土方歳三（ゴールデンカムイ）の徹底解説・考察まとめ

「神」の文字が意味するもの

五稜郭へ到着した土方たちは、第七師団の兵士3人と遭遇する。都丹、土方、杉元の連携で兵士を倒すと、その死体から札幌から「至急五稜郭へ向かえ」と書かれた電報を見つけ出す。鶴見中尉も暗号を解読し、五稜郭へ向かっていることが判明したのだ。第七師団到着まで長く見積もっても半日。さらに金塊を見つけたとしても二万貫（約70トン）の金塊をどうやって運ぶのか。同時に暗号が解読されると予想していなかった一行は、焦りを見せる。そんな中で戦う意思を示した杉元により、雰囲気は一変する。第七師団に対抗する手を、土方が考えていないはずがない。その言葉を聞き、土方は第七師団との戦いに備え、札幌でソフィアたちと共闘関係を結んだことを話す。帝政ロシアと戦い続けてきた、百戦錬磨のゲリラたちが仲間に加わるのである。ソフィアが120人の仲間と五稜郭に到着すると、第七師団を迎え撃つために塹壕を掘り、稜堡と呼ばれる小さな要塞を作り上げる。並行して金塊探しも行われていたが、兵糧庫の地面を掘り続けるよう指示を出す土方に、ついに杉元が痺れを切らす。土方は服を脱ぐと自分の体に彫られた「神」の文字を見せ、この文字が指す場所がこの兵糧庫だと告げるのだった。必ず何かが埋められている。その言葉を信じて掘り続けていたアシリパが、ついに箱を掘り当てる。その中には珪藻土と動物の胃袋で防水対策された、土地の権利書が入れられていた。権利書には、蝦夷共和国から道内にある未開拓の広大な自然をアイヌが購入したことが記載されていた。血を流さずにアイヌを守るためには、金塊を使って手つかずの自然を買い占めるしかないと考えていたアシリパ。先人たちがすでに自分たちの未来を守るために金塊を使っていたことを知って感激する。金塊はすでに使われていたと知り、アシリパ以外はその場に崩れ落ちてしまうのだった。鶴見中尉が到着する前に五稜郭を去ろうとする一行だったが、権利書に目を通していた土方は土地の購入に使われた金塊は半分だと指摘する。まだ残りの一万貫（約37トン）分の金塊がどこかに隠されているのだ。喜びも束の間、五稜郭に砲撃の音が響き渡る。それは鶴見中尉が五稜郭へ到着したことを知らせるものであった。

五稜郭の戦い

第七師団は汽車で函館に向かってくるという予想に反して、鶴見中尉は鯉登少尉の父・鯉登平二（こいと へいじ）海軍少将の駆逐艦を使い、函館に向かってきた。そのため、予想よりも早く第七師団が五稜郭に到着したのだった。駆逐艦からの艦砲射撃が続く中、永倉は少しでも艦砲射撃の食い止めようと、一人で鶴見中尉の元へ向かう。「五稜郭に埋められていたのは、金塊を使って未開拓の地を購入したという権利書だけ」だと告げて、鶴見中尉に攻撃の迷いを与えるための種を蒔くと、永倉は兵士を倒して鶴見中尉の元から逃げる。一方、門倉は土方の元へ向かい、永倉が鶴見中尉の元へ向かったこと、そして対駆逐艦の決死の作戦を決行すると報告する。キラウシとロシアの砲兵マンスールを連れて観音像がある丘を目指し、五稜郭をあとにする門倉であったが、ここで強運が発揮される。彼の刺青の写しが風に吹かれて、解読された入れ墨人皮の上に舞い落ちたのだ。門倉の刺青には「馬」の文字が彫られており、偶然にもその漢字が指示したのは、かつて馬用の井戸があった場所であった。艦砲射撃が止んでいる間に急いで示された場所を掘ると、閉じられた馬用の井戸が現れた。杉元、アシリパが中に降りると、そこには数えきれないほどの革袋が隠されていた。中身を皆で確認しようと革袋を引き上げようとした時、興奮した白石が井戸に落下。そのはずみで革袋の縫い目が裂け、杉元、アシリパ、白石の頭上に砂金が降り注ぐ。ついに金塊を見つけ出したのだ。しかし、駆逐艦の艦砲射撃が再び始まってしまった。金塊は一旦井戸の中に隠したままにすると土方の指揮の元、籠城戦に備える。五稜郭の3箇所の入口に架かる橋へ同時に詰め寄る第七師団に対し、橋を渡った先に彫った塹壕で待機していたパルチザンたちが銃撃で迎え撃つ。戦闘は激しさを増し、両陣営に多大な被害が出る。一方、門倉たちは観音像がある丘に辿り着き、観音像の裏の洞窟から隠されていたものを見つけ出す。それはかつて土方が指揮した軍艦・回天丸の主砲であり、函館戦争の時にこの主砲で五稜郭を守ろうと、新撰組によってこの場所に運ばれていたのだった。旧式の大砲で最新式の駆逐艦を攻撃する門倉たち。マンスールの腕は確かなもので、駆逐艦4隻を無効化し、土方が過去に成し遂げたかった「五稜郭を守る」ことに成功する。しかし艦砲射撃を止められたものの、第七師団の歩兵たちは次々と五稜郭内への突入を試みる。ついには南口が突破され、歴戦の第七師団の兵士たちが五稜郭内へなだれ込み、戦いは苛烈さを増してゆく。土方陣営は土方を庇った都丹と、アシリパを逃がすために五稜郭に残ることを選んだソフィアが死に、鶴見陣営も兄弟の仇を取ろうと杉元に挑んだ二階堂が命を落とす。生き残った者たちは馬を走らせて五稜郭を脱出。鶴見中尉や月島、鯉登少尉など第七師団の主力メンバーに追われながら、汽車を発見した一行。第七師団の追加兵が乗り込む列車とは知らずに、函館行きの列車に乗り込んでしまう。

土方歳三の関連人物・キャラクター

杉元佐一（すぎもと さいち）

『ゴールデンカムイ』の主人公であり、大日本帝国陸軍第一師団に所属していた元兵士。どんな深手を追っても次の日には戦場を走り回る回復力と、鬼神のような戦いっぷりから、「不死身の杉元」と呼ばれた日露戦争の英雄。「目を治すための手術を妻に受けさせてやってほしい」という戦死した親友との約束を果たすため、大金を手に入れようと北海道で砂金採掘に明け暮れていたところ、アイヌの隠し金塊の話を耳にする。アイヌの少女アシリパと出会い、二人で金塊の行方を探す旅を始める。普段は穏やかで優しい青年だが、ひとたび戦いに身を投じると人が変わったように、立ちはだかる者をなぎ倒していく。どんな窮地でも生きることを決して諦めず、「俺は不死身の杉元だ！」と己を鼓舞して戦う。その一方で凶悪な囚人がときめくほどのさりげない優しさを見せたり、当時最も売れた少女雑誌『少女世界』を愛読している様子をみせるなど、乙女チックな一面も持っている。鶴見中尉に対抗するべく土方一派と手を組むが、網走監獄潜入の際に裏切りにあう。その後、札幌で土方と再会して殺し合いを始めるが、アシリパに説得されて再び共闘関係を結ぶ。死を恐れずに立ち向かう姿勢、自分の為ではなく誰かのために行動するなど、杉元と土方には共通する部分が多い。

杉元佐一（ゴールデンカムイ）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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杉元佐一（すぎもとさいち）とは『週刊ヤングジャンプ』で連載されている野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する主人公。日露戦争を戦い抜いてきた元・陸軍兵士で、体に無数の傷を追ってきたが全く命を落とすことが無かった。その活躍ぶりから、軍人の間では『不死身の杉元』と言われている。杉元が金塊を探しに北海道の山に入ると、アイヌの少女アシリパと出会う。後に少女の父は金塊を隠した人物であることを知り、お互いの目的を果たすために一緒に旅を始める。

アシリパ

ヒグマに襲われていた杉元を助けたアイヌの少女。父の死の真相を知るために、杉元の相棒としてアイヌの隠し金塊探しに加わる。山で生きる知識に長け、様々な獲物を仕留めては杉元に振る舞う。アイヌの文化を大切にしながらも、変化には柔軟に対応する「新しい時代のアイヌ」であることを信念としている。金塊争奪戦を仕掛けたのっぺら坊が実は自分の父・ウイルクではないかという疑惑が浮上し、それを確かめるためにのっぺら坊が収監されている網走監獄を目指す。そこでのっぺら坊が父であることを確信したが、父は狙撃されて死亡。それにより、金塊の隠し場所を記した暗号を解くことができる唯一の人物になってしまう。キロランケに導かれて父のルーツである樺太を旅し、暗号解読のカギを思い出す。その後、札幌で土方一派と再会した際には、荒ぶる猛者たちに怯むことなく協力を呼び掛けた。その姿に土方はアシリパを信じ、再び共闘関係を結んだ。

アシリパ（ゴールデンカムイ）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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アシリパとは『週刊ヤングジャンプ』で連載されている野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する主人公の1人である。北海道の小樽近辺の集落に住むアイヌの少女で、大人顔負けの精神力と狩猟技術と調理技術の持ち主。伝統を尊重しながら時代の変化を柔軟に受け入れ、「新しいアイヌ」たることを信念としている。アイヌが隠した金塊とそれを巡る殺人事件に父が関与していた事を知り、その真実と真意を知るため、元日本兵でもう1人の主人公である杉元と共に、隠し金塊の謎へと挑んでいる。

白石由竹（しらいし よしたけ）

“脱獄王”の異名を持つ刺青の囚人。自在に関節を外すことができる特異体質で、様々な監獄から脱獄を成功させている。身を潜めていた小樽で刺青の囚人を探す杉元たちの罠に掛かるが、持ち前のスキルで脱走。追いかけて来た杉元と生死を彷徨う経験をし、仲間になる。当初は隠し金塊を見つけて分け前をもらうために杉元やアシリパと手を組むが、旅を続けるうちに彼らのことを仲間として大切に思うようになる。小樽の街で牛山と遭遇したあと、刺青人皮の情報を手に入れようとして土方の隠れ家を探り出す。しかし土方たちに捕らえられ、協力か死か選択を迫られてしまう。協力することを選んだ白石は、杉元には隠して自分たちの動向を伝えていた。戦力はないが、脱獄に関する技術は評価されている。

白石由竹（ゴールデンカムイ）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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白石吉竹（しらいしよしたけ）とは『週刊ヤングジャンプ』で連載されている野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。通称「脱獄王」の異名を持つ天才的な牢破りである。脱獄する際は看守を騙す詐術や狭い隙間を通るための関節外しなど、脱獄のための多彩な技術を持つ。体には金塊の隠し場所を描いた刺青が彫られており、同じ刺青が描かれている囚人の皮を集めるとありかが分かるようになっている。金塊の手掛かりとなる刺青を持つ囚人たちを探して、北海道で出会った仲間達と共に旅を続けている。

キロランケ（ユルバルス）

アシリパの父の古くからの友人。日露戦争にも出征し、工兵として戦った。実は極東に住む少数民族の文化をロシアから守るため、10代のころから独立運動に参加してきたパルチザンである。アイヌの金塊の噂を耳にして、極東から北海道へやって来た。のっぺらぼうがアシリパの父であることを確認するため、杉元一行に加わり網走監獄を目指す。キロランケの住むコタンへ土方が訪れ、「小蝶辺明日子（こちょうべあすこ）」という和名のアイヌの女性を探していたことを杉元たちに伝える。杉元に報復されるのを恐れた白石が逃走して第七師団に捕らえられた際は、土方と共に白石奪還作戦に向かった。

尾形百之助（おがた ひゃくのすけ）

大日本帝国陸軍第七師団に所属する兵士。階級は上等兵で、狙撃の名人。隠し金塊を狙う第7師団の鶴見中尉の部下だったが、同様に隠し金塊を狙う軍中央のスパイでもあり、密かに情報を流していた。しかし鶴見中尉達に裏切り者であることを知られると脱走兵となり、土方陣営に入り込む。一時は杉元たちと行動を共にしていたが、網走監獄で杉元がアシリパの父ウイルクであるのっぺら坊を狙撃。その後はキロランケに同行して樺太へ渡り、アシリパから金塊の隠し場所が記された刺青人皮の暗号解読のカギを聞き出そうとする。自分の親や兄弟の命を奪った過去を持つ。第七師団から脱走兵となった後は単独で行動し、茨戸で土方と刺青人皮を奪い合った。土方につけば金塊争奪戦に有利だと判断し、土方一派に加わる。