アメリ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『アメリ』とは、2001年に公開されたフランス映画。監督は『エイリアン4』のジャン=ピエール・ジュネ。アメリ役は『ダ・ヴィンチコード』出演のオドレイ・トトゥ、相手役のニノは『アサシン』に出演したマチュー・カソヴィッツである。22歳のアメリはアパートで一人暮らししながらカフェで働く。ある日、40年前に自分の部屋に住んでいた男のタイムカプセルを偶然見つけ、男に返してあげるという挑戦に成功。その後、スピード写真の撮影機の前で不思議な青年ニノに出会う。2001年カルロヴィヴァリ国際映画祭グランプリ受賞。

『アメリ』の概要

「アメリ」(原題: Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain, 「アメリ・プーランの素晴らしい運命」)は、2001年4月に公開されたフランス映画である。パリのモンマルトルを舞台に、主人公アメリ・プーランの少し奇妙な日常と恋愛物語が繰り広げられる。

フランスで国民的大ヒットを記録し、2001年カルロヴィヴァリ国際映画祭グランプリを受賞した。ストーリーだけでなく、セットや登場人物のファッションにもこだわりが溢れており、可愛らしい魅力で女性に人気が高い映画である。また、ジャン=ピエール・ジュネ監督ならではのユーモアや登場人物たちの独特のキャラクターが面白く、根強い人気が続いている。

アメリは、モンマルトルのカフェ「ドュ・ムーラン」で働いていて、作戦を立てて周囲の人にちょっとした幸せをプレゼントするのが楽しみだった。そんなある日、捨てられた証明写真の収集を趣味とするニノに出逢って一目惚れをするが、不器用なアメリはなかなか直接会う勇気が持てない。骨がもろい病気を抱える「ガラス男」のレイモンに勇気をもらったアメリは回りくどい作戦を立てるのをやめ、現実に立ち向かう。

『アメリ』のあらすじ・ストーリー

内気な少女アメリ

元教師である母親アマンディーヌと、冷淡な性格の元軍医である父親ラファエルに育てられたアメリ。冷淡な父親ラファエルとの関係は希薄であり、父親に触れられるのは月に一度の検診の時だけだった。
触れられることに慣れていないアメリは、検診の度に心臓が大きく鼓動を打った。
アメリの心音を聞いた父親は、アメリの心臓が悪いのだと勘違いして学校に登校させず、アメリは他の子どもたちと遊ぶ機会を失ってしまう。勉強は、母親のアマンディーヌに厳しく教えられていた。遊び相手は、アメリ自身の空想の中の住人だけである。そしてある日、母親アマンディーヌは、大聖堂寺院から落下してきた自殺者に衝突して亡くなってしまう。
このような子供時代を送ったためか、アメリは想像力豊かな反面、コミュニケーション不全な子へと育っていく。

アパートで発見した宝物

22歳になると、アメリは実家を出てアパートで一人暮らしを始めた。元サーカス団員が経営するモンマルトルのカフェ「ドゥ・ムーラン」で働く。オーナーのマダム・シュザンヌ、従業員のジーナやジョルジェット、売れない小説家イポルトや嫉妬深いジョゼフ等、個性豊かな面々に囲まれて平和ながらも穏やかな日々を送っている。
アメリはクレーム・ブリュレの表面をスプーンで割ることや、サン・マルタン運河で石の水切りをすること等が好きで、そのような自分なりのひそかな楽しみもあった。
ある日、ダイアナ妃の事故死のニュースに驚いたアメリは、香水瓶の蓋を落としてしまう。
そして、香水瓶の蓋が転がってぶつかった先のタイルの中から小さな箱を見つけた。中に入っていたのは、誰かが子供時代に隠した宝物だった。スポーツ選手の白黒のブロマイドや古びたおもちゃ等、ずいぶん年季のはいった宝物である。
誰のものか調べて持ち主に返してあげようと思い立ったアメリは、アパートの管理人のマドレーヌ・ウォラスからある男の子が40年前にこの部屋に住んでいたという情報を聞き出す。

アメリの秘密の行動

アメリは食料品店のコリニョンの両親から40年前に住んでいたのは「ドミニク・ブルドトー」という人物であると知らされる。「ドミニク・ブルドトー」という名前の街の住人を、次々と尋ねるが探している本人は見つからない。ある日、アメリと同じアパートの住人であるレイモン・デュファイエルに、「ブルドトー」ではなく「ブルトドー」だと教えられる。レイモンは、骨がガラスのようにもろく、何かを握っただけで骨が崩れてしまう病気を患っているため「ガラス男」と呼ばれていた。彼はアメリにシナモン入りのホットワインをくれ、自分が描いたルノワールの絵の模写を見せてくれた。こうして、二人は仲良くなる。
周囲の人の協力によって持ち主のブルトドーを探し出したアメリは、街の公衆電話に宝箱を置き、ブルトドーが通りかかった瞬間を狙って公衆電話を鳴らして宝箱に気づかせるという作戦を決行した。運良く、大人になったブルトドー本人に箱を返すことに成功したアメリは「初めて世界と調和が取れた気がした」と感じる。
この頃から、アメリは人に幸せを与えることに喜びを見出すようになった。アメリは、実家の庭のドワーフ人形を父親に内緒で世界旅行させ写真を家に送ったり、戦場へ行ったまま帰らない夫の手紙を待ち続けるマドレーヌには、捏造した夫の返事を送り幸せな気持ちにさせたりした。ジョルジェットとジョゼフの恋のキューピットになったのもアメリである。
また、盲目の老人に街の様子を楽しそうに言葉で伝えながら道案内をしたり、時には意地悪な八百屋のコリニョンをこらしめたりもする。これらをアメリが仕組んだことだということは誰も気づかないが、アメリはそれでも幸せだったのだ。

ニノとの出会い

ある日、アメリに気になる男性が現れた。捨てられた他人の証明写真を収集する趣味を持つニノである。証明写真機の前でしゃがみこむニノを目にしたアメリは、一目惚れをし大きく心臓を高鳴らせた。
ニノは、突然何かに気づいて走り出し、その際に証明写真のコレクションアルバムを落としてしまう。アメリは、落としたアルバムを返そうと走って追いかけたが結局、追いつかなかった。
ニノの置き忘れた証明写真のアルバムを手に入れたアメリは、様々な作戦を立てて返そうとする。しかし、ストレートにアプローチする勇気のないアメリは、謎のメッセージを作って送ったり遠回しにヒントを与えたりすることしか出来ない。
公衆電話にニノを呼び出して電話口でヒントを与え、遊園地の中の舗道に矢印を書く等し望遠鏡まで導いて、ニノがその望遠鏡を覗くとアルバムが見つかるという仕掛けを作る等の奮闘の末、ついに、アルバムを返すことは出来た。その中に、怪盗の仮面をかぶったアメリ自身の写真を入れておいた。しかし、まだ直接会って話す勇気が出ない。
ガラス男のレイモンは、直接的なアプローチが出来ないアメリを心配し、ルノワールの模写の中の女性にアメリを投影しながら、「他人の幸せを考えるのはいいが、自分の人生に向き合えているのか」と助言した。

アメリに訪れた幸せ

内気なアメリ(奥)は、ニノ(手前)のことが気になっても、声がかけられない。

ニノは、アルバムに入っていた送り主の写真を頼りにアメリを探し回った。そして「ドゥ・ムーラン」にニノを呼び出すことに成功したアメリは、ニノにアルバムに入れたアメリの写真を見せられ「君だ」と言われるが緊張のあまり首を振って否定してしまう。困ったアメリは、ジーナに頼んで自分の住所を書いたメモをニノの上着のポケットに入れてもらう。
こらしめたはずのコリニョンはまたリュシアンをいじめ始め、せっかく結ばれたジョルジェットとジョジェフは仲違いしてしまう等、少し上手くいかなくなったアメリに追い打ちをかけるように、ニノとジーナが一緒に出掛けたことをジョゼフに知らされる。しかし、ジーナは帰り道にニノと話をし、アメリにふさわしい男性かどうかをことわざクイズで試しただけだった。ジーナの家の家訓には「ことわざを知っている人に悪い人はいない」とあるからだ。

そして、ようやくニノはアメリのアパートに辿り着く。
アメリは、部屋に同居人である「ガラス男」のレイモンからビデオメッセージが設置されていることに気づいた。ビデオには「おまえの骨はガラスのようにもろくない。思い切って人生にぶつかっても大丈夫だ。もし、おまえがこのチャンスを逃したら、時は過ぎ、おまえの心はわしの骨のように、すっかり乾いてもろくなってしまう。さあ、彼の元へ行きなさい」と話すレイモンが映っていた。
一度は、部屋に入れることを拒んだものの、レイモンの言葉に背中を押されたアメリはついにドアを開け、自分からニノの首筋や顔にキスをする。
直接、現実と対峙することを恐れていたアメリだったが、勇気を出したアメリはニノと結ばれた。

『アメリ』の登場人物・キャラクター

アメリ・プーラン

アメリ・プーランは、1973年9月3日18時28分32秒に受精し、9カ月後に誕生した。冷淡な父親のラファエルと、神経質な母アマンディーヌに育てられる。軍医である父親に心臓病と勘違いされたことで、学校に行かない子供時代を送ったため、空想の世界に逃避するようになり、想像力豊かな反面、コミュニケーションが不得意な女性に成長した。好きなことは、豆袋に手を突っ込むこと、クレーム・ブリュレの表面をスプーンで割ること、石で水切りをすること。

1人暮らしを始め、モンマルトルのカフェ「ドゥ・ムーラン」で働くようになる。ある日、ダイアナ妃の交通事故死のニュースに驚き香水瓶の蓋を床に落としてしまったが、フタが転がった先のタイルの裏に箱を発見する。箱は、この部屋の昔の住人であった少年が隠したらしく、おもちゃやブロマイドが入っていた。箱を持ち主に返すことを決意したアメリは、八百屋のコリニョンの両親から「ドミニク・ブルドトー」という人物の宝物であるという情報を聞く。情報を頼りに3人のドミニク・ブルドトーを訪ねたが、なかなか本人は見つからない。同じアパートに住むガラス男のレイモンから、「ブルドトー」ではなく「ブルトドー」だということを教えてもらい、本人にたどり着くことが出来た。

アメリは直接渡すことはせず、電話ボックスに箱を置きブルトドーが通りすがる瞬間に離れたところから電話をかけ、電話ボックス内にブルトドーを誘導し、箱を見つけさせることに成功する。ブルトドーの喜ぶ姿を見て、他人を幸せにする行為に喜びを見出すようになった。その後、妻の死から自分の世界に引きこもるようになってしまった父、八百屋の店主のコリニョンに意地悪ばかり言われているリュシアン、愛人とともに南米に逃げてしまった後交通事故死した夫を思い続けているマドレーヌ等、街の人に幸せを与える行為を続けた。

駅のスピード写真機に捨てられた証明写真を収集する癖のあるニノに一目惚れしてしまう。ニノが落としていった証明写真のアルバムを返そうと、あらゆる作戦を立てて行動するも、奥手なアメリは自分の姿を見せることを拒んでしまう。

ニノとの縁が切れてしまいそうになるが、ガラス男のレイモンから「彼の元へ、行きなさい」というビデオメッセージを贈られ、勇気づけられたアメリはニノを部屋に迎え入れる。こうして、二人は恋人として結ばれることとなる。

女優オドレイ・トトゥが演じた。主演映画『エステサロン/ヴィーナス・ビューティ』がフランスでヒットした。『アメリ』出演後は『ダヴィンチ・コード』のソフィー役を演じたことで有名である。

ニノ・カンカンポワ

ニノ・カンカンポワは、スピード写真機で捨てられた証明写真を収集することが趣味。昔は、人の笑い声を録音したり、足跡を収集したりしていたという過去があり、特殊な趣味を持つ男である。少年時代はクラスメイトにいじめられていた。孤独を感じていたニノは、アメリが兄を求めていたのと同じように妹を求めていた。夜警やサンタのコスプレをするアルバイトを経験している。

現在は、アダルトグッズのショップで働き、水曜日は遊園地のアトラクションで骸骨役のアルバイトをしている。

ニノは、いたるところの証明写真機に写真を残していた男を目撃して追いかけるが、その時、証明写真のコレクションのアルバムを落としてしまう。アルバムを拾ったアメリからモンマルトル公園に来るようにとメッセージが届き、公園の地面に描かれた矢印を辿って、行きついた先の双眼鏡をのぞくと、アメリがアルバムをニノのバッグにしまっていた。

様々なメッセージやヒントを送ってくるアメリのことが気になりはじめ、アメリからの指示通りに行動するが、アメリはなかなか面と向かって会ってくれない。アメリの同僚であるジーナからアメリの自宅の場所を聞いて、家を訪れるがアメリは出てこなかった。一度は帰ろうとしたものの、また引き返したニノは、ちょうどニノを探しに出ようとしていたアメリと玄関でばったり会った。

俳優・映画監督として活躍するマチュー・カソヴィッツが演じた。父親は映画監督ペテ・カソヴィッツである。1990年頃から長編映画を撮り始め、1995年にはフランスのスラムに住む若者を描いた映画『憎しみ』が大ヒット。セザール賞、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した。

レイモン・デュファイエル(ガラス男)

レイモン・デュファイエルは、アメリと同じアパートの住人であり画家である。骨がもろく握っただけで折れてしまう病のため、「ガラス男」と呼ばれている。家の中の家具は布で覆っており、20年間外出しない生活を続けている。ルノワールの絵の模写を続けており、年に1枚ずつ描き続けている。

40年前にアメリの部屋に住んでいた「ドミニク・ブルドトー」をアメリが探していることを知り、アメリに「ブルドトー」ではなく「ブルトドー」であることを教え、アメリを自宅に呼んで話をするようになる。アメリがあらゆる作戦を立て周囲の人を幸せにしていることを知るが、自分の現実の幸せを求めることを知ってほしいと思っている。「舟遊びの昼食」の少女について語りながら、その中でアメリに対してアドバイスをする。

ニノに対して積極的になれないアメリにビデオメッセージを贈り、アメリとニノが直接結ばれるきっかけを与えた人物である。ビデオメッセージのセットにはリュシアンが協力した。物語の途中、リュシアンの吃音(どもる癖)が治るよう練習に付き合ったり絵を教えたり世話を焼くようになる。最後には、それまで描き続けてきたルノワールの模写ではなく、オリジナルの画風で絵を描くようになる。

俳優セージ・マーリン(フランス名:セルジュ・メルラン)が演じた。1995年の『ヴィクトル・ユゴー 笑う男 』や2012年『ロスト・チルドレン』等に出演する。

simisao
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@simisao

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