたが)思っていなかった。そしてその事実を告げたのは、忍を抱っこしながら道端を歩いていた時に、すれ違った3人組女子高生たちの1人だった。暦が西暦を聞いたとき、彼女は元の時代からみて11年前の西暦を言ったのだ。
その日は八九寺が事故に遭う母の日の前日だった。それを知った暦は戸惑い忍を責めてしまう。しかし忍はタイムマシーンでいうとあくまでもエンジンやアクセルといったいわば、運転を補助する役割であって、時間軸の設定や世界線の座標を決めるのは暦であるという。

だが暦はこうなってしまった事にも何か必然的な意味があると考えた結果、「うまくやれば八九寺を救えるのでは」と交通事故に遭ってしまう少女を救うべく策を講じるのだった。
策と言っても大袈裟なことではなく、八九寺が事故に遭う前に助けるというもの。
だが、忍が言うにはこの世界の常として、運命の強制力というものがあるらしい。例え八九寺をその時助けたとしても、必ず何らかの原因で死んでしまうというものだ。しかし暦はそれでも構わないと言い「たとえそうだとしても、一分一秒でも長く生きていてほしい」と思うのだった。

しかし八九寺家の住所が分からない。どうしたものかと頭を悩ませていると前から女児が絵本を読みながら歩いてきた。
三つ編み眼鏡という風貌のその女児こそが、後の暦の恩人羽川翼(はねかわつばさ)だった。その羽川のかわいらしさに髪が逆立ち、血の涙が溢れるといった人知を超えた現象に暦は見舞われた。
さらにその時暦は、何の脈絡もなく綱手家の場所を訪ねて、その質問を受けた羽川が、クラーク像よろしくその方角を示した。その方向に進むとそこは警察署であった。そこにいた婦警に綱手家の場所を尋ねると、婦警は鉛筆で地図を描いてくれた。この時代は意外と、個人情報の共有に関して寛容であった。
しかしそのメモを暦に手渡し、最後に婦警が「綱手さんとどういう関係」と聞いてきたので、暦は「友達」と答えて足早に逃げた。

八九寺が事故に遭ってしまうのを回避するという作戦の決行は明日。そこで暦たちは野宿することになった。
そして翌朝、いよいよ作戦決行の日。朝10時くらいから、張り込みをし始めた二人だったが、待てど暮らせど肝心の八九寺が姿を現さない。どうしたものかと思っていると、八九寺家の玄関から一人の男性が、慌てた様子でこちらの方へ歩みを進めてくる。そして二人に「うちの娘、見ませんでしたか?」と問いかけた。そして男性は自分の娘の特徴を説明し始めた。大きなリュックを背負っていて、小学五年生で等々、八九寺真宵と完全に特徴が一致していた。八九寺真宵はすでに家を出ていたのだ。

滅んだ世界

その場を何とか取りつくろい、大慌てで八九寺を探す羽目になった暦。しかし時すでに遅しという可能性も十分にあり得た。「これが運命の強制力なのか!」と感じながらも、忍を背負って八九寺を捜索した。八九寺は案外あっさり見つかる。近所の浪白公園という場所の町内案内の看板の前で、困ったように立ち尽くしていたのだ。暦たちはすぐさま茂みに身を隠し、様子をうかがった。小さなメモと地図を交互に見合っている姿は、誰がどう見ても迷子である。彼女はまだ生きていたという安堵と同時に、5時から11時までの約6時間、ずっとここにとどまっていたことをかんがみると、その道音痴っぷりにあきれる暦たちであったが、ここは落ち着いてそして紳士的に話しかけるのがベストであるという結論に至った。

しかし実際には、暦はゆっくりと近づき小学5年生の女児に対してスカートめくりをしたのだった。自然八九寺真宵の防衛本能により、その場から猛ダッシュで逃げ去ってしまった。
暦は「くそ!なんてことだ!八九寺を救おうとするとどうしても、偶発的な何らかの障害にその手立てを阻まれてしまう」とそんな運命を嘆き呪った。忍はそれを否定していたが暦はその意見をスルーして八九寺を追う。
しかし八九寺は図らずも、赤信号の横断歩道に飛び出してしまった。そこに一台のドラックが走り込んできた。横断歩道の中央辺りである。暦は何とか八九寺を手で押しのけた。八九寺自身は背負っていたリュックがクッションとなり、かすり傷ひとつ負わせることなく助けることができた。
その一方の暦はと言えば、八九寺を押しのけた後勢い余ってヘッドスライディングよろしく顔から地面に激突した。
なぜ、押しのけることが出来たのかと言えばタイムスリップをする際に念のため忍に血を吸わせておいたことで、吸血鬼性(分かりやすく言えば身体能力等)を向上させていたためだ。だからこそ対岸の歩道まで飛ばすことに成功した。
そして八九寺は、暦に礼を言い「変質者に追われていて信号を気にかける余裕がなかった」と横断歩道に飛び出してしまった理由を話した。
すると暦は自作自演にもかかわらず、その変質者に対する怒りを露にしながら、「まあ幸い全うを絵に描いたような、この僕が通りかかったから良かったが。ところでけがはないかい?」などと言う。
八九寺は「道に迷ってしまったことで少々困っている」と言った。暦はメモを見せてもらい、彼女を母の綱手(つなで)の家まで送っていった。

忍は「見届けなくていいのか」と心配していたが暦は「僕のやるべきことは、彼女を送り届けるところで終わっている」と言った。
そして北白蛇神社に向かい再びゲートを開き現代に戻る。しかしその現代は壊滅してしていた。まるでゴーストタウンになってしまったかのように町全体が静まり返っていたのだ。
暦たちは違和感を覚えながらも阿良々木家に足を進めた。そしてもはや廃墟同然となった阿良々木家に足を踏み入れる。そこにこのような状況になってしまった原因のヒントがあるかもしれないからだ。
まず家の中を検分した。電波時計を確認する。どうやらタイムワープ自体には成功したらしかった。
部屋を引き続き物色して妹の部屋を見に行く。特に異常はないはずだった。リビングに戻った暦は、テーブルに置かれていた新聞を開く。忍は何故か押し黙ったままで、何回呼び掛けても反応がない。そこで暦が肩に触れたとき、忍は声を上げて驚いた。
忍は決意を固めたかのように、他の家々も見て回ろうということを提案した。そこから半日ほどかかけて街を歩き回った。しかしやはり誰の姿も確認することができなかった。
滅んだ世界を前に暦はあまりの現実感の無さから絶望すらできなかった。本来であれば、とても絶望的で哀しむべき事象のはずなのだが、全く現実感が湧かなかったのである。2人は1つの仮説として「八九寺を救ったがために歴史が変わり、その結果世界が滅んだ」という結論にいたった。
暦は忍に促されて再度新聞をひらく。そこに大きな手掛かあった。6月14日。日にちである。
忍はなにか引っかかるという。そして自分の記憶力を嘆きながら、必死に記憶を探ろうとした。しかし思い出せない。
その日に何があったのか、その日にもう一度タイムスリップをして確かめようということになり、三度北白蛇神社へ向かった。

しかしタイムスリップは叶わなかった。何故ならそこにはタイムスリップに必要な霊的エネルギーそのものが全くなかったのだ。
その理由は、案外シンプルだった。暦の恩人である忍野が妖怪大戦争を防ぐために、この時代の暦に託した霊験あらたかなお札の影響だった。ただ今の暦の見覚えのあるお札ではなかった。
暦が「このお札を剝がして長い時間待っていれば霊的エネルギーがまたたまるのでは」と軽い気持ちでお札に触れた直後、はるか後方に吹き飛ばされた。
「そのお札は、少し効能が違うのじゃ。歴史が変わる前はどうやら霊的エネルギーを散らすお札。しかしここに貼ってあるのはそのエネルギーを吸収するお札なのじゃろう。恐らくはお前様が八九寺を助けた事で歴史が多少変わったのじゃろうな」と忍は言った。
奇しくも、忍野メメの偶発的な計略によって、希望は絶たれた。そして暦は絶叫する。とても手前勝手に、自分勝手な忍野に対する怒りを露にする。
しかしその絶叫を聞き届けるものは忍以外にはいなかった。

ゾンビの出現と八九寺真宵との再会

唐突に大量のゾンビが地面から生えてきた。
だが、一定以上そのゾンビが2人に近づくことはなかった。それはお札の影響があるからに他ならなかった。そして右も左もゾンビだらけの、大ピンチの最中「上」に活路を見出した。つまり空へ逃げようというのだ。忍は暦と共に大ジャンプした。そこで暦は自分の住んでいる街だけでなく、日本中がそして世界中が滅んでいたことを知る。
自分達が、歴史を変えたばかりに世界がこんな有様になってしまったと、暦は自分を責めた。
しかし忍は、こうなったのは、儂の責任だという。ゾンビがいなくなる夜明けを待って地面に着地し阿良々木家に着いて話を詳しく聞く。
ひどく疲れた様な悲しみをたたえながら忍は「6月14日」について話す。その日は暦の通う私立直江津高校の文化祭の前日であり、同時に大きな事件が2つ重なった日だった。

その事件とはクラスメイトの羽川翼の怪異化。そしてもう1つが、忍野忍の家出である。その忍の家出に最初に気付いたのが、八九寺真宵であった。
その日、羽川は障り猫と呼ばれる怪異を元に、ブラック羽川という新種を生み出した。ブラック羽川は羽川翼自身のストレスを解消するために、ストレスの大元である暦を殺害しようとする。しかし暦が忍に助けを求めたことで、影に隠れていた忍に何とか救われたのだのだった。
しかしこれは変わる前の歴史の話。この世界の八九寺真宵と出会わなかった暦は忍に助けを求めることなく、怪異化した羽川に殺されたのだと考えられた。

そしてあの日、忍は暦がもし自分を発見できなかったら、世界を滅ぼすつもりでいたと語った。つまりその日暦がブラック羽川に殺され、忍がキスショットへと返り咲いたその後、世界中の人間が吸血鬼化してしまったのだろう。さらに忍は、「恐らくこの世界におけるキスショットは既に死んでいるであろう。それゆえに世界中の人間ゾンビに成り果ててしまったのではないか」と推論した。

その話を語り終え、忍は消え入りそうな、蚊の鳴くような声で、「ごめんなんさい」と言った。それを暦は否定する。その後ショッピングモールへと足を運び暦達は食料と花火を購入する。忍に理由を尋ねられた暦は、「SOS信号の代わりになってくれればいいかな。もしかするとこんな世界でも誰が生き残りがいるかもしれないから」とそう答えた。
そして一応少しでも花火の火花が目立つようにと、曇るのを待って花火をしようということなった。それから公園に場所を移した暦達は、ささやかながら二人だけの花火大会を催した。しかし花火大会が終わったころ、四方八方からゾンビが湧いてきた。
今にも2人が襲い掛かられそうになっている時、空から米がポツポツと降ってきた。米を嫌がったゾンビの消失を見届けると、人からあのゾンビたちに対する対策を聞いたという女性が現れる。彼女の顔にどこか見覚えがあった暦は、彼女の名を尋ねた。聡明そうな彼女は、「八九寺真宵」と答えた。

「まさか生きている人間がいるとは、しかもお前様の知人だったとは」と横にいた忍もさすがに驚いていた。
暦は彼女が生きていたことに関して言葉で語り尽くせないほどの感動を覚えながら「生きている人に会えるなんて思ってなかったので」と言う。しかし彼女によると、生存者は結構いるという。八九寺の方も暦の名前に反応し、「実は暦宛に手紙を預かっている」と言った。差し出された封筒には、忍野メメの文字があった。

忍野メメの手紙

忍野メメの手紙には、衝撃的な事実が書かれていた。つまり、ここは元の暦たちがいた世界とは異なるパラレルワールドであるということ。元々暦たちがいた世界をルートA、この世界をルートXとしたときに、暦たちはルートAの11年前ではなくルートXの11年前に飛んでしまったのだ。そしてルートXの現在へとやってきた。
時間旅行という方法では、運命は変えられないという絶対的な事実があるという。
さらに忍野の手紙には、この世界線の暦は命を落としてしまったということや、この現象の元凶であるキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは自殺に失敗して生きており、生き残った人類の脅威となっていること、キスショットを止めてほしいということが書いてあった。彼女は眷属作りにも失敗しており、一度に大量の眷属を作ろうという打算の結果、失敗し続け吸血鬼の細胞が劣化してしまい、その失敗の連続の果てがあのゾンビであるらしい。だからこそ、ゾンビをもとの人間に戻すことができるという。

最終決戦

暦は「一緒に行動しないか」と提案してくれた八九寺に別れを告げ、忍と共に最終決戦へ向かう。
「勝算はどれくらいあると思う」と暦が聞くと、忍は痛快なくらいはっきりと「全盛期の儂相手に怪異もどきのお前様と、殆ど力を失った儂では比べるべくもない」と言った。やっぱりそうか、と予想通りの返答に、暦は落胆するそぶりもない。しかしながら八九寺のいる世界は彼女にとって幸せであってほしいと言った。
そして2人歩きながら、世界と忍野のいう目の前の女の子を救う事を決めたのだ。

そんな会話をかわしつつ。2人は北白蛇神社へ向かう。
そしてその日の夜中、武装を整えて、忍はキスショットを呼ぶ為に大声で絶叫した。
果たしてキスショットはゆっくりと北白蛇神社の境内にやってきた。その姿はかつての高貴なそれと違い、ボロボロになってしまったドレスを纏った姿だった。
その姿を見た忍は叱責した。「何故失敗した」「周囲の人間関係に大きな差などなかったはずなのに、暦に出会っていながらも何故失敗した」と血の涙を流しながら責め立てた。
するとキスショットは大声を上げて、笑った。幾度となく自殺を試みたであろう、キスショットは凄惨に笑い続けた。すると暦と忍が並び立つ姿を見て「そういうルートもあったとはまさかそんな未来の可能性もあったとは、な。ワシに言わせればどうして、そうやって隣りあっているのかが不思議である」と言った。そして「うぬらを元々いた世界に帰してやろう」と告げる。

キスショットは自分のことを霊的エネルギーとして使い、タイムスリップをしろというのだ。いわれるまでもなく、それはキスショットの死を意味する。しかしキスショットはそれを是とした。2人は全盛期のキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードに近いていく。忍はキスショットの首元に噛み付いた。
キスショットは最後に、目の前にいる別世界の従僕である暦に対して「頭を撫でて欲しい」と言った。この要求に暦は了承の意を示して、彼はキスショットのいう通りに頭を撫でる。神社の境内が黄金色に輝きだす。

冒険を終えて現代

そして気がつくと暦は、北白蛇神社の階段の真ん中辺りで忍に膝枕をされていた。
忍に「元に戻ったのかなー」と疑問を投げかける。
「流石に全てが元通りというわけではないじゃろうな」と忍は答えた。復活し元の人間に戻れるのはあくまでキスショットによって怪異化した人間のみであることが忍の口から告げられた。
時間を確認すると、もうとっくに学校の授業が始まっていた。忍は欠伸をして暦の影に隠れた。
「ま、せいぜい死なんように気をつける事じゃな、お前様が死んでしまうと、儂が世界を滅ぼしかねんからの」と忠告を付け加える忍。そしてひとり階段を降る暦。一抹の不安が脳裏を過ぎる。本当にちゃんと戻れたのだろうか。「ここも別世界だったらどうしよう」などと考えながら神社の鳥居を出る。

そして自転車の鍵を外そうとしたとき、背後で暦の名前を呼ぶ声がした。八九寺だ。
いつものようにじゃれた後、暦はふと思い出し、斧乃木に言われていた質問を投げかけた。生き返りたいとは思わないのかという質問だ。
八九寺は、それを否定した。暦はあえて理由を聞いた。すると八九寺は、「明確な理由は特にないけれど、阿良々木さんだって人間に戻らないでしょう」と答え、暦もそれに同意する。
八九寺もまた暦同様に、たとえ生き返れたとしてもその選択をしないと言った。「じゃあ幽霊なって幸せ?」と質問をぶつけた。
八九寺は「幽霊になってしまったことは不幸せだが、阿良々木さんに会えたことは幸せだ」と答えた。

『傾物語』の登場人物・キャラクター

阿良々木暦(あららぎこよみ)

CV:神谷浩史
『〈物語〉シリーズ』の主人公であり、本作『傾物語』の語り部を務める。
春休みに、「鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼」キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードに遭ってしまったことで、彼の人生は怪異にひかれていくことになる。
暦曰く、地獄のような春休みを経て不死身の「後遺症」として異常なほどの再生能力を残している。他にも身体能力が向上している。その他の特徴として、春休み以降忍は、暦の陰の中に縛られており、頻繁に影の外に出てきては忍なりに暦をサポートする場面も多々ある。
この経験をきっかけに暦は次から次へと怪異がらみの現象や問題に巻き込まれていき、そういった状況に四苦八苦しながらも、懸命にみっともなくもがきながら、奮闘する姿が描かれている。
『化物語』では、戦場ヶ原(せんじょうがはら)ひたぎのある秘密を知り、「口の中にホッチキスとカッターを、突っ込まれ、その後、頬の内側をホッチキスで閉じられる 」という猟奇的な目に遭いながらも、持ち前の再生能力で治した。このことがきっかけでひたぎとの親交を深めていったのだった。
また作中では、忍に自分の血を吸わせることで、お互いの吸血鬼性を向上させることができる。主に暦の分かりやすい身体的な変化として、全身の筋肉の増強、視力の向上などにより、幾度となく危機的状況を潜り抜けてきた。ちなみに忍が死ねば、暦は人間に戻ることができる。
本作では11年前に交通事故で亡くなった少女を助けたことから、全人類が滅亡した世界を舞台に忍と共に原因を探るべく奔走する。
作中では往々にして、ツッコミ役に回ることが多いが基本的には、責任感が強くとても優しい性格。知人にはとても優しい。しかしその優しさが時として禍となる場面も。

忍野忍(おしのしのぶ)/キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード

CV:坂本真綾
金髪金眼の幼女。年齢は役400歳、(途中で数えるのを辞めたらしいが本当は600歳)地上最強の、冷血にして鉄血にして熱血の吸血鬼。キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードのなれの果て。
彼女は『傷物語』において、春休みに四肢を切断された状態で暦と出会い。彼の血液を全て吸い生き長らえた。そして、暦を眷属として迎え入れ自分の四肢を奪った三人から四肢を取り返して、自分を完全体にしさえすれば人間に戻すという条件で暦やメメの協力を得ながら戦うことになる(主に暦が)。
忍と暦の関係は少し変わったもので、場面や状況によって、主従関係が変化するというものである(仮に暦が死ねば、キスショットに戻れる)。
『傷物語』において2人は死闘を繰り広げた。暦は人間に戻るために、かたやキスショットは、暦に殺してもらうため決死の覚悟で戦った。しかし結局は暦は人間に戻らず、キスショットは死ねず、「両者が半怪異になる」ことで一応の終焉を迎えた。

その事件以降、忍は無口になりミスタードーナツを差し出されたとき以外は、基本的には喋らなくなった。

ファダム
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憑物語(物語シリーズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『憑物語』は、西尾維新によって書かれたライトノベルシリーズ『物語シリーズ』の第10作品目。ファイナルシーズン3部作のうち第1作品目である。『物語シリーズ』は、主人公・阿良々木暦が様々な「怪異」と呼ばれる現象や存在に遭遇し、それらと向き合う姿を描いており、『憑物語』では斧乃木余接が主要人物として物語に登場し、阿良々木暦の身体に生じた重大な変化の理由を追究するストーリーが展開される。アニメにおいては物語は「よつぎドール」のタイトルで全4話にわたって構成されている。

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化物語の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

化物語の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

「化物語」は、西尾維新によるファンタジー小説、及びそれを原作としたアニメ作品。 主人公の「阿良々木暦」が、クラスメイト「戦場ヶ原ひたぎ」に始まり、色んな少女たちの関わった「怪異」にまつわる事件を解決していく物語である。 ギャグ、パロディ、メタ発言など遊びの多い物語であると共に、西尾維新らしい奥深く尖った作品であり、そのどちらの側面からも多くの名言が排出されている。

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傷物語の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

傷物語の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『傷物語』とは、西尾維新による「化物語」のシリーズ作品の一つ。 主人公「阿良々木暦」の前日譚であり、怪異と呼ばれる怪奇現象に暦が関わることとなった、一番最初のきっかけとなる事件である。 ある日、遭遇した吸血鬼に血を吸われ、暦は吸血鬼となってしまう。そんな中、自分達を退治しにやってくる怪異の専門家たちと戦っていく、暦の春休みを描いたストーリー。 深く重い内容となっており、数々の名言も輩出されている。

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偽物語の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

偽物語の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

「偽物語」は、西尾維新による小説「物語」シリーズの第三弾、及びそれを題材としたアニメ作品。 第一弾「化物語」の続編であり、主人公「阿良々木暦」の夏休みを描いたもの。 二人の妹「火憐」と「月火」が「怪異」と呼ばれる怪奇現象に巻き込まれ、それを暦が解決する、という形式で、妹達それぞれをメインとした二部構成となっている。偽物、本物、正義、といった奥深いテーマで展開される本作には、様々な名言が存在する。

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めだかボックス(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

めだかボックス(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

原作:西尾維新、作画:暁月あきら。 週刊少年ジャンプに掲載、コミック全22巻。ジャンル「学園異能インフレ言語バトル漫画」。 ありとあらゆる事を完璧に出来る、黒神めだかが生徒会長となり学園の問題を仲間達と解決していく物語。超人を人為的に作り出す「フラスコ計画」編から「能力者」と呼ばれるキャラがめだかと戦う。原作者は「物語シリーズ」で有名、キャラの独特な名前、推理、言葉遊び、パロディが豊富。

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刀語(西尾維新)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

刀語(西尾維新)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『刀語』とは、西尾維新のライトノベル作品である。全12話で、作者初の時代小説となる。2010年1月から12月にかけてテレビでアニメ化されている。「刀を使わない剣士」の鑢七花は、「奇策士」を名乗る女・とがめに誘われ、「完成形変体刀」とよばれる刀を集める旅に出ることとなる。人を知らぬ男と心を無くした女の物語が始まる。

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十二大戦(西尾維新)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

十二大戦(西尾維新)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『十二大戦』とは、原作西尾維新による現代ファンタジー小説、および小説を原作としたアニメ作品である。12年に一度だけ開催される十二大戦。干支の名を宿し、干支にちなんだ能力を持つ12人の戦士たちが、己の命をかけて戦う物語である。廃墟となった街中が舞台で、策謀と殺戮が繰り広げられる。どんな願いでもただ一つだけ叶えてくれる、史上最高のバトルロイヤルが開戦される。

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少女不十分(西尾維新)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

少女不十分(西尾維新)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『少女不十分』とは2011年に執筆された西尾維新によるミステリー小説、およびそれを題材としたミステリー漫画。小説家を目指す僕は、謎の少女Uの異常なある行動を見てしまったことをきっかけに、彼女によって誘拐されてしまう。彼女との一週間の監禁生活を送る中、Uの行動に隠された謎を紐解いていく。その巧みな場面描写により、一種のモキュメンタリーとして成立させ、そのリアリティさにより人気を博した。キャッチコピーは「西尾維新、原点回帰にして新境地の最新作。」、「この本を書くのに10年かかった。」

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美少年探偵団(西尾維新)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

美少年探偵団(西尾維新)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『美少年探偵団』とは2016年に執筆された学園ミステリー漫画、及びそれの題材となったミステリー小説、アニメ、舞台作品。主人公・瞳島 眉美は校内の有名人で構成された謎の組織・美少年探偵団と遭遇する。美少年探偵団の一員となった眉美は、彼らとともに学園で起こる様々な事件や怪奇現象を解決するために奔走する。登場人物たちの美しいデザインや、グロテスク過ぎない事件が人気を博した。

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大斬-オオギリ-(西尾維新)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

大斬-オオギリ-(西尾維新)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『大斬-オオギリ-』とは、2014年から集英社の複数の漫画雑誌をまたいで掲載された漫画。編集者が出したお題に沿ったネームを西尾維新が書き、それをさらに9人の漫画家が形にするという、他漫画でも類を見ない構成が人気を集めた。9編全てがまったく異なるテーマを採用しているため、アクションからミステリー、恋愛ものやSFなど幅広いジャンルのストーリーが展開されている点が特徴である。

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めだかボックスの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

めだかボックスの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

「めだかボックス」は2009年より「週刊少年ジャンプ」に連載された漫画作品。 主人公の完璧超人「黒神めだか」は圧倒的支持で箱庭学園生徒会長となり、幼馴染の「人吉善吉」と共に生徒会活動をスタートする。その活動の一つが目安箱、通称「めだかボックス」に投書された案件の解決。次第に増える個性豊かな生徒会メンバーと共に、生徒間トラブルを通してめだか達の成長を描く。奥深く考えさせられる名言の数々が名高い。

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【アニメ】化物語から始まる西尾維新の「物語シリーズ」視聴順まとめ

【アニメ】化物語から始まる西尾維新の「物語シリーズ」視聴順まとめ

西尾維新プロジェクトと称されるアニメ化真っ最中の【物語シリーズ】は、現代の怪異に出会った少年少女の姿を描いた作品です。その多さ故、視聴前は混乱必至ですが各シリーズの放送順を知ることでスムーズに楽しむことができます。今回は各シリーズの大まかなあらすじ/放送順/時系列順でご紹介。

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〈物語〉シリーズを時系列で整理してみた!化物語から宵物語まで【ネタバレ注意】

〈物語〉シリーズを時系列で整理してみた!化物語から宵物語まで【ネタバレ注意】

時系列が複雑になった人のために、細かく時系列を整理、一覧年表にしました。化物語・傷物語・偽物語・猫物語・傾物語・花物語・囮物語・鬼物語・恋物語・憑物語・暦物語・終物語・愚物語・業物語・撫物語・結物語・忍物語・宵物語に関して画像付きで記しています。ぜひ最後までご覧ください。

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【物語シリーズ】お子ちゃま厳禁!エロすぎる画像まとめ

【物語シリーズ】お子ちゃま厳禁!エロすぎる画像まとめ

『化物語』を始め、様々なシリーズが制作されている「物語シリーズ」。作中ではなかなかに過激なエロいシーンがたくさんあるので、お子ちゃまには見せられません…。とりあえずこの記事でエロい画像を集めてみたけど、完全にアウトなやつもありますのでご注意ください。てか、創作とはいえこんなふうに若い女の子たちが商業化されるのを見るのはなんともフクザツな気持ちです。女性を一体何だと思ってるんだ…?

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