【進撃の巨人】ライナー「俺の同郷がこんなに可愛い」【厳選名作SS】
進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。ライナーとアニ、ベルトルトの同郷3人組が中心のSSです。ある朝突然子供になってしまったアニとベルトルト。2人は無事に大人に戻れるのでしょうか?
ライナー「俺の同郷がこんなに可愛い」
1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 13:36:06 ID:Wnho/HjA
※同郷が幼馴染み、それを皆知ってるなどご都合主義設定
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―男子寮 朝
アルミン「朝だよエレン、起きなよ」
エレン「ああ、おはよう……」
ライナー「ベルトルト、お前もそろそろ起きろ」
ベルトルト「…………」
ライナー「おーい」ユサユサ
アルミン「姿が見えないね」
ライナー「こいつ丸まって寝るからな、布団の中に入り込んでる」
エレン「窒息しちゃうんじゃないか、布団剥がしてやれよ」
ライナー「それもそうだな、そうすりゃ起きるだろう。ほら」ガバッ
…ウワァァァ!?
2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 13:37:10 ID:Wnho/HjA
―同時刻 女子寮
ミーナ「んー……あれ、私が一番かあ。珍しいなあ」
ミーナ「むふふ、アニの寝顔見ちゃおうっと」
ミーナ「アーニッ」ペラッ
キャアアアア!
ミカサ「何事!?」バッ
ハンナ「むにゃ……あれ、フランツはどこ……?」パチッ
ミーナ「わあ、起こしちゃってごめんね!あのね、アニがね、アニがっ」ワタワタ
ミカサ「落ち着いて。もう起床時刻だから大丈夫」
3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 13:38:13 ID:Wnho/HjA
アニ「……んう……うっさい……」
ハンナ「ね、ねえミーナ、その子は誰なの?」
ミーナ「……アニ、じゃないかな……って」
ハンナ「アニ?確かに似てるけど……子供だよ?」
ミカサ「うん、アニを小さくしたよう」
アニ「……」ポー
ミーナ「ねぇ、お名前なんていうのかなぁ?」ニコニコ
アニ「……あんた誰なの」
ミーナ「」
4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 13:41:16 ID:Wnho/HjA
―男子寮
ライナー「な…な…」
アルミン「い、いきなり叫んでどうしたの、ライナー」
エレン「おどかすなよ……ベルトルトは起きたか?」
ライナー「すまん……いや、起きたは起きたが……」
ベルトルト「んー……あ、おはようライナー」チンマリ
アルミン「えっ、こ、子供?」
エレン「……ベルトルトそっくりな子供だな」
ライナー「おそらく本人だ、俺はこの顔をよく知ってる。七歳くらいか」
アルミン「本人……でもなんで子供に?」ジッ
エレン「小さいな。コニー、いやクリスタより小せえんじゃないか」ジー
ベルトルト「ライナー……」サッ
アルミン「あ、怖がらせちゃったかな」
5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 13:42:36 ID:Wnho/HjA
ライナー「人見知りなんだ、小さい頃は特にひどかった」
エレン「ベルトルト、俺たちのこと忘れちまったのか?」スッ
ベルトルト「……ライナー」ギュッ
ライナー「大丈夫だ、顔は恐いが悪い奴じゃない」
エレン「恐い顔で悪かったな……」ムスッ
アルミン「あはは、拗ねないでよエレン。でも本当に分からないんだね」
ライナー「みたいだな。どうしてこうなったか見当もつかないが……一先ず着替えて教官に会うか。お前らもついてきてくれるか?」
アルミン「うん、いいよ!」
ライナー「アルミンがいると説得力段違いだからな、心強いぜ」
エレン「頑張れよアルミン!」
アルミン「正直僕も分からないことだらけだけど……やれるだけやるよ」
ライナー「よし。ほら、行くぞベルトルト」
ベルトルト「うん……」
6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 13:43:10 ID:Wnho/HjA
―食堂
ミーナ「ライナー達いないね」
ハンナ「まだ来てないのかな……フランツ!」
フランツ「ハンナ!」
ウフフフフ
ミーナ「ああー、二人の世界に行っちゃった……」
アニ「……降ろして」
ミカサ「それはできない相談」ガッシリ
アニ「蹴るよ」
ミカサ「小脇に抱えられているのに?今のあなたではリーチが足りない」
アニ「……」ムスー
ミーナ「ふふ、むくれるアニかわいい」
7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 13:45:45 ID:Wnho/HjA
ジャン「お、おはようミカサ!」スッ
ミカサ「ジャン。おはよう」
ミーナ「ジャン、ライナー見なかった?」
ジャン「ライナー?見てねえな。用があるのか……その子供は何だ」
ミカサ「この子のことで用があるの」
マルコ「ライナーならエレンやアルミンと一緒に教官室へ向かうのを見たよ」ヒョコッ
ジャン「マルコ、よく見てたな」
マルコ「ジャンはミカサを見つけて一人で行っちゃったからね」
ジャン「そうだったか」
ミカサ「教官室……ありがとう」
8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 13:47:51 ID:Wnho/HjA
ミーナ「行こっか、朝ごはんはまだ大丈夫だよね?」
ミカサ「ええ。速やかに済ませれば、きっと」
パタパタパタ
ジャン「行っちまった……」
マルコ「何だったんだろうね?」
ジャン「さあな、どうせまた面倒事の種だろ」
マルコ「今の子供、アニによく似てたね」
ジャン「妹かなんかか?……いや、ないな」
9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 13:49:23 ID:Wnho/HjA
―教官室付近 廊下
ミーナ「あ、居た!ライナー!」
ライナー「どうした?……ってミカサ、その子供」
ミカサ「おそらくアニ」
アニ「ライナーだ、早く降ろさせてよ」ジタバタ
エレン「アニもか……」
ミーナ「も?そういえばベルトルト居ないね」
ミカサ「まさか」
アルミン「この、ライナーの陰に隠れてる子がベルトルトだよ」
ベルトルト「……知らない人増えてる……」ビクビク
ミーナ「へえ……小さくて可愛いね」エヘヘ
エレン「和んでる場合かよ……」
ライナー「俺たちは教官に事情の説明をしに来たんだが、お前らもか?」
ミーナ「ううん、アニが名前も教えてくれなくてね。ライナー探そうってなったの」
アルミン「じゃあこのまま一緒に説明しちゃおうか、教官室へ行こう」
10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 13:50:19 ID:Wnho/HjA
―教官室
コンコン
キース「入れ」
ライナー「失礼します!本日――」
ハンジ「大丈夫、大体の事情は分かってるよ!」
エレン「!? 調査兵団の方がなぜ」
キース「それはな……」チラッ
ハンジ「私のせいだからだよ、ごめんね」
ミカサ「えっ」
キース「こちらは調査兵団のハンジ分隊長だ。……訓練兵の中に自身の開発した薬で
被害を受けた者がいる可能性がある、と昨晩連絡を受けてな」
ハンジ「今朝こっちに来たんだ。そこの二人でいいのかな、薬を吸っちゃったのは」
11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 13:51:31 ID:Wnho/HjA
ライナー「薬の被害……?二人は大丈夫なのですか」
ハンジ「大丈夫だよ。ちょっとの間子供になるだけ。一日か二日間かな」
アルミン「その、断定される根拠とは?何の薬なのですか?」
ハンジ「一つずつ答えようか。薬はね、以前作った失敗作なんだけど」
アルミン「はい」
ハンジ「巨人を小さくする薬」
ライナー「」ビクッ
エレン「巨人を小さく……?」
ハンジ「実際投与したらさ、一日~二日で効果が切れちゃって。なんとか取り押さえたけど、あの時はもう」
キース「分隊長殿」
ハンジ「ごめんなさい。で、その後私もうっかり吸っちゃってね!人体にも同様の効果が出ました、って訳さ」
アルミン(生き急ぎ、って噂は聞いてたけどここまでとは)
エレン(戻らなかったらどうするつもりだったんだよ)
12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 13:52:54 ID:Wnho/HjA
ハンジ「君達」
アニ「?」ポカン
ベルトルト「はい……」オドオド
ハンジ「少し前に、倉庫のお掃除しただろう?覚えてるかな?」
ベルトルト「え……」
アニ「知らない」
ハンジ「んー、やっぱり記憶も戻ってるか……困ったね」
ライナー「私が覚えています」
ハンジ「おお、頼むよ」
ライナン「あの日は私とレオンハート、フーバーの三名で第五倉庫の清掃を担当していました。」
ハンジ「うんうん、そこでなにか薬品こぼれてなかったかな?」
ライナー「そのような報告はありませんでしたが、蓋がとれた空瓶の入った箱があったかと。中身を点検し、棚に納めました」
ハンジ「じゃあ、その時に気化したのを吸い込んだんだろうね……君は平気なの?」
ライナー「ハッ、今のところは」
ハンジ「そうか、吸引量が少なかったのかな……じゃあキース教官、私は早速薬を回収に。倉庫の鍵借りますね」ガチャ
13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 13:54:14 ID:Wnho/HjA
キース「お願いします……貴様らは両名が元に戻るまで面倒を見てやれ。その体では不自由も多いだろう」
「ハッ!」バッ!
アニ「……なにあれ?」
ベルトルト「ライナーもやってるね……まねしておこうか」バッ
アニ「うん」バッ
ミーナ(きゃわわ……っいけないいけない)
21 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 19:10:55 ID:EIhR974c
―食堂
ミーナ「よかった、朝ごはんまだ残ってて」
ミカサ「ええ、意外とすんなりいった」
アルミン「ハンジ分隊長が居たからね、原因も治る条件もすぐ分かったから」
エレン「そこは不幸中の幸い、って感じだったな……ライナーは大変だけどな」
アニ「ライナー、スプーン大きくて使いにくい」グイッ
ベルトルト「ライナー、知らない人が沢山いる……こわい」ギュウ
ライナー「アニ、小さいスプーンを借りてきてやるから引っ張るな。ベルトルト、少し離してくれるか」
ベルトルト「えっ……」
ライナー「こいつらがいるから大丈夫だ。俺の友達だからな、怖くないのは分かっただろう」
ベルトルト「……うん」チラッ
22 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 19:11:59 ID:EIhR974c
アルミン「あっ、ちょっと気を許してくれたね」ホッ
エレン「怯えられっぱなしにはならなさそうだな」ホッ
アルミン「はは、今朝の「恐い顔」気にしてたの?」
エレン「まあな……」
ミカサ「大丈夫、エレンは優しい。私達はよく知っている。きっと分かってもらえる」
アニ「パン大きい」ムグ
ベルトルト「大きいね」ニコニコ
ミーナ「ウフフ、今の二人には多いかな?」
サシャ「食べきれないのでしたら是非私に!」ズイッ
ミーナ「わあっ!サシャ、どこから」
サシャ「パンが余る匂いがしましたので!」
アニ「……パン欲しいの?」ムグムグ
23 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 19:13:20 ID:EIhR974c
サシャ「下さるんですか!小さいアニは天使ですね!」パアア
アニ「ちょっとならいいよ、はい」チギリ
サシャ「やったぁー!ありがとうございます!」
ベルトルト「……あ、あの」オドオド
サシャ「ウム?」モゴモゴ
ベルトルト「そんなにお腹空いてるんですか?」
サシャ「ごくん。ええ!」
ベルトルト「……はい、どうぞ」チギリ
サシャ「どうもありがとうございます!小さいベルトルトも神様の如しですね!」
ユミル「おい見ろクリスタ、芋女がガキに餌付けされてるぞ」
クリスタ「……この子たちって、アニとベルトルト?」
24 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 19:19:42 ID:EIhR974c
ユミル「確かによく似てるが……おい、ライナー」
ライナー「やっと戻ってこられた……うん?どうした」
クリスタ「おはようライナー」
ライナー「クリスタ、おはよう」
ユミル「このガキ共はベルトルさんと、アニか?」
ライナー「そうだ。色々あってな……教官にも話はつけてある」
クリスタ「その小さいスプーンは二人の?」
ライナー「ああ、いつものが使いづらいと言うから借りてきたんだ」
クリスタ「ふふ、ライナー優しいんだね」ニッコリ
ライナー「そ、そうか?」テレッ
25 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 19:23:44 ID:EIhR974c
アニ「ライナー、スプーン早く」グイーッ
ベルトルト「…………」ガシッ
ライナー「だから引っ張るな……ベルトルトも無言で腕にしがみつくな」
ミカサ「フフ、ライナーはお父さんみたい」
アルミン「ミ、ミカサ、せめてお兄さんって」
エレン「いや、どう見ても父さんだぜあれ」
26 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 19:25:43 ID:EIhR974c
ライナー「ほら、アニ。ベルトルトも」
アニ「ありがと。やっとスープ食べれるよ」パシッ
ベルトルト「僕のも?ありがとうライナー」ニコ
ミーナ「はあ、可愛い……お手手小さい……」ポワーン
クリスタ「ミーナ、幸せそうだね」
サシャ「可愛いもの好きですもんねえ」
30 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 23:46:14 ID:IoHKnugk
ジャン「お前ら何を固まってんだよ?……子供が増えてやがる」
マルコ「みんなおはよう。アルミン、その子達は誰だい?」
アルミン「おはよう、色々あってさ……」カクカクシカジカ
マルコ「それじゃ、弟妹とかじゃなくて本人なのか?」
ジャン「何でもありだな調査兵団……」
サシャ「もぐもぐ……あっ、おはようございますコニー」
コニー「よっ。そいつらは誰かの弟妹なのか?」
サシャ「アニとベルトルトです!天使のような子たちですよ!」
コニー「まじか!ベルトルトが俺より小さい!うちの弟くらいか?」
ワイワイキャッキャ
ジャン「……感覚で理解できる奴らは楽だな」
アルミン「そうだねえ」ハハハ
31 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 23:47:25 ID:IoHKnugk
アニ「またいっぱい来た……」ゴクン
ベルトルト「……この人たち、みんなライナーの友達?」
ライナー「そうだ、だから怖くない」ポンポン
ベルトルト「……そっか、怖くないんだ」
アニ「もぐ……ライナー」
ライナー「なんだ、スープが熱いか?」
アニ「ちがう。あんただけなんでそんなに大きくなってるの?」
ベルトルト「ほんとだ、ライナーが大人みたい!」
ジャン「今疑問に思ったのか、結構遅いな」
ユミル「そういや、今まで何で普通に懐いてたんだろうな」
ミカサ「幼馴染みの本能を侮ってはいけない……私も、エレンやアルミンが大人や子供になっても即座にわかる自信がある」
マルコ「な、なるほど。そういうものなのかな?ミカサが言うとやたら説得力があるなあ」
32 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 23:48:56 ID:IoHKnugk
ベルトルト「ライナー、ここはどこなの?この人たちは?」
アニ「なんでそんなに大きいの?」
ライナー「ここは訓練兵団だ。俺達はここで兵士になるため様々な訓練を……」
ベルトルト「??」
アニ「わかんない、もっと簡単に言って」
ライナー「俺達は色々あってここで暮らしている。こいつらは仲間だ。
お前達も少ししたら大きくなるから気にするな。分かったか?」
ライナー(……まだ戦士として教育を受ける前か、うっかり口を滑らすことはなさそうだ)
ベルトルト「うん、わかったよライナー。ライナーは先に大きくなったんだ」
アニ「あんた年上だもんね」
ベルトルト「大きいライナーは友達がいっぱいいるんだね」
ライナー「……そういうことだ、よく分かったな」ナデナデ
33 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 23:49:56 ID:IoHKnugk
ベルトルト「えへへ……」
アニ「ちょっと、髪やってもらったのにくずれるでしょ」アセッ
ミーナ「またやってあげるよ」ウフフ
ユミル「なんともまあ。随分ザックリした結論が出たもんだな」
クリスタ「まだ小さいから、あんまり難しいこと言われてもわかんないもん。
私達が仲間だって知ってくれてるだけで十分だよ」
ユミル「はいはい、相変わらずの女神さまっぷりで」ナデクリ
34 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 23:52:15 ID:IoHKnugk
カンカンカンカン
サシャ「お、鐘の音。あと十分で朝食が終わりますね。ふふふ、食べきるお手伝いなどしますよぉ、皆さん」
アルミン「わわっ、皆食べ終わってたの!?」
ライナー「俺達は遅れて来たからなあ」
ミーナ「すっかりみとれてたあ!」
エレン「やべえ、急いで食っちゃわないと……!」モグモグ
ミカサ「エレン、急ぎつつよく噛むようにして」
アニ「……さわがしい」
ベルトルト「うん。でも、よかった。ほんとに怖い人たちじゃないんだね」
36 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 02:35:57 ID:uWvLyQrE
―兵舎廊下 各寮への別れ道
ミーナ「じゃあ、アニはここで一回お別れね」
アニ「なんで?」
サシャ「私達は男女で別れて生活しているからですよ。起きた時もライナー達は居なかったでしょう?」
アニ「なんで別なの?一緒にいればいいのに」
ミカサ「流石はアニ。私もそうしたいのは山々……
でも、大きくなると色々不都合が出るらしいから駄目、と上の人が。家族なのに」ションボリ
アニ「大きくなるのも面倒くさいんだね」
ユミル「お前は大きくなってもチビッ子だったけどな」
クリスタ「もう、ユミル!そういうこと言わないのっ」
37 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 02:48:02 ID:uWvLyQrE
ライナー「すまん、女子寮までは入れないからな」
ミーナ「うん、アニはまかせて!」ギュッ
アニ「じゃあまたね。ライナー、ベルトルト」フリフリ
ベルトルト「うん、またね」
ライナー「またな。……さて、俺達も着替えて訓練に急ぐか」
アルミン「午前は立体機動だよね、ご飯ゆっくり食べればよかったなあ」
ベルトルト「ごめんなさい……僕たちのせいで」
アルミン「あっ、ごめんね。ベルトルトのせいじゃないよ」ワタワタ
エレン「別に敬語じゃなくてもいいんだぞ、ベルトルト」
コニー「そうだぜ、いつもみたいにさ」
ジャン「元は一つ上だしな。いつものタメ口のがやりやすい」
38 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 02:48:50 ID:uWvLyQrE
ベルトルト「元?」
マルコ「今は気にしなくていいよ。ただ、ライナーに話すときみたいにお話してほしいなってことだから」
ベルトルト「……でもお兄さんたち年上だし……そうだよね、ライナー」
ライナー「普通はな。こいつらは俺の友達で、お前の友達でもあるんだ。遠慮せず普通に接していいと思うぞ」
ベルトルト「……じゃあそうする」
アルミン「小さい頃から大人しいんだね。ベルトルトは」
エレン「その点アニって怖いものしらずだよなぁ」
コニー「さすがレオンハートだよな!」
ジャン「どういう理屈だ、馬鹿」
46 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 12:10:17 ID:4cRBPwaQ
―立体機動訓練場 午前
キース「それでは、本日も三人一組での立体機動訓練を行う!
目標は迅速な目的地点への到達!チームの連携も重要だ、一人で先走りすぎるな」
ライナー「教官」
キース「どうした、ブラウン」
ライナー「あの二人、連れては来ましたが。訓練に参加させるのは危険すぎるかと」
キース「その事か。貴様が心配せずとも、私と共にゴール地点で待機させておく」
ライナー「ハッ、出すぎた真似を」
キース「いや、友を思う気持ちの発露だろう。よし、出発しろ!」
「ハッ!」パシュッ
47 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 12:11:27 ID:4cRBPwaQ
アニ「おおー」
ベルトルト「空を飛んでる……」
キース「さあ、お前達も行くぞ。馬車まで手を繋ぎなさい」
アニ「はい、教官」バッ
ベルトルト「おねがいします、教官」バッ
キース「……もう敬礼を覚えたか、偉いな」ニコ
エレン「……なあ、アルミン。あれ……」
アルミン「きょ、教官にも色々あるんだよ、きっと」
ミカサ「お孫さんが欲しかったのかも」
48 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 12:13:50 ID:4cRBPwaQ
―立体機動訓練場 ゴール地点
ジャン「よし、やったな!一位だ!」
ライナー「ああ、やっぱりお前は立体機動が上手いな」
ジャン「まあな……ん?教官はどこだ?」
サシャ「あそこです!」ビシッ
ジャン「さっさとチェック貰うぞ……おい」
ライナー「あれは……」
サシャ「……アニをおんぶしてますねえ。ベルトルトの手を引きながら」
ベルトルト「ご、ごめんなさい、教官……」ウトウト
アニ「ぐう」zzz
キース「構わん、お前も眠いならこの木陰で寝るといい」
ベルトルト「はぁい……」ウトウト
キース「よしよし、レオンハートも降ろしてやろう……」ニコニコ
49 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 12:15:14 ID:4cRBPwaQ
ライナー「きょ、教官っ」
キース「!」
ジャン「第一班、只今到着致しました!」
キース「…………」
「…………」
キース「…………よし、貴様らが一位だ。ここで待機していろ」
「ハ、ハッ!」バッ
ジャン(恐え……何だよあのオーラ)ヒソヒソ
サシャ(見られたのが不覚だったんですかね、教官的に)ヒソヒソ
ライナー(だろうな。……それにしても)ヒソヒソ
50 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 12:20:18 ID:4cRBPwaQ
アニ「むにゅ……」zzz
ベルトルト「……」スヤスヤ
ライナー「よく寝てるな」フッ
サシャ「ミカサも言ってましたけど、やっぱりライナーってお父さんの風格ありますよね」
ジャン「ああ、あの笑い方は父親のそれだな」
ライナー「せ、せめて兄貴だろう。まだ17だぞ俺は」
ジャン「俺らにとってはな、あいつらに対しては兄貴よりか父親寄りだ」
サシャ「いいお父さんです!」
55 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 19:23:44 ID:8CQ9I/og
―立体機動訓練場 数十分後
モブ「第十五班、只今到着致しました!」
キース「貴様らが最後だな……全員整列!」
アルミン「最後の班が到着したみたいだね」
エレン「やっとか、これで解散だな」
キース「――――くれぐれも次の訓練に遅れないように。では、解散!」
56 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 19:25:22 ID:8CQ9I/og
ライナー「……参ったな」
クリスタ「どうしたの、ライナー?」
アニ「すぴすぴ」
ベルトルト「……」スウスウ
ユミル「まだ寝てんのか、本当にガキなんだな」
ライナー「こいつら、一向に起きる気配がないんだ……抱き上げるにも装置を着けて二人は難しい」
ユミル「行きは馬車で来たんじゃないのか?」
アルミン「教官は臨時の施設点検が入って、しばらく残るらしいよ」
サシャ「ハイッ、私がアニをおんぶしますよ!パンの恩がありますからね!」ビッ
コニー「なら俺ベルトルト!いつもは絶対ムリだもんな!」ビッ
ライナー「気持ちは嬉しいが、どっちかでいいんだぞ?」
57 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 19:26:05 ID:8CQ9I/og
ジャン「まあそう言わず任せたらどうだよ?一日一人で子守も疲れるぞ、オトーサン」ポン
マルコ「ジャンの言う通りだよ、ライナー。僕らにできることがあったら言ってほしい」
ライナー「……そうだな。よし、サシャ、コニー!頼んだぞ」
サシャ「はい!ミーナ、アニを乗っけてください」
ミーナ「わかった、お願いね……寝顔可愛いな」
サシャ「子供でも、結構ずっしりきますね」
ミカサ「眠っている人間は、完全に脱力しているから。起きてるのを背負うより重いの」
ミーナ「なるほど」
コニー「エレン、こっちも頼む」
エレン「落とすなよ」
コニー「落とさねえよ、これでも村では弟妹をよくおぶってたんだからな!」
エレン「そっか、コニーはいい兄さんなんだな」ニカッ
コニー「おうよ!」フンス
58 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 19:30:22 ID:8CQ9I/og
――兵舎廊下 各寮への別れ道
ジャン「次は固定砲の模擬練だったか。起きねえな、そいつら」
サシャ「ぐっすりですね」
ミーナ「壁上に連れて行くのも危ないよね……どうしよう」
クリスタ「キース教官もいないし……寮でお留守番?」
アルミン「ちょっと不安だけど、置き手紙でもしてあれば安心かな」
エレン「ああ、大砲の横にいるよりはマシだろ」
ライナー「じゃあ俺達の部屋に二人とも寝かせるか。起きたら一人ぼっち、じゃな……サシャ、アニを渡してくれ」
サシャ「お願いしますね」ヨイショ
59 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 19:33:20 ID:8CQ9I/og
――男子寮
アニ「……」zzz
アニ「……んむ」パチッ
アニ「……ここどこ」
ベルトルト「……」スヤスヤ
アニ「ベルトルト、起きな」ペシペシ
60 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 19:35:29 ID:8CQ9I/og
ベルトルト「……ぅ……アニ?」
アニ「おはよ、ここどこ?」
ベルトルト「おはよう……あっ、僕が朝いたところだよ」
アニ「じゃあライナーの部屋?」
ベルトルト「うん、あとエレンと、アルミンと僕」
アニ「エレンとアルミン……?ああ、まん中分けと金髪の?」
ベルトルト「そうだよ」
61 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 19:37:42 ID:8CQ9I/og
ベルトルト「」キョロキョロ
アニ「どうしたの」
ベルトルト「みんな、いないね……」
アニ「……ほんとだ」
ベルトルト「……ライナーどこ?」グスッ
アニ「もう、すぐ泣かない。男でしょ」ゴシゴシ
ベルトルト「ごめん……」
65 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/08(木) 13:32:31 ID:lXbcW4tc
<カサッ
アニ「あれ、なんかある」
ベルトルト「なにその紙?」
アニ「字が書いてある。読むね」
---------------------
アニとベルトルトへ
オレはくんれんにいってくる
すこしあぶないところでのくんれんなので、
おまえらはここでおとなしくしておくこと
2じかんくらいしたらもどる、いいこでまってろ
ライナー
----------------------
66 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/08(木) 13:33:47 ID:lXbcW4tc
ベルトルト「ライナーの手紙だ!」
アニ「訓練だって。また空飛ぶのかな」
ベルトルト「危ないところって書いてある、ライナー大丈夫かな」アセッ
アニ「あいつは強いから大丈夫だよ」
ベルトルト「……そうだね、ライナーなら大丈夫だよね」ニコ
アニ「いい子で待ってろ、だって。なにする?」
ベルトルト「アニがしたいことでいいよ」
アニ「じゃあねえ……」ウーン
67 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/08(木) 13:37:15 ID:lXbcW4tc
―1時間経過
アニ「かくれんぼ飽きてきた」
ベルトルト「もうかくれる場所ないもんね……」
アニ「ままごとも飽きたし」クテー
ベルトルト「じゃあ、次はなにする?」
アニ「ん……ねえ、ライナー遅いね」
ベルトルト「……うん」
アニ「”2じかん”ってどのくらい?」
ベルトルト「わかんない……危ないところでケガしてないかな」ションボリ
アニ「ライナーなら平気だよ。もうちょっと待とうか」ポフポフ
ベルトルト「……うん」
68 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/08(木) 13:42:43 ID:lXbcW4tc
―1時間45分経過
ベルトルト「……なんでだれの声もしないんだろう」
アニ「もしかして、みんないなくなっちゃったのかな……」
ベルトルト「えっ」ビクッ
アニ「ライナーも、もう帰ってこないのかも……」
ベルトルト「や、やだよそんなの!……ライナーがいないなんて……うぇっ」
アニ「な、泣かないでよ」アセッ
ベルトルト「だって……ひぐっ……」ボロボロ
アニ「」ウルッ
ベルトルト「! ア、アニ……泣かないで」ヨシヨシ
アニ「……泣いてない」ウルウル
69 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/08(木) 13:50:31 ID:lXbcW4tc
―15分後 男子寮 廊下
テクテク
ライナー「なあ、エレン。なんか、泣き声みたいの聞こえないか?」
エレン「ああ、そういえば微かにするような。あいつらか?」
アルミン「二人に何かあったのかな……あっ、ライナー!」
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