軀(幽☆遊☆白書)の徹底解説・考察まとめ
軀(むくろ)とは、冨樫義博の漫画『幽☆遊☆白書』およびそれを原作としたアニメに登場する敵キャラクター。作品終盤に登場した魔界三大妖怪の1人。いつもは包帯で顔を隠している。一人称は「俺」だが、性別は女性。魔界随一の軍事力を誇る軍団を有している。魔界三大妖怪の雷禅の死期が近いことから、残る1人の黄泉との全面戦争に供えて、主人公・浦飯幽助の仲間の飛影をスカウトした。飛影の記憶を知り、自分の過去を彼に見せた。
軀の概要
軀(むくろ)とは冨樫義博の漫画『幽☆遊☆白書』およびそれを原作としたアニメに登場する敵キャラクター。作品終盤に登場した魔界三大妖怪の1人で、いつもは包帯で顔を隠している。一人称は「俺」だが、性別は女性。黄泉や蔵馬よりも年上である。
軀の軍に属する妖怪は雑魚でもA級妖怪で、三大妖怪の中でも1番の軍事力を持ち、厳選した77人の戦士を直属の側近にしている。
主人公・浦飯幽助(うらめしゆうすけ)の先祖である雷禅(らいぜん)、妖狐・蔵馬(くらま)の古い盗賊仲間だった黄泉(よみ)と肩を並べ、500年以上にわたって互いに睨み合いを続けていた。雷禅の死期が近いことを知り、黄泉と全面戦争になることを見越して戦力増強目的で幽助の仲間の飛影(ひえい)を部下としてスカウト。死に場所を求めていた飛影の過去を知り、自分の過去を彼に見せた、生きるよう告げた。
その余りの強さゆえに、ほとんどの妖怪たちは彼女との接触を極力避けている。精神状態に大きく左右されるため、魔界統一トーナメントのような和やかな大会では本来の実力の半分程度しか発揮できない。
連載終了後の雑誌企画で行われたキャラクター人気投票では、5位にランクインした。
名前の由来は、死体を意味する「むくろ」からで、作者お気に入りのキャラクター。キャラクターのモデルは『風の谷のナウシカ』に登場するクシャナとのこと。
軀のプロフィール・人物像
CV : 高山みなみ
いつもは丸く大きく開いた右目のみを残して包帯で顔を隠しており、さらにその上から呪符を貼り付けている。両腕は組んだ状態で布で包まれ、錠のようなもので縛っている。
一人称は「俺」で、黄泉や蔵馬よりも年上である。その素顔は、赤味がかった茶髪のショートヘアの美しい風貌の女性。だが、顔を含めた右半身が酸により焼け爛れており、右腕と右大腿部は機械化されている。
饒舌であり、時々皮肉や冗談を言うことがある。常に悠然と落ち着いているが、ノリや感覚に対して素直に行動する面も見られ、幽助が唐突に魔界統一トーナメントを提案した際には即賛成・即国家解散に踏み切った。
無秩序な魔界が好きで、現状維持を望み、霊界や人間界に干渉するつもりはないと語っている。そのため、魔界に秩序を求め、魔界の外にも勢力を伸ばそうと企む黄泉とは馬が合わない。雷禅とは対立しながらも、雷禅の死後は墓前に一輪の花を手向けるなどの行動も見せた。生前の雷禅も、軀はむしろ幽助と気が合うかもしれないと考えていた。
元々は魔界の奴隷商人痴皇(ちこう)の娘で、玩具奴隷として生まれ育った。
生まれた時に腹を改造され、痴皇に弄ばれ、恐らく子供を宿し生む機能を奪われている。
7歳の時に自ら酸を被った。これが顔を含めた右半身が焼け爛れている理由である。これによって痴皇の興味を失くさせ、自由を手に入れた。
しかしこの時に痴皇に復讐防止の催眠を掛けられ、痴皇に殺意を抱くと「痴皇から愛情を受けた」という偽の記憶を思い出し、苦しめられるようになる。
その後目に映る物を全て殺す日々を続けた。呪うことで強くなっていき、国家を築き、食人鬼の雷禅(らいぜん)と共に魔界二大妖怪と呼ばれる程の強さを持つようになる。
しかし精神状態で強さが変動するため、和やかな雰囲気で行われた魔界統一トーナメントでは、本気を出しきれなかった。本気でキレた時は手がつけられない。
雷禅の死が近いことを感じ、三大妖怪と呼ばれるまで強い勢力を持った黄泉(よみ)と全面戦争をするために、飛影をスカウト。
飛影と部下の時雨を戦わせ、見事な試合をした飛影に褒美として氷泪石を返却した。
重傷を負った飛影を施設で回復させ、その際に軀は飛影の記憶を見て、飛影には軀の記憶を見させた。
軀の能力・必殺技
高い戦闘能力
「闘神」と呼ばれ、絶大な強さを誇る雷禅と並び、「二大妖怪」と称されていた軀。原作では戦闘シーンの描写はないものの、妖狐として魔界で盗賊をしていた頃の蔵馬もその存在を知っていたり、魔界統一トーナメントで彼女に恐れをなした妖怪がこぞって棄権したりと、相当強い人物であることがうかがえる。
ただ、その強さは精神状態に大きく左右されるため、比較的和やかな雰囲気だった魔界統一トーナメントでは、本気を出しきれず敗退している。彼女の部下によると、実力の半分も出せていなかったとのこと。
その後、誕生日が近くなって精神的に不安定になっている軀の怒りを買った飛影が、強烈な一撃を受けている。その彼が「この力を出せば、トーナメントは楽に優勝できた」と言っていることから、部下の発言は誇張ではなかったことが分かる。
空間を切断する能力
アニメのオリジナルの技で、魔界統一トーナメント対飛影戦で使用した。右手を振りぬいた軌跡に沿って空間が切り裂かれる。性質上、どんな硬度を持った物質でも空間ごと断裂されてしまうため防御は不可能。
斬られた空間の線はそのままであるため、後でその切断面に触れると自動的にまた切断されてしまう設置トラップのような効果もある。
軀の来歴・活躍
飛影との出会い
目に映る物を全て殺す日々を続け、呪うことで強くなっていった軀(むくろ)。国家を築き、食食人鬼の雷禅(らいぜん)と共に魔界二大妖怪と呼ばれるまでになる。
そんな時、貢ぎ物として献上されたのが氷女という妖怪の結晶化した涙「氷泪石」。これは魔界で盗賊として名を馳せていた飛影(ひえい)が落としたものだった。氷涙石には癒しの効果があり、軀は石を見ることで抱き続けていた憎しみが癒されていく。
そんなある日、雷禅の死期が近いことを知った軀。もう1人の三大妖怪・黄泉(よみ)との全面戦争に供え、戦力増強を目的に飛影をスカウトした。
しかし飛影は、故郷と行き別れた妹・雪菜(ゆきな)を見つけ、自分の物ではないが雪菜の氷泪石を預かったことで、生きる目的を失くし、死に場所を探すようになっていたのだ。
その状態で軀の部下・時雨(しぐれ)と戦い、相打ちになった。軀は2人に再生治療を施した際に飛影の記憶を見た軀は、自分の過去を初めて他人に明かす。そして氷泪石を返そうとするが、飛影からは拒否される。しかし、軀も「お前はまだ死に場所を求めるほど強くない」と彼の死を拒否した。
魔界統一トーナメントへの出場
雷禅の死後、彼の墓に花を供えた軀は、幽助の提案に乗って魔界トーナメントに出場する。
トーナメントの予選では、他の出場選手たちが彼女の強さに恐れをなして全員棄権。不戦勝という形で、自動的に本選進出が決まった。
2回戦で雷禅の昔の喧嘩仲間の棗(なつめ)を倒し、3回戦で飛影に勝利する。しかし、準々決勝で雷禅の喧嘩仲間だった煙鬼(えんき)に敗退。
様々な猛者がしのぎを削る中、第1回魔界統一トーナメントの優勝者は煙鬼となった。
チャンピオンとなった煙鬼は「人間界に迷惑をかけないこと」という法律を定める。
各自は平穏を取り戻し、3年後の第2回目のトーナメントへ向けて修行を開始するのだった。
魔界トーナメント終了後、軀は飛影たちと共に魔界パトロールとして活動をする。
過去との決別
誕生日が近くなると痴皇から受けた性的虐待と、痴皇から受けた愛情を思い出して情緒不安定になる軀。
そのことを察した飛影が軀の心に土足で上がりこみ挑発する発言をしたため、トーナメントで軽く優勝できたであろう力で飛影を吹っ飛ばした。
重傷を負った飛影だったが、人間界に戻った蔵馬を頼り、傷の治癒と、寄生植物のヒトモドキを調達。魔界に戻ると、痴皇の元に向かって彼を捕まえ、ヒトモドキを寄生させた。
軀の元に飛影が現れた。植物状態になった痴皇を軀に誕生日のプレゼントとして渡し、軀が思い出す愛情の記憶は偽物だったと明かす。
そして、ヒトモドキの寄生した痴皇は頭を潰さなければ死なないため、好きなだけ恨みを晴らしてから殺すと良いと告げた。
軀は一瞬驚いた表情をし、その後穏やかな表情で飛影に微笑みかけるのだった。
軀の関連人物・キャラクター
部下
飛影(ひえい)
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