
『終物語』とは、西尾維新による小説、およびそれを原作としたアニメ作品である。小説は講談社から上中下の3巻が刊行され、テレビアニメは2015年の10月から12月まで放送された。本作では、主人公・阿良々木暦の過去と幼なじみのについてのストーリーと、吸血鬼の少女・忍野忍の初代眷属にまつわるストーリーが描かれている。阿良々木と忍の複雑な人間関係に焦点を当てた物語となっており、作中には西尾維新らしい言葉遊びや漫才じみた会話が多数登場する。
『終物語』の概要
『終物語』とは、西尾維新による小説、およびそれを原作としたテレビアニメ作品である。〈物語〉シリーズの1つであり、小説は講談社から上中下の3巻が刊行された。〈物語〉シリーズ通巻15巻目として上巻が2013年10月に、通巻16巻目として中巻が2014年1月に、通算17巻目として下巻が2014年4月に刊行された。
テレビアニメはシャフト制作により、上中巻が2015年の10月から12月まで、下巻の内容が2017年8月に放送された。全20話。
小説上巻では阿良々木暦(あららぎ こよみ)が忍野扇(おしの おうぎ)という転校生の少女と出会い、ともに過去の事件や幼なじみの老倉育(おいくら そだち)にまつわるエピソードなどの謎を解いていく。
中巻では忍の初代眷属が400年ぶりに復活し、阿良々木との決闘や忍との関係を描く。
下巻では、阿良々木が地獄に落ちてしまった八九寺真宵(はちくじ まよい)と再会して救おうとするストーリーと、謎多き少女・扇と阿良々木との最終決戦が描かれる。
本作は阿良々木と忍の複雑な人間関係に焦点を当てた物語となっており、作中には西尾維新らしい言葉遊びや漫才じみた会話が多数登場する。
終物語(物語シリーズ)のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]
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『終物語』とは、西尾維新による小説、およびそれを原作としたテレビアニメ作品『物語シリーズ』の1つである。小説は講談社から上中下の3巻が刊行され、テレビアニメは2015年の10月から12月まで放送された。今作は主人公・阿良々木暦の過去と幼なじみのについてのストーリーと、吸血鬼の少女・忍野忍の初代眷属にまつわるストーリーが描かれている。阿良々木と忍の複雑な人間関係に焦点を当てた物語となっており、そんな中でも言葉遊びや漫才じみた会話が織り込まれ笑えるところが魅力である。
阿良々木暦の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「確かに僕は今とても幸せだ…だからこそあえて言うぞ、こんなもんはな、誰もが持ってて当たり前のもんなんだよ!」
老倉は自分のこれまでのことを阿良々木と羽川に話し、頑張って努力しているのになぜ幸せになれないのかとうなだれる。それに対して羽川は、老倉自身が幸せになろうとしないから幸せになれないのだと指摘した。すると老倉は羽川の言葉に同意する。そして今更自分が幸せになったら重みで潰れてしまうと言うのだった。
それを聞いていた阿良々木は、あらゆる幸せは老倉にとってちょうどいいものだと言い、「確かに僕は今とても幸せだ…だからこそあえて言うぞ、こんなもんはな、誰もが持ってて当たり前のもんなんだよ!」と叫ぶ。
老倉は自分のことを好きになれず、幸せになることを自ら諦めている様子だった。そんな老倉に対して阿良々木は、自分が老倉を思っている気持ちぐらいには老倉が老倉自身を大切に思ってほしいと願うのである。阿良々木が心から老倉のことを思って発したセリフであった。
神原駿河の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「言えばいいだろう。四百年がかりで生き返ってくるような愛情は、重いって。阿良々木先輩と仲良くやっているところに、今更生き返って来られても困るって。お前の気持ちは迷惑だって――そのまま死んでればよかったって、言えよ。それが言えないんだったら、主人だのあるじだの口にするな。孤高でもなければ、高潔でもない。きみはただの人見知りだ」

『終物語(中)』の「しのぶメイル」におけるセリフ。
阿良々木と初代怪異殺しが街で遭遇し、忍の眷属の座をかけた決闘をすることになった頃、神原と忍は言い合いになっていた。
神原は忍に、400年かけて忍に会うためだけに復活した初代に直接会って話をするべきだと言う。しかし忍は、眷属とは好き嫌いでの話ではないのだと言い、それに眷属なら阿良々木がいるのだから初代と会う必要はないと言い張った。
そんな忍に神原は「言えばいいだろう。四百年がかりで生き返ってくるような愛情は、重いって。阿良々木先輩と仲良くやっているところに、今更生き返って来られても困るって。お前の気持ちは迷惑だって――そのまま死んでればよかったって、言えよ。それが言えないんだったら、主人だのあるじだの口にするな。孤高でもなければ、高潔でもない。きみはただの人見知りだ」と叫ぶのだった。
直接会い殺し合いになっても、和解した後に初代が殺されることになっても、どんな結果になってもとにかく忍が会って話をするべきだと語る。
神原の言葉に衝撃を受け、言い負かされた忍は1度拗ねてふて寝した。
しかし阿良々木と初代の決闘の場に現れて、敗れた初代に対して別れの言葉を告げるのである。
神原の言葉は、復活した初代とは会わないの一点張りだった忍の心を変え、忍が初代に対して本当の気持ちを伝えることができたきっかけの言葉である。
「誰かが誰かを好きになる気持ちだって、自然だろうが!」

『終物語(中)』の「しのぶメイル」におけるセリフ。
このエピソードではキスショットの1人目の眷属、初代怪異殺しとの関係が描かれる。初代怪異殺しはかつてキスショットにより人間から吸血鬼になったが、それを受け入れられずに自殺した経緯を持つ。しかし自殺して灰となっても生存し続けて、北白蛇神社で怪異の材料となる「よくないもの」をよせ集め、矮小化し忍野忍(おしのしのぶ)と名づけられたキスショットの来訪で復活を果たす。
復活した初代怪異殺しはキスショットとの和解を目論み、暦と接触する。忍は初代怪異殺しの復活を聞いても、複雑な心境から彼と会おうとはしなかった。しかし神原にはそれが許せなかった。会わずに済まそうとすることを「よくないこと」だと言い、真っ向から忍と対峙する。その中で飛び出たセリフが「誰かが誰かを好きになる気持ちだって、自然だろうが!」というものだった。
忍は「吸血鬼の主従は好き不好きで語るものではない」と言うが、「それを阿良々木先輩にも言えるか」と神原に返されると黙ってしまった。忍が初代怪異殺しに対して抱いていた複雑な感情は明らかにならなかったが、神原のこのセリフがあって、忍は初代怪異殺しとの決着を着けることができた。
忍野忍(キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
涙を流し眷属に別れを告げる忍

阿良々木は、復活した初代怪異殺しと忍の眷属の座をかけて決闘することになった。勝負は一瞬で決着し、初代は敗北する。阿良々木に貼られた怪異を散らすお札によって体はバラバラになってしまっていた。うわ言のように「キスショット…」と呟き続ける初代を阿良々木が心渡で止めを刺そうとした時、初代に会うことを頑なに拒んでいた忍が現れる。
そして初代を本名の「生死郎」と呼び、謝罪したのち会えて嬉しかったと涙ながらに伝えた。けんか別れのようになっていた2人が嫌いあっていたわけではないのだと誤解が解け、和解できた瞬間である。
目次 - Contents
- 『終物語』の概要
- 阿良々木暦の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「確かに僕は今とても幸せだ…だからこそあえて言うぞ、こんなもんはな、誰もが持ってて当たり前のもんなんだよ!」
- 神原駿河の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「言えばいいだろう。四百年がかりで生き返ってくるような愛情は、重いって。阿良々木先輩と仲良くやっているところに、今更生き返って来られても困るって。お前の気持ちは迷惑だって――そのまま死んでればよかったって、言えよ。それが言えないんだったら、主人だのあるじだの口にするな。孤高でもなければ、高潔でもない。きみはただの人見知りだ」
- 「誰かが誰かを好きになる気持ちだって、自然だろうが!」
- 忍野忍(キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 涙を流し眷属に別れを告げる忍