ギリシャ神話徹底解説・考察まとめ！おもしろくて分かりやすい！

ゼウスの妻。非常に嫉妬深く、ゼウスが浮気するたびに猛烈な勘気を発揮した。
恐ろしいことに、勘気の対象は浮気をしたゼウスだけでなく浮気の相手となった女性にも及ぶ。ゼウスになるレイプやストーキングの一方的な被害者であってもこれは変わらず、場合によってはその周囲の者たちまでも巻き込まれる。「神」の理不尽さを象徴するような存在である。

その他の神々

ウラノス

ガイアと共に生まれた原初の神。ガイアを妻とし、彼女との間に何柱もの神を産んだ。
息子のクロノスに神の王としての座を奪われるが、死んだわけではないらしく、その後も登場する。

ガイア

大地を司る女神。ウラノスと同時に生まれた原初の神で、彼の妻となって何柱もの新たな神を産んだ。
自分が産んだ息子や娘に対しては愛情深く、これを傷つける者は夫であろうと孫であろうと非常に攻撃的。神々だけでなく、テュポーンのような怪物の母でもある。

クロノス

ウラノスとガイアの間に生まれた、農耕を司る神。ウラノスから神々の王としての座を奪うも、自身も己の子であるゼウスに追い落とされることとなる。兄弟を率いてゼウスに挑むも破れ、地の底へと封じられた。
なお、ギリシャ神話には同じ「クロノス」という名前の時を司る神が存在するが、これは後の時代に追加されたもので、農耕神としてのクロノスとは無関係である。

人間

ヘラクレス

ゼウスが人間の女性に生まれた人物。筋骨隆々の偉丈夫で、超人的な身体能力を持っている。
本来は半神半人の英雄として輝かしい人生を歩むはずだったが、ゼウスの浮気を許せないヘラによって過酷な運命を歩まされる。それでも困難な冒険を成功させ、神々も手を焼くほどに強力な魔物をことごとく打ち破り、いくつもの試練を乗り越え、比類なき勇者として名を馳せていった。ギリシャ神話の中でも特に有名な英雄である。

アキレウス

ギリシャ神話の末期を代表する英雄の1人。神の血を引く戦士で、ギリシャ1の俊足とアキレス腱（カカトという説もある）以外は無敵というすさまじいタフネスで大活躍していた。
トロイア戦争に参加し、唯一の弱点であるアキレス腱を射抜かれ、それでもなお戦い続けた末に死亡する。彼の名前と弱点の逸話が、アキレス腱という言葉の語源ともなった。

ヘクトール

トロイアの王子。弟のパリスがスパルタの王妃を連れ去って自国に戻ってきたため、スパルタとその同盟国の連合軍を相手に戦わざるを得なくなる。
優れた指揮能力とトロイアの頑強な防壁、神々の加護によって数の差を覆し、連合軍を相手に一進一退の戦いを繰り広げる。この戦争は「人類の数を減らし、神々の血を引く英雄を人間たちの間から取り除こう」とする神々の策略によるものだったが、ヘクトール自身がそれを察していたのかどうかは不明。

魔物・怪物

テュポーン

ギリシャ神話において最大かつ最強の魔物。上半身はほぼ人間で、下半身は複数の毒蛇になっており、立てば星々に触れるほどの巨体の持ち主だったとされる。
クロノスやギガースといったオリンポスの神々さえ苦戦させる強敵を打ち破ってきたゼウスが、唯一真正面からの戦いで後れを取った存在。「ゼウスが勝てないなら、テュポーンに正面から挑んで勝つことは誰にもできない」と判断した神々の策略で弱体化し、それでもなおゼウスを苦戦させるが、最後はエトナ山の下敷きにされる形で封じられた。

ヒュドラ

テュポーンの血を継ぐ魔物の1体で、9つの頭を持つ大蛇。触れれば神々でさえも苦痛に気が狂う、恐るべき猛毒を有している。さらに不死身の肉体を持つとされており、首を切り落としてもすぐに新しいものが生えてくる。
ヘラクレスによって退治され、その毒は回収されて彼の強力な武器となる。しかし最終的にはヘラクレス自身もこの毒に侵され、人としての命を失うこととなった。

淡水生の無脊椎動物のヒドラは、「見た目がヒュドラに似ている」ことから名前がつけられた。

ギリシャ神話の名言・名セリフ／名シーン・名場面

テュポーンの討伐

オリンポスの神々と、ギリシャ神話最大最強の魔物であるテュポーンの戦いは、その壮絶な内容と巧妙な策略で非常に読み応えのあるものとなっている。
名前だけ聞けば気が抜ける印象もあるテュポーンだが、いかなる敵も真正面から打ち破ってきたゼウスが真っ向勝負で初めて敗れるという恐るべき強さを発揮。その強さを知ったオリンポスの神々は恐慌するが、諦めずに逆転のための策を練り、テュポーンを少しずつ追い詰めていった。

ヘラクレスの12の試練