雲のむこう、約束の場所(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『雲のむこう、約束の場所』とは、「ほしのこえ」につづく、新海誠による長編アニメーション映画である。公開は2004年で、制作会社はコミックス・ウエーブ・フィルムだ。この作品は、戦争により北海道と本州以下が南北に分断された日本を描くSF作品で、舞台は青森県である。中学生である主人公の「ヒロキ」は、親友の「タクヤ」と共に、今は異国の地である「エゾ」にそびえる塔に行くための飛行機を制作していた。それは彼らだけの「秘密の計画」であった。
タクヤが所属する研究所で「ユニオンの塔」を研究している学者。研究を続けた富澤は、塔の秘密につながるかもしれないサユリの存在に行きつく。そして彼女をサンプルとして保護するため、東京の病院から青森の研究所に転院させた。すると転院のための書類の中から旧知の仲である岡部宛の手紙を発見し、ヒロキやタクヤ、サユリの関係を知ることになった。
【声のキャスト】
井上和彦
笠原 真希(かさはら まき)
富澤研究室で脳科学を研究しており、新人の頃のタクヤの面倒を見ていた人物。年下のタクヤに抱いている恋心を隠そうともせず振る舞うはっきりとした性格の女性。
【声のキャスト】
水野理紗
有坂(ありさか)
富澤研究室に所属する大学院生で、タクヤと共に日々塔の研究をしている男性。
【声のキャスト】
木内秀信
水野 理佳(みずの りか)
ヒロキが東京の高校で出会った同級生の少女。たまに二人は下校を共にしている。
【声のキャスト】
中川里江
チョビ
岡部の蝦夷製作所に住み着いている黒猫。人懐こい性格でヒロキやタクヤにすり寄ってくる。
『雲のむこう、約束の場所』の用語
ユニオン
日本とアメリカの連合国(本州以下)と対立している国の名前。ユニオンはソ連を中心とした連合国で、戦後「エゾ(北海道)」を占領している。それにより日本の領土は南と北で分断されており、津軽海峡に国境線がある。現在では両国の国交も断絶しており、家族と引き離された国民も存在する。
ユニオンの塔
ユニオンによって南北分断後に建造された雲の上まで届く塔。塔は誰もが手の届かない、不変の象徴として日本国民から見られている。世代によってそのとらえ方はさまざまであるが、戦争を知らない若者世代は塔へ「憧れ」を抱いている場合が多い。
ヒロキたちが中学時代を過ごした1996年では建設目的は不明とされているが、高校を卒業する3年後には、平行宇宙の情報を受信し未来予測をするためのアンテナ施設として建設されたと予想がつけられている。また、塔の周り半径数キロはブラックホールのような物質が存在できない闇が広がっており、「兵器」だとされる意見もある。塔の設計者は南北分断によりユニオン側に取り残されたサユリの祖父、エクソン・ツキノエであると言われている。
平行宇宙
「もしかしたら、こうであったかもしれない」というパラレルワールドの理論。作中では、「宇宙の見る夢」と表現されており、ユニオンの塔によって観測されている。日本側でも青森にあるアーミーカレッジでこの研究が行われているが、ユニオン側の技術には大きく遅れを取っている。
ウィルタ解放戦線
南北統一を目的として活動しているテロ集団。ヒロキたちがアルバイトをしていた、アメリカ軍の軍事下請け工場「蝦夷製作所」の社長である岡部がリーダーを務め、製作所の従業員もそのメンバーである。ウィルタ解放戦線の活動は、エゾへの密航や、ユニオン側の役人を買収して情報を得るなど様々であるが、最終的にはユニオンの塔を爆撃して破壊しようと計画する。これにはアメリカ軍の裏からの支援があった。
ヴェラシーラ
ヒロキとタクヤが中学時代から作成している飛行機。完成したら「憧れ」であるユニオンの塔へ飛行する予定である。機体は二人乗りで当初はヒロキとタクヤが乗る予定だった。だが、彼らのもうひとつの「憧れ」である同級生のサユリが眠り病にかかってしまい、彼女を眠りから目覚めさせるためにヒロキとサユリだけが搭乗することとなる。
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目次 - Contents
- 『雲のむこう、約束の場所』の概要
- 『雲のむこう、約束の場所』のあらすじ・ストーリー
- 『雲のむこう、約束の場所』の登場人物・キャラクター
- 藤沢 浩紀(ふじさわ ひろき) / ヒロキ
- 沢渡 佐由理(さわたり さゆり) / サユリ
- 白川 拓也(しらかわ たくや) / タクヤ
- 岡部(おかべ)
- 富澤 常夫(とみさわ つねお)
- 笠原 真希(かさはら まき)
- 有坂(ありさか)
- 水野 理佳(みずの りか)
- チョビ
- 『雲のむこう、約束の場所』の用語
- ユニオン
- ユニオンの塔
- 平行宇宙
- ウィルタ解放戦線
- ヴェラシーラ
- 『雲のむこう、約束の場所』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「…ずっと、…ずっと、探してた…」
- 「サユリを救うのか、世界を救うのかだ。」
- 「なんでもいいけどさぁ…お前たち死ぬなよなぁ、めんどくせぇから。」
- 『雲のむこう、約束の場所』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 映画の「その後」を書いた小説版
- 映画のモデルとなった場所
- 猫の「チョビ」
- 『雲のむこう、約束の場所』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:川嶋あい『きみのこえ』
- オリジナルサウンドトラック
- 1. 「メインテーマ」
- 2. 「日常」
- 3. 「駅」
- 4. 「サユリ」
- 5. 「二人の計画」
- 6. 「もう一つの夢」
- 7. 「希望と憧れ」
- 8. 「遠い約束」
- 9. 「サユリの旋律」
- 10. 「兆候」
- 11. 「無垢」
- 12. 「夏の終わり」
- 13. 「探求」
- 14. 「世界の見る夢」
- 15. 「誰もいない場所」
- 16. 「孤独」
- 17. 「襲撃~眠り姫」
- 18. 「ひとときの再会」
- 19. 「永遠の夏」
- 20. 「二人の葛藤」
- 21. 「サユリの世界」
- 22. 「タクヤの決意」
- 23. 「ヒロキの旋律」
- 24. 「開戦~ヴェラシーラ」
- 25. 「雲のむこう、約束の場所」
- 26. 「きみのこえ」(歌手❤=川嶋あい)
- 27. 「パイロット版「雲のむこう、約束の場所」」
- 『雲のむこう、約束の場所』の関連動画