〈物語〉シリーズ セカンドシーズンの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

〈物語〉シリーズ セカンドシーズンは、西尾維新による「化物語」「偽物語」の続編にあたるアニメ作品である。
怪異と呼ばれる怪奇現象にまつわる事件に、主人公「阿良々木暦」や周囲の人間が巻き込まれ、解決していく物語。時系列で言えば夏休み明けにあたり、暦の夏休みを描いた「偽物語」の直後である。原作小説「猫物語(白)」をはじめとして、「傾物語」「花物語」「囮物語」「鬼物語」「恋物語」の全六篇が収録されている。
各物語でそれぞれ印象的な名言が多くあり、作品における重要なファクターの一つとなっている。

暦と忍が行った時間移動は時間遡航ではなく、パラレルワールドへの移動だった。この時間移動により、「八九寺真宵が死なない世界」が出来ただけだったのだ。それ故、二人は無事に元の世界に戻ることができた。そこでは八九寺も当然、幽霊のまま存在していた。そんな八九寺に暦が「幽霊になって幸せか」と聞いたところ、八九寺が返した回答。
つらい過去があったとしても、そのおかげで出会えたものもある。過去が変わらないのならそうやって、前を向いて進むのが一番である。

阿良々木くんに迷惑をかけるのが嫌なら、何にも出来ないけれど、 私を巻き込んでちょうだい。そうね、一緒に死んであげるくらいのことはできるわ。

夏休み明け、羽川は炎の虎の怪異に出会う。文字通り炎の怪異で、虎の姿をしていたそれは、羽川の家を全焼させるなどといった現象を引き起こす。
しかし、怪異関係に百戦錬磨な暦と忍はこの時、タイムスリップの件でこの世界にいなかった。そして羽川自身、暦に迷惑をかけたくない思いがあった。そんな折、全焼した家の代わりに戦場ヶ原の家に寝泊まりさせてもらうことになり、そこで戦場ヶ原に言われたセリフ。
さばさばと当たり前のように言い放つ戦場ヶ原のこのセリフは、羽川への友情の強さを表すには十分である。

美しくなくっていい。白くなんてなくっていい。私はあなた達と一緒に、汚れたい。

羽川はすでに、ブラック羽川と呼ばれる第二の人格をその身に宿している。ブラック羽川は猫の怪異が羽川に取り憑いて発現した新種の怪異である。血の繋がらない両親との不和や、暦への片想いのストレスが、翼の中で爆発して顕現する。
羽川は常に完璧な少女である。それはこれまで両親の離婚などの要因から家庭を転々としており、それぞれの家庭での不和が羽川の心を鍛えていったり、良い子になるよう努めて軋轢を生まないようにするため、などの要因から来る。
そうやって、一点の濁りもない潔白な人間であろうとしていた羽川は、「ストレスを溜め込む自分」を汚点として無意識に切り離し、「ブラック羽川」という怪異がつくられた。つまり、ブラック羽川は羽川自身が生んだ怪異だった。それと同様に、虎の怪異とは「嫉妬する自分」を切り離したものだった。
ブラック羽川も虎の怪異も、言わば羽川自身の一部。退治するより「受け入れる」ことを選んだ羽川のセリフが上記のもの。美しく潔白であることをやめ、目を逸らさず自分の汚点も見つめる決心をした瞬間である。

無理だったかもしれない。無茶だったかもしれない。でも―――無駄じゃなかった。

羽川はストレスも嫉妬も、自分の全てを受け入れる決心をして、虎の怪異に立ち向かう。だが、やはり虎であり炎の怪異であるそれと戦うには無理があり、十秒程度の抵抗しかできなかった。
しかしそこに上記のセリフを発しながら現れたのが暦である。ヒーローさながらに登場し、間一髪ピンチの羽川を救い出したのだった。物語シリーズでも屈指の暦の名場面である。

どうなろうと全部お前だよ。変わってもお前だ。安心しろ。そこで変に甘やかしたりはしない。嫌な奴になったら嫌ってやる。悪いことしたら怒ってやる。恨まれたら庇ってやる。頭が悪くなったら――まあ、僕が勉強を教えてやるし。泣いたら慰めてやる。

これまでの羽川は、ストレスや嫉妬を切り離して目を逸らしていたからこその完璧少女だった。
それらを受け入れ己の心に戻すということは、羽川も人並みに心の汚れた人間になるということに他ならない。
そんな羽川にも暦は、上記のセリフで、変わらず接する意思を強く表明した。汚れてしまったら羽川じゃない、なんてことは決してない。自分が変わってしまうことに対する不安を少なからず消し飛ばす、暦の名言である。

よかったの。たまたま可愛くて。

暦の妹、月火の友人である撫子は、周りに可愛いと言われており、実際に可愛いルックスの持ち主だった。しかし撫子は可愛いだけで贔屓されるのが嫌で、故に「可愛い」と言われること自体が嫌だった。

この「囮物語」では撫子というキャラクターの「可愛い」以外の側面を深く掘り下げて描かれている。できないと思った事には挑戦しなかったり、努力をしようとしない一面であったり、何か問題が起きたらただ下を向いておどおどとしているだけの様子であったり、それによって問題を直視することなく波が過ぎるのをただ待つだけであったり。しかし撫子は可愛いので、そんな側面に関わらず贔屓される。周りの庇護欲を刺激し、親切にされてきた。
それは暦も例外ではなく、暦と遊んだ時も暦から贔屓を受ける。暦の影の中で忍もずっとそれを見ていた。

そんな中、可愛いと言われるのを嫌がっている撫子。 撫子が暦の部屋を訪れた際、そんな撫子に腹を立てた忍が影から出て発した一言。
撫子がこれまで周囲の人間から受けた恩恵は自分の力ではなく、相当な割合で「可愛さ」が要因であると思われる。それを棚に上げ、貰ってばかりのプレゼントに文句をつけるような、そんな態度に言及した言葉としては、鋭く本質を突いている名言といえる。

絶対に振られることのない相手に恋をするのって、楽だよね。

撫子は何年間もの間ずっと暦に片想いを続けていた。
しかし暦にはすでに彼女がおり、撫子はそれも知っていた。それでもあきらめる様子は無く、かと言って当たって砕けようともせず、略奪しようという意思も感じられない。それを月火は見抜き、恋話の末に言ったセリフである。
到底叶いそうにない夢は、「砕けて当然」と自分の中で保険がきく。
「暦には彼女がいる」という、告白を遠慮する正当な理由があり、故に振られることもない。仮に当たって砕けたとしても、「当然だ」と思えるのでショックが薄い。その安心を得るためだけに暦への片想いを続けいてるのだ、と鋭く本質をえぐる言葉である。

宝くじ買う人っているじゃない。あんなの、普通に買ってて当たるわけがないのにさ。それなのになんで買うのかと言えば、『夢を買ってる』っていうんだけど……、その言葉を聞くたびに私なんかは思っちゃうわけだよ――――『現実を買え』。

上記の恋話と同じ流れでの会話の一部。
宝くじを買う者は大抵、外れる前提で買う。それは上記に示したのと同様、外れたときのことを恐れて保険をかけているからである。
実際に宝くじは当選確率は相当低く、大抵の人間は事実上「夢を見る」ためだけに金を払った結果となる。他に残るものは何もない。はっきり言って無意味である。
そんな無意味に金を費やすよりも、もっと他にいい使い道は絶対にある。夢を見たいなら自分の将来への投資をするべきであり、それをせず宝くじを買うのは、やはり失敗のリスクを恐れてのこと。ただ楽な方へ流れているだけの「宝くじ」を自慢気に「夢を買っている」と話す人間は実際に多く、そんな不特定多数の心に突き刺さる名言であるだろう。

俺様はお前達なんか大嫌いだ! だけどクラスメイトだぜ、こん畜生が!

6a3155130izumi
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@6a3155130izumi

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