蔵馬(幽☆遊☆白書)の徹底解説・考察まとめ

蔵馬(くらま)とは冨樫義博原作の漫画『幽☆遊☆白書』及びテレビアニメの登場人物。メインキャラクター4人のうちの1人で、元は妖狐という魔界で名の知れた盗賊だったが、瀕死の重傷を負って人間界に逃げ込み、妊娠していた南野志保利の胎児に憑依・転生。その後、復活のタイミングを図りながら志保利の息子・南野秀一として暮らしていた。主人公・浦飯幽助の敵として登場したものの、彼に救われ、その後味方として活躍する。容姿端麗で頭脳明晰な人物で、作中でトップレベルの人気を誇る。

「遊熟者(ゲームマスター)」の能力者である少年。領域はTVゲームを現実化した世界で、ゲームのルールから外れた暴力行為はできない。彼自身は認識していなかったが、キャラクターの死さえも忠実に再現してしまうため、死を扱うゲームでの能力の使用は避けるよう仙水から事前に忠告されていた。ゲームはクイズ系は苦手と自称するが、それでもクイズの出題パターンを見抜くなど天性のゲームセンスを持つ。
ゲームで自分と互角以上の勝負をした仙水と仲良くなり、彼の誘いを受ける。能力者に目覚めた後は人間界が破滅することになっても「ゲームで俺に勝てる奴はいないから平気」という考えを抱き、仙水の仲間となった。
幽助一行とはゲームバトルを展開。スポーツ「テニス」で御手洗、シューティング「バトルヘリ」で幻海、パズル「バトルブロック」で柳沢にゲー魔人を倒された後、ゲー魔王役の自身が出陣。海藤相手にクイズ「一般」で勝利した後、蔵馬とパズル「スリーセブン」を展開。蔵馬から仙水に利用されているに過ぎないことを気づかされ、後悔するも能力を解くことが出来ずにゲームのルールにより死亡した。しかし後にコエンマの遊魂回帰の術により復活。事件後はゲームを通じて友人が増え、普通の学生生活を送っている。小学校卒業後は私立中学に進学した。

巻原定男(まきはらさだお)

「美食家(グルメ)」の能力者。領域は体内。食った相手の能力を全て自身のものにできる。
仙水の策で能力を使って戸愚呂兄を捕食して体内に取り込むが、不死身である彼を消化することは出来ずに逆に肉体と精神、そして能力さえも乗っ取られてしまう。
仙水の「巻原に勝てたら桑原は解放する」という案を受けて幽助一行の前に立ちはだかる。天沼を死に追いやった直後で怒りが収まらない蔵馬を挑発し、蔵馬の心の声が途絶えた際に薔薇棘刃鞭(ローズウィップ)頭部下の歯から上の部分を切断された。これにより巻原は意識がない状態で死亡し、頭部下から戸愚呂兄が正体を現し、巻原の胴体はそのまま彼の身体として完全に乗っ取られた。結局巻原の身体は戸愚呂兄と共に邪念樹に寄生されたままの無間地獄をさ迷い続けることになった。

仙水忍(せんすいしのぶ)

かつて2代目霊界探偵を務めていた男。究極の闘気「聖光気」を操り、実力はS級妖怪と同等。主人格である忍をはじめ、ミノル・カズヤ・ジョージ・マコト・ナル・ヒトシの7つの人格を保有し、人格ごとに性格や使う技が異なる。
主人格の忍は少年のような純粋さを持ち、ミノルはお喋りでプライドが高く、殺人狂のカズヤ、武器商人ジョージ、傷つき易く泣き虫の女性人格のナル、家事や雑務担当のマコト、動物の世話をするヒトシ、とそれぞれ役目や性格が大きく違う。ナルは樹の前にしか姿を現さない。

小さい頃から霊力が強く、そのため妖怪に命を狙われることが多かった。妖怪を悪・自分を正義の戦士だと思い、霊界探偵として正義感から妖怪を退治してきた。
しかし退治するはずだった妖怪の樹がテレビ番組を楽しみにしているなど、人間臭い性格だったことに面くらい、樹を殺さずに仲間にした。
その後探偵活動で、当時のBBCが界峡トンネルを作って利用するのを阻止しに行き、そこで妖怪を玩具にする残酷な人間たちの姿を目撃。その場に居た全ての人間を殺し、人間不信に陥り失踪した。多重人格になったのは、この件の影響から。
しばらく姿をくらましていたが、暗黒武術大会で戸愚呂弟に吹っ飛ばされて海を漂っていた戸愚呂兄の電波をキャッチし、戸愚呂兄を保護。戸愚呂兄の話から左京や界境トンネルを作ろうとしていたことや幽助の事を知り、界境トンネルの結界を破り人類を死滅させる計画を立てる。

ミノルが中心となって仲間を集め、仙水一味の中でのコードネームは「暗黒天使(ダークエンジェル)」である。幽助と戦う際にはミノルが主人格のように振舞っていたが、幽助がミノルとカズヤを倒すまで忍は数ヶ月現れていなかった。忍は聖光気を使うことができ、他の人格よりも戦闘力のレベルが違い、幽助の心臓を攻撃して殺害した。幽助を倒したことで感情が爆発してパワーアップした桑原が結界を切り、仙水は飛影・蔵馬・桑原と共に魔界へ行き、3人を相手に圧倒。
その後魔族覚醒した幽助と互角に戦うが、幽助が雷禅に意識を取られた後は圧倒され、霊玉で致命傷を負い死亡した。
死ぬ間際、本当は悪性の腫瘍によってあと半月の命であり、魔界で死ぬという願望のために魔界へ続く穴を掘ったと明かす。そして次は妖怪に生まれたいと願い絶命、「死んでも霊界には行きたくない」という遺言を受けた樹によって仙水の遺体は亜空間へ連れて行かれた。

海藤優(かいとうゆう)

蟲寄市在住の高校2年生で、「禁句(タブー)」の能力者。言領域内では暴力行為が見えない壁で阻まれ、指定された言葉を発した者の魂が奪われる。禁句には意味も意図も存在せず、その文字の組み合わせを発するだけでも適用される。この禁句ルールは彼自身にも適用され、自分で言ってしまった場合は海藤の魂が抜かれて体の外に出た状態で領域が解除される。抜かれた魂を自分で元に戻すことはできない。禁句は予め指定しておくこともできるが、時間経過で変化していくようにもできる。領域の最大半径は10メートルで、出入りは自由。
桑原たちの魂を抜いた後、蔵馬と“時間経過と共に「禁句」を1字ずつ増やす”ルールで対決。時間切れ直前で蔵馬が面白い顔をしたため笑い声の形で「禁句」を言い、魂が抜けて敗北した。
その後、幽助たちと行動を共にするようになってからはサポートに回る。天沼戦では、ゲー魔王役の天沼とクイズで対決。約20000問全てを記憶していることから、最初は優位に立つが、天沼がクイズの出題の法則を見抜いたために窮地に陥り、勘を頼りに対抗するが、ミスが続いたために敗北した。

蔵馬と同じ盟王高校に通う同級生。蔵馬によると「盟王高校始まって以来の秀才」で成績は学年の1、2を蔵馬と争うほどである。趣味は読書・俳句・翻訳。言語研究の著述もしており、哲学論文や文芸批評の本も出している。ゲーマーでもあり、特にクイズとパズルが得意。事件前は蔵馬に総合テストでは1度も勝てずにいたことから強烈なライバル心を抱いていた。「禁句」対決で蔵馬に敗北してからは打ち解けて良き友人となり、正体を知った後も以前と変わらず「南野」と呼んでいる。

魔界統一トーナメント編

黄泉(よみ)

魔界三大妖怪の1人で、かつて蔵馬とともに盗賊稼業を営んでいたが、粗野な性格をしていたために見限られ、放たれた刺客によって両目を失う。その後、年月をかけて実力を上げ、雷禅や軀と並ぶまでになった。
蔵馬を自分の軍団にスカウトし、再び手を組もうと提案。腹の底では蔵馬のことを完全には許していなかったが、魔界統一トーナメントを通して、純粋に戦うことの楽しさを思い出し、蔵馬とのわだかまりも解消した。

renote.net

鯱(しゃち)

黄泉国家の軍事総長。数百年に渡って将来有望な幹部候補を暗殺しナンバー2の地位を守り通してきたが、妖狐に戻った蔵馬には全く歯が立たなかった。

蔵馬の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「皮肉だね 悪党の方が きれいな花が咲く」

暗黒武術会で六遊会チームの呂屠と戦った蔵馬。弱小妖怪の呂屠は、蔵馬の母の近くに使い魔をつけており、自分を攻撃するようであれば彼女に危害を加えると発言。母を守りたい蔵馬は攻撃をやめ、一方的になぶられる展開になってしまう。しかしこれは蔵馬の策だった。接近してきた呂屠の体に魔界のシマネキ草の種を植えると、その根が全身に行き渡った頃合いを見計らって無抵抗状態を解除。怒りのこもった「死ね」という言葉で、体内のシマネキ草が爆発的に成長し、呂屠体を突き破れ絶命した。
試合終了時、蔵馬は「皮肉だね 悪党の方が きれいな花が咲く」と言ってリンクを後にした。キザっぽいが、ブラックユーモアが効いた蔵馬らしさを感じさせるセリフである。

「まさかまた この姿に戻る日が来るとは…妖狐の姿にな」

闇アイテムの力で、妖狐の姿に戻った蔵馬。

「暗黒武術会編」の裏浦島戦で、前世の実の力で妖狐の姿に戻った際の言葉が、「まさかまた、この姿に戻る日が来るとは…妖狐の姿にな」だ。それまでは妖狐は回想で登場してもはっきりと描かれなかった。元の姿を取り戻したかった蔵馬の驚き、そして妖狐の姿を見たいと思っていた読者の気持ちを代弁するかのようなセリフである。
鋭い目つきと荒々しい言葉を話す妖狐は、穏やかで紳士的な蔵馬の姿とは全く別物。それまで強気だった裏浦島が妖狐の妖気の強大さに当てられ、すっかり戦意喪失してしまったことからも、妖狐に戻った蔵馬が並の妖怪ではないことがうかがえる。魔界の実に関する情報を引き出すために、裏浦島を拷問しようとする姿も衝撃的だった。
普段の蔵馬とは違う、禍々しい雰囲気に魅了されたファンも多い。

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