黄泉(幽☆遊☆白書)の徹底解説・考察まとめ

黄泉(よみ)とは、冨樫義博原作の漫画『幽☆遊☆白書』および、アニメに登場する人物。かつて妖狐蔵馬と共に盗賊団の副総長を務めていたが、粗野な性格に見切りをつけた蔵馬に刺客を差し向けられ失明。その後は聴覚と嗅覚を頼りに実力をつけ、魔界三大妖怪と呼ばれるまでに成長する。魔界の制覇と人間界への進出を狙っていたが、主人公・浦飯幽助に感化されて魔界統一トーナメントに挑んだ。3回戦で幽助とあたり、60時間に及ぶ激闘の末に勝利を収めている。

黄泉の概要

黄泉(よみ)とは、冨樫義博原作の漫画『幽☆遊☆白書』および、アニメに登場する人物。かつて妖狐蔵馬(くらま)が率いる盗賊団で副総長を務めていたが、粗野な性格に見切りをつけた蔵馬に刺客を差し向けられ失明。その後は聴覚・嗅覚を頼りに年月をかけて実力をつけ、雷禅(らいぜん)・軀(むくろ)と並んで魔界三大妖怪と呼ばれるまでに成長する。

魔界の掌握だけでなく、人間界への進出を狙っていた。
当初は主人公で雷禅の子孫である浦飯幽助(うらめしゆうすけ)の発案による魔界統一トーナメントを利用し、自分と息子の修羅(しゅら)で勝ち進めて、魔界を支配しようと考える。しかし突如現れた雷禅のかつての仲間達の放出した妖気を感知し、全員が自分と同等かそれ以上の猛者ばかりであることに驚愕。魔界の実力支配を断念したと同時に、戦士として彼等や幽助と戦ってみたいという衝動に駆られ、自らの国や戦力を解体して修羅と共に一参加者としてトーナメントへの参加を決めた。

トーナメントでは3回戦で幽助と対戦。60時間に及ぶ戦いの末、幽助に勝利。しかしその後4回戦で、雷禅の喧嘩仲間である狐光(ここう)に敗れた。
魔界統一トーナメント後は蔵馬と和解し、修羅を連れて修行の旅に出ている。

黄泉のプロフィール・人物像

CV:江原正士

黒の長髪で高身長、穏やかな表情をした男性の妖怪。過去、蔵馬から送られた刺客によって失明した。角が7本、耳は6つある。

冷静で辛抱強く、かつ相手の行動を先読みして行動する、三大勢力きっての頭脳派。 だが若い頃は我が強く、血気盛んで自分の力を過信するあまり、所属していた盗賊団の中でも単独行動ばかりが目立っていた。
しかし、光を失ったことをきっかけに、考え方も戦い方も変えて実力をつけていく。
そして、魔界二大妖怪と呼ばれていた雷禅、むくろと肩を並べるほどの実力者となった。
彼らの中では最も年齢が若く、野心家。雷禅の見立てでは魔界だけでなく霊界や人間界も侵略するつもりだったもよう。

修羅という名の息子がいる。最初は自分の野望を叶える駒程度にしか思っていなかったが、次第に愛情が芽生え、親バカっぷりを見せるようになる。
トーナメントで修羅と戦った際は、本気で戦う息子に対して死なない程度に手加減しつつも、容赦のない攻撃を与えた。その後、親子2人で修行の旅に出る。

黄泉の能力

優れた聴力・感覚

視力を失ってから、長い年月をかけて音や空気の流れを頼りに戦う術を身につけた黄泉。国家中の会話は全て把握できるほど、優れた聴力を持つ。
また、感覚を研ぎ澄ますことで、相手の体温や血圧・心拍の変化、筋肉の硬直具合、空気の流れを感じ取る。相手の表情や思考、霊気や妖気の動きすらも読み取ることが可能。
しかし、気の流れや聴覚を頼りにしながらの戦闘は消耗が激しく、持久戦は苦手である。

策略家としての一面

戦闘能力の高さだけでなく、魔界三大妖怪きっての頭脳派である黄泉。
蔵馬を否応なく仲間に引き込むために策略を巡らせたり、魔界統一トーナメント開催に賛同したようにみせつつ裏では自分に有利になるよう裏工作をしようと企んだりと、全て自分の思うままに物事を進めようとする。

黄泉の必殺技

魔古忌流煉破反衝壁(まこいりゅうれんぱはんしょうへき)

防御術の1つ。相手の妖気を防御・吸収し、自分の妖力を回復する。アニメ版では霊気は防げないとされ、幽助の霊力を混ぜた妖丸や渾身の霊丸を受けた際に負傷している。

妖気弾

掌に妖気の塊を発生させ、それを発射して攻撃する技。

黄泉の来歴・活躍

盗賊団時代

盗賊団の頃の蔵馬(左)と黄泉(右)。

雷禅(らいぜん)、軀(むくろ)と共に魔界三大妖怪と呼ばれる黄泉(よみ)。国を築き、多くの部下を従える彼はその昔、妖狐蔵馬(くらま)が率いる盗賊団の副総長だった。
しかし、その頃の黄泉は血気盛んで自分の力を過信して単独行動ばかり取っており、ついに蔵馬に見限られてしまう。
蔵馬と別行動を取っていた日、自分より遥かに強い刺客に襲われたのだ。両目を失いながらも相手を退けた黄泉は、ボロボロの状態でも何とか生き延びる。
一方、蔵馬は霊界ハンターに襲われて重傷を負う。霊体となって人間界に向かうと、南野秀一(みなみのしゅういち)の肉体に転生。その後は、蔵馬ではなく南野秀一として人間界で生活していくことになる。

視力を失った黄泉は考え方や戦い方を改め、聴力や感覚に頼る戦法で実力をつけていく。そして黄泉は、自分から光を奪った刺客を捕らえることに成功。死んだほうがマシと思える拷問の末、死を条件に彼の依頼主が蔵馬だと知るのだった。

蔵馬との再会と雷禅の死

雷禅の死が近いことを知り、策略を巡らせる黄泉。

「雷禅の死期が近い」という部下の妖駄(ようだ)の推測を聞いた黄泉は、軀との全面戦争を想定し、戦力の増強を図る。
そして、魔界統一を実現させるにはかつての盗賊仲間である蔵馬の知力が必要になると考え、人間界にいる彼の元に使いを送り、過去の因縁を捨てて協力を求めた。
蔵馬は拒否しようとするが、家族へ危害が及ぶことをちらつかせられ、黄泉の軍に加わる道を選ぶ。
蔵馬を魔界に呼んだ黄泉は、自分から光を奪った刺客を幽閉している拷問室に2人で訪れた。蔵馬が見ている前で依頼主の名を吐かせ、その妖怪にトドメを指している。
口では過去のことは水に流すとは言っていても、心の底では蔵馬に対して負の感情を抱いていたのだ。

蔵馬加入後、かねてから素行を問題視していた軍のナンバー2・鯱(しゃち)を蔵馬に始末させた黄泉は、蔵馬を軍事参謀総長に任命した。
その後、妖駄の予測どおり雷禅が死亡した。軀との戦いが始まると思われたが、雷禅の後を継いで国王の地位に就いた主人公・浦飯幽助(うらめしゆうすけ)の来訪で、事態は思わぬ方向へと向かっていく。
黄泉は幽助の意図が読めず、ひとまず話を聞きつつも裏で思考を巡らせ、都合が悪ければ暗殺しようと考え、客人を迎え入れる。
すると、幽助から魔界統一トーナメントの開催を提案された。 それは「トーナメント優勝者が魔界の頂点に君臨すればいい」というものだった。
黄泉はこの提案を聞き驚いたが、その話を聞いていた蔵馬たちが賛同。
その上、軀の軍が接近していたこともあり、幽助の提案に応じた。しかし黄泉は魔界統一の野望のため、大会の運営を引き受けることでトーナメントを優位に進めようと画策する。国家は解散したものの、軍勢は未だ手元に残っており、黄泉も「切り札の修羅を育てれば確実にオレが勝つ」勝利を確信していたのだ。

そんな中、雷禅の喧嘩仲間たちが自分と互角、もしくはそれ以上の妖力を持っていることを知る。激しく動揺するものの、それ以上にかつての血が騒ぎ、1人の戦士として全力を出したいと思った黄泉は、トーナメントへの出場を決意したのだった。

魔界統一トーナメントでの名勝負

トーナメントには修羅と共に出場し、予選ブロックで息子と当たることになった。修羅が死なない程度に手加減しつつも容赦のない攻撃を加え続け、ギブアップに追い込んで本戦への出場を決める。
本戦では3回戦で幽助と対決。 戦いを本気で楽しむ幽助をすっかり気に入った黄泉は、心ゆくまで彼と戦い続ける。
結果、60時間も戦い続けた2人。原作では幽助がギブアップして黄泉が勝利を収め、アニメ版では互いに倒れたものの修羅の声援に反応し、何とか意識を保った黄泉が勝利している。

しかし、この戦いで集中力と体力を著しく消耗してしまい、続く4回戦、雷禅の喧嘩仲間だった孤光(ここう)との戦いで敗退した。
魔界統一の野望は果たせなかったものの、今回の大会は純粋に楽しめた黄泉。次回の大会で幽助と再戦することを望みながら去っていった。

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