聖戦士ダンバイン(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『聖戦士ダンバイン』は、1983年から富野由悠季が名古屋テレビと日本サンライズで放送・制作したロボットアニメである。
異世界と地上で起こる戦争に巻き込まれた人々がおのれの愛と憎しみ、エゴに翻弄され自滅していくさまを残酷なまで丁寧に描き切っている。 美しいファンタジー風の世界観と救いようのない人の業のコントラストが特色である。

CV:高島 雅羅
ショウの母で著名な教育評論家。自分の仕事に誇りを持っているがゆえ、実の息子であるショウが自分の思い通りに育っていない現実を認められず、放置していた。彼女が仕事に逃げているのは夫の不倫(キャラクター「ヨーコ・河原」参照)も原因の一つかもしれない。バイストン・ウェルから地上に戻ってきたショウをおそれているのは、ショウが得体のしれない化け物になったからではなく、東京都民を30万も殺したガラリアの仲間が自分の息子だとバレたら自分の今までのキャリアが台無しにされるからだった。

防衛隊(自衛隊のような組織)から事情聴取されたことでもうおしまいだと感じたのか、隊員から拳銃を奪い取ってショウに発砲した。運良く弾はショウに当たらなかったが、これでショウは地上には自分の帰る場所はないと悟ってしまい「自分は宇宙人だからあんたたちとは関係ない」と嘘をついて両親の前から姿を消した。

ショウが去ったあとチヨは、これからどうすればいいのだと嘆き夫のシュンカに叱られていたが、最終回では相変わらず仕事三昧で最終決戦が放送されている大型ビジョンをちらっと見ただけですぐ仕事先に向かっていった。
本当にショウのことはどうでもよくなったのか、わざと見ないようにしてショウのことを忘れたがっているのかは、この一瞬のシーンだけでは伺いしれない。

ヨーコ・川原

CV:クレジットなし
ショウの父シュンカの秘書。 シュンカの愛人でもあるがショウは姉のように慕っており、父との不倫も咎めることはなかったようだ。ショウが地上にやってきたときは警察を呼ぼうとしたが、幼い頃にショウと交わした「ウサギの目はなぜ赤い?」という質問の答えを、その場にいたショウはちゃんと覚えていたので本人と確信した。詳細は「名場面:兎はなんで眼が赤い?」にて。

ちなみに彼女が見ている写真は家庭円満だったころのショウたちの家族写真で、そばにいるシュンカは仕事をしながらテレビでショウたちの戦いの模様を見ている。ヨーコがシュンカの秘書になったのはこの写真を撮ったあとか、この写真を撮ったのがヨーコであるとの暗喩であろう。

シュンカの妻チヨからは姑の嫁いびりのごとくきつい態度を取られているが、チヨからすれば夫のみならず息子のショウまでもヨーコに奪われているのだから、面白くないのは必然であろう。ヨーコの名前は、スタッフの風間洋とその別名義「河原よしえ」からつけられた。
最終回ではショウたちの戦いの終焉をテレビで見届けているシュンカのそばで眠っていた。

トルストール・チェシレンコ

CV:竹村 拓
第35話に登場したソ連軍所属の青年将校。エレの元へ和平の特使としてやってきたが、その際エレと惹かれ合う。しかし彼が知らずにいた本当の任務は、ソ連軍がエレたちの艦隊へ核攻撃をする時間稼ぎのための囮であった。
このことを知ったトルストールは何とか核攻撃を阻止すべくオーラバトラーに搭乗してソ連に戻ろうとするが、バーン(黒騎士)に見つかり撃墜された。

トルストールの死によってエレは憎悪という感情を知ることになるが、それはバーンから感じたおぞましい感情が憎悪という名前だと知ったという意味なので、エレ自身は憎悪に取り憑かれはしなかった。それゆえ、トルストールの仇であるバーンに対しても恨み言ではなく憎しみのオーラを封じるという方法で対峙できたのだ。エレが憎悪にとりつかれなかったのは、引っ込み思案なエレの中にもシーラに劣らない高潔さと芯の強さが埋もれており、トルストールの死がそれを覚醒させたからである。

『聖戦士ダンバイン』の用語

バイストン・ウェル

富野由悠季による造語。オスカー・ワイルド作「水の子」に登場する「海と陸の境目にある世界」が元ネタ。本編中では魂の安息の地として語られる。
「by stone well」という名称は「異世界に繋がる井戸」、「近くの石の井戸」と訳され、物語を汲む、中に何かがいるかもしれないという意味であるとインタビューで語っている。

天空に浮かび、エ・フェラリオの住むウォ・ランドン、人間の住むコモン界、地下の暗闇の国でガロウ・ランの住むボッブ・レッスに分けられる。生息する種族はフェラリオ=妖精、コモン=人間、ガロウ・ラン=闇の住人、それ以外の特有の生物を遂げた生物。大型で凶暴な甲殻獣は「恐獣=バイストン・ウェル特有の恐竜」と呼ばれている。

オーラ力(ちから)

オーラマシンの動力源で、有機生命体が持つ生体エネルギーである。
バイストン・ウェルではオーラ力は世界そのものが持つバリヤーにより抑制されるが、地上ではガラリア一人で東京都心を破壊できるほど力が拡大される。そのため、バイストン・ウェルでは起こらなかったハイパー化が地上では起きやすくなっている。

オーラマシン

ドレイクがバイストン・ウェル支配のため、地上から召喚したショットに開発させたマシン。
機動兵器であるオーラバトラーの他にも、サポート用の飛行機ウィング・キャリバー、オーラ力で動く戦艦オーラシップなどもある。

聖戦士(せいせんし)

強いオーラ力を持ち、オーラマシンの操縦適性がある人物のことである。現実世界からバイストン・ウェルに召喚された地上人がそう呼ばれ、普通の騎士よりも良い待遇が与えられる。ただしパイロットとしての適性のみが問われるので、ジェリルのような人格や倫理観が問われるような人物も聖戦士としていい扱いを受けるのが現状である。

フェラリオ

水の天界「ウォ・ランドン」やコモン界の「クスタンガ」に住む種族。自然現象を自在に操る能力を持っており、人間よりかなり長寿である。
成長段階によって「ミ・フェラリオ」「エ・フェラリオ」「チ・フェラリオ」と呼ばれる。ミ・フェラリオは小さな妖精の姿で、エ・フェラリオ、チ・フェラリオは人間の成人男女と同じ外見をしている。チ・フェラリオは、劇中ではジャコバ以外存在は確認できない。エ・フェラリオが罪を犯したときに、ジャコバの権限によりミ・フェラリオに退化させられる場合がある。

ガロウ・ラン

外見は人間と変わらないが、五感がコモン(バイストン・ウェルの人間)よりも高めで妖術も使えるという闇の種族。本来はコモンやフェラリオの国にはいないのだが、ルフト家やギブン家に仕えているのは出稼ぎ目的であろうか。
闇の住人ということでコモンからは嫌われているが、その能力は重宝するのでスパイや諜報活動を任されている。
ガロウ・ランの方も嫌われているのを自覚しているので基本金でしかよしみを結ばないが、先入観のないショウはギブン家に仕えるガロウ・ランと仲が良かった。

ハイパー化

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