エア・ギア(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『エア・ギア』とは大暮維人の作品で2002年から2012年にかけて『週刊少年マガジン』で連載された。単行本は全37巻。2006年にはアニメ化もされた。物語は超小型モーター搭載の「インラインスケートエアトレック」を駆使したアクションを描いている。主人公の南樹はエア・トレックを履いて街を疾走する暴風族に襲われ敗北を経験する。しかし、幼馴染の野山野林檎ら三姉妹からエアトレックを託され、樹は暴風族に立ち向かいバトルを繰り広げる。

『エア・ギア』の概要

『エア・ギア』とは大暮維人の作品で2002年から2012年にかけて『週刊少年マガジン』で連載され、2006年にはアニメ化もされた。超小型モーター搭載の「インラインスケートエアトレック」(A・T)を駆使したアクションを描いている主人公の南樹(みなみいつき)はA・Tを履いて街を疾走する暴風族(ストームライダー)に襲われ敗北を経験する。しかし、居候先の幼馴染の野山野林檎(のやまのりんご)、りんごの姉の野山野樒柑(のやまの みかん)、妹の野山野 白梅(のやまの しらうめ)ら三姉妹からA・Tを渡される。やがて樹を総長とする暴風族、小烏丸(こがらすまる)を結成する。A・Tには、それぞれ「道」と呼ばれる特徴や流派があり、それに応じて「玉璽(レガリア)」という特別なパーツを使いこなす「王」と呼ばれるライダーが存在する。パーツをかけて戦うPARTS WAR(パーツ・ウォウ)と呼ばれるA・Tによる技術・優劣を競うランク付けバトルがあることを知りエントリー。 ランクが上がっていくにつれ小烏丸は有名になっていく。ある時暴風族連合、創世神(ジェネシス)の総長のシムカが、天空の塔(トロパイオンの塔)という全ての道が集うという暴風族に伝わる伝説の塔を陥落するために樹を新総長に指名する。しかしそれにより、樹はトロパイオンの塔を狙うジェネシスと、それを封じる眠りの森(スリーピングフォレスト)との争いに巻き込まれていく。
『エア・ギア』はスピード感やアクション、キャラクターの魅力などが評価されており2006年度の第30回講談社漫画賞少年部門を受賞。単行本は全37巻が発売された。アニメ版はテレビ東京などで深夜枠で放送された。テレビ東京の場合だが、放送期間は2006年4月4日から9月26日までだった。コミックス1巻から「鬼の三十三間堂」の話となっている。制作発表時点では『エア・ギア 天駆ける翼』のタイトルになる予定だったが、原作と同じタイトルの『エア・ギア』が正式タイトルとなった。サブタイトルはなく、原作に沿って「Trick:1」、「Trick:2」となっている。

『エア・ギア』のあらすじ・ストーリー

イントロダクション編

主人公の南樹(みなみいつき)は、東雲東中学校の中学生で、「東中最強のベビーフェイス」と称される。彼は東中ガンズというチームのトップで、喧嘩に明け暮れていた。幼馴染の野山野林檎(のやまのりんご)、姉の野山野樒柑(のやまのみかん)、妹の野山野白梅(のやまのしらうめ)、一家の大黒柱である長女の野山野梨花(のやまのりか)が住む野山野家に居候していた。ある日、ガンズの仲間がA・Tチームの髑髏十字軍(スカルセイダース)に敗北した。しかし、リンゴからA・Tを渡され彼女が伝説のチーム、眠りの森のメンバーだと知る。A・Tにのめり込む樹は練習を重ね、髑髏十字軍のリーダー間垣浩二(まがきこうじ)と1対1の勝負を挑む。A・T界には、チームのエンブレムを賭けた対決が存在する。エンブレムはチームの誇りであり、生命と同等の価値がある。樹は見事に勝利を収め、自身の誇りと眠りの森のエンブレムを取り戻し、保護する。これによりA・Tの世界への参入を決めた樹は、東中ガンズの仲間、カズとオニギリに声をかけ、練習を始める。A・Tのパーツはボロボロになるが、新しいパーツの購入は中学生にとって負担が大きい。その時、カズは全国規模のシステム「PARTS WAR」を発見。A・Tのパーツやエンブレムを賭けて戦い、勝利によりランクが上昇するシステムで、これを利用するためチーム「小烏丸(こがらすまる)」を結成した。
ある日、カズとオニギリは学校で、昼は樹が率いる東中ガンズが、夜は別のチームが仕切っているという噂を耳にする。噂を調べるために夜の学校に張り込んでいた2人は、突然現れた暴風族に襲われ、病院送りになってしまう。翌日学校に行った樹はクラスメイトからカズとオニギリが襲われたことを知らされ、急いで向かった病院で、2人の無惨な姿を目にした。2人のA・Tを託された樹は夜のチーム「夜王(やおう)」に対決に挑む。
夜王のリーダーは「仏茶(ぶっちゃ)」と呼ばれる御仏一茶(みほとけ いっさ)だった。対決のフィールドは夜の学校全体を使ったウォールライドで、建物をハードルに見立ててゴールを目指すコースであった。初めての公式戦で樹は上手くいかず、仏茶の圧勝に見えた。しかし、樹は持ち前の才能とセンスで急速に成長。「勝つ」のではなく「楽しむ」ことを目指し、周囲を引き込む走りを見せ、クラスメイトの協力もあり勝利を収めた。この勝負は他の暴風族も注目し、樹は徐々に有名になり、「空の王」候補と言われるようになった。
有名になったことでリカにバレてしまう。リカは旧「荊の王」荊棘の道を走る暴風族で、かつて「眠りの森」に所属していたが、親目線から樹がA・Tをすることに猛反対した。悩んでいた樹は車椅子に乗る武内空(たけうちそら)に出会う。
空は初代「風の王、疾風の狼(ウルフズガーレ)」と呼ばれ、「空の王」に最も近づいた男であったが、戦いで両足の腱を切られ、ライダーとしての道を一度断たれていた。しかし、樹に何かを感じ、空は樹に様々なことを教えることになる。そして、2人は兄弟のように仲良くなる。
リカと恋人関係の空は、車椅子生活を送りながらも樹を支えていた。空は樹の気持ちを理解し、リカとの勝負を提案する。空の助けを得て、樹はリカに勝利し、A・Tを認められる。

超獣(ベヒーモス)編

樹はバトルを通じて友達を増やし、Aクラスチーム「金鉄ブルズ」のリーダー、徳俵権造(とくだわら ごんぞう)と意気投合する。そのバトルの最中、「警視庁特殊飛行靴暴走対策室・通称マル風Gメン」が乗り込んできた。逃げる最中、樹はマル風Gメンの鰐島亜紀人(わにじま あきと)と対峙し、亜紀人との勝負を通じて自身の思いを伝える。亜紀人は右目を隠すと亜紀人、左目を隠すと咢(アギト)と、眼帯の位置によって人格が変わる多重人格者で、兄であるマル風Gメンの室長・鰐島海人(わにじま かいと)から酷い扱いを受けており、樹に救われて彼に好意を抱く。ある日、樹は「ジェネシス」の下部組織である超獣(ベヒーモス)に目をつけられる。超獣は大規模な組織で、そのリーダーで怪力を誇る宇童アキラ(うどうアキラ)は、「牙の王」であり、「超獣」の異名を持つ。また、パンチ力が強力な坂東ミツル(ばんどう みつる)、長い腕でパンチを打つ五所瓦風明(ごしょがわら ふうめい)、催眠効果を持つ美作涼(みまさか りょう)、そしてスピードに定評がある左安良(さの やすよし)がいる。試合が始まると、各々が1対1の戦いを展開。樹は坂東ミツルと対戦し、キューブがミツルのパンチ力で破壊される。一方、咢はアキラと激しい戦いを繰り広げる中、ミツルと樹が空から降ってきて、急遽樹&咢VSアキラ&ミツルのタッグマッチになった。
アキラは外国の闇ブローカーを逮捕するためのおとり捜査中に、蓮花(レンファ)の兄に大怪我を負わせる。その後、樹は蓮花に恋愛感情を抱くが、彼女が近づいたのは「牙の王」咢の弱点を探るためだった。その事実を知った樹は、A・Tを使えない蓮花と共に生きる決意をし、咢から玉璽を奪う。そして、その日からマル風Gメンを辞めて姿を消す。後に超獣のリーダーとなり、「ジェネシス」に参加して他チームの昇進を妨害する。
樹が自由を体現する走りを見せ、アキラもミツルも敗北。結果小烏丸は超獣に勝利した。咢は玉璽を奪還し牙の王に返り咲く。小烏丸に1人の王と玉璽が誕生した。

三峰将(トライデント)編

超獣とのバトルが全世界に発信され、小烏丸の名が広まる。その中で、最大の暴風族連合「ジェネシス」の総長シムカが現れ、チームを小烏丸の傘下に入れるよう求める。ジェネシスが眠りの森を潰すために結成されたことを知り、チーム内で意見が割れるものの、最終的に傘下に入れ、1ヶ月後に宣戦布告することとした。シムカは樹が修学旅行で京都に行くことを知り、「轟の王」ヨシツネ、「王」クラスのパワーとスピードを持つ美女ベンケイ、チームのご意見番ハタケヤマの3人から成る京都の最強チーム・三峰将(トライデント)と会うよう提案する。
樹はクラスメイトと仲間を連れて三十三間堂に到着する。ヨシツネがルールを説明し、元空の王の竹内空の記録「34.5m」を明かす。最初に飛んだヨシツネは「33.18m」を記録。しかし、樹は何度も挑戦を続け、限界近づく中で「35.09m」を記録する。

道具屋(トゥール・トゥール・トゥ)編

樹は、青学女子中学校地下の「大撥条(だいぜんまい)ファクトリー」を管理し、玉璽の調律を専門に行うチーム、道具屋(トゥール・トゥール・トゥ)と出会う。道具屋のメンバーは大半が「閃律の道(リィーン・ロード)」を歩み、若年層のA・Tユーザーに無償でメンテナンスを提供する。メンバーには旧「契の王」で眠りの森の元メンバーの巻上イネ、新「契の王」で巻上を上回る調整能力を持つ皇杞枢、事務次官の石和はこ、副リーダーの二条このみ、リンゴの調律者・奏音、雷の王の調律者・奈々、ハッキングが得意な鈴木あみ、そして元副リーダーで創立時からのメンバーであるルーンが含まれる。ある日、大撥条が動いて「鱗の門(グラムスケイル)」が開き、雷の王・鵺(ぬえ)が攻撃を受け、雷の玉璽(いかずちのレガリア)が大破。一方、空の看病をしていたリカは、空から「現役に戻る」と告げられ、何者かに襲われるが、奏音に助けられる。空を見舞いに行った樹は、医者からの指摘を受けて検査し、入院することになる。ジェネシスの新総長になるため、小烏丸はレベルとクラスを上げる。樹の留守中、カズが代理を務め、ベンケイとアイオーンが助っ人として参加する。一方、病院では咢が空とヨシツネにジェネシスと眠りの森の関係、九ツ首の鐘(ナインフォール)の意味を問う。その鐘はトロパイオンの塔への門を開く予兆で、ジェネシスはその塔の頂点を目指す。
その頃、自主練習中のカズとエミリが眠りの森の一員に襲われる。カズはエミリを抱えて逃げ、アイオーンが助けに入る。襲った者は王並みの力とレガリアを持つ。アイオーンが敗北寸前のとき、調律が終わった鵺が現れ、雷のレガリアの無限の空(インフィニティ・アトモスフィア)で敵を撃破する。
その頃、空は病院で樹を鍛えていた。樹は王について学び、伝説のショップ「グランスラム」から得たパーツが風の玉璽「バグラム」であると気づいた。シムカが訪れ、樹の調律者になりたいと申し出たが、樹はその申し出を断った。しかし、シムカが眠りの森で襲撃され、同じ病院に運ばれてきた。樹は怒りと悲しみを抑え、枢の慰めにより仇を討つ決意をした。そして、枢は樹の調律者となり、バグラムを復活させることを誓った。
ベンケイの指導のもとで訓練を積んでいた小烏丸は、眠りの森の王蟲に襲われた。ベンケイは戦い、ヨシツネの助けもあり、王蟲に勝利した。その戦いの中で、カズは王の資質を開花させた。一方、樹は退院テストを通過し、空から教わった技をマスターする。退院後、家に帰った樹はリンゴと奏音が話しているのを見つけた。奏音はリンゴと樹が対立するよう仕向け、2人のバトルが勃発。結果は引き分けとなり、樹は空を目指す理由を見つめ直し、野山野家を去る決意をした。

旧・眠りの森編

リンゴとの戦い後、樹は道具屋の集まりへ向かう。はこが自身のパーツになるよう頼むが、樹は断る。はこは空の王の調律者への執着を見せ涙する。リンゴとの戦闘で壊れたバグラムは、実は枢ではなくはこの作品だった。事実を話している最中、刺客が現れ、はこは連れ去られる。イネは現場を落ち着かせ、樹を塔へ連れて行く。塔の最深部で眠りの森が待ち受けていた。樹は確信を持つ。リンゴ、ミカン、ウメが立ち、キリクと名乗る男が話し始める。A・Tは無重力移動手段で、眠りの森との戦いは無重力A・Tバトルだった。キリクや空は「天空の塔」でロスト・エネルギー問題解決のために生み出された子供たちで、無重力化すると瞳孔に十字架が現れる。彼らは「立体把握幹」や「生体羅針盤」の能力を持ち、相手の次のアクションを予測する。能力の劣る重力子は処分される運命だったが、キリクの訴えにより免れる。空、キリク、スピット・ファイア、イネ、ファルコ、ドントレス、ブラック・バーンは塔から脱出し、旧眠りの森へ逃れた。全員が王で、野山野梨花は単独で活動し、荊の王となり、空と友情を育み眠りの森へ入った。これが旧眠りの森の誕生だ。リンゴ、ミカン、ウメは第二世代の重力子だ。キリクがリカの家を訪れ、彼らがまだ研究されていることを知り空に報告したが、キリクだけが知らなかった。そのためキリクは対立した。空は重力子を特別な存在と考え、キリクは重力子を二度と作ってはならないと考えた。塔の最深部には、空の玉璽が眠っている。空はそれを解放し人間を精査しようとしたが、キリクは阻止し戦い挑み勝利し、眠りの森を空から取り戻す。空は創世神という新しいチームを結成し活動を続けた。過去が明らかになり、空が敵であると知った樹は動揺する。その時、スピット・ファイアはカズに炎の玉璽を託し、現れた刺客と戦い始める。相手は武内宙(たけうちそら)、またはニケと名乗る竹内空の双子の弟で、緋翠の道(ジェド・ロード)を走る石の王だった。キリクとの戦いで石の玉璽を奪い新たな力を得て石の王となった。スピット・ファイアは苦戦し、かつてのパートナーアイオーンが助けに来る。二人は道燭の道(アポロン・ロード)を走り、ニケを追い詰めたが空が現れ武内兄弟に敗北した。カズは炎の玉璽を託され逃げたが、スピット・ファイアは殺害された。空は樹に通信し、樹がバグラムを完成させるためのパーツであったことを暴露し宣戦布告。樹は絶望する。

鱗の門トーナメント(グラムスケールトーナメント)編

樹とカズは悲しみによりA・Tに触れられなくなるが、スピット・ファイアが残した炎の玉璽内のメモリースティックには、彼の死を覚悟した姿が記録されていた。未来への希望を託された2人は、スピット・ファイアの意志を継ぎ、再び立ち上がる決意を固める。
樹の心配をした関係者たちは集まり、コロ爺は樹を「嵐の王」と名付けた。小烏丸は自身のレベル向上のために鍛錬を始めた。枢は小烏丸のために何ができるかを考えた。枢は父が率いる「シリウス商会」を次の対戦相手として、契の王として小烏丸には勝利ではなく「価値ある敗北」を見せることを決意。小烏丸は敗北するが、価値ある敗北だった。「契の王VS嵐の王」の勝者は契の王となり、小烏丸は価値ある敗北を経験する。自分たちの実力と欠点を知った樹は、枢に嵐の玉璽を作るよう頼み、戦いは終わる。小烏丸の合宿の最中、咢はジェネシスの「牙の王」で、水棲の魔龍(オルカ)として知られるウェルキン・ゲトリクスに襲われる。彼は水を操る技で攻撃し、カエサルはその監視者だった。プライドが高いカエサルは血に執着し、出血すると理性を失った。咢は亜紀人の力を借りてカエサルを倒したが、ウェルキンに追い詰められた。中山弥生は戦いに巻き込まれ負傷したが、咢の中から別の人格、凛鱗人(リンド)が現れた。凛鱗人は脳基移植により「心の翼」を持つ者とされ、戦いを逆転させた。しかし、咢は凛鱗人に交代するよう命じ、体を取り戻して勝利した。中山弥生も救出され、危機を脱する。九ツ首の鐘が7回鳴ると、全暴風族が天空の塔に集まり、バトル鱗の門トーナメント(グラム・スケイル・トーナメント)へのエントリーが必要となる。樹はA・Tのメモリーカードを誤って使用し、小烏丸はエントリー期間終了後に登録できなかった。しかし、「無機ネット」という永久シード枠のあるチームの情報を得て、シムカの知り合いの、初代牙の王であるファルコに交渉に行った。ファルコは無機ネットの管理人で、条件として仮想対戦での勝利を要求した。対戦相手は旧眠れる森の8人の王で、Aクラスバルーンの勝負を行った。パンサーのみがバルーンにタッチでき、カズ、樹、咢は囮を担った。咢は故意に狙われ、中山弥生は戦いの中で才能を見出され、咢の調律者となった。安達絵美理もA・Tを履き、パンサーとしてバルーンを追った。キリクに追われたが、チームの支援でバルーンを獲得し、小烏丸は永久シード枠を確保した。

鱗の門トーナメント(グラムスケールトーナメント)最終戦1編

永久シード権を獲得し、別の空間へ移動した小烏丸を待っていたのは、第44代アメリカ合衆国大統領、ジョン・エンキドゥ・オマハだ。彼は「無機ネット=スカイリンク空間」の守護者で、「空の玉璽計画」を知っている。小烏丸はそこでテストを受け、新生ジェネシスに襲撃される。エミリは目を覚まさず、オマハと入れ替わり、アメリカへ帰国する。小烏丸はグラムスケイルトーナメントへの参戦を迫られ、包囲網が形成される。片足を失ったベンケイが轟の玉璽を持って現れ、空から送られたガウェインが刺客として現れる。しかし、ニケの到来により、ヨシツネとベンケイは敗れ、ヨシツネは轟の玉璽をベンケイ、そして樹に託す。枢は嵐の玉璽に必要なパーツを探していたが、空によってすべて奪われていた。そこに轟の玉璽が届き、「風は轟いて嵐は生まれる」とヨシツネが言い残し、嵐の玉璽のコアが完成する。リンゴが現れ、樹に「今夜深夜0時に眠りの森VS空率いる新ジェネシス」があると伝える。樹は空を倒す決意をリンゴに報告し、決勝での対決を誓う。深夜0時前、眠りの森に空が現れ、リカが捕らわれていることが判明する。これは眠りの森を動揺させる作戦だった。リンゴは総長としてリカを救出することを選ばず戦いを優先するが、ミカンはリカを助けるためにチームを抜けると言い出す。リンゴは阻止しようとするが、ミカンからリカの妊娠を明かされ思いとどまった。グラムスケイルトーナメントで戦っていた小烏丸は、アイオーンの盗聴器を通じて眠りの森の状況を知り、樹が救出に向かうと決意する。しかし、目の前の敵は強大で、すぐには動けない。キリクからの助言を受け、助っ人を指示して勝利を収める。その後、樹たちはジェネシスのエリアに向かい、ニケが守る空母で囚われているリカの救出に赴く。アイオーンとリンゴが合流し、最終戦の幕が開ける。到着と同時に雷の王鵺が立ちはだかり、樹は抑えつつ他の者たちに先行を促す。樹と鵺の一騎打ちが始まり、鵺は重装備を身にまとい、第2世代の重力子であることが判明する。樹は劣勢だが、アイオーンの部下である相川妙子(あいかわたえこ)が巨大なA・T「フォッケ・ウルフ」を装着し、8人の王の技を再現して樹を支援する。鵺を倒した樹は雷の玉璽を託される。一方、各地でバトルが勃発し、アイオーンは小烏丸との戦いを経て認めたメンバーを集結させる。咢はアーサーとシャーロットに立ち向かい、アーサーは鏡の技を使い、シャーロットは姿を隠して攻撃する。咢は窮地に陥るが、鰐島海人の助けを借りて勝利する。ブッチャはウェルキン・ゲトリクスと対峙し、仲間の力を借りて勝利を収める。オニギリはシェラサザード・サロメと戦い、ニケによる窮地を乗り越え、アイオーンとカズと合流する。カズはニケとの戦いでピンチに陥るが、ベンケイの助けで勝利し、最後の敵である空との対決が残される。

最終戦 風の王VS嵐の王編

道具屋のメンバーが調律者候補として名乗り出るが、樹はリンゴを選ぶ。空に洗脳されたリカは天空の塔へ向かい、眠りの森を襲撃。空は勝利し、天空の塔の頂上に君臨する。そこへ樹とリンゴが到着し、嵐の玉璽を賭けてパーツウォウでの勝負に挑む。樹は風を捉え、リンゴと共に急降下するが、空たちはリンゴを狙って攻撃。リンゴは重傷を負うが、樹に救われる。空はリカを先に行かせ、樹を本格的に攻撃するが、戦いの中で成長した樹に追い詰められる。空は「無限の空(インフィニティアトモスフィア)」の「赤い翼(ブラッディウイング)」を発動するが、樹は「無風結界(アストラルメイカーズ)」でそれを撃破した。すると空はリカの玉璽を暴走させ、さらにパワーを上げる。樹はリンゴに嵐の玉璽を組み込み、リカの暴走と空の技を打ち消す。リカの洗脳が解け、樹と空の戦いに決着がつく。樹は地面に落下する空を救出し、地上にゴールした。樹とリンゴが勝者となったのだった。

『エア・ギア』の登場人物・キャラクター

小烏丸(こがらすまる)

南樹(みなみいつき)

CV: 鎌苅健太(幼少期)、寺田はるひ、岡本信彦(OAD)
本作の主人公で、「南のおじさん」に預けられて幼少より野山野家で暮らしていた。髪の中に「クゥ」というカラスを飼っており、本人も「カラス」というあだ名で呼ばれる。野山野家の姉妹とは喧嘩ばかりだが、家庭に負担がかかるとしてバイトをしたり、修学旅行に行かなかったりなど家族のことは心の奥で思ってる。"翼の道(ウイング・ロード)"を走り「『空の王』に最も近い男」と呼ばれ、武内空から"翼の道"風を掴む力を教わり、A・Tを始めて間もないが王レベルの力を持つ。「ジェネシス」の総長として「眠りの森」総長である林檎と戦い、駆け付けた枢によって風の玉璽を得て引き分ける。そのバトルで自分が空を目指す理由を見つめ直し、自らの翼で飛ぶために居心地の良い野山野家を去った。武内空が枢の作った風の玉璽と石和を奪い、実の兄のように慕っていた空に裏切られたことで絶望し無気力になるも、スピット・ファイアがA・Tのメモリースティックに残した最期のメッセージにより気力を取り戻す。この際、コロ爺より新たに“凱嵐の道(ハリケーン・ロード)”(嵐の字は「嵐」が2つ)「嵐の王」の名を貰い受け、これまでは一部しか見えていなかった技影(シャドウ)が無数の翼を携えた剣の巨鳥に跨る漆黒の剣士の姿としてはっきりと出現した。白狼会との一戦で今まで不要と思っていた玉璽と調律者の重要性に気付き、枢に"嵐の玉璽"の制作を依頼する。
カズ戦での空気の壁や無機ネット戦で空と同じ技を使っていることから、風を掴む力は完璧に仕上がっていると言える。また、カズ、ブッチャ、咢と協力して"無風の結界"と呼ばれる技を編み出しており、咢はこれが武内空に対する切り札になると見ている。
空母での戦いでは仲間たちを先へ進ませ妙子とともに甲板に残り、待ち受けていたチーム「ブラック・クロウ」と交戦。後にミツルやファルコを筆頭に、アイオーンによって集められたかつての強敵たちと合流、正体を明かした首吊り男=ブラック・バーンの助けもあり、激しいタイマン勝負の末に鵺に勝利する。鵺から雷の玉璽の核を譲り受けて宙(ニケ)と戦うカズの下へと現れ、既に所持していた轟、雷のほかに牙、炎、石の玉璽をそれぞれ咢、カズ、シムカから託され、林檎に嵐の玉璽を作成するための調律を依頼する。
空の玉璽を持った空との最終決戦では林檎との2対2のタッグを組み、中盤まで互角の戦いを繰り広げるも、本気になった空に圧倒される。
その後、風を完全に掴む事に成功し対等に戦える様になり、最終的には空の予想を遥かに超える成長速度により勝利した。

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