ほしのこえ(新海誠映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ほしのこえ』とは、2002年に公開された、新海誠の初の劇場用作品でもある短編アニメーション映画。女性の声優以外のほぼ全ての作業を新海1人が行い、彼の作品が注目されるに従い本作の知名度も上がっていった。キャッチコピーは「私たちは、たぶん、宇宙と地上にひきさかれる恋人の、最初の世代だ。」。
地球外生命体の調査のため地球を発つ長峰美加子。地球で彼女の帰りを待つ寺尾昇。2人はメールで連絡しながら再会を待ち続けるが、流れる時の違いと光の速さで数年かかる距離が、その絆をゆっくりと引き裂いていく。
『ほしのこえ』の概要
『ほしのこえ』とは、2002年2月2日に東京都世田谷区下北沢のミニシアター下北沢トリウッドで公開された、新海誠の初の劇場用作品でもある短編アニメーション映画。
女性キャラクターの声優以外のほぼ全ての作業を新海1人が行ったことでも知られている。25分と短い作品ながら、SFとしても悲恋物としても必要な情報が十分に詰め込まれた濃密な内容となっており、公開当時から高い評価を受けた。アニメ監督としての新海の評価が上がっていくに従って本作への注目も上がり、小説版や漫画版なども制作され、"新海誠の原点"として知る人ぞ知る作品となっている。キャッチコピーは「私たちは、たぶん、宇宙と地上にひきさかれる恋人の、最初の世代だ。」。
2039年。火星で発見された異星文明の遺跡の調査中、突如現れた地球外生命体タルシアンによって人類は甚大な被害を受ける。この緊急事態に対し、人類は遺跡から発見された超技術を利用した人型兵器トレーサーを開発。タルシアンの調査を目的とするリテシア艦隊を編成し、外宇宙に乗り出そうとしていた。
中学3年生の長峰美加子(ながみね みかこ)は、トレーサーの操縦者に抜擢され、リテシア艦隊に参加することとなる。美加子と淡い想いで結ばれていた寺尾昇(てらお のぼる)は彼女の帰還を地球で待ち続けるも、流れる時の違いと光の速さで数年かかる距離が、2人の絆をゆっくりと引き裂いていく。
『ほしのこえ』のあらすじ・ストーリー
リテシア艦隊の結成
2039年。火星で発見された異星文明の遺跡の調査中、突如現れた地球外生命体タルシアンによって人類は甚大な被害を受ける。この緊急事態に対し、人類は遺跡から発見された超技術を利用した人型兵器トレーサーを開発。タルシアンの調査を目的とするリテシア艦隊を編成し、外宇宙に乗り出そうとしていた。
中学3年生の長峰美加子(ながみね みかこ)は、トレーサーの操縦者に抜擢され、リテシア艦隊に参加することとなる。美加子と淡い想いで結ばれていた寺尾昇(てらお のぼる)は彼女の帰還を地球で待ち続けると約束し、2人は携帯電話のメールアドレスを交換。日々の想いをメールに託して連絡を取り合おうと考える。
彼方より届く声
地球を発ったリテシア艦隊は、外宇宙へと向けてハイパードライブ(ワープ)を繰り返していく。それは光の速さで移動する美加子に取っては数日の出来事でしかなかったが、地球で待つ昇に取っては年単位の出来事だった。
美加子は日々の出来事を昇に向けて何度もメールし、彼とのやり取りをタルシアンとの戦いの中で自分を見失わないための拠り所としていた。しかし1通のメールを受け取るのに何日も何週間も待ち、その都度「リテシア艦隊は自分たち地球に生きる人々のためにタルシアンと命懸けで戦っている、これが美加子から送られてくる最後のメールかもしれない」との想いに昇は苦しみ続ける。
やがてリテシア艦隊はタルシアンの襲撃を受け、その追撃から逃れるためにハイパードライブを決行。地球から1光年離れた場所へと辿り着く。美加子は心細さから昇にメールを送り続けるも、自分が美加子の遺言を受け取る立場になるかもしれないと考えた昇は、その責任の重さに耐え兼ねて携帯電話を見なくなってしまう。
リテシア艦隊はその後さらに一方通行のワープポイントを利用して移動を続け、地球から8光年先の地点へと辿り着く。美加子は昇からの連絡が無いことに落胆しつつ、「昇くんのことが好き」と素直な想いを認めたメールを地球に送るが、そのタイミングでタルシアンの大群の襲撃を受ける。僚機が次々と落とされ、艦隊も致命的な被害を受ける中、美加子は大型のタルシアンに捨て身の攻撃を仕掛ける。
中学校を卒業してから8年の年月が流れた地球で、昇は24歳になっていた。その間に様々なことを経験した昇は、美加子とのつながりをもう1度再生させたいと考えるようになり、彼女とのやり取りに使っていた携帯電話を再び持つようになっていた。そこに美加子が8年前に送ったメールが届き、ノイズが走ったその文面を見て、昇は無力感に苛まれながらも彼女がどんな想いでこれを送ったのか、今も生きているのかと様々な想いに打たれるのだった。
『ほしのこえ』の登場人物・キャラクター
主人公
長峰美加子(ながみね みかこ)
CV:篠原美香(オリジナル版)/武藤寿美(声優版)
演:小松未可子/根岸愛/新垣里沙
中学3年生の少女。経緯は不明だがトレーサーの操縦者として抜擢され、リテシア艦隊に参加する。
昇に淡い想いを抱き、いつ戦端が開かれて自分が死ぬかも分からない過酷な旅の中、彼とのメールを心の拠り所にしていく。
寺尾昇(てらお のぼる)
CV:新海誠(オリジナル版)/鈴木千尋(声優版)
演:井上正大/河原田巧也/梅原裕一郎
美加子の同級生の少年。彼女とは互いに淡い想いを抱き合っており、地球を発つ彼女とメールしてやり取りすることを約束する。
しかし「もしかしたら自分は美加子の最期の言葉を受け取る立場になるかもしれない」という責任の重さと、人類のために過酷な旅路を続ける彼女に何もしてやれないという無力感から、1度は携帯電話を手放す。その後24歳にまで成長し、様々なことを経験した末に、「もう1度美加子と向き合いたい」と考えるようになる。
小説版オリジナルキャラクター
北條里美(ほうじょう さとみ)
リテシア艦隊の一員。歳の近い美加子と友人になる。
ロコモフ司令官
リテシア艦隊の旗艦であるリテシアの艦長。
高鳥瑤子(たかとり ようこ)
美加子が地球を発った後、昇が一時期付き合っていた後輩の少女。昇の心が美加子に向いていることに気付き、別れる。
漫画版オリジナルキャラクター
ミワ
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目次 - Contents
- 『ほしのこえ』の概要
- 『ほしのこえ』のあらすじ・ストーリー
- リテシア艦隊の結成
- 彼方より届く声
- 『ほしのこえ』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 長峰美加子(ながみね みかこ)
- 寺尾昇(てらお のぼる)
- 小説版オリジナルキャラクター
- 北條里美(ほうじょう さとみ)
- ロコモフ司令官
- 高鳥瑤子(たかとり ようこ)
- 漫画版オリジナルキャラクター
- ミワ
- ヒサ
- 真枝若菜(まえだ わかな)
- 『ほしのこえ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 美加子「ねえ、私たちは、宇宙と地上にひきさかれる、恋人みたいだね」
- 昇「でも想いが、時間や距離を越える事だって、あるかもしれない」
- 『ほしのこえ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 映画版とそれ以外の媒体で異なる名前の表記
- 『ほしのこえ』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:Low(みずさわゆうき)「THROUGH THE YEARS AND FAR AWAY (HELLO, LITTLE STAR)」